野﨑まどのレビュー一覧
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「小説を、心の栄養に。」とのコンセプトで、様々な作家の小説やエッセイ、詩や対談を掲載した文芸誌の第2号。
今回の特集テーマは「悪」となっている。
前作の特集テーマ「愛」よりも、個人的には読みやすい作品が多かった。
「悪」というテーマゆえか、ミステリーの要素がある物語や、ブラックな内容の話が多かったからなのかもしれない。
テーマは同じでも色々なジャンルの「悪」があるのを楽しむことができる。
また、「サンクトペテルブルクの鍋」はいくつかの舞台が代わる代わる登場して混ざっていくような混沌としたもので、おそらく自分で選んで手に取ることはなさそうなタイプだった。
正直読むのにはかなり時間がかかり、内容も難しかった。けれど、自分の意思だけでは出会えないであろう物語を読むことができるのは、様々なジャンルを掲載している文芸誌ならではの醍醐味だ。
どれも読み切りで楽しめる作品でありつつ、今作は続きがWebで連載予定と書かれているものもあった。
木爾チレンさんの「あの子にしか行けない天国」は10月に単行本の出版が予定されているそうだ。
短編として楽しんだ上で、読みたい人は続きを改めて読むことができるというのも、文芸誌ならではの興味深い試みだと感じる。
また、前作の文芸賞で大賞・特別賞を獲った方々の作品が今作でも掲載されていて、文芸誌を継続して読むからこその楽しさがあった。
一冊でかなりボリュームがあるので、今後のシリーズもじっくり時間をかけて読んでいきたい。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ表紙のイメージで勝手にAIと登山の話だと思ってて、読んだら全然ちがった…!
世界の説明があるわけじゃないのに、家の描写や主人公のAIの使い方の描写なとで、
そ!そんなにAIが進んだんだね!すごい未来だ…!って、すーっと世界観に入り込めた!文才だとおもった!
そんなAIにまさかの鬱病の診断が下りるの。すごい展開になってきた。
途中ドラマチックなシーンもありつつ、AIとのカウンセリングで出した『仕事とは』の答えはすごく納得した。わたしも読みながら一緒に考えてたけど、仕事って、そうかもな〜!
仕事って楽しいと言う人間カッコイイ。
働いている人はきっと影響与えられる、前向きに。 -
Posted by ブクログ
芸大に通う映画好きの二見。
映画サークルから、自主制作映画への出演を打診される。
参加の決め手となったのは、渡された絵コンテだった。
それを描いたのは天才、最原最早(さいはらもはや)。
大学1年である彼女が、監督も務めるという。
最早の作る映画を観てみたいと強く感じた二見は、出演を決めた。
そして、チームでの撮影がスタートする。
とにかく読み終えて感じたのは、ある登場人物の不気味さと、映画好きの人たちでこんな設定の物語にするのか…という、作者野崎さんへの怖さだった。
後半で分かる事実には、映画とは、映像作品とはいったい何なのだろうとモヤモヤしてしまう。
冷水を浴びせられたような感覚の一方で、シンプルな青春ストーリーではない、斜め上の展開にワクワクしてしまった自分もいる。
そんな複雑な魅力のある一冊だった。
この「アムリタ」をスタートに、シリーズのように作品が繋がっていくとのことなので、この先も怖さと胸の高鳴りを抱えつつ見届けたい。
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Posted by ブクログ
●受け取ったメッセージ
「小説」は、どこまでも自由に「嘘」をつける。作品自身が現実世界(風)の物語とファンタジーを接続させ、実演した。現実世界(風)で終わらせれば、ただ二人の友情のいい話だったが、それを超えて小説の可能性を見せている構造が実験的で注目すべきところ。「読むだけではダメなのか?」その答えは「読めば自分の中がふくらむのだから読むだけでいい」。目的のない読書の価値を提示してくれる一冊。
●本概要
2025年本屋大賞第3位
「キノベス!2025」第3位
『ダ・ヴィンチ』(2025年2月号)今月の絶対外さないプラチナ本!
第8回ほんタメ文学賞2024年下半期あかりん部門受賞!
「物語に救われ、読書に呪われた」
君はなぜ、小説を読むのか?
小説って楽しいし、小説ってなんだろうと考えさせられもした。この気持ちを読んだ人と共有したい。――凪良ゆう
髭先生、いいよね!ーー森見登美彦
「なぜ小説を読むのか?」の答えは小説好きも小説嫌いも頷かざる者あらんやというほど見事。――青崎有吾
読者を唖然とさせる飛躍とどんでん返しが待っていて、「小説」の意味を痛切に問い直す。――小川哲
この物語は、ストレートな小説賛歌である。――斜線堂有紀
何もかも投げ出して小説に没頭するうしろめたさを知るすべての人に捧げたい傑作。――大森望
小説を愛するすべての人に届くべき作品。――けんご
【あらすじ】
五歳で読んだ『走れメロス』をきっかけに、内海集司の人生は小説にささげられることになった。
一二歳になると、内海集司は小説の魅力を共有できる生涯の友・外崎真と出会い、二人は小説家が住んでいるというモジャ屋敷に潜り込む。
そこでは好きなだけ本を読んでいても怒られることはなく、小説家・髭先生は二人の小説世界をさらに豊かにしていく。
しかし、その屋敷にはある秘密があった。
読むだけじゃ駄目なのか。
それでも小説を読む。
小説を読む。
読む。
宇宙のすべてが小説に集まる。