あらすじ
平成元年、東京。編集者の萩原祐介はビルの屋上から投身、しばらく空中を浮遊してから墜落死した。昭和13年、満州。奉納オペラ『魔笛』を撮影すべく“宿命城”へ向かう善知鳥良一ら一団は、行く先々で“探偵小説”もどきの奇怪な殺人事件に遭遇する。そして50年を隔てた時空を祐介の妻・桐子は亡き夫を求めて行き来する……執筆3年、本格推理のあらゆるガジェットを投入した壮大な構想の全体ミステリ。
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Posted by ブクログ
時代設定や舞台はなかなかに魅力的。上巻は謎また謎のオンパレードで、下巻でどのように収束させるのか、お手並み拝見といったところ。あと『魔笛』って本当にこんな支離滅裂な筋書きなのか?
Posted by ブクログ
すごい。
知識土壌というか、知的バックグラウンドがどこまでも奥行きを見せている一方で、その独自の体系をひけらかすようなところが少しもない文体。
最初の数ページにはとっかかりにくかったが、あとはすんなり読めた。
しかし、その展開させる世界観・思想が入り込みすぎて、読者を著しく制限してしまっているきらいがある。
かならずしもそれは作品の欠点ではないが、この作家を知っている人間が周囲に少ないのは悔やまれる。
後半で、どんな展開を見せるのか非常に楽しみだ。