山田正紀のレビュー一覧

  • カムパネルラ

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    ネタバレ

    メデイア管理庁による思想統制が行われる日本。現代らしい。近いうちに現実になっても驚かないような…
    宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」第3次稿を利用して、「みんなの幸いのため」なら自己犠牲を厭わない人間を育成しようとする。

    「銀河鉄道の夜」が好きすぎるので、解釈違いだったらどうしよう…と思ってたけど、大丈夫だった。第4次稿、ひいては賢治自身も、自己犠牲を良しとしていたわけではないのだ。
    天気輪の柱や「45分」の使い方が上手くてなるほど〜と思った。

    半分くらいまでは頭の中が?だらけで、これは一体どこに着地するの?と思っていたけど、タイムスリップではなく仮想現実だということが分かってからはするすると読め

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    2019年10月17日
  • カムパネルラ

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    なるほど。友人が言っていた「曲がり角をしっかり曲がる」という言葉、しっくりくる。

    宮沢賢治と銀河鉄道の夜を話の軸に置いたSFなわけだが、話の構成と世界観はとても好きだし、銀河鉄道の夜の使い方がすごい。

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    2019年06月01日
  • バジリスク ~桜花忍法帖~(6)

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    前巻の展開が号泣レベルで神懸かっていたため、この巻は内容としては重要ながら若干物足りない読み応え。ループ回だしな…
    八郎と孔雀の決着のつけ方もわかるけどどこか喉に小骨が引っかかった感じ。
    魔術の原理というか成尋衆のチート能力の理屈が解説されたのは良い点。これは漫画脳的にokな法則

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    2019年03月24日
  • カムパネルラ

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    綺麗な本だなぁと手に取ってみました。
    まるっと宮沢賢治オマージュというかリスペクトというかそんな感じの本だった。

    教育って洗脳だなぁとは思いますがそもそも国というのはその地域に暮らす人の総意、という事なのである意味自分たちの属する地域に暮らす人間の存続維持のための民意、という事でもあるんですよね、多分。
    わかりやすい悪者にはなるんだけれども悪が悪として設立するための説得力がないと又悪い国家組織の話かぁとなってしまう感じが。

    とは言え組織に都合よく文学作品を使われるのはちょっと抵抗はあるかも。でも情操教育だったらよだかの星が最適なんじゃないかななんて思いました。

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    2019年03月18日
  • 神狩り

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    大好きな伝奇小説。
    神に挑む人間と言った内容。
    終わり方が気になるなぁと思っていたら、どうやら続編もあるようで!

    このまま終わりにしてしまっても良いけど、何となく続きも気になる。
    読むかどうか悩むところ。

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    2019年03月10日
  • バットランド

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    ここ最近SFを読み続けているのですが、SFは特異な設定や発想で決まると聞いた事がありますが、まさにその通りだなとあらためて思いました。
    あとはその情景を自分でイメージできるかですが…情報量が多すぎて「私は悲鳴をあげる(アイ・スクリーム)」でした…まだまだ勉強が足りません(笑)。

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    2018年12月07日
  • 神狩り

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    【読書ノート】
    ・ニーモシネ1-30

    【要約】
    ・しかしデビュー作とは思わなかった。本屋で「神狩り2」を見て、何かすごそうな作品だとタイトルで思って、しかも山田正紀だし、ということで興味を持ったのがきっかけ。

    【ノート】

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    2018年10月28日
  • 屍人の時代

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    初めましての作家さん。
    4つの不可思議な事件のお話し。
    どの話も面白いんだけど、少年の時代の少年二十文銭と
    ケンジさんが、すごくよかったのよぉ~
    そういうことかぁ~って思ったら、ジーンと余韻がね・・・
    楽しかったなぁ~(*´ェ`*)ポッ

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    2018年09月17日
  • ミステリ・オペラ 宿命城殺人事件〔下〕

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    上下巻を通した感想。
    書かれたかもしれない探偵小説というのはなかなか魅力的だし、壮大な謎も多い。こんな膨大な要素をひとつの結末に収斂させる手腕には感激するが、数々の謎に対する解決がよくいえば合理的、わるくいえば謎自体の壮大さと次元の異なるような現実的な陳腐さがあるように感じた。
    あと旧仮名遣いのわりには文体が現代のものと変わらないのと、作者の自意識が滲み出ている(それをメタ的な観点ととらえることもできなくはないが)のが残念だった。

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    2018年06月27日
  • バットランド

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    読み逃していて初読だったのは『晴姫様』一編だけ。むかしの今では手に入れるのが難しいのが入ってるわけじゃ無し、書下ろしも無しじゃ文庫で出して欲しかった(´ε`;)ウーン…

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    2018年06月10日
  • バジリスク ~桜花忍法帖~(3)

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    アクション漫画としては抜群に絵も上手く文句なし。

    ただ、やはり能力バトルとしてのロジックの甘さというか、最終的に力業になっているのが気になる。あと登場キャラの有名人物への置換も少々安易に思えてしまう。

    原作との比較もあるかもしれませんが、そこらへんが少々趣味と外れていて困る感じ。ただ路線の問題で、この漫画の出来としては文句ないとも思いますが。

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    2018年05月13日
  • 桜花忍法帖 バジリスク新章 (下)

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    (上下巻共通)
    甲賀忍法帖、と言うよりはバジリスクの続編ですね。
    風太郎の系譜にするには、ちょっと、湿っぽさが多い感じ。
    伊賀、甲賀が、甲賀忍法帖での合戦の結果、化け物的な忍者が少なくなっているというのが、設定として面白い感じ。
    主人公ペアと第三グループの忍法の説明が妙に SF 的なのは、さすが作者と言ったところ。

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    2018年03月18日
  • 桜花忍法帖 バジリスク新章 (上)

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    (上下巻共通)
    甲賀忍法帖、と言うよりはバジリスクの続編ですね。
    風太郎の系譜にするには、ちょっと、湿っぽさが多い感じ。
    伊賀、甲賀が、甲賀忍法帖での合戦の結果、化け物的な忍者が少なくなっているというのが、設定として面白い感じ。
    主人公ペアと第三グループの忍法の説明が妙に SF 的なのは、さすが作者と言ったところ。

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    2018年03月18日
  • 蜃気楼・13の殺人

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    ネタバレ

    〇 総合評価
     密室状態の山道から13人のマラソンランナーが消失するというのがメイントリックだが,スタッフが参加していて,スタッフに戻る形でマラソンの参加者からはいなくなるというトリック。トリックそのものはしょぼいのだが,山菜中毒で1人が死んだという事実を,13人が消失したという事実で隠そうという「木の葉を森に隠す」理論はなかなか面白い。
     とはいえ,「田舎の村おこし」という設定で,田舎の人が窮地で考えた苦肉の策という設定だが,やはり無理がある。
     その後,とにかく(町で買ってきた)山菜を食べて,食中毒になったという事実を隠すために,栗谷一揆騒動諸控という古文書の記載に見立てて木に死体を突き刺

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    2022年11月26日
  • 神狩り

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    ネタバレ

    善の象徴であるはずの神を「悪」と見なして、主人公たちが神と戦う姿を描くという発想の斬新さには感心するが、主人公たちは本当に神と戦っているのだろうか、いったい何と戦っているのだろうという疑問を強く持った。真偽不明の事柄を狂信している、ちょっと頭のいかれた人たちではないだろうか。
    曰く、「古代文字を解読できた者は、世界を手中に収めることができる」「古代文字は神の世界のものである」「神はわれわれに悪意を持っている」「神の干渉があるかぎり、われわれが自由になれることもないし、真の意味での愛を手に入れることもない」「神さえ、その上にいなければ、人間はもっと善良にももっと幸福にもなれるんだ」等々。
    主人公

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    2017年09月24日
  • 桜花忍法帖 バジリスク新章 (下)

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    ネタバレ

    「甲賀忍法帖」の正統なる続編の下巻。「甲賀忍法帖」の続編として読むには内容が「うーん」という感じ。敵キャラの成尋衆の忍法が時代に沿っておらず時代劇というよりはSFという感じ。それでも忍者同士の対決シーンは良かったし、救いのあるラストで良かったと思う。その点は評価。「話をオマージュした別物」と考えて読んだ方が楽しめるかなあ。主人公たちにあまりスポットが当たっていなかった点も残念。感想はこんなところです。

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    2017年06月25日
  • 桜花忍法帖 バジリスク新章 (上)

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    ネタバレ

    山田風太郎氏の「甲賀忍法帖」、アニメ「バジリスク 甲賀忍法帖」の話の続きにあたる作品。文章のテンポが悪いなと思う。名作の続きなので、人物の心情描写などきっちりと書いていきたいのは分かるけど、物語のテンポを損ねている気がしてならない。「前置きはいいから早く文章を進めてほしいなあ」という気分で文章を読んでいた。反面、歴史認識の浅い自分にとっては、その時代の背景が詳しく書かれている部分については好感が持てた。下巻もあるので続けて読んでいきたいと思う。

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    2017年06月19日
  • SF JACK

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     SF界隈での著名人・新人引っくるめてのアンソロジー集です。SFにはあまり馴染みがなく、フィリップ・K・ディックは好きですがそれもアニメ『PSYCHO-PASS』の影響で最初からというわけではなかったので、慣れる、と言うか、映画は好きなんですが小説はなかなか食指が伸びず、アンソロジーならまだ読めるかな?と言う気持ちで購入しました。
     冲方丁さんは、『マルドゥック・スクランブル』を読んでいましたし、新井素子さんは名前くらいは聞いたことがあるなあ、『グリーン・レクイエム』は読んだっけな、夢枕獏さんは『陰陽師』だなあ、とか。
     個人的に好きなのは宮部みゆきさんの作品。ロボットとの哀愁漂う感じが好き。

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    2017年05月14日
  • 人喰いの時代

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     小説の題名が衝撃的なので読んでみた。「人喰い・・・」ってなんだ、時代背景が昭和初期であること、そして事件の現場が北海道小樽という現在においては過疎の町であること、なんだか横溝正史っぽい匂いがする。どれだけ人が喰われるのか熊に食われるのかと期待したが、そんな話ではない、人喰いってこの時代の比喩で使われてるだけらしい。多少がっかりしたがそれなりに面白い、最後には現在に話を戻し当時の謎を・・・星3つ半

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    2017年04月17日
  • 最後の敵

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    ネタバレ

     この現実を不動のものと考えるのは、個人的な幻想、あるいは共同幻想によって構築された、巨大な錯覚にすぎない(P304参照)進化を敵と見なす人類はそれぞれのレベルに応じた無数の現実を知らない、しかし進化した生物(あえて人類とは呼ばない)は他現実へと移動が可能になる。その超絶な能力者の出現がなぜ人類を滅亡に追いやるのか・・・ちょっと難解かも再読必須(笑

    『最後の敵』山田正紀著は第3回日本SF大賞受賞、同賞受賞作品以下完読済み
    第2回(1981年) - 井上ひさし 『吉里吉里人』
    第18回(1997年) - 宮部みゆき 『蒲生邸事件』
    第19回(1998年) - 瀬名秀明 『BRAIN VALLE

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    2017年04月16日