野﨑まどのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
もう一年以上も前に読友さんにいただいた本書。
ようやく読めたよ!
いやあ、面白かった! こう来たか!
このゾクッとするラストの感じは、個人的には今まであんまり読んだことの無い種類の物語だなあ。
一筋縄ではいかない2度落ちの展開は中毒性が高そうだ。
それにしても、これがデビュー作というのは素直に感嘆する。
今まで「なにかのご縁」は読んだ事があったんだけど、作者の本領はこっちらしいので、他の作品もチェックしていきたい。
個人的には突っ込み属性の主人公と、とぼけるヒロインの会話が愉しくて好き。
ここは自分の好きな某作家さんに似ているなと思ってしまった。 -
Posted by ブクログ
ノンフィクションライターのphaさんがブログで「とてもうまい作家だ」と書いていたので、とっつきやすそうな短編集から手にとって見た。
多くのユーモアに共通する要素は「予定調和を裏切ること」だと思う。
・常識的に考えるとこうなりそうなのに、ならない
・文脈から推測するとこうなりそうなのに、ならない
・世界観に引き釣りこんだ上で、最後に重要な前提をひっくり返す
などなど。
本書の作品は、いずれも読者の予定調和を裏切るのが上手い。中身は風刺だったりブラックジョークだったりといろいろだが、我々が普段生活するのと同じようなシチュエーションに、違和感や非現実という石が投じられ、苦笑・爆笑につながる。
もちろん、発想がそもそも非凡なのも間違いない(モーゼとエジプト王パロとヤハウェが麻雀を打つというシチュエーションだけで十分面白い)。
良かった作品
白い虚塔
どんでん返し。本書の1番目の作品だが、冒頭からやられた。
Cafe Bleuetは元気です!
カフェの看板だけで語られる物語。断片的な情報にもかかわらず。裏側で人々にどういうことが起きてるのか映像で再生できるのがすごい。
麻雀出エジプト記
小ネタの一つ一つが面白くよどみ無い。難があるとすれば、麻雀放浪記(哲也でもいい)と聖書の出エジプトの知識が無いと意味不明なことくらいだろう。 -
Posted by ブクログ
小説、映画、ゲームにマンガ、アニメと、物語に触れていると、「こいつやばいやつだ……」というキャラに出会うことがあります。貴志祐介さんの『黒い家』なんかは、その典型です。
しかし、このバビロンに出てくる「曲世愛」(まがせあい)もかなりやばい。第一巻で彼女がしっかりと出てくるのは、取り調べを受けるシーンだけなのですが、それなのにやばさが伝わってくるのです。
具体的に何がやばいのか、と聞かれると、それはまた難しいのですが、強いて言うなら、つかみ所の無さ。主人公の検事の厳しい取り調べに対して、のらりくらりとかわし、いつの間にか自分のペースに持ってくる。そのかわし方が、なんとも言えない気持ち悪さなのです。言葉自体は無邪気な感じなのに、言葉の奥底に邪悪さが垣間見える、と言えばいいのでしょうか。
野崎さんの小説は、今までも普通の小説はもちろんライトノベルでもなかなか出てこなさそうな、キャラが出てきました。そのキャラたちに共通するのは常人の「理解の範疇を超えた」存在だと言うことだと思います。この曲世愛というキャラは、そんな野崎さんが生み出したキャラの黒い部分の集大成のような気がします。
一つの不審死から、始まった事件は大きな政治的な企み、そしてさらに思わぬ展開につながっていきます。二巻への引きも上手くて、次の巻へも思わず手が伸びてしまうのではないでしょうか。
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Posted by ブクログ
『怖い』
300ページを一気に読んでしまうことくらいざらにある。読み終わるのが惜しいと思う作品だってたくさん出会ってきた。でも野﨑まどの作品は違う。早く終わって欲しい。自分に主導権のない夢を永遠と見せられているような。まだ終わらないのか。まだ、読まなければならないのか、そんな恐怖が襲ってくる。
コミカルでもシニカルでもない、よくわからなければ、簡単に何かに例えてしまえるような、100円で買えるスナック菓子のような。騙されないと意気込みながら、300万を持って銀行のATMに走らされるような。わかりやすく例えようとするとなにも伝わらない。脳を洗われるような怖い。
『本を閉じて、私は』
安心した。ああ、よかった。と思った。大丈夫。私は、変わってない。その変化に気がつくことができない状態のままだ。冷静にこの小説が収まった場所に生きていられる。ああ、安堵している。
書きたいことがあるのだけど、全てが蛇足に思える。語りたいけれど、友達もいない。作法が、あれがこれがと言いたいこともあるけど、ここには書けない。
終わったと思わされていたとしても、それで構わない。私は多分感動したから。やっぱり、怖い。