野﨑まどのレビュー一覧

  • バビロン1 ―女―

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    ただただ面白い。最後の最後まで先が気になってしょうがなかった。非常に高いリーダビリティと、一見その可読性に反するような重厚感のある捜査パート。巨悪に食いつく特捜部検事正崎善と文緒の軽妙なやりとりと、次第に見えてくる「女」の存在。謎と謎とがなかなか繋がらず、全てが繋がるときには既に・・・・・・。中盤以降の衝撃の連発と、後半の迫り上がる感情の揺さぶりは他の作品でなかなか味わえるものではない。現代のバビロンたる新域が象徴するものがなんなのか、正義がわからなくなる物語の序章。続きを読まずにはいられない。

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    2018年01月06日
  • [映]アムリタ

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    『読み終わった時に残ったこのなんとも言い難い気持ちも仕掛けられたものなのかもしれない』

    映画をモチーフにした小説で好きな物は双桑綴の「モノジェニック・ムービー」がある。その作品を彷彿とさせるような、後味の悪さがある。

    表紙に騙されるというか、全てが仕組まれているんじゃないかって思わされる。

    私が私自身でこの感情を抱いているのか、抱かされているのかそれを確かめるすべがない。

    もしもこの作品を読もうとするのならば、わかろうとしないことだ。わからないまま読む、それが一番面白いと思う。わかる?

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    2017年12月22日
  • 舞面真面とお面の女

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    何しろ謎解きだと思っていたら
    謎解きではない という
    着地点に驚かされます
    真面は 「人でなし」に
    なってます
    小粋で軽妙な会話だけでも
    楽しめる小説です
    ヒロイン水面ちゃんが
    大化けして欲しかったなぁ
    やはり 美女には
    大暴れしてもらいたいのです

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    2017年12月19日
  • バビロン3 ―終―

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    サブタイトルが「終」なので最終巻かと思ったら、まだ続いてた。
    舞台は一転してアメリカに。話の中心となる大統領のキャラを丹念の描いてる。そしてサミットにおける善悪に関する議論は面白かった。それだけにものすごく後味が悪い。
    このお話はどこに着地するんだろう。

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    2017年12月02日
  • バビロン3 ―終―

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    読み終える。タイトルを見直す。そして、絶望が背筋を襲う。

    なんだこれは、哲学なのか、宗教なのか、野﨑まどはどこに向かっているんだ。最後の30ページほどで味わわされる、知的快感と嫌悪感。これだけ心をぞわぞわさせる読書は久しぶりだ。

    日本で提唱された「自殺法」の思想が世界に広がりつつある中、対応を検討するサミット首脳たち。その思想実験とも言える過程は、考えることが好きな人間として軽い興奮すら覚える。そしてそれをすべて塗りつぶす曲世愛という“存在”。神でも悪魔でも良いが、圧倒的な存在とは人をここまで打ちのめすか。

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    2017年11月23日
  • バビロン2 ―死―

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    うわぁ、なんか、すごい…
    曲世に犯される、という表現になんかぞわぞわして、最後は正崎さんと同じように祈る気持ちでページをめくり、絶望する。
    真逆の人、でも、その人とだけ、分かり合えるのかもしれない。いや、どうかな。でも、そうなのかな。
    考え続けてその先が理解だとしたら、それはどこに行き着くのだろう。

    二巻、三巻出るまで読まなくて良かった…(発狂するところだった

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    2017年11月23日
  • ファンタジスタドール イヴ

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    え?これアニメだと美少女日常系なの?嘘でしょ?と感じてしまった、「ファンタジスタドール」というアニメの前日譚を書いた小説。アニメは見ていないのだが、これを読んでいるとてっきり鬱々としたSF作品かと思った。

    そう、本作はエンタメSF版私小説とでも言おうか、根暗な主人公の一人称で語られる展開や言葉選びや音引きの使い方など、大正期から昭和初期の純文学を思わせるのだ。その癖読みやすいのだから、著者の筆力に脱帽だ。

    男女間に限らない、情愛と心の距離と体の変化、その機微もよく描かれ心が痛む。

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    2017年09月19日
  • バビロン2 ―死―

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    この読後感……最悪。そして、最悪という感情を植え付けてきた作品に敬意を表する。

    サスペンスとミステリーと政治ドラマが渾然一体となって物語を推し進めた結果、圧倒的な「死」を以って第二幕の緞帳が下りた。これもある意味のどんでん返しだろう。

    「死の権利」という、社会性の中で考えさせられるものをその有り無し両面から提示し読者に考えさせる一方で、最悪の死そのものを描写する。この二面性を抱えたまま、さてこの先どのように物語を展開&収束していくのか。目の離せない作品になってきた。‬

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    2017年08月15日
  • 死なない生徒殺人事件 ~識別組子とさまよえる不死~

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    不死の方法が
    2種類あるのが 斬新だなぁ
    頭脳のみ生き続ける
    「バケモノじみた」方法と
    「本当のバケモノ」

    女学生たちに振り回される
    伊藤先生と同じく
    真相が分かるたびに
    あんぐり・・・と口があいて
    最後にもう一回どーーんと
    底からひっくり返されます

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    2017年08月02日
  • 2

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    過去作から順番に読んだ方が良いと勧められて読んだが、まさにその通りだと感じた。
    単に過去作のキャラクターが出てくるという代物ではなく、それぞれの物語、テーマが本作の重要要素として織り込まれている。
    本作を完成形として、逆算して過去作を書いていたとしか思えない見事な作り込みだ。最初から掌の上で踊らされていたような感覚すら覚える。

    ミステリとして読んだら納得いかないだろうが、これはどちらかと言えばSFだ。
    ラノベ調といつもの超展開を受け入れる必要はあるが、中身は深遠なテーマを取り扱う読み応えのある作品である。

    隠れシリーズ物の完成度としては、随一ではなかろうか。

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    2017年07月17日
  • BLAME! THE ANTHOLOGY

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    鴨が偏愛するコミック・アーティスト、弐瓶勉氏の代表作「BLAME!」を元ネタに、現代日本を代表するSF作家が腕を振るった二次創作アンソロジー。
    「BLAME!」を読んだことのある方ならお分かりの通り、あの作品は世界設定が全てです。その世界の中で、どれだけ物語を展開できるかが腕の見せ所なわけで、プロのSF作家としても面白いお題だったんじゃないかと思いますねー。収録された5作品は、どれも全く異なるテイストの作品でありながら、ちゃんと「BLAME!」の世界の中で展開しており、なおかつ幅広いイメージを読者の眼前に提示します。「BLAME!」の世界観の揺るぎなさ(換言すると、細かいところは各自の想像に委ねても問題ないぐらい必要最小限で柔軟な初期設定)がよくわかる、「BLAME!」ファンにはたまらない作品集ですね。

    一方で、「BLAME!」を読んだことが無い人にとってどうか、という視点では、結構ハードル高そうな気が。あの世界観を肌感覚で理解していないと、よくわからないまま終わってしまう可能性も高いと思います。
    鴨的には、やはり酉島伝法・飛浩隆の両氏が圧巻。とんでもなく美しい舞台設定で魅せる酉島作品、圧倒的なタイムスケールで「悲恋もの」を描いてしまう飛作品。キャラクターが魅力的な九岡作品、ハードSFとして「こう来たか!」と唸らせる小川作品。いずれもさすがの読み応えです。
    ただなぁ、野崎まど作品が・・・orz 癖のある作家だということは事前知識で知ってはいましたけど、鴨はこれダメですわ(^_^;これが収録されていなかったら☆5つだったかなー。

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    2017年06月20日
  • 小説家の作り方

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    『アムリタ』『舞面〜』『死なない生徒〜』の中では一番完成度が高いと思います。
    オチも含めて綺麗に纏まってる。

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    2017年06月11日
  • BLAME! THE ANTHOLOGY

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    原作を知らないのに作家陣に興味があって購入。
    原作未読でも十分楽しめる作品もあったが、漫画も読んでみたい!

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    2017年05月13日
  • 独創短編シリーズ 野崎まど劇場【電子特別版】

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    超短短編集の第2集目迄読んだ。

    第1集目。しょうもない話を非常に手の込んだ編集デザインで披露した奇本。
    悪ふざけだけと思ったら最後に切ない話を持っこられて、まんまとやられました。

    第2集目
    無意識の先入観に捻りの効いたコークスクリューの数々 悪乗りを極めた先の純文学

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    2017年01月23日
  • 独創短編シリーズ2 野崎まど劇場(笑)【電子特別版】

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    カフェの軒先に置かれた一言メッセージ入りの黒板10日分だけで1話。
    大相撲の実況解説をフィギュアを使って(写真で)やりきる1話。
    巻末の広告枠を(文字通り)そのまま活用した館モノで1話。
    雑誌(他社含む)でボツになった原稿を載せたものが6話。
    あとはQRコードが文中に挿し込まれたり電子書籍の画面(読者コメント付き)が挿し込まれたり猫の写真(ただし猫は写っていない)だけ延々と続いたり、する一冊。

    筒井康隆が好きな人にオススメ。

    ライトノベルかくあるべし。

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    2016年12月24日
  • [映]アムリタ

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    こういうゆるーいラノベ口調やこそばゆいやりとりはあまり好きでは無いが、その背後にあるミステリ要素は非常に面白い。
    天才の思考の捉えどこの無さや不気味さなどホラー的な味わいがあって良いですね。

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    2016年06月24日
  • 2

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    あー、分かった。ワシはこの著者の文章が好きで、創作に対する考え方が好きで、それらの集束された本作(とそこに繋がる過去作)が大好きなんだ。芸術学部に身を置き、自身も周りも少なからず創作を志しそれに悩んだことのある身として、ある種の爽快感を持って読んだ。それは、創作についての答えを得たからではない。こういうアプローチもあるのではないかという選択肢/可能性を楽しんだ爽快感だ。創作の世界には間違いなく存在する「天才」を軸に据え、マジックリアリズムを織り交ぜつつも、その異常性を納得感ある物語に仕上げたのは、見事。

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    2016年06月06日
  • パーフェクトフレンド

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    ワシの名前は「友作」だが、文字通り、友達を(たくさん)作れる人、的な思いが込められている。幸いなことに今のところ名前負けをしていない自分では思っているが、もちろんワシだって「友達」を完全に論理的に説明することなど出来ない。だが本作の主人公はそれに挑み、その結果、逆説的に非論理的である友達の本質を悟る。女子小学生のフィルターを通したその著者の一連の思考はとても共感できた。マジックリアリズムと成長物語を足して回りくどい表現を使った、敢えて言うなら森見登美彦氏っぽさもある物語で、大変好み。

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    2016年06月06日
  • [映]アムリタ

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    大学生が自主制作映画を作ってわちゃわちゃする話・・・
    だと思って読んでいてほしい。

    最後にゾクッとします。

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    2016年05月05日
  • なにかのご縁2 ゆかりくん、碧い瞳と縁を追う

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    海外からのライバル登場編。
    全体的に、1巻目のような「縁結び。切れない縁」を主軸とするよりも「切りたくても切れない縁、繋ぎたくても繋げない縁」の縁結びや縁切りがメインに据えてある話が多いので、読後感としては切ない。

    なんやかんや説明パートなどでは小粋な野崎まど節ともいえる、他の作品にも共通するブラックジョーク的なものが多いけれど。
    ゆかりくんとローランの関係性、ユリシーズとローランの関係性、など、そういったところでこれまでにないくらいにストレートに友達、とか、コイツとこうなればいいな(明るい未来の展望)、とか、照れくさくなるくらいにすとん、と書かれていて、それがまた嫌みなくまっさらな感情から出ているものばかりで、一瞬お、おう、と気をてらわないことに不意をつかれる感じが強い。

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    2016年04月28日