唯川恵のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
みずみずしいエッセイを、さらりと読みました。
「始まらない恋、終わらない恋」に悩んでいるうちが花なのよ。
いいなー、うらやましいいなー、と。
若いっていうことにじゃなく、みずみずしいという感覚にです。
まあ、感性はあると思っているから、いいでしょうかね。
上品な優しい気持ちになる恋愛論です。
女性の側からの切ない想いがよく書いてあります。
男性の側からの気持ちも知りたいですね。あるかしら?
男の想いっていうのもきっとある。
そういえばそういう風なの読んだことないですねー。
このエッセイを読んで、結婚は別れても「終わらない恋」と似ているなーと思われました。
結婚と恋とが一致しないとしたらですが。
唯川恵さんの作品は2作しか読んでいないので、違っているかもしれませんが、
作風はもっと激しいものではないかと思うのですが。
結婚について書いていらっしゃる「ベター・ハーフ」を読まなくては。 -
Posted by ブクログ
結婚は逃げられない罠なのか?
それはちょっと哀しい。
唯川恵さんの作品はこれで4冊目。
私が感じる作風、20代30代の女性の行動心理にはとても深いが、その他の世代の女性にはちょっと辛口。
また結婚という制度にも辛辣。若い女性のせつない恋愛心理描写は抜群。
あらすじをすこし。
結婚式当日、ウエディングドレス姿の花嫁控え室で夫になる人の元彼女が、手首を切って騒動が始まる。
こんなことがあっても結婚式は止めない。こだわった豪華なせっかくの結婚式だものと。
当然新婚旅行もギクシャク。成田離婚かと思うと、皮肉な事情で結婚生活が始まってしまう。
詳しくは書かないが離婚の危機の数々をくぐりぬけ、そして10年。女の子も一人儲け、こんな夫婦はざらにいるのではと思わせるよの姿。ここらへんの筆力はうまい。結婚40年のばあチャルからみてもそんなことあるあるという事象がつぎつぎと、笑ってしまった。
しかし時代だからというのか、不倫が大手を振っている風潮(フィクションでも現実でも)にはちょいとあきれる。
また、だいたい結婚する前に多くの人とよく付き合って、よりよい人に巡り会いたいとなど無理な注文。絶対後ひくだろう。男女の恋愛トラブルが起こるのは必須。
自由な現代だけど大変だね。すっかり、いじわるばあさんモードだけど(笑)
で、主人公永遠子と文彦は結婚を継続できるのか...。
ベストではなくベターな関係。
それでも結婚する?
古くて新しい問いかけの、現代における答えの一端が見えて妙に納得する小説だった。 -
Posted by ブクログ
並木響子は、藤森産業の社長の御曹司である藤森祐介を殺害した。容姿を変え、名前を変えて藤森産業の清掃員として働き、約三年間ずっとこの機会を待っていた。娘の可菜を自殺に追いやった藤森にとうとう復讐を遂げた響子は、その場に呆然と立ち尽くしていた。もう捕まってもいいし、死刑になっても構わないと思っていた。可菜のいないこの世界で生き続けることに、なんの意味も未練もないから。そこに突然道田ユミという若い女が現れ、響子の手を引いて何故か逃亡の手助けをしてくれた。ユミもまた藤森を殺すつもりだったのだ。どうして響子を助けるようなことをしてしまったのか、ユミ自身にもその理由は分からない。この場を離れ、響子を人目につかないところまで連れて行き、そこで別れるつもりだった。ユミは明日、横浜を出発するコンテナ船に密航して、フィリピン経由でスペインに行く予定だった。あるところから奪った三千万という大金とともに。
でも実際、事はそんなにスムーズには進まなかった。次々とトラブルが続く。そんな中で、年齢も性格も育った環境も全く違う二人は、自覚もないままに、いつしか見えない絆で結ばれていった。
二人の女性が抱える哀しい過去は、それぞれが受け止めてくれるべき人に語られ、読み手はそこで真実を知る。同じ女性として耐えられない経験だ。辛い。
ジェンダーレスだなんだというが、やはり女であるということはある意味弱い。どうしようもない弱さは仕方がない。それが辛い。
心に残った印象的な書き方がある。
ー病院の待合室で、妊婦とその付き添いの女性の屈託のない笑い声を憎みそうになった。
ーかつて自分が勤めていた会社の電話番号を、15年経ってもまだ覚えている自分に傷つきそうになった。
ー70代半ばの仲の良い夫婦が交わす笑顔に、労り合う愛を感じて傷つきそうになる自分を哀れに思った。
響子はいつもそうなりそうになっただけで、そうならない。なれなかったのか。
最後はどうしようも悲しくて、やりきれないほど切なくて、思わず涙がこぼれた。