山田正紀のレビュー一覧
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「甲賀忍法帖」の壮絶な戦いののち、新たな強敵である成尋衆に伊賀と甲賀の忍者たちが命を懸けて最後の戦いに挑む。
上巻で成尋衆のあまりにも強すぎる様子が展開したので、この強敵にあの伊賀と甲賀の個性的な忍者たちがどのように立ち向かっていくのかが楽しみで読み進めていきました。
立ち向かう伊賀と甲賀の忍者たちは、特殊な忍術を使えるだけでなく、性格もそれぞれが個性的に描かれ、読み進めていくうちに一人一人に愛着がわき、どうしても結末が気になってしまいました。
「甲賀忍法帖」の山田風太郎は、医学的な観点からの忍術でしたが、今作の山田正紀はSF作家だけに科学的な観点の忍術が多かったです。
物語の展開も忍者小説でありながら、宇宙観を感じさせるSFの世界を想像させました。
結末はやはり寂しい終わり方でした。 -
Posted by ブクログ
山田風太郎の名作「甲賀忍法帖」の後日譚を山田正紀が描き出す。伊賀、甲賀を巻き込み、正体不明の集団「成尋衆」との戦いが幕を開く。
あの名作の続編とも呼ぶべき作品をあの山田正紀が描くとあって、期待と不安を織り交ぜながら読み進めましたが、不安は杞憂に終わり、「甲賀忍法帖」の世界を引き継ぎながら新しい物語を作り出したといっていいと思います。
数々の摩訶不思議な忍者や忍法が次々と登場し、若き伊賀と甲賀の忍者たちが戦いに巻き込まれていく展開にページをめくる手が止まりませんでした。
血生臭い戦いと純愛が絶妙に描き出され、次巻を読むのが待ち遠しく感じました。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ昭和史をテーマにした骨太なミステリーです。この作品では二・二六事件がテーマとなっていて、史実と虚実が入り混じり、「虚」が「実」だったのではないかと錯覚するような作品になっています。現実を舞台にノンフィクションを創造するタイプの小説としては、非常に出来が好いと思います。
何も前情報なしに読んだのですが、どうやらこの作品は著者の「オペラ三部作」と呼ばれるもののうち、二作目にあたるようです。とは言っても、恐らく三部作に共通するのは主人公格で登場する「黙忌一郎」という人物のみで、それ以外は別個の作品になっているかと思われます。
置屋で殺された芸者の死の真相を巡る中で、徐々に明らかになっていく新たな事実や人間関係は、非常に複雑。登場人物は恐らく20名程度で大して多くはないのですが、そのうち3割ぐらいは歴史上の実在の人物だったりするので、「この実在の人物と、この創造の人物が関係するのか?」と考え込んでしまうと、頭の中は一気に混乱します。
内容的にもページ的にも(ハードカバー、1ページ2段組で450ページ強!)ヘビーなので、軽々しく勧められるものでもないですが、日本の近現代史に関心が深い人ならば特に面白く読めるはずです。