カムパネルラ

カムパネルラ

865円 (税込)

4pt

16歳のぼくを置いて母は逝った。宮沢賢治研究に生涯を捧げた母は、とりわけ『銀河鉄道の夜』を熱心に読み込み、否定されている第四次改稿版の存在を主張していた。遺言に従って花巻へ散骨に訪れたぼくは、土砂降りのなか気がつくと、昭和8年9月21日に転移していた。賢治が亡くなる2日前だ。いまなら賢治の死を阻止できるかもしれない――その一念でたどり着いた賢治の家でぼくを迎えたのは、早逝したはずの妹トシと、彼女の娘「さそり」だった。永遠に改稿され続ける小説、花巻を闊歩する賢治作品の登場人物たち。『銀河鉄道の夜』をモチーフに時間と物語の枠を超える傑作長編。/解説=牧眞司

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カムパネルラ のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2020年04月10日

    レビューを拝見して、知った本です。ありがとうございます。
    こういう小説を、ディストピア小説と呼ぶのは、他の方のレビューで初めて知りました。

    SF世界になんとか入りこむことはできたのですが、正直、意味がよくわからなかったです。面白くなかったわけではありません。

    16歳の主人公のぼくの母親は、宮澤賢...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2019年11月20日

    タイムリープ物?パラレルワールド?
    昭和の空気感の表現が凄かった。ラストシーンは好き。閉鎖したデジタル社会に挑むアナログ。

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    Posted by ブクログ 2024年03月20日

    ⭐︎4.7
    「カンパネルラとは何か」作者の山田氏から作中繰り返し、出される命題に、私は一番心打たれた。なぜかはわからないが、そうなのだ。だから、カンパネルラについて少し考えてみようと思う。
    カンパネルラとは、賢治が修羅の道を歩まねばならなかった、思慕の相手の具現。あるいは、彼の一番の理解者である妹と...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2023年02月05日

    初山田。途中まで実在した人物"宮沢賢治"とその著作『銀河鉄道の夜』がベースの歴史改変ものかとワクワクで読んでいたんだけど…なんて恐ろしい作品だったんだ、と仰天!?これは予想出来なかった…。

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    Posted by ブクログ 2019年03月31日

    「何度も改稿される『銀河鉄道の夜』の世界に僕は迷い込んだ」という文庫本の帯の文句が私の眼に飛び込んで来た。それだけで、私は購入を決めた。

    山田正紀のSFによる宮沢賢治論のようなので、かなり難解になることは目に見えているのだけど、それもまた良し、48年に渡る賢治ファンとしては、山田正紀の「神狩り」を...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2019年03月27日

    『銀河鉄道の夜』を読むより先に、999のアニメを楽しんじゃったり、詰め込み教育で「雨にも負けず」を無理くり暗唱させられたりしたので宮沢賢治の文学って素直に読んだことなかったなぁ

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    Posted by ブクログ 2023年04月02日

    「銀河鉄道の夜」をモチーフにしているが、ファンタジーとはちょっと違う。これ以上何か書くと、全てネタバレになりそうなので控える。
    読み始め混乱すると思うが、読み終わったら、混乱した方が良かったと思った。
    「どういうこと?!」と、混乱しながら読み進めることをお薦めします。

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    Posted by ブクログ 2020年01月16日

    銀河鉄道の夜をこじらせた小説、とでも言えばいいのかな。ともかく、どこに連れて行かれるか分からない展開にアップアップしながらも、何とか読み終えることができました。

    この「どこに連れて行かれるか分からない」というのは、単に先の読めない展開、というわけではありません。自分の場合は中盤まで、物語の目的も、...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2019年06月01日

    なるほど。友人が言っていた「曲がり角をしっかり曲がる」という言葉、しっくりくる。

    宮沢賢治と銀河鉄道の夜を話の軸に置いたSFなわけだが、話の構成と世界観はとても好きだし、銀河鉄道の夜の使い方がすごい。

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    Posted by ブクログ 2019年03月18日

    綺麗な本だなぁと手に取ってみました。
    まるっと宮沢賢治オマージュというかリスペクトというかそんな感じの本だった。

    教育って洗脳だなぁとは思いますがそもそも国というのはその地域に暮らす人の総意、という事なのである意味自分たちの属する地域に暮らす人間の存続維持のための民意、という事でもあるんですよね、...続きを読む

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