あらすじ
芝公園周辺で頻発する高級外車の放火事件。
深夜の邀撃捜査の現場、停電の6分間の闇を突いて、剃毛され日焼け止めクリームを全身に塗られた女性の全裸死体、
そして被害者のミニチュアのように添えられたユカちゃん人形が発見された。
大胆不敵な殺人死体遺棄事件。人形連続殺人に隠されていたのは過ぎし日々──高度経済成長が生んだ哀しい歪な構図だった。
終焉を迎えた昭和への鎮魂歌。
トクマの特選!
イラスト KENTOO
〈目次〉
プロローグ
放火犯よう撃捜査
裸のユカちゃん
解剖所見
人形捜査
降ってきた女
進展
ビキニのユカちゃん
単独捜査
真夏の卒業式
黄色い指
新車のユカちゃん
交差
タイムトラベル
死点
ピアノのユカちゃん
昭和島
お断り
解説 太田愛
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
山田正紀『山田正紀・超絶ミステリコレクション#5 囮捜査官 北見志穂4 芝公園連続放火』徳間文庫。
幻冬舎文庫の既刊5巻全て既読なのだが、今回、徳間文庫の新レーベルからは5巻のうち4巻の復刊に加え、5巻のリブート作をシーズン2としてシリーズ化して刊行されるとのことで、再読してみることにした。2022年秋に刊行予定の5巻のリブート作品はどんな内容になるのか非常に楽しみだ。
生まれついての被害者体質という警視庁科学捜査研究所特別被害者部の囮捜査官・北見志穂を主人公にしたミステリー・シリーズ。
今回は北見志穂の囮捜査官としての活躍は余り目立たず、相棒の袴田刑事が窮地に陥る。図らずも袴田の過去が明かされるが、何か物足りない。物足りないのは本作に限り、北見志穂の囮捜査を陰で援護する袴田刑事という図式が無いのが原因だろう。
事件の舞台は昭和から平成に変わったばかりの頃。次のシーズン2では舞台を令和に移すが、平成という時代が数年で終わったことにするようだ。そうすれば北見志穂は20代後半ということになり、囮捜査官の設定には無理が生じないのだろう。
芝公園周辺で頻発する高級外車の放火事件に警察は深夜の邀撃捜査を決行するが、停電の6分間の隙に全裸の女性死体とそれを模したようなユカちゃん人形が発見される。やがて、第二、第三のユカちゃん人形殺人事件が発生し……
本体価格810円
★★★★