山田正紀のレビュー一覧
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ネタバレメデイア管理庁による思想統制が行われる日本。現代らしい。近いうちに現実になっても驚かないような…
宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」第3次稿を利用して、「みんなの幸いのため」なら自己犠牲を厭わない人間を育成しようとする。
「銀河鉄道の夜」が好きすぎるので、解釈違いだったらどうしよう…と思ってたけど、大丈夫だった。第4次稿、ひいては賢治自身も、自己犠牲を良しとしていたわけではないのだ。
天気輪の柱や「45分」の使い方が上手くてなるほど〜と思った。
半分くらいまでは頭の中が?だらけで、これは一体どこに着地するの?と思っていたけど、タイムスリップではなく仮想現実だということが分かってからはするすると読め -
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綺麗な本だなぁと手に取ってみました。
まるっと宮沢賢治オマージュというかリスペクトというかそんな感じの本だった。
教育って洗脳だなぁとは思いますがそもそも国というのはその地域に暮らす人の総意、という事なのである意味自分たちの属する地域に暮らす人間の存続維持のための民意、という事でもあるんですよね、多分。
わかりやすい悪者にはなるんだけれども悪が悪として設立するための説得力がないと又悪い国家組織の話かぁとなってしまう感じが。
とは言え組織に都合よく文学作品を使われるのはちょっと抵抗はあるかも。でも情操教育だったらよだかの星が最適なんじゃないかななんて思いました。 -
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ネタバレ〇 総合評価
密室状態の山道から13人のマラソンランナーが消失するというのがメイントリックだが,スタッフが参加していて,スタッフに戻る形でマラソンの参加者からはいなくなるというトリック。トリックそのものはしょぼいのだが,山菜中毒で1人が死んだという事実を,13人が消失したという事実で隠そうという「木の葉を森に隠す」理論はなかなか面白い。
とはいえ,「田舎の村おこし」という設定で,田舎の人が窮地で考えた苦肉の策という設定だが,やはり無理がある。
その後,とにかく(町で買ってきた)山菜を食べて,食中毒になったという事実を隠すために,栗谷一揆騒動諸控という古文書の記載に見立てて木に死体を突き刺 -
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ネタバレ善の象徴であるはずの神を「悪」と見なして、主人公たちが神と戦う姿を描くという発想の斬新さには感心するが、主人公たちは本当に神と戦っているのだろうか、いったい何と戦っているのだろうという疑問を強く持った。真偽不明の事柄を狂信している、ちょっと頭のいかれた人たちではないだろうか。
曰く、「古代文字を解読できた者は、世界を手中に収めることができる」「古代文字は神の世界のものである」「神はわれわれに悪意を持っている」「神の干渉があるかぎり、われわれが自由になれることもないし、真の意味での愛を手に入れることもない」「神さえ、その上にいなければ、人間はもっと善良にももっと幸福にもなれるんだ」等々。
主人公 -
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SF界隈での著名人・新人引っくるめてのアンソロジー集です。SFにはあまり馴染みがなく、フィリップ・K・ディックは好きですがそれもアニメ『PSYCHO-PASS』の影響で最初からというわけではなかったので、慣れる、と言うか、映画は好きなんですが小説はなかなか食指が伸びず、アンソロジーならまだ読めるかな?と言う気持ちで購入しました。
冲方丁さんは、『マルドゥック・スクランブル』を読んでいましたし、新井素子さんは名前くらいは聞いたことがあるなあ、『グリーン・レクイエム』は読んだっけな、夢枕獏さんは『陰陽師』だなあ、とか。
個人的に好きなのは宮部みゆきさんの作品。ロボットとの哀愁漂う感じが好き。 -
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ネタバレこの現実を不動のものと考えるのは、個人的な幻想、あるいは共同幻想によって構築された、巨大な錯覚にすぎない(P304参照)進化を敵と見なす人類はそれぞれのレベルに応じた無数の現実を知らない、しかし進化した生物(あえて人類とは呼ばない)は他現実へと移動が可能になる。その超絶な能力者の出現がなぜ人類を滅亡に追いやるのか・・・ちょっと難解かも再読必須(笑
『最後の敵』山田正紀著は第3回日本SF大賞受賞、同賞受賞作品以下完読済み
第2回(1981年) - 井上ひさし 『吉里吉里人』
第18回(1997年) - 宮部みゆき 『蒲生邸事件』
第19回(1998年) - 瀬名秀明 『BRAIN VALLE