山田正紀のレビュー一覧

  • ミステリ・オペラ 宿命城殺人事件〔下〕

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    ひさびさにずっしりした本読んだわー満足!
    メタ推理小説的ではあるんですが、「虚無への供物」みたいに投げっぱなしじゃなくて、辻褄はしっかりあってた。
    小栗虫太郎みたいな登場人物でてくるだけあって、小栗的な、非現実なトリックが多用されてるんですが、それが許される空気はしっかりできてんじゃないでしょうか。

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    2011年07月08日
  • たまらなく孤独で熱い街(電子復刻版)

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    勢いで読んだ、当時としては異常な男も今読むとやや普通に思えてしまう。孤独な人間がインターネットなどを通じて犯罪を犯す今の世の中がおかしいのか

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    2011年05月22日
  • アフロディーテ

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    思いっきり青い、けど素晴らしい。

    いまとなってはノスタルジーであり、この主人公のように夢を持ち得た時代さえ遙か遠くになってしまった。

    潰える夢を信じられた時代、持ち得た時代に存在を許された希有の青春小説です。

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    2010年10月09日
  • 闇の太守

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    まず、同じ作者で同じ題名のがありますが別物です。

    で、いつものごとく「終わってません」。
    さすが未完作家。

    後4人(4匹?)大蛇の化身が残っているはずなのに、
    最後が信長だというのは分かっているのに「終わってません」。

    ただ、文章はこの頃が一番上手いと思います。
    キャラの名前も山田正紀らしい。

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    2010年10月09日
  • 神狩り2 リッパー

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    30年越しの続編?!

    確かに瀬名秀明「ブレイン バレー」っぽい?
    と感じさせつつ、SFっぽさがあって、
    日本の怪奇SF系!!!って感じがしっかりしていて、
    とっても美味しいです。


    やっぱり脳と神って切り離せない方向に行くなぁ。

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    2010年07月04日
  • ふしぎの国の犯罪者たち

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    内容(出版社/著者からの内容紹介より)
    「犯罪というゲームにそなわっているスリル、ゾクゾクとするような快感に、ぼくたちはすっかり魅せられてしまったのだ」──職業や本名も明かすことを禁じられている奇妙なバーの客たちのあいだで、ある相談がまとまった。襲撃不能・絶対安全の現金輸送装甲車を作り上げたと喧伝する警備保障会社にひと泡ふかせてやろうと、現金輸送車襲撃を計画したのだ。人生最大のゲーム“犯罪”に足をふみいれてしまった大人たちの“犯罪遊戯”を描く連作長篇。

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    2009年10月04日
  • アフロディーテ

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    SFの殻をまとった青春小説。
    爽快感と、青春の終りを感じさせるほろ苦さの混ざった読後感。
    読んだ時には10代でしたが、はるかに主人公の年齢を凌駕してなお懐かしい、そういう小説です。

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    2009年10月04日
  • 金魚の眼が光る

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    「人喰いの時代」の呪師霊太郎再登場。時代ゆえの切なさがあっていい。ていうか本当にはずれのない作家だなと。

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    2009年10月04日
  • 神狩り

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    ネタバレ

    格好いい文章を書く人だな。50年前の作品とは到底思えないし、24歳でデビュー作というのが怖い。SFを全然読んでいないためか、まったく新しいジャンルと出会えたなという感動がある。強いていうなら『虐殺器官』がギリギリかすってるかな、全く違うかなという感じ。
    我々の使用している論理記号が5つ「そして」「ならば」「あるいは」「でない」「必然である」ってのは腑に落ちませんが定説なんですかね?今作で登場する「古代文字」の論理記号は2つのみ。2つで言語を成立させるのは人間ではありえないと。ここの説明がいちいち格好いいんですよ。ワクワクします。
    神との対決はここからだ!ってところで終わるので暫定評価です

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    2026年08月19日
  • 山田正紀・超絶ミステリコレクション#2 囮捜査官 北見志穂1 山手線連続通り魔

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    1980年代?の作品なので時代背景に古さはあるものの、サクサク読めるラノベ的なミステリ。
    警察の厳戒態勢をすり抜けて同じ駅で連続殺人が起きるなど、展開のリアリティには正直「ん?」と思う部分もあるけれど、主人公のキャラクターの魅力と、犯人の意外性には見るべきところもあった。本格推理というよりは、割り切ってキャラと謎解きを楽しむエンタメ小説。2作目も様子見がてら読んでみようと思う。

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    2026年06月30日
  • 人喰いの時代(電子復刻版)

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    [人喰い船]★★☆
     下着姿の死体が発見されたが、その後のある瞬間背広を着ていたという目撃者がいるのはなぜか?というのが最大の謎なんだろうけど…。
     被害者を箱詰めにして船に乗せ、犯人は被害者になりすまして乗船し、殺害後は3等船室の乗客に紛れ込んでいた。死体が背広を着ていたのは、犯人が仕立屋であったために、死体が着ていたはずの衣服が体にあっていなかったと言われるのが許せなかったため、寸法を合わそうとしていたから。論理的には一応無理なく説明がつくけど、それほど驚きはない。見せ方の問題だけかもしれないけど。
     一方で、呪師霊太郎にトリックよりは人間の心理に興味があると言わせているわりには、安芸子は「わたくしはべつにどなたでもかまいませんの。その時点でわたくしをもっとも欲しがっている殿方でしたらどなたでも…」と言うだけで、犯人も「わしが許せなかったのは、藤子があの女を手に入れたあと、わしを出入り差し止めにしたことだ。わしの仕立てた洋服よりも、あんな女のほうを選んだことが、断じて許せなかったのだ」と言うだけだから、それほど驚くこともなかった。とか言いながらこの話読んでいて一駅乗り過ごしたわけだから、あんまりえらそうなこと言えないけど。

    [人喰いバス]★★☆
     バスの中から酔っぱらい以外の人が全て消えたっていうから、どんな凄いことが起こったんだろうって期待したのに…。しかも計画的な殺人ですらないっていうのがなあ。警察に犯人を捕まえさせない探偵ってことで、わざとねらってハズしてるのかもしれないけど、真相が判ってビックリしないミステリーはやっぱりダメでしょう。2つ続けて変装というか偽装ネタだったのもマイナス。

    [人喰い谷]★★☆
     -ひとりの女に、ふたりの男だ。なにをどうあがいても無理というものだ!
     -なによりも弥生さんの気持ちを大切にするべきじゃないのか。弥生さんには何の罪もないのだから。
     うーん、また途中でネタがわかってしまった。この会話をホモと見るのはそれほど難しいことじゃない。ランプがなくなった理由が<邪恋谷>に二人を誘い込む罠のためだったというのは気がつかなかったけど、それはどちらかというと小さい問題だよなー。

    [人喰い倉]★★☆
     殺人を自殺に見せるために密室が作られるのではなくて、ただの自殺を密室だと思わせるための論理を構築するという話の流れには、作者のひねくれ方が伺えるけど、まさしく他愛もない密室なのがね。人間って、手首を切ったあとに何かを飲み込むことができるのか?っていうのも疑問。
     本格推理としての完成度を高めるというよりは、人情話になってきたな。

    [人喰い雪まつり]★★★
     もうトリックと呼べるものはないから、推理小説とは言えないと思うけど、雪女が死んだ夫を氷の橇に乗せて生き返らせるという昔話(ホントにこういうバリエーションがあるのかどうかはわからん)に絡めた悲しい結末はなかなかいい。

    [人喰い博覧会]★★★
     出たメタ。そうきたかー。「宝石泥棒Ⅱ」と同じですね。なんちゃって作戦。こうなってくると、ここまではわざしょぼい話を書いてたんじゃないかとさえ思うよな。犯人がことごとく警察に捕まってない理由もこれでわかった。
     これまでの事件の登場人物が次々と登場してくるに従って、最後の大オチに対する期待が高まっていったけど…。なんだよ、メタなだけじゃないかよ。霊太郎が、実際に起こった事件と雑誌に連載されていた話との間の違和感から、現在の秀助の心境を推理するところとか、もっと突っ込んで欲しかった。

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    2026年06月10日
  • ブラックスワン

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    自分はなかなか好きですよ。
    手記を使った過去の話しと現在の事件の絡みの果てに見えるものには少し驚きはしました。
    3226冊
    今年125冊目

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    2026年05月18日
  • 金魚の眼が光る

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    母さん、帰らぬ、さびしいな、金魚を一匹突き殺す

    昭和初期、北原白秋の童謡をなぞるかのように起こる連続殺人。死体の傍らには金魚が…
    「人喰いの時代」で活躍した呪師霊太郎が探偵役!
    横溝感すら漂う時代背景と王道ミステリを楽しめた!山田正紀作品でここまで王道の探偵小説は珍しいかも。

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    2025年09月04日
  • カムパネルラ

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    本書のモチーフとなったのは『銀河鉄道の夜』のですが、もう一つ〈謎〉があります。

    それは晩年、賢治は病気だったにもかかわらず、訪ねてきた人の相談にのったあと、体調が急変し亡くなった、というあの場面の〈謎〉です。

    たずねたきたのは誰だったのか?なぜ賢治は病をおしてでも会おうとしたのか?そのあとなぜ、急に体調が悪くなったのか…?

    もちろん単純に、賢治の優しさゆえ、無理して相談にのり、体調を崩したと考えるのが普通でしょう。
    しかし、想像力を膨らませればミステリーにつながる場面といえなくもありません。

    本書はSFや近未来のディストピアとからめて構成されており、そんな読み方もできるのかと発見も多いです。

    もう一度『銀河鉄道の夜』をよんでみたいと思いました。

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    2025年07月13日
  • 戦争獣戦争 上

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    ネタバレ

    導入部分の三十数ページが一番ワクワクしたなというのが率直な感想。
    「査察で訪れた北朝鮮の核施設で、使用済み核燃料プール内を謎の巨大生物が泳いでいるのを目撃する!」、ここまで読んで「この後はどうなるのだろう?」と気持ちも盛り上がったのだが、その後は史実も絡めたハードボイルドな内容ではあるのだが、設定が明らかになるほど話がこぢんまりとしていく感じでイマイチ盛り上がらない。


    中盤までは異人とヒトの差異を(文中で彼らが感じているほどに)感じなかったが、それ以降は『ヒトではない』ことを実感する場面が増える。ただ、刺青獣の能力を除けば、怪物というよりは単純にサイコパス(= 他者への共感性が完全に欠如しているだけ)のような感じもした。
    物語が進むごとに異人の神秘性のようなものが失われていく。台湾の奥地で殺し合っているだけの部族から出たナニかだと分かったときには存在している規模があまりに小さく、ガッカリにも近い感情になった。
    『死命』も『死態系』も明らかになっていくに従って陳腐な感じになる。生命や生態系の対になるという壮大な感じがしない。多様で豊かな生に対して貧しく寂しい死という対比を意識しているなら良いのだが、下巻でどうなることか。
    物語の中盤までは「どんな場所だろうか」と思っていた結晶林も神秘性も大した広さもないただの森。なんだか少し拍子抜けしてしまう。「そんな大層な名前をつけなきゃいいのに」とまで思ってしまった。

    戦争獣『蚩尤』が誕生した際の描写は画面の裏側が見えてしまったように感じて落ち着かない思いをした。この場面は戦争獣の様子や生態を描いているのだが、「現代SFの巨大生物の動きをガワだけ変えたもの(モーションやモデルは同じでテクスチャを変えただけの感じ)」に見えて仕方がなかった。
    本来は、それまで全く不明だった戦争獣の姿が垣間見える心踊る場面のはずなのだが、悪い意味で既視感のある記述に楽しむことができなかった。また、生物の描写に既視感を感じるのはこれまで読んだSF作品、ファンタジー作品を通して初めての経験ということもあって、「つまらないな」と感じるだけでなく、盗作部分を見つけてしまったような非常に居心地の悪い気持ちにもなった。


    良かったなと印象に残っているのは、175ページのジェン・ドゥーが歌い始める場面で、夢の中にいるような艶かしさがよく表現されている。それまでの異人は特別惹かれる印象は受けなかったが、この場面は周囲の客と同じように夢心地で目を奪われていく過程がよくわかった。
    この場面前後から異人の非人間性が前面に表れ始めるのだが、その特徴の一つである「異常に目を引く」様子が良く現れている。

    余談だが、華麗島には著者の注か、「今は台湾と呼ばれているが・・」のような劇中の人物に注を付けさせるようにした方が良かったのではないかと思った。

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    2025年07月01日
  • 翼とざして~アリスの国の不思議~

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    「愛の翼に殺意の翼どちらの翼で飛べばいいのだろう。」
    70年代男女7人の右翼グループが鳥迷島に活動のため上陸。“わたし”は仲間の1人が“わたし”に崖から突き落とされるのを見ていた…
    最後の真相は納得いかない人も多いとは思うが、綺麗な着地をしていると思う。
    主人公の視点が不安定なので分かりにくいのが難点かな。

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    2025年05月10日
  • カムパネルラ

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    ネタバレ

    なんかメディア良化法みたいなかんじと
    クラインの壺のVRみたいなかんじのイメージ
    改稿を巡ってのストーリー展開は面白かったけど最後は…

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    2025年02月14日
  • ここから先は何もない

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    「星を継ぐもの」に対するアンチテーゼとして書かれたSF巨編。
    突然プログラム外の動きを始めた宇宙探査機、そして小惑星からは化石人骨が見つかった。
    凄く興味を惹きつける謎ではあるが、ちょっと難解すぎて理解が追いつかなかった(汗)
    「黄色い部屋の謎」を例に挙げながらの探査機の異常動作についての推理は凄くミステリ色がでていたが、全部の謎は解明されてないような気が…
    まあミステリじゃなくてSFだから良いのかな?

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    2025年02月06日
  • 神狩り

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    山田正紀の1974年デビュー作
    前年の小松左京『日本沈没』など、この頃日本はSF小説のブームとなる。

    「古代文字の解明」から始まる物語は、目に見えない〈神〉をめぐる勢力との戦いで、SF色は少なめ。

    私には、日本で〈神〉をテーマにすることは、なかなか難しいと思ってしまう。
    でも、高度成長期の矛盾を孕んだこの時代の雰囲気を持った物語でした。

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    2024年08月26日
  • マヂック・オペラ 二・二六殺人事件

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    購入以後10年以上本棚に忘れていたものを改めて初読する。10年経って読んでみると、やはり少し構成や文体が古く感じてしまう。
    たくさんの興味深い登場人物が、それぞれどう関わっているのかが、十分に整理されないままのように思った。

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    2024年07月17日