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Posted by ブクログ
本格推理連作短編集。最近、シリーズ第2弾の『屍人の時代』が刊行されたのを機会に併せて読んでみようと思った。
昭和初期を舞台に、呪師霊太郎と椹秀助の二人の若者が六つの不可思議な殺人事件に挑む。物語の語り手は椹秀助。事件は解決するが、意識的に犯人は捕縛しないという前代未聞の不思議な探偵・呪師霊太郎。本格推理というよりも様々な人びとの人生を描くヒューマンドラマの色合いが強い。
『人喰い船』。最初の事件。東京から樺太に向かう船上で発見された変死体の謎に呪師霊太郎と椹秀助が挑む。まずは小手調べか。
『人喰いバス』。山中を走るバスから消えた五人の乗客と残された一人の乗客。この連作短編の方向性が少し見えて来たようだ。しかし、山田正紀のこと、まだまだ油断は出来ない。
『人喰い谷』。雪山の谷底から消えた二人の遭難者の謎。そう来たか。どうやら、最後の最後まで呪師霊太郎の正体は明かされないようだ。
『人喰い倉』。倉庫で起きた密室殺人事件の謎に挑む呪師霊太郎。霊太郎の優しさを垣間見ることが出来る短編。
『人喰い雪まつり』。呪師霊太郎と椹秀助が転がり込んだ下宿の主人の死は他殺だったのか…時空を超えて描かれるミステリー。
『人喰い博覧会』。やはり、最後の最後に最大のミステリーの種明かしが…単なる探偵小説に終わらず、山田正紀は呪師霊太郎と椹秀助の壮大なる人生をも描いてみせた。すごい。
Posted by ブクログ
小樽好きにはたまらないミステリーだ。小樽は古い建物や歴史的建造物が数多くの残る街。北海道の中でも人気の観光地だ。この本はその小樽を舞台にした6つの短編からなる小説。時代は鬱屈とした昭和初期、軍国化への道を進む暗い時代だ。山田正紀は『神狩り』でデビューしたSF作家。若かりし頃は良く読んだが、内容はほとんど覚えていない。著者のミステリーは初めての体験。
『人喰いー』というタイトルが暗示するように、何が人には言えない秘密を共有するようなストーリー。主人公は20代なかばの若者2人。樺太行きの客船に乗り合わせ妙な親しみを覚え行動を共にする。船の中で、降り立った小樽の街で、2人は殺人事件に出くわす。6つの章は独立した内容かと思いきや最後の章でひとつひとつ繋がっていたことが明らかになり思いもよらぬ展開をもたらす。昭和初期の出来事が若者2人の人生を変え、現代に繋がる。過去の秘密と現代が交差した時、老いた2人に由来したものはなにか?
終始、暗い雰囲気が覆う小説だが、この時代設定は嫌いではない。
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小説・文芸
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