あらすじ
ある雨の夜、ドライブ中の私は、突然飛び出してきた少女をはねてしまった。外傷はなかったが、意識を失った少女を車に乗せ、友人の医師須藤の下宿に運び込んだ。少女は、息を呑むほど完璧な美しさをたたえていたが、ただひたすら眠り続けた。何日も何日も……。少女の容体を調べた須藤は、彼女が異常に低い体温を持ち、普通の人間では考えられない血液組織を持っていることに気づいた。彼女は人間ではないのだろうか!
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Posted by ブクログ
会社が倒産し、自暴自棄で車を飛ばしていた所、傘を持った女と衝突してしまう。膝に少し傷を追っただけの美女は、いつまで経っても目を覚まさないため、医師の須藤のところに連れ込む。数日後、須藤が逮捕され、眠っていた女は須藤の元妻のところに移されたが、元妻が殺され、須藤と眠っていた女は失踪する。その女は、10年以上前と全く同じ美しさを保っていた…。
山田正紀の初期作らしい。電子で安く買えるのだが、文庫は相当のプレミアが付いている。プレミアなしの古本だけどね。
さて、山田正紀作品ではとても読みやすい部類で、吸血鬼伝説に類人猿の進化、吸血のメカニズムなど割とあっさりめで、いろいろと事件への導入動機も軽くて軽快に読める。
その一方で、最近の作品とは異なり、書かなくてもわかるだろうというような表現はバッサリ削られているため、テンポがとても良い印象だ。
結局、吸血鬼ともいえる亜人たちとの接触はないようなもので、この手の作品にしては思わせぶりながら何もしないという当たりは新鮮だろう。
ただまあ、1970年くらいの出かけるときは背広に革靴といった風俗がやはり古いなと思わせられるし、当時のオールマイティーなアイテム、マイクロフィルムも登場。流石にフィルム1枚で、家をひっくり返すほどの襲撃の動機にはなりにくいよね。
全体に半村良の長編と作りやうんちくのあり方が似ており、途中でどっちだっけ?と思ってしまった。