山田正紀のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
私は緻密な襲撃小説が大好きです
大好きなきっかけがこの本で山田 正紀さんを好きになりました
【贋作ゲーム】
6分間の勝負、クリーニング屋のシーン(偶然にかけるのか?!)
この計画の真意と過去 そして、少ない登場人物だけの世界
俺に拘る文体 大好きになりました。
【スエズに死す】
実はこの話がもっとも好きなのです。
本当にノンフクションなんでしょうか? 詳しすぎる
当時 この本を読んだ私は中学生、この本を読んで、あるものを作って、実験した事があります
見事に成功してしまいました。 やばいと思います
そして隠語のプッシーーキャットとか初めて覚えました。中東のテロリストにも興味を持 -
Posted by ブクログ
カムパネルラといえば私の大好きな
宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』
『銀河鉄道の夜』をモチーフにした作品とあらば気になってしまい読まずにはいられない。
正直、思っていた内容と違っていた。
というのも当初タイムトラベルの話と思っていたからだ。
読み進めていくと話のベクトルが二転三転して何処へいくの分からない。そこがまた面白い。
まるで銀河鉄道に乗っているようでワクワクしてしまう。
それだけではなく宮沢賢治の『風の又三郎』まで登場するから堪らない!
さすがにクラムボンや双子の星は出てこなかったけどね、ちょっと残念な気持ちもある。
本書の面白いところは『銀河鉄道の夜』での疑問点がミステリー仕立てになっ -
Posted by ブクログ
これが山田正紀のデビュー作か。論理記号が2つしかないとか、七重以上に入り組んだ関係代名詞があるとか、”古代文字”を解析する部分を読んでいるときのぞくぞくする感じは、まさしくSFの醍醐味。長編としては短めのせいなのか、無駄な部分がなくてすっきりしている。
けど知りたいのは、この小説のラストの後がどうなるかなんだけどなあ。神は存在するのかという、古典的かつ究極的な問いに対する答えを期待したのに。人間には神は理解できないというんならそれでもいいんだけど、ここで神と呼ばれている存在は、そこまで絶対的な存在ではないような気がするし。火星の話まで出しておいてこれはないよな。
それと人物の造形はちょっ -
Posted by ブクログ
会社が倒産し、自暴自棄で車を飛ばしていた所、傘を持った女と衝突してしまう。膝に少し傷を追っただけの美女は、いつまで経っても目を覚まさないため、医師の須藤のところに連れ込む。数日後、須藤が逮捕され、眠っていた女は須藤の元妻のところに移されたが、元妻が殺され、須藤と眠っていた女は失踪する。その女は、10年以上前と全く同じ美しさを保っていた…。
山田正紀の初期作らしい。電子で安く買えるのだが、文庫は相当のプレミアが付いている。プレミアなしの古本だけどね。
さて、山田正紀作品ではとても読みやすい部類で、吸血鬼伝説に類人猿の進化、吸血のメカニズムなど割とあっさりめで、いろいろと事件への導入動機も軽く -
Posted by ブクログ
⭐︎4.7
「カンパネルラとは何か」作者の山田氏から作中繰り返し、出される命題に、私は一番心打たれた。なぜかはわからないが、そうなのだ。だから、カンパネルラについて少し考えてみようと思う。
カンパネルラとは、賢治が修羅の道を歩まねばならなかった、思慕の相手の具現。あるいは、彼の一番の理解者である妹とし。
そんな人物などではない、観念としての「カンパネルラ」
未完成のものかたり故に、賢治の思索の轍を私たちは、今手にとって読むことができる。彼にとって臨終の間際まで手を入れたいものだったこのものかたりは、今の世の中にも響く何かを持っている。
宮澤賢治という作家は生涯をかけて読み続けていきたいと思える -
Posted by ブクログ
小樽好きにはたまらないミステリーだ。小樽は古い建物や歴史的建造物が数多くの残る街。北海道の中でも人気の観光地だ。この本はその小樽を舞台にした6つの短編からなる小説。時代は鬱屈とした昭和初期、軍国化への道を進む暗い時代だ。山田正紀は『神狩り』でデビューしたSF作家。若かりし頃は良く読んだが、内容はほとんど覚えていない。著者のミステリーは初めての体験。
『人喰いー』というタイトルが暗示するように、何が人には言えない秘密を共有するようなストーリー。主人公は20代なかばの若者2人。樺太行きの客船に乗り合わせ妙な親しみを覚え行動を共にする。船の中で、降り立った小樽の街で、2人は殺人事件に出くわす。6つの -
Posted by ブクログ
どこかのブックガイドから。意図した訳じゃないんだけど、本作も二・二六事件にまつわる物語だった。偶然~。さておき、知名度も人気も宮部作品の方が上なんだろうけど、自分的にはこちらに軍配。改めて思うけど、やっぱり主人公の人物造形の良し悪しで、かなり明暗が分かれる。記憶が新しいこともあり、どうしても”蒲生邸”と比べて、って読み方になってしまったけど、本作は、より史実寄り。怪人二十面相みたいな突拍子もない設定を入れつつも、歴史の暗闇に斬りこむ作業にもかなりの熱量が注がれている印象。って、事件に全然詳しくない自分が何をかいわんや、ではあるけど。単行本上下段で500頁近い分量には正直ちょっと疲れたけど、でも
-
Posted by ブクログ
ネタバレ寂寥感のあるタイトルに惹かれて。
初っ端の舞台が札幌というのも、札幌民としては引き込まれポイント。大通公園やカフェの具体的な店舗名、モデルが容易に想像できる銀行なんかが出てくるのでストーリーが今そこにあるみたいに感じられる。大通公園ではハッカーならではの手に汗握る逃走劇が繰り広げられて、楽しい。
専門用語がけっこう多い。説明してくれるものも多いけど、当たり前のように使われてとくに掘り下げないのもあり、好奇心がくすぐられる部分あり。馴染みがない人にとっては、あんまり頭に入ってこないところも多いかも。
「地球から遠く離れた小惑星にて化石人骨(エルヴィス)が発見された」この不可思議な出来事に付随する -
購入済み
読んで良かったと思えるのですが
SF作品の枠組みに限らず、本としてたいへん面白いと感じております。
この本の紹介で出てくる偉人達は冒頭で役目を終えてしまい、中盤忘れた頃に再登場しますが、それで終わり。
その様な偉人の活躍を期待しておりましたが、それはこの作品の主ではなく、個人的な感想として残念でした。 -
Posted by ブクログ
山田正紀『山田正紀・超絶ミステリコレクション#5 囮捜査官 北見志穂4 芝公園連続放火』徳間文庫。
幻冬舎文庫の既刊5巻全て既読なのだが、今回、徳間文庫の新レーベルからは5巻のうち4巻の復刊に加え、5巻のリブート作をシーズン2としてシリーズ化して刊行されるとのことで、再読してみることにした。2022年秋に刊行予定の5巻のリブート作品はどんな内容になるのか非常に楽しみだ。
生まれついての被害者体質という警視庁科学捜査研究所特別被害者部の囮捜査官・北見志穂を主人公にしたミステリー・シリーズ。
今回は北見志穂の囮捜査官としての活躍は余り目立たず、相棒の袴田刑事が窮地に陥る。図らずも袴田の過去が