【感想・ネタバレ】マヂック・オペラ 二・二六殺人事件のレビュー

あらすじ

2・26事件前夜。密室状態の部屋で芸者が刺し殺された。 検閲図書館 黙忌一郎の依頼で事件を調査する特高警察の警部補が遭遇する奇怪な出来事とは……。『ミステリ・オペラ』につづく、シリーズ第二作

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Posted by ブクログ

ネタバレ

昭和史をテーマにした骨太なミステリーです。この作品では二・二六事件がテーマとなっていて、史実と虚実が入り混じり、「虚」が「実」だったのではないかと錯覚するような作品になっています。現実を舞台にノンフィクションを創造するタイプの小説としては、非常に出来が好いと思います。

何も前情報なしに読んだのですが、どうやらこの作品は著者の「オペラ三部作」と呼ばれるもののうち、二作目にあたるようです。とは言っても、恐らく三部作に共通するのは主人公格で登場する「黙忌一郎」という人物のみで、それ以外は別個の作品になっているかと思われます。

置屋で殺された芸者の死の真相を巡る中で、徐々に明らかになっていく新たな事実や人間関係は、非常に複雑。登場人物は恐らく20名程度で大して多くはないのですが、そのうち3割ぐらいは歴史上の実在の人物だったりするので、「この実在の人物と、この創造の人物が関係するのか?」と考え込んでしまうと、頭の中は一気に混乱します。

内容的にもページ的にも(ハードカバー、1ページ2段組で450ページ強!)ヘビーなので、軽々しく勧められるものでもないですが、日本の近現代史に関心が深い人ならば特に面白く読めるはずです。

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2014年05月21日

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