【感想・ネタバレ】マヂック・オペラ 二・二六殺人事件のレビュー

\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

「二十世紀の大都会ではおよそ人から、「自分」というものが剥奪されてしまう。もうこの時代には唯一無二の「自分」などというものはどこにも存在しない。写真であなたの「複製」が無数に作られる。あなたはここにいるのにあなたの声は電話ではるか遠方まで届いてしまう。ここにいたはずのあなたは電車に乗ってあっという間に遠方に運ばれる。本当のあなたはどこにいるのだろう。本当の自分はどこにいるのか。そもそも本当の自分などというものが存在するのだろうか。それは虚妄にすぎないのではないか。二十世紀のメトロポリスにおいてあなたがあなたである必要がどこにあるのか。そこにいるあなたはすでにあなた自身にとっても見知らぬあなたではないのか。あなたはどこまであなたなのか。」

第二部完了。ミステリーとしてはそれほどでもないが、面白かった。

0
2012年10月26日

Posted by ブクログ

これは良いカオスwwwww昭和史、とりわけににろく事件周辺のことに興味のある人は読んで損ないと思います。乱舞する引用文、炸裂するトンデモ妄想。これぞ探偵小説の醍醐味!表紙からして稀有なカオスの気配が感じ取れると思います。久々に素敵なエンターテイメント作品に出会えた感です。

0
2009年10月04日

Posted by ブクログ

映像の中にはドッペルゲンガー。そこは「猫町」の世界。「現実の世界ではなくつて、幻燈の幕に映つた、影絵の町」、「一寸したバランスを失つても、家全体が崩壊して、硝子が粉々に砕けてしまふ」。二・二六事件とN坂殺人事件が奇妙に重なっていく。

0
2010年03月28日

Posted by ブクログ

どこかのブックガイドから。意図した訳じゃないんだけど、本作も二・二六事件にまつわる物語だった。偶然~。さておき、知名度も人気も宮部作品の方が上なんだろうけど、自分的にはこちらに軍配。改めて思うけど、やっぱり主人公の人物造形の良し悪しで、かなり明暗が分かれる。記憶が新しいこともあり、どうしても”蒲生邸”と比べて、って読み方になってしまったけど、本作は、より史実寄り。怪人二十面相みたいな突拍子もない設定を入れつつも、歴史の暗闇に斬りこむ作業にもかなりの熱量が注がれている印象。って、事件に全然詳しくない自分が何をかいわんや、ではあるけど。単行本上下段で500頁近い分量には正直ちょっと疲れたけど、でもスリリングな読書体験でした。できれば本作を含むオペラ三部作を読破したいけど、時間がな~…。

0
2023年06月14日

Posted by ブクログ

ネタバレ

昭和史をテーマにした骨太なミステリーです。この作品では二・二六事件がテーマとなっていて、史実と虚実が入り混じり、「虚」が「実」だったのではないかと錯覚するような作品になっています。現実を舞台にノンフィクションを創造するタイプの小説としては、非常に出来が好いと思います。

何も前情報なしに読んだのですが、どうやらこの作品は著者の「オペラ三部作」と呼ばれるもののうち、二作目にあたるようです。とは言っても、恐らく三部作に共通するのは主人公格で登場する「黙忌一郎」という人物のみで、それ以外は別個の作品になっているかと思われます。

置屋で殺された芸者の死の真相を巡る中で、徐々に明らかになっていく新たな事実や人間関係は、非常に複雑。登場人物は恐らく20名程度で大して多くはないのですが、そのうち3割ぐらいは歴史上の実在の人物だったりするので、「この実在の人物と、この創造の人物が関係するのか?」と考え込んでしまうと、頭の中は一気に混乱します。

内容的にもページ的にも(ハードカバー、1ページ2段組で450ページ強!)ヘビーなので、軽々しく勧められるものでもないですが、日本の近現代史に関心が深い人ならば特に面白く読めるはずです。

0
2014年05月21日

Posted by ブクログ

山田正紀がまた新しい引き出しを開けた。 誰が二・二六事件と怪人二十面相とを組み合わせられようか。
一言で言ってしまえば二・二六事件を扱った歴史ミステリー。過去と現代が錯綜する前作の作風を期待する肩すかしを食う。前作ほどの豪腕はふるわれてはいないが、 十分に突拍子なく、十分にデカい風呂敷を広げている。 まさしく山田正紀にしか書けない本である。

0
2011年10月01日

Posted by ブクログ

ミステリ・オペラ3部作、その2
二・二六事件に詳しい人であれば、面白く読めるかも。
つまらなくはないが、ミステリ・オペラ(その1)よりは、ちょい劣るかも。

0
2013年08月06日

「小説」ランキング