山田正紀のレビュー一覧

  • アフロディーテ

    Posted by ブクログ

    SFの殻をまとった青春小説。
    爽快感と、青春の終りを感じさせるほろ苦さの混ざった読後感。
    読んだ時には10代でしたが、はるかに主人公の年齢を凌駕してなお懐かしい、そういう小説です。

    0
    2009年10月04日
  • 金魚の眼が光る

    Posted by ブクログ

    「人喰いの時代」の呪師霊太郎再登場。時代ゆえの切なさがあっていい。ていうか本当にはずれのない作家だなと。

    0
    2009年10月04日
  • 金魚の眼が光る

    Posted by ブクログ

    母さん、帰らぬ、さびしいな、金魚を一匹突き殺す

    昭和初期、北原白秋の童謡をなぞるかのように起こる連続殺人。死体の傍らには金魚が…
    「人喰いの時代」で活躍した呪師霊太郎が探偵役!
    横溝感すら漂う時代背景と王道ミステリを楽しめた!山田正紀作品でここまで王道の探偵小説は珍しいかも。

    0
    2025年09月04日
  • カムパネルラ

    Posted by ブクログ

    本書のモチーフとなったのは『銀河鉄道の夜』のですが、もう一つ〈謎〉があります。

    それは晩年、賢治は病気だったにもかかわらず、訪ねてきた人の相談にのったあと、体調が急変し亡くなった、というあの場面の〈謎〉です。

    たずねたきたのは誰だったのか?なぜ賢治は病をおしてでも会おうとしたのか?そのあとなぜ、急に体調が悪くなったのか…?

    もちろん単純に、賢治の優しさゆえ、無理して相談にのり、体調を崩したと考えるのが普通でしょう。
    しかし、想像力を膨らませればミステリーにつながる場面といえなくもありません。

    本書はSFや近未来のディストピアとからめて構成されており、そんな読み方もできるのかと発見も多い

    0
    2025年07月13日
  • 戦争獣戦争 上

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    導入部分の三十数ページが一番ワクワクしたなというのが率直な感想。
    「査察で訪れた北朝鮮の核施設で、使用済み核燃料プール内を謎の巨大生物が泳いでいるのを目撃する!」、ここまで読んで「この後はどうなるのだろう?」と気持ちも盛り上がったのだが、その後は史実も絡めたハードボイルドな内容ではあるのだが、設定が明らかになるほど話がこぢんまりとしていく感じでイマイチ盛り上がらない。


    中盤までは異人とヒトの差異を(文中で彼らが感じているほどに)感じなかったが、それ以降は『ヒトではない』ことを実感する場面が増える。ただ、刺青獣の能力を除けば、怪物というよりは単純にサイコパス(= 他者への共感性が完全に欠如し

    0
    2025年07月01日
  • 翼とざして~アリスの国の不思議~

    Posted by ブクログ

    「愛の翼に殺意の翼どちらの翼で飛べばいいのだろう。」
    70年代男女7人の右翼グループが鳥迷島に活動のため上陸。“わたし”は仲間の1人が“わたし”に崖から突き落とされるのを見ていた…
    最後の真相は納得いかない人も多いとは思うが、綺麗な着地をしていると思う。
    主人公の視点が不安定なので分かりにくいのが難点かな。

    0
    2025年05月10日
  • カムパネルラ

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    なんかメディア良化法みたいなかんじと
    クラインの壺のVRみたいなかんじのイメージ
    改稿を巡ってのストーリー展開は面白かったけど最後は…

    0
    2025年02月14日
  • ここから先は何もない

    Posted by ブクログ

    「星を継ぐもの」に対するアンチテーゼとして書かれたSF巨編。
    突然プログラム外の動きを始めた宇宙探査機、そして小惑星からは化石人骨が見つかった。
    凄く興味を惹きつける謎ではあるが、ちょっと難解すぎて理解が追いつかなかった(汗)
    「黄色い部屋の謎」を例に挙げながらの探査機の異常動作についての推理は凄くミステリ色がでていたが、全部の謎は解明されてないような気が…
    まあミステリじゃなくてSFだから良いのかな?

    0
    2025年02月06日
  • 神狩り

    Posted by ブクログ

    山田正紀の1974年デビュー作
    前年の小松左京『日本沈没』など、この頃日本はSF小説のブームとなる。

    「古代文字の解明」から始まる物語は、目に見えない〈神〉をめぐる勢力との戦いで、SF色は少なめ。

    私には、日本で〈神〉をテーマにすることは、なかなか難しいと思ってしまう。
    でも、高度成長期の矛盾を孕んだこの時代の雰囲気を持った物語でした。

    0
    2024年08月26日
  • マヂック・オペラ 二・二六殺人事件

    Posted by ブクログ

    購入以後10年以上本棚に忘れていたものを改めて初読する。10年経って読んでみると、やはり少し構成や文体が古く感じてしまう。
    たくさんの興味深い登場人物が、それぞれどう関わっているのかが、十分に整理されないままのように思った。

    0
    2024年07月17日
  • 弥勒戦争

    H

    購入済み

    同じ作家の作品である「神狩り」を読み面白かったので、「弥勒戦争」と言う書名から購入。残念ながら「神狩り」にはほど遠い作品と言わざるえません。でも、☆一つや二つではありません。

    0
    2024年05月21日
  • フェイス・ゼロ

    Posted by ブクログ

    短編集。
    妖しい系、本格SF等、内容はいろいろ。
    でも、理解出来ないのもあった。読み手の頭が付いて行けない、というのが正直なところ。

    0
    2023年09月17日
  • 大江戸ミッション・インポッシブル 幽霊船を奪え

    Posted by ブクログ

    思いの外キャラが地味。
    荒唐無稽な物語なんだから、もっとブッ飛んでても良かったと思う。
    それぞれの技も、「そんなアホな?!」と思うぐらいの方が、アクション場面はワクワクしたはず。どれもあっさり描かれていて没頭出来なかった。
    後半は、物語の終息に向けてバタバタとプロットを拾った感じだった。

    0
    2023年05月25日
  • 大江戸ミッション・インポッシブル 顔役を消せ

    Posted by ブクログ

    これまでとは異なる文体。
    歌舞伎の世話もののよう。
    主人公の上司の同心は、コロンボをモデルにしていると思った。

    0
    2023年05月07日
  • カムパネルラ

    Posted by ブクログ

    「銀河鉄道の夜」をモチーフにしているが、ファンタジーとはちょっと違う。これ以上何か書くと、全てネタバレになりそうなので控える。
    読み始め混乱すると思うが、読み終わったら、混乱した方が良かったと思った。
    「どういうこと?!」と、混乱しながら読み進めることをお薦めします。

    0
    2023年04月02日
  • 山田正紀・超絶ミステリコレクション#6 SAKURA 六方面喪失課

    Posted by ブクログ

    山田正紀『山田正紀・超絶ミステリコレクション#6 SAKURA 六方面喪失課』徳間文庫。

    初文庫化の警察小説。プロローグに登場する得体の知れない『SAKURA』とは何者なのか。奇妙なプロットの小説は1話ずつで訳ありのダメ刑事1名を紹介する形式で進行する。刑事が事件を解決すると決まってポケベルが鳴る。

    一体、何がどうなっていて、どんな結末を迎えるのか、全く先の読めない展開が続く。

    が、しかし……

    余りにも拍子抜けした結末に開いた口が塞がらなかった。途中までは面白いのに、失速どころか墜落。期待は大きく裏切られた。

    警察各署のボンクラのダメ刑事7名が綾瀬署の窓際部署失踪課に集められる。陰で

    0
    2023年02月21日
  • 山田正紀・超絶ミステリコレクション#4 囮捜査官 北見志穂3 荒川嬰児誘拐

    Posted by ブクログ

    犯人に関しては登場からのやり取りで、想像はつく。ただなんでこんなまどろっこしいことを行って何をしているかはある意味ラストに見える光景はグロテスク。

    0
    2023年01月07日
  • カムパネルラ

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    「カムパネルラ、僕たち一緒に行かうねえ」。銀河鉄道にふたり一緒に乗ればいずれどちらかが降りなくてはならなくなるから、『銀河鉄道の夜』ではジョバンニが先に列車を降りたけれど、ふたりは一緒にどこまでも行けたのでは。そんなラストでした。
    メディア管理庁の言論統制と物語を使った啓蒙、物語の世界を仮想現実で創り出して人をアクセスさせて矯正・洗脳という派手なのはまだ無いだけで、これに近い「テキストを望んだ通りに“しか”読ませない」は既にあると思います。必ずしも作者の望んだ通りではないところもよくある…。
    ジョバンニの味方は校倉さんだけ…鳥採りの彼も、この世界で必要な概念なんだろな。カムパネルラが概念だった

    0
    2022年12月23日
  • 戦争獣戦争 上

    Posted by ブクログ

    使用済み核燃料プールに戦争獣がいるという最初は良かったのだけど、過去に話が戻ってからはあまりワクワクしない展開。

    0
    2022年10月11日
  • 山田正紀・超絶ミステリコレクション#1 妖鳥

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    ● 感想
     なんとも山田正紀らしいミステリ。聖バード病院を舞台に、いくつもの謎が提示され、最後は、一応、それらについて合理的な説明がされる。バカミスっぽさ、エロチックさも含まれるのが、山田正紀らしい。
     読者に提示される謎としては、金庫の中に閉じ込められた、記憶喪失の女が誰なのかという謎がある。この謎は、このミステリ全体を通じ、病院内での謎の焼死事件と死体の紛失と相まって、「新枝彌弥子」なのか、「藤井葉月」なのか。二人のいずれかだと絞られる。これが読者を引き付ける謎
     この謎で読者を引っ張りつつ、メインの謎としては、「女は天使なのか悪魔なのか。」という命題を突き付ける。これは物語の中では、狭更

    0
    2022年07月28日