【感想・ネタバレ】不運な女神のレビュー

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2013年02月11日

不幸な女性をたくさん記述している。
別冊文藝春秋とオール読物に掲載したもの。
2001年から2003年。

初めの数題は、前の話の脇役が、次の話の主役になって、関連した話しになっている。

唯川恵の腕が鳴っている。

どんなに不幸な人間を主人公にしても、
誰かを恨んだりすることがあっても、
犯罪をひ...続きを読むょっとしたら犯すことになるかもしれなくても、
人間性を持っていようとする意思を感じる。

どんなに運が悪くても、
人間として生き、
人間として暮らし、
社会の片隅になっているか、社会を支えている。

どうしてここまで丁寧な思いを綴ることができるのだろう。
自分と違うのであれば、雑な記述になるかもしれない。
自分と同じであれば、怨念が先立つかもしれない。
淡々と、包み隠さず、騒ぎ立てず、
悲しいことは悲しく、
嬉しいことは嬉しく、
始めがあって終わりがある。
そんな著者に敬意を表したい。

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Posted by ブクログ 2009年10月04日

短編集ですが、前のお話にチラっと出た人が次のお話の主人公になってます。
すべてのお話に共通するのが不運で、不運も幸せも、信号が自分が渡るときはいつも赤信号なのを不幸と呼ぶ人もいるし、いつも青になってることを幸福に思う人もいる。いつも青になっていようが不幸だと思う人もいれば、赤になっていようが幸せな...続きを読むのかもしれない。人によって感じ方は違うけど、誰でも不運や不幸を抱えてて、幸せに貪欲。
唯川作品ははずれがないので、安心して読めます。
とくにこうゆう不幸な女話は 上手いですし、あー
 あたしなんか全然幸せだよねって再確認しました(笑)
すれ違うあの女は 幸か 不幸か・・

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2017年08月15日

【あらすじ】
「いいことの数は決まっていて、誰かが余計に手にすれば、誰かがあぶれる」。駆落ち相手に逃げられたり、死んだ夫の連れ子と姑に手を焼いたり、20歳も年上の妻から奪った男をふたたび若い女に奪われたり、幸せな結婚を望んだのに一家三代でシングルマザーになってしまったり、元夫が新しい家族と隣のマンシ...続きを読むョンに越してくることになったり……。男運に恵まれない8人のヒロインたちが、恋に翻弄されつつも、健気に何かを掴み取る姿を描いた連作短篇集。

【感想】

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Posted by ブクログ 2017年01月17日

相変わらず心にズシンとくる。
女性の深いところをこんなに自然に描き、惹きつける唯川さんの作品は素晴らしい。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2015年08月27日

とにかく不運と言うか、男運に見放された女たちの、心の揺れ動くさまが克明に描かれている。
男と女の恋愛だけでなく、肉親愛や夫の前妻との不思議な交流などの情愛までも含まれた短編集なので、読み応えもたっぷり。登場人物が所々被っていて、違う側面から描かれているのも楽しい。

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Posted by ブクログ 2015年08月27日

やっと読み終わったー
どろどろどんよりしとりそうで気分が乗らないと読めない部類やと思っとったけど、読んでみると意外とあっさり潔い内容で読みやすかったです。

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Posted by ブクログ 2014年08月29日

【本の内容】
「いいことの数は決まっていて、誰かが余計に手にすれば、誰かがあぶれる」。

駆落ちした相手に逃げられたり、死んだ夫の連れ子と姑に手を焼かされたり…。

とことん男運に恵まれないヒロインたちが、恋に翻弄され、揺れ動きながらも、何かをつかみとっていく姿を描く。

情感あふれる八つの恋愛短篇...続きを読む

[ 目次 ]


[ POP ]
損をしていると思った。

「恨んでも、憎んでも、愛してる」この本の帯が邪魔なのだ。

8つの連作それぞれに異なる女のそれぞれの人生がある。

揃いも揃って「幸せ」とは言いがたい。

家計を楽にするはずのパートの主婦は生活に疲れ、娘が初潮を迎え、同居する母親の痴呆に気を揉む世代。

もう色恋に奔走する年ではない彼女らの人生の分岐点に悔しいかな「男」がいる。

男女同一賃金、男性の育休取得…そんな世代に生きていても「男に人生を明け渡している」感はぬぐえない。

しかし、「惚れた腫れた」を過ぎてからの女の強さが本書の醍醐味だ。

選ばれたかのように自分にばかり不運が訪れることを嘆き、「どうして私じゃなかったんだろう」と自虐していた女たちの胸のすくような立ち上がり方。

離婚、シングルマザーの道を経た山下久美子が「手を伸ばして何かを掴むんだ」と解説で言い放つ。

女であることの幸せを享受しつつ、更にもう1歩を踏み出したくなる。

「不運な女神」は恋愛小説を超えた女の物語だ。

[ おすすめ度 ]

☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

[ 関連図書 ]


[ 参考となる書評 ]

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Posted by ブクログ 2014年07月09日

連作というか登場人物が少しずつ繋がる連作集。一気に読むのが吉。途中であけたら没入感が無くなってしまい若干後悔。
こういう連作ものは世界観が複層的になるので大変好み。素晴らしいです。

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Posted by ブクログ 2011年10月10日

まるでノンフィクション。


とことん男運に恵まれないヒロインたちが、恋に翻弄され、揺れ動きながらも、何かをつかみとっていく姿を描く。情感あふれる八つの恋愛短編。

このように紹介されていましたが、私としてはこの紹介のされ方は相応しくないと思います。
だいたい、男運に恵まれないっていう表現が違うので...続きを読むは?と。
運に恵まれる恵まれないじゃなく、その人を選んだのは自分自身。
そんなこと言われなくてもわかってるわ、それくらいの強さがある主人公ばかりでした。
だからこそ、小説として成り立っているのだと思います。

個人的には、「不運な女神」「ドール・ハウス」「帰省」がお気に入りです。
どうして大切なものが一つじゃないんだろう。
もし一つだけだったら、どんなに幸せなことか。

当たり前だけど、“みんな幸せ”なんてあり得ないんだよね。
みんな誰かを傷つけて、誰かに傷つけられて生きているんだよね。
なるべくそんなことないといいんだけど。

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Posted by ブクログ 2010年02月24日

どの主人公も男運のなさは相当なもので、主人公が望んでも、一旦離れた男女の仲が戻ることはありませんでしたが、男女が共に居る幸せとは別な大切なものをそれぞれ手に入れかけているという感じの結末が用意されていて救いがありました。

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Posted by ブクログ 2009年12月28日

短編。オムライスを食べてから逝ってしまった義弟の話、再婚話が出てたのに血のつながらない娘とおばあちゃんのために断った不運な女神。おもしろかった。

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Posted by ブクログ 2009年12月07日

どれもこれも切ない短編集。

日常のささいなすれ違いとか、ナイフのような言葉たちによって
とめどなく沈殿していく暗くて深い思考。

それでも人と関わることでしか
自分を浮上させていくことができないんだということを、
ものすごくリアルに感じられた。

少し明るい未来が見えはじめた作品もあれば、
最後に...続きを読む罪を犯すか犯さないかの瀬戸際までいってしまう作品まで、
人間関係ってほんとに紙一重だな、というのをまざまざと感じさせられた本です。

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Posted by ブクログ 2009年10月07日

男運のない女性たちの短編集。バラバラの話なのに、前の話の登場人物が次の主人公だったりするのが面白い。タイトルにもなっている「不運な女神」が好きかな。

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Posted by ブクログ 2022年06月12日

【頭の中では、そんな人生が送れるとは限らないとわかっていても、人は、生きられなかったもうひとつの人生に、死ぬまで嫉妬し続けていくものなのかもしれない】

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Posted by ブクログ 2021年04月02日

唯川恵さんの作品は初めて読みました。

短編集ですが、それぞれの物語がどこかでリンクしていて、同じ世界観で紡がれています。

タイトルにあるように不幸な女性たちが主人公ですが、どこか真の強さを感じるような流れで、女神と冠されているのも納得です。

枇杷が食べたくなりました。

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Posted by ブクログ 2018年02月10日

話を聞いたら男運がないね。と言われるような女性達の物語。感情や人生を男に振り回されて、災厄な状況でも、自分のプライドや大切にしたいんだと思える人や気持ちに気がつい、歩みの向きを少し自分の足で変えてみている主人公達に不幸だと他人には言われても生きる強さを感じる。

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Posted by ブクログ 2016年01月25日

再読。
駆落ちした相手に逃げられたり、死んだ夫の連れ子と姑に手を焼かされたりなど、運から見放された女たちの短編集。
各短編の登場人物が少しずつ繋がっている。
かつての唯川さんからは想像できない生活の重さがあって苦手。
ラストはそれなりに前向きではあるが。

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Posted by ブクログ 2013年08月05日

好きな重さだったけど、
こうも続くと元気なくなる。

すごいなぁ。
ここまで心の断片を包み隠さず、口に出してない部分も含めて言葉にできるなぁ。

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Posted by ブクログ 2012年07月07日

題名通り、不運な女性達の連鎖。自分の立場が違うと、人の見方も全く変わってしまう。でも、根底に流れる思いは一緒かも。

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Posted by ブクログ 2011年08月17日

男ってみんな浮気するものなのかなあと思わされる(苦笑)そういう男をつかんでしまう女の人ばかりの物語。でも自分の身に降りかかる可能性もなくはないよね…

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Posted by ブクログ 2011年07月17日

駆け落ち相手に逃げられたり、再婚相手と死別して夫の連れ子と姑と暮らさなければならなかったり、男運に見放され、残された状況に翻弄されながらも次のステップへと踏み出していく女性を描いた8つの短編。
それぞれの主人公は別の物語の中で登場したり、関係者がいたりと微妙につながっていて、同じシーンが別視点で語ら...続きを読むれるときもある。するとその時見えなかった想いや景色が現れたりする。。。

夫と離婚寸前の主人公とかつて主人公が夫を奪い取った前妻との手紙のやりとりを書いた「枇杷」の終わりがみずみずしくて好きだ。

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Posted by ブクログ 2011年01月14日

可もなく不可もなく… 短編なので読みやすかった。

けど、無理やり不幸っぽいなーと思うし
見る角度を変えたら不幸でもないんじゃない?とも思って
なんとなーく読み進めてしまった感じ。

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Posted by ブクログ 2010年12月18日

とことん男運に恵まれないヒロイン達が、恋に翻弄され

揺れ動きながらも何かをつかみとっていく姿を描く短編集。

それぞれの話で、最終的には自分にとって大切なものを見つけてく。

私ってほんとについてないって言っている人は

きっと自分にとっての大切なものに、気がつかないだけなのかなって思う。

幸せ...続きを読むの価値観は人それぞれだな。

唯川さんの描く女性はいつも、醜い一面と素敵な一面の両方を備えている。

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Posted by ブクログ 2010年08月04日

この著者の女性の描写が好きでよく読みます。

いろいろあるけれど、結局、主人公の女性は”いい人”っていうところが安心して読めるところでしょうか?

さっくりマンガ感覚で読めます。

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Posted by ブクログ 2009年12月11日

唯川作品何作目だろう…もう結構読んでますね。
男運がない女性たちの短編集。
タイトルぴったりですね。

唯川ワールド全開の8つの短編集。
さりげなーく繋がっています。
もう皆さん、悲惨です。
読んでいると暗ーくなっていきます。
でも読んでしまうのが唯川まじっく。
「桜舞」と「彼方より...続きを読む遠く」は怖い…。
たまにこういう怖さにぞーっとします。
これは現実にありえそうだから?

この作品で唯一いい男だったのは「枇杷」の恭二さんだけです。
この作品の終わり方は好きでした。




『すべてにおいて、大概、始まりは男が執着し、終わりは女が執着するものだ。』

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Posted by ブクログ 2009年12月01日

タイトル通り不運な女たちの話。
そして、「いいことの数は決まっていて、誰かが余計に手にすれば、誰かがあぶれる」という裏表紙。
当然のごとく全体に、切ないくて物悲しい雰囲気が出ています。
文章が読みやすいからこそ、落ち込んでるときに読んだら一層悲しくなりそうなお話でした。

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Posted by ブクログ 2009年10月19日

「いいことの数は決まっていて、誰かが余計に手にすれば、誰かがあぶれる」。駆け落ちした相手に逃げられたり、しんだ夫の連れ子と姑に手を焼かされたり……。とことん男運にめぐまれないヒロインたちが、何かをつかみ取っていく姿を描く。情感あふれる八つの恋愛短編。(裏表紙より)

最初の物語に登場する脇役の人物が...続きを読む次の物語の主人公になる短編集。
こういう話ってよくあることなのだろうか?広い世間だからあるんだろうけど…。
題名の通り、悲しい(?)お話ばかりでした。

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Posted by ブクログ 2009年10月07日

う……ん、っと。なんか、不幸な夫婦ばかりで、似たような感じばっかり。その中では、『帰省』が良かったかな。

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Posted by ブクログ 2010年05月06日

男運に恵まれない8人の女性達を描いた短編集。
本当に不運なのにめげずに生きていこうとする主人公達に女の強さを感じた一方で、一人の男に人生を左右されてしまうほど女は弱い存在なのかとも思った。

一番好きな物語は「枇杷」。
主人公が自分が奪った男の元妻と心を通わせたことで前向きになるお話。
一番...続きを読む希望が持てる物語だった。

「いいことの数は決まっていて、誰かが余計に手にすれば、誰かがあぶれる。」
確かに、そうなのかもしれない。

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Posted by ブクログ 2009年10月07日

「ハッピーエンドじゃないハッピーエンド」とは別の唯川作品を読んで思ったことだが、この短編集もそんな感じであった。じわーっと沁みてくるような、軽く頭の中が痺れるような、そんな独特な読後感。

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