【感想・ネタバレ】息がとまるほどのレビュー

あらすじ

27歳の朋絵は、同僚にプロポーズされたのを機に、2年越しの不倫相手である上司と別れる決意をした。しかし、最後のデートを後輩に目撃され…。ラストのどんでん返しが鮮やかな「無邪気な悪魔」ほか、恋愛短篇小説の枠におさまり切らない迫力の全8篇! 男女間の、もはや愛とは呼べない黒々とした感情、女同士の底なしの嫉妬や裏切り、優越感など、生身の女の怖さをリアルかつ不気味に描き出す。タイトル通り、読んでいて息がとまるほどゾクッとくる、濃密な傑作短篇集。

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こんな女性が近くにいたら…と想像しただけでゾッとしてしまうほど女の怖さが描かれた短編集です。この作品の特徴は、読み終わってから読者にその先のストーリーを想像させてるところです。全てを描き切らず、あくまで読者にゆだねる。ゆだねられた読者のほとんどは同じ想像をするのだと思いますが、こんなにも想像する力を必要としなくとも推知出来てしまう面白い作品です。短編作品の中で「無邪気な怖さ」は、どんな女性でも一度は経験があるのではないでしょうか。ストーリー中にその「無邪気な怖さ」をこれでもか!というくらいのゾッとする展開で描かれて言います。自分が同じ立場に立たされたら・・・作品の終わりがわかってきたとき、読み進める度胸がなかったらその箇所だけ目をつぶってしまいます。

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

女性の感情が丁寧に描かれていて良かった。特に印象に残ったのは「残月」だ。気になる年下の男性に母親のようだと言われたらさぞかしショックだろうと感じる。その言葉に悪意がないだけにどうしようもない思いが出てくる。

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2024年08月05日

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いろいろな女たち。それぞれに、悲しかったり、狡猾だったり、哀れだったり。モノトーンの煌びやかさを感じる作品でした。

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2014年11月12日

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ネタバレ

短編小説。8話。

無邪気な悪魔
ささやかな誤算
蒼ざめた夜
女友達
残月
雨に惑う
一夜まで
あね、いもうと

「あね、いもうと」は、明らかに恐怖小説。一部推理小説のように終わりが読めなかったものがある。

登場人物の性格に共感できない。著者が書いている人間の心理、人間であることとは何か、については勉強になる。

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2013年02月13日

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恐ろしいことを特別感ゼロで当たり前のように書いているのがフィクションぽいなと思いつつ、共感できる部分があまりにも多いので一刻も早く長編小説を読み漁りたい

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2023年01月25日

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短編集。
どの作品も女性の怖さ、強かさを強く感じました。
その中で、少し共感してしまった自分が恐ろしくなりました。
自分の思い通りに人生を生きられるわけではないですが、理不尽さ・自分にないものへの羨ましさを感じずにはいられない…
最後の解説まで、スルスル読める本でした。

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2022年09月03日

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「女」という生き物の、強かさ、羨望、嫉妬、憎悪、冷酷かつ狂熱的な感情を描いた短編集。女ってこんな嫌な生き物なのか。
 不倫やら夜の街やら、実生活では全く関わることのない人生であるが、小説を通して疑似体験できると、面白いと同時に益々縁遠さを改めて実感するのである。

それぞれオチもあり物語として面白かった。

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2021年10月25日

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女の怖さが詰まった恋愛短編集。

「息がとまるほど」という作品はなくて、どれも「息がとまるほど」苦しくぞっとするストーリー。
男に対する駆け引き、女に対する嫉妬や優越感。
どろどろした感情がリアルでぞくっとしました。

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2018年10月22日

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あまり本を読むのが得意ではない自分が、驚くほどのスピードで読めた一冊。
ひとつひとつの物語のボリュームがちょうど良い短編集で、まるでテレビドラマを見ているかのように描写が眼に浮かぶ。
程よくドロドロなのもまた良い。

もっと唯川恵さんの小説を読んでみたいと思った、そんな一冊。

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2018年06月02日

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唯川恵、先日読んだ短編集が良かったので続けてセレクト。

同じく短編集、今度は全て女性が主人公。
男と女。ホラー要素。世にも奇妙な的に軽く読むこともできるが、的を得た印象的な言葉が随所にあって唸らせられる一面も併せもっている魅力ある作家さんだと感じた。

他の作品も追ってみようと思う。

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2017年01月16日

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同僚にプロポーズされたのを機に、不倫中の上司と別れる決意をした朋絵だったが、最後のデートを後輩に目撃され…。男と女の間に流れる、もはや愛とは呼べないくろぐろとした感情、女と女の間の、友情とは呼べない嫉妬や裏切り、優越感。女たちの心に沈む思いを濃密に描きだした、八つの傑作恋愛短篇。

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2014年10月12日

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唯川さんの短編集なので、ただの恋愛ものではないだろうと思い手に取ったら、本当に女性の怖さが詰まっていた。
最初の「無邪気な悪魔」に出て来る結婚退職するOLさんは、天然なのか、計算なのか。
飲み会でどんな爆弾が落とされるのか、ハラハラした。
「雨に惑う」のヒロインが壊れていく様子や「あね、いもうと」のラスト、薔薇を植える場面などは、ぞっとしました。

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2014年09月18日

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いろんな女のドロドロを描いた短編集。
最初は「あんまり好きじゃないなぁ」と思いながら読んでいたはずなのに、『女友達』『雨に惑う』でズガーンときた。
そして最後の『あね、いもうと』でズガガガーンとやられた。素敵だわ、この短編集。それこそ息が止まるほど。まぁ分かりやすいハッピーエンドはないんだけど。

特に印象的だったのは『雨に惑う』
三十代後半、独身、美人じゃない、男に媚びるのは嫌い、頑なな性格、仕事は頑張っているのに上司にそれを認めてもらえない、結婚したことで不幸になった母親を見て育ってきたせいで結婚に夢も描けない、そして一人で生きていくことを決意して、マンションまで購入した女性の話。
そう、この感じ…他人事とは思えないのです。笑

若くて可愛い、男に愛されている女を人として好きになれなくて、むしろ憎しみさえ込み上げてくる。
ここらへんの感情も、まぁ汚いんだけど同感できてしまう。

そんな、自分と似ているこの女性が、この小説の中でどういうラストを迎えるのか。印象的です。共感できる人はぜひ!ぜひ!
ただもう一度言うけど、分かりやすいハッピーエンドはこの小説の中に出てきません。でも全部が全部バッドエンドでもない。そこがおもしろいのだと思う。

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2014年04月29日

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女子力UPw

ドロドロ系で、こういう女子にはなりたくないなーという意味でのお勉強ができた。

再読時、この女子達に共感してしまわないようにw

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2013年08月12日

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女は怖い…どれもありそうで、妙に納得してしまうトコもいっぱいだった。息がとまるほどの瞬間…生きてたら必ずあるよね。

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2011年03月20日

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色々な女性の短編集。
どの女性も心の底に怖さを持っている。そして、その怖さは自分にもあるのではないかと思ってしまう。唯川恵の小説は気が付くと自分に重ねて読んでしまうところがおもしろい。

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2010年11月19日

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ネタバレ

唯川さんの不倫話はやはり面白い。物語が終わるごとに「うわ……」と思わず口に出してしまうほどだ。
「女友達」は女の怖さをよく表している話だった。浅子が会社の部下から「痛い」と呼ばれるのも、プライドが高く自分に高い価値があると思い続けるのもすべて佐智の思惑通りだと思った。佐智は高校時代の頃から、浅子が気に入らず時間をかけてゆっくり浅子を支配してきたと思うとゾッとする。女の執念深さは底知れない。

「残月」は女のプライドを踏み躙られる話だなと思った。
年下の男と付き合う際、母親と同一視されることが1番堪えることだと思う。相手も何の悪気もなく言っているのだから、さらに傷つく。若さとは最大の武器であることを見に沁みてわかった。

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2023年10月15日

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ネタバレ

良いタイトル。物語の中で息が止まるほどゾッとする展開もあって、短い話の中でドキドキしながら読み進める。おお怖。

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2023年01月01日

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スラスラと読めました。
30代女性の、微妙なドロドロ感。

若さを羨むのは、いくつになっても、終わらないと思います。

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2020年07月11日

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誰にでも簡単には打ち明けられない悩みや気持ちを持ちながらも毎日を過ごしいてる女性達が息がとまるほどの驚きや嫌気がくる瞬間が描かれている。自分の人生を自分で操りたいのに、うまくいっていない感じやそれでも突き通して生きてく感じがうまく描かれている。バーや夜が似合う本なんだけど解説を読むと更にバーに行きたくなる。

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2017年10月15日

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いろんなタイプのしたたかな女たちが登場する。
仲いい振りをして陥れるなんて…あーイヤだ。
楽しめた話とそうでない話の半々だった。

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2015年10月13日

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読みやすい。始まりそうで崩れるまではいかない恋?愛?の果てな感じ。惹きつけられるほど読み入りはしなかったかなぁ、

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2014年06月23日

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読みやすい短編集。どれも情景が浮かんでくる。最後の「あね、いもうと」は読み終わって背筋が寒くなった。

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2013年10月05日

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ネタバレ

いずれも30代になった女性を主人公にした、短編集。ミステリーとホラーの間・・という装いではあるが、読みなれている人には最初の2・3ページで結末はわかると思う。個人的には裏にあるかもしれない悪意を正面から書かなかった「女友達」が一番。逆に最後に収録されている「あね・いもうと」は始まった瞬間からオチがわかる内容で少しがっかり。

なんでこの本を読もうと思ったんだっけ・・と振り返ってみたら、一年ほど前に自分が読んでいるblogで「怖い」と紹介されていてwish-listに登録されていたのであった。確かに怖いは怖いのだが、それって結局男性から見る怖さであって、女性の視点からは怖さだけではなく共感なんかもあったりするのかもしれない。そこに共感があるということが、また男性からしたらより怖いのだけど。

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2013年09月22日

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内容(「BOOK」データベースより)
同僚にプロポーズされたのを機に、不倫中の上司と別れる決意をした朋絵だったが、最後のデートを後輩に目撃され…。男と女の間に流れる、もはや愛とは呼べないくろぐろとした感情、女と女の間の、友情とは呼べない嫉妬や裏切り、優越感。女たちの心に沈む思いを濃密に描きだした、八つの傑作恋愛短篇。

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2012年12月29日

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唯川さんの作品は初めてだが、テンポ良く、どんどん読み進めていける。女性の色んな形の闇の部分が盛り込まれていて、読み終えた時のこのどんよりした重さは、心地良いとは言えないが、作品としては引きこまれた。

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2012年10月27日

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「その関係を愛とは呼べない」
同僚にプロポーズされたのを機に不倫中の上司と別れる決意をした朋絵だったが・・・

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2012年09月30日

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✨無邪気な悪魔✨美保が送別会で…「待ってっ!」やはり自分にもかえってきますね。わるいことはできない
✨ささやかな誤算✨新入りのホステスの話 そうきたか!ってかんじ 唯川恵の書く女ってずる賢い
✨蒼ざめた夜✨浮気相手が女友達のさしがねだったなんてーーーうそだといって
✨女友達✨お高く止まらざるをえなくなってしまった女の人の話
故意だとしたらこの友達悪魔
✨残月✨若さには勝てないのね…みたいな?唯川恵は、ほんと若さを妬む女の気持ちをよく描写してる
✨雨に惑う✨よりこにてがみをかく
✨一夜まで✨結婚しても、ほんとにこんなことが刺激になるのー?!
そんなのいやだね
✨あね、いもうと✨これがいちばんおもしろかった!この双子、やっちゃったんですね

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2011年11月27日

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お酒を飲むか、飲まないか
男と寝るか、寝ないか

どんどん男子化してきている私
あかんあかん

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2011年07月19日

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唯川恵の短編集は初めて読んだ。
こういう感じだったのか!もはやある種のホラー…でも分かっちゃう所も。

読みやすいし、珍しく感情移入する所も。極端だけどリアルな描写がある。
短編集の後の解説を読み終えて、一つの作品な気がする。ドロドロしているけど解説でフワリとまとめてくれた感じ。

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2011年06月04日

Posted by ブクログ

唯川作品全開な感じが良かったです。
男性には書けない、女性の心の動きがすごくリアルに(読めるように)描かれていました。
新幹線の1時間で楽しめる気軽な作品ですね。

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2010年09月21日

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