コナン・ドイルのレビュー一覧

  • バスカヴィル家の犬

    Posted by ブクログ

    コナン・ドイルはシャーロック・ホームズ物語を『最後の事件』で終わらせたがその発表から八年後に、『最後の事件』より二年前の出来事として発表された長編。この時点ではコナン・ドイルはまだホームズを完全復活させるつもりはなかったはずなので、今までのホームズ物語とはちょっと違うのかな?
    こちらの新潮社の版は昭和29年初版のため言葉遣いも若干古めかしいところが雰囲気があって良いです。


    ホームズとワトスンはモーティマー医師から訪問を受ける。それは最近死んだチャールズ・バスカヴィル卿の遺産相続に関する相談だった。
    バスカヴィル家はデヴォンシャーの旧家で、「地獄の犬」の言い伝えがある。それは数代前の当主ヒューゴー・バスカヴィル卿の乱暴非道さ、そしてそんなヒューゴー本人が巨大な野犬に食い殺されたことにより、子孫たちに言い伝えられた伝説だった。
    年月は経ち、社会活動に勤しんでいた当主チャールズ・バスカヴィル卿の死体が見つかった。そばには巨大な犬の足跡が残されていた。
    そしてバスカヴィル家の跡取りとして、甥のヘンリー・バスカヴィル卿が外国から呼び寄せられることになった。しかしロンドンに着いた途端に尾行者が付き、「バスカヴィル屋敷に行くな」という脅迫状が届く。
    こうなったら魔犬だとか呪いみたいなもんではなくて生きた人間の仕業だ!と早速調査を引き受けるホームズ。しかし自分はロンドンに残り、デヴォンシャーにはワトスンに先発して身辺の報告をしてくれるように依頼する。


    バスカヴィルの屋敷の周辺は荒れ地で底なし沼があり一人で歩くことも危険だ。夜になると、屋敷の窓からランプの合図を送る屋敷の執事、監獄を逃亡して荒野に潜んでいるらしい殺人者、そしてある晩ワトスンとヘンリー卿は、目を輝かせて火を吐く巨大な魔の犬を目撃する…。


    ===
    探偵物語というより冒険小説のようだが面白かった。舞台が荒野なので、見渡す限りの寂しさや、発生するとあたりが見えなくなる濃霧や、その中から現れる光る巨大な犬、底なし沼に引きずり込まれる動物の最後の鳴き声だとか、オソロシイ雰囲気たっぷり。
    前当主チャールズ卿の死の真相、現当主ヘンリー卿が狙われる理由や犯人は中盤でわかるので、後半は雰囲気たっぷりの荒野で罠を張ったり魔犬と対峙したりの冒険活劇風味です。

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    2026年10月02日
  • シャーロック・ホームズの回想

    Posted by ブクログ

    シャーロック・ホームズのシリーズは、友達の医者ワトスンが自分が同行したりホームズから聞いたりした彼の探偵仕事を記録して発表したとなっている。
    本書は、ワトスンがベイカー街でホームズと共同生活していた頃、結婚して開業医となりたまにホームズの仕事に同行したときのこと、そしてホームズから聞いた事件などが入っている。
    コナン・ドイルは『最後の事件』でシャーロック・ホームズにある結末を与えてシリーズ終了、のはずだったんだけど、熱烈なホームズ復活願い(やら脅迫やら)で約10年後に完全復帰させる。
    『最後の事件』では探偵のホームズと対等の相手として犯罪会の王モリアーティ教授を登場させる。あくまでもホームズ物語を終わらせるための人物なのでいきなりでてきてこれ一作で消えてしまうんだけど、さすがに連続ドラマ(ジェレミー・ブレットのグラナダ版)では数話前から「この事件の裏にはモリアーティ教授が!」とかやってました。


    『シルバー・ブレイズ』
    まだワトスンがベイカー街にいたころかな。退屈なホームズはワトスンが発表しているホームズ事件簿について「君の記録は事件そのものよりも小説としての面白さに重きをおいているではないか!」とかなんとか八つ当たり・笑


    競馬のレース直前に、大本命の名馬シルヴァー・ブレイズ(白銀号)が行方不明となり、調教師ジョン・ストレイカーの死体が見つかった。


    さすがイギリス、競馬は身分の高い人たちも参加するし国中の話題で、賭博も国中で盛んだ!
    今回の事件では、お馬さんが無事だったからまあいいや。(^_^)
    そしてホームズは現場に行く前に仮説を立てたらしいが、行ってみたら細かいところで「自分の考えは間違っていた」と、すぐに推理立て直し。切り替えが早くて柔軟な性格が見えた。


    『ボール箱』
    ※本作はセンセーショナルだとして短編集から削除されることが多かったということです。
    クロイドンのスーザン・クッシングが受け取ったボール箱を開けてみると、そこには塩漬けにされた二人の人間の二つの耳が入っていた。以前追い出した3人の医学生からの嫌がらせか?だがホームズは、切った跡の乱暴さ、ボール紙を結んだ紐の結び方から、犯人は船乗りだろうと検討をつける。
    …ホームズたちが加害者のもとに行くと「あの二人の顔がずっと頭に張り付いている。俺は」
    シャーロック・ホームズでは「人間より上の裁き」ということが示されますが、
    しかし加害者が殺人をした経緯と、その後これだけ罪の意識を持つってこととから彼も気の毒だよなあとは思う…。


    『黄色い顔』
    グラント・マンローは、最初の夫と子供と死別した女性エフィーと結婚し、ノーバリに住んでいた。しかし最近エフィーの様子がおかしい。大金を必要とするようになる。隣に謎の人たちが引っ越してきて、エフィーはその家にこっそりと出入りしているのだ。マンローがその家に挨拶に行くと不機嫌な女性に追い返され、2階からは表情のない黄色い顔が彼を見下ろしていたという。
    こんな感じで刑事事件ではないんだけど摩訶不思議な出来事が起きた時に相談相手として駆け込まれるのがシャーロック・ホームズ。ホームズも奇々怪々な話を聞けて嬉しがる。
    ホームズはマンローを先に帰らせてからワトスンとノーバリに向かうことに。ホームズはワトスンに「隣の人物はエフィーの悪い前夫で彼女を恐喝しているのだろう」と語る。
    ノーバリで合流した彼らは隣の家に行くと、エフィーが必死で夫のマンローに「いつか全部お話するから今はそっとしておいて!」嘆願するが、マンロー、ホームズ、ワトスンは家に乗り込んだ。すると2階に黄色い顔の少女が…、少女?あれ?仮面じゃないか!その仮面を外すとにっこにこした可愛い黒人の少女の顔が現れた。
    秘密を知られたことによりエフィーが打ち明ける。エフィーはアメリカで最初の結婚をしたが彼は黒人だった。夫は死んだが娘は生きていた。エフィーは娘を子守に預け、イギリスに渡りマンローと再婚したが、階級社会・差別のあるこの時代に、黒人の娘がいることを打ち明けられなかったのだ。そして娘をこっそり呼び寄せていた。
    まさに時代背景を考える短篇ですね。黒人の夫は素晴らしい人だった!しかし黒人の娘は欧米階級に認められるのは難しい。しかしそんな階級社会に生きるイギリス人マンローは男気があった。「ぼくは最高の男じゃないがそこまで悪くない男だと思うよ」こうして妻と、前夫との娘を受け入れることを表明する。
    その様子を見てすぐにロンドンに引き返すことにしたホームズは、ベーカー街での自分の推理が完全に全く外れていたことをいたく反省し「ねえ、ワトスン。もし、この先、僕が自分の力を過信したり、事件に対して相当の骨折りを惜しんだりするようなことがあったら、こっそり僕の耳に『ノーバリ』と囁いてくれたまえ。そうしてくれると非常に有難い」と頼むのだった。
    この後ワトスンが「ホームズ!ノーバリだぞ!」って囁いたことはあったのかな・笑


    『株式仲買店員』
    ワトスンがメアリーと結婚して開業医になった頃の話。しばらく会っていなかったホームズが訪ねてきた。
    ワトスンは「隣の医者」ともうまくやってるようだけど、ホームズが個人付き合いしているのはワトスンしかいないもんなあ、会えなくなった相手を訪ねていくのはホームズからだったか。
    ということで、ホームズは「ワトスン、君はまだ推理に興味はあるかい?」と、ある事件捜査のお誘いに来たのだ。
    今回の依頼人は、ロンドンの若い株式仲買人ホール・パイクロフト。最近失業してしまった。苦しい転職活動を行い、業界で信頼の置けるモーソン商会に採用してもらう幸運に恵まれた。
    そんなパイクロフトの住居にバーミンガムの金物会社営業担当ピンナーが訪ねてきて「あなたのような素晴らしい方にはモーソン照会ではなくぜひうちの弟がやっている会社に来てください!」と多額の給料を示される。しかも「モーソン照会はあなたのことを悪しざまに言っていたので、辞退の連絡なんかしないでください」との注意付き。
    ああ、もう!詐欺!詐欺詐欺詐欺!令和8年現在では「闇バイト」「振込詐欺」「個人情報を取られて詐欺に使われる」の典型例ではないか!この時代なんてもっと詐欺が横行していただろうにあっさり引っかからないでくれ、もう見ていられない。
    バイクロフトはバーミンガムに行き、金物会社社長のピンナー弟を尋ねる。金物会社の事務所はチャチだし、仕事内容も意味のなさそうな単調作業。なんか妖しい、でも前払いで大金もらってるし…。数日後、バイクロフトは、住居を訪ねてきたピンナー兄と、社長のピンナー弟が同一人物だと見抜く。なぜ一人二役を!?やっぱり騙されているのか!バイクロフトはロンドンに戻りホームズに意見を求めたのだ。
    …まあ詐欺というか、強盗兄弟がバイクロフトの名を語ってモーソン照会に入り込んでいたって真相ですが、最後に弟が失敗したと分かった時の兄の態度は、(捕まって処罰されるのは当然として)悪人ではあっても兄弟助け合って生きてきたんだねえと思った。


    『グロリア・スコット号』
    ホームズがワトスンに話して聞かせてくれた物語。
    これがホームズが初めて手掛けた事件であり、大学生だったホームズが「将来探偵になろう!」と決意した出来事だった。
    学生時代のホームズもやっぱり変わり者だったので友達はいない。だがたまたまヴィクター・トレヴァーという、ホームズとは正反対の明るく腕っぷしの強い好青年と親しくなった。
    夏の休暇に彼の実家であるノーフォークの屋敷に招かれる。父のトレヴァー氏は鷹揚で地元の名士。だがホームズが特技披露としてトレヴァー氏の過去や人となりを推察してみると、氏は酷く動揺した。
    数日後、屋敷にハドスンという名前の酷い身なりと態度の男が訪ねてきた。ホームズは一度ロンドンに戻った。
    二ヶ月後、ヴィクターから助けを求める知らせが届いた。それによると、トレヴァー氏はハドスンのいいなりになっていたこと、彼が出ていった数日後に手紙が届いて父が酷いショックを受けて死にそうだという。
    ホームズはもう一度ノーフォークの屋敷を訪れ、氏に届いたなんということはない手紙に隠された暗号を読み取る。
    それは、トレヴァー氏の「グロリア・スコット号」に関わる恥の過去の告白だった。


    …ホームズにはワトスン以外にも友達いたじゃないか!と思ったんだけど、この事件を忘れるため?にヴィクターはインドに移住してしまったらしい。彼は統治では成功しているようだ。
    そしてこの時代は身分を偽るだとか過去を隠すことができたぶん、「恥」「名誉」を大切にして自戒としていたんだと感じる。


    『マスグレーヴ家の儀式』
    これもホームズがワトスンに話して聞かせてくれた物語。
    学生時代から「シャーロック・ホームズは変わり者だが、物を見る目は確かだ」みたいに思われていた。そこでホームズが探偵業を始めたころは、学友が表には出しづらいんだとか、警察が解けないだとか、警察に言うまでもない事件だとかを相談に来た。
    今回訪ねてきたのはレジナルド・マスグレーヴ。イギリスでも由緒ある貴族の家柄だ。レジナルドは、屋敷の執事ブラントンが、マスグレーブ家に代々伝わる儀式文を勝手に読んでいたことを知り、一週間の猶予を与えて解雇を言い渡す。
    数日後、ブラントンは失踪した。しかし屋敷から出た形跡はない。レジナルドはホームズに「ブラントンに捨てられた女中のレイチェルがおかしくなったこと、池からガラクタが上がったこと」を伝える。ホームズはレジナルドに、ブラントンが読んでいた儀式文を見せてもらう。なんか場所を示す暗号文みたいなものが書いてあるぞ?ホームズはこの儀式文が示す先に大切なものが隠されているに違いない、ブラントンもそれを探して板に違いない、と推理する。
    暗号解読冒険物語。暗号文が「どこどこから何メートル」という感じではっきりと書かれているのに、マスグレーブ家のみんなは実際に図って探してみようとしなかったのか!?
    まあこれで、イギリス歴史に関わるとても大切なものを発見したホームズは探偵の自信を深めましたとさ。


    『ライゲートの地主たち』
    ホームズは国家を揺るがす大事件に関わって単独行動。解決したんだけどすっかり疲れ切ってしまった。ワトスンは「わたしの古い友人ヘイター大佐の屋敷に静養に行くぞ!探偵業禁止!」と彼を連れ出す。
    しかし事件のほうが彼を放っては置かない・笑
    この近隣の二つの地主、アクトン老人と、カニンガム老人は、土地争いをしていた。数日前にアクトン老人の屋敷に泥棒入り、昨晩はカニンガム老人の屋敷で御者のウィリアムが殺されたという。
    地元警察からも協力を求められたホームズはカニンガム家の現場確認に向かう。
    しかしホームズの様子がおかしい。卒倒で倒れる、基本的な間違いをおかす、テーブルをぶちまける、カニンガム老人とその息子も、警官も呆れ顔。ワトスンはやっぱり弱って探偵の勘を失くしちゃったんだなあといたたまれない。
    しかしそのドジっ子ぶりはもちろんホームズのお芝居です・笑
    ホームズが倒れたり物を倒したりしたのは理由があってわざとでして、結果として見事に殺人の証拠をみつけて犯人逮捕に協力したのでした。
    すっかり元気になったホームズは張り切ってベイカー街に帰りましたとさ。


    『背中の曲がった男』
    ジェームズ・バークレー大佐はインドで手柄を上げたイギリス軍将校だ。妻のナンシーとは結婚30年で仲睦まじい。しかしある晩、鍵のかかった書斎でナンシーが激しく夫を非難する声が聞こえ、使用人たちがなんとか部屋に入ると中ではバークレー大佐が倒れて死んでいた。
    …これはもう、年月は取り返しがつかない、お気の毒…。
    私は子供の頃に児童向けで読んだので、「ダビデ王」を英語で読むと「デイビット」になるということを知った。そして旧約聖書に触れる(絵画とか、映画とか、物語とか)たびにこの小説を思い出すのです。


    『入院患者』
    医学生トレヴェリアンは精神病治療論文で評価されたが、開業するにはお金がなかった。そんな彼に診療所兼住居資金提供を申し出たのがブレシントンという男だった。トレヴェリアンは、プレシントンと同居し主治医になり、診療所収入から支払いをすることになった。
    診療所は繁盛して数年間が過ぎた。
    だが最近、ブレシントンが周辺の治安に怯えるようになった。そしてある日、トレヴェリアンの診察所にロシア人貴族という老患者とその息子がやってきた。しかし患者親子はどうやら住居内に勝手に入り込んだらしい?
    トレヴェリアンに依頼されたホームズは彼の住居兼診療所を訪れ、ブレシントンの様子を見て彼が過去に後ろ暗いことがあり、そのために狙われていると推測する。


    ホームズに影響されたのか、ワトスンも人物を見て背景を推測する目を持ってきました・笑
    しかし本作は、ブレシントンの過去の悪行をホームズは調べ上げるんだけど、どうやってやったんだかは書かれていない・笑


    『ギリシャ語通訳』
    シャーロック・ホームズに、兄のマイクロフトがいることが判明するお話。
    ホームズがいうには「遺伝はあるよ。だって僕も7歳上のマイクロフトも観察力と推理力があるからね、マイクロフトは僕よりも見事なくらいだよ」と言う。
    でも動くのめんどくさい〜という性質のため、「静かに過ごしたい男のクラブ」を立ち上げ安楽椅子探偵で満足している。そのために巨体…っていうか太り過ぎ?笑
    そんな兄から相談が来た。マイクロフトの観察力を知るご近所さんから、数日前の恐ろしく奇妙な経験について相談を受けたのだ。
    相談者はギリシャ語の通訳をしているメラス。二日前の夜に通訳の仕事の依頼なんだけど、ほぼ脅迫されながらある家に連れていかれた。そこへやせ衰えて顔中に絆創膏を貼られたギリシャ人連れてこられて、メラスは通訳を命じられる。通訳しながらギリシャ人から情報を聞いてみると、財産目当ての男たちに誘拐監禁されて財産を受け渡す書類にサインを強要されているようだ。そこへギリシャ人女性が入ってきて、痩せた男をみて驚愕する。
    ここまで見たメラスはたっぷり脅かされてから開放された。
    メラスから相談を受けたマイクロフトは新聞広告を出した。そしてホームズ兄弟は「イギリス人悪漢が資産家ギリシャ人女性を騙して駆け落ち、心配したその兄を監禁している」と推測。
    だがそんな折、再びメラスが攫われてしまう。


    …今回ばかりは流石に「メラスに見張り付けておけば、悪い奴らが口封じに来たんじゃないの…」って思う…。実際にメラスはあっさり捕まっちゃったし(^_^;)
    そしてホームズ兄弟は悪漢の味とは突き止め、メラスを助け出すが、悪漢たちと妹さんは姿を消した跡だった。悪漢が捕まらなかったのは、ホームズは探偵であって追跡や逮捕が仕事ではないからだろう。
    しかし数カ月後、その時の悪漢と思われる男たちの死体が見つかった。おそらく妹さんが兄の敵を取ったんじゃないか?と推測する。
    …妹さんが消えたまでは、コナン・ドイルは女性に冷たいよなーと思ったんだけど、女手一つで二人の男を死なせたんだから大したもんだ。


    『海軍条約文書』
    ワトスンは、学友パーシー・フェルプスから助けを求める手紙を受け取る。フェルプスは名門一家で、現在では外務省でイギリスの命運に関わる重要な仕事を任されていた。
    ある時、イギリスとイタリアで締結した重要な極秘文章である海軍条約文書の写しを書き取る司令を受ける。一人で残業していたフェルプスだが、ちょっと部屋を出た隙に文章が無くなっていたのだ!
    表に出たらイギリス国家を揺るがす大事件になる!
    …世界情勢を揺るがすことになる極秘重要文書を机に出しっぱなしで鍵もかけずに部屋を出るなんて重要文章の管理をもっとちゃんとしなさいよ!と言いたくはなるんだが、フロア全体に誰もいないって分かっていたら自分もうっかりしちゃうかなあ…気をつけよう(^_^;)
    しかしその事件はもう2ヶ月前、つまり表にはでていないってことで、ここまでホームズの物語を読んできた読者としては「じゃあまだ外務省内になるんじゃない?」と考える。
    …私の考えは合っていたような、なかったようなでした。


    『最後の事件』
    「我が友シャーロック・ホームズの才能を記録するのはこれが最後になる」ホームズは2年前に死んだのだとしんみりと始まる。コナン・ドイルが本職にはしたくなかったシャーロック・ホームズ小説を終わらせるための「最後の事件」。


    ワトスンの診療所に、しばらく会っていなかったホームズが訪ねてきた。「狙われている」といって最大の警戒体制を取っている。
    ここで、コナン・ドイルがシャーロック・ホームズを葬るための最大の敵として出したのがジェームズ・モリアーティ教授。数学の天才?で大学教授だったこともあるが、それより犯罪の才能が天下一品だった。その後は長年犯罪者の大ボスツォイ手多数の手下を使い、その網目はイギリスどころかヨーロッパにも広がっている。ホームズが逃がしてしまったり、ホームズが関わらず未解決になっていまった事件のほとんどの黒幕がモリアーティ教授だというのだ。
    これほどの大物なんだけど、あくまでも「ホームズを葬るための一話限りのキャラクター」なので本人の出番はほんの数行です。
    グラナダ版ドラマ(ジェレミー・ブレット主演)では、いくつかの事件の裏に実はモリアーティ教授の影が!という存在が示されていました。
    ということで、ホームズとモリアーティ教授の追いかけっこが繰り広げられ、モリアーティ教授の手下の大半はホームズが逮捕させた。しかし怒り狂ったモリアーティ教授本人がホームズを執拗に追いかけてきている。
    そしてホームズとモリアーティ教授が出会った時、二人は相打ちで死んだのだった。ワトスンはホームズが残した手紙「つねにきみの誠実な友」を思い出に筆を置く。


    …現代の読者としたらホームズが復帰することは分かっているんだけど、ここで止めるのは寂しいのですぐに復活作を読みに行ってきます!

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    2026年10月02日
  • シャーロック・ホームズの事件簿

    Posted by ブクログ

    犯人の動機やトリックの秀逸さ、とは違った事件自体が奇妙だったり怪奇的だったりする話が短編ならではという感じで良かった。
    中でも「這う男」と「ライオンのたてがみ」は不気味で強烈な事件のインパクトに反して、解決後のあっさり穏やかな空気感が独特でなんとも言えず良い。

    ホームズ著だったり第三者視点だったり、描かれ方自体の新鮮さが面白かった。
    特にホームズが書いたとされる事件の話は、ワトソンが語る通りのホームズ像そのものが執筆上に表れていて思わず嬉しくなってしまった。
    また「白面の騎士」で語られるホームズからワトソンへと真っ直ぐな称賛の言葉と強い友情には、嬉しさ越えてなんだか照れ臭くなってくる。こっちが思っていたより遥かに両想いだった。

    「這う男」でのホームズからワトソンへ送る傍若無人な電報の内容も、それに対するワトソンの感想が特に無いのにも思わず面食らって笑ってしまった。

    「ライオンのたてがみ」にてホームズがこんな平穏な生活に身を置いているのがすごく意外な気持ちだったけど、
    実際あのホームズが、一軒家で家政婦とミツバチと共に静かに暮らし、親しい仲の隣人もいる生活を送っている事実は読んでいてホッとする嬉しさもあった。
    それでいて奇妙な事件に対する熱意は全く失われていないようで安心もした。

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    2026年09月28日
  • シャーロック・ホームズの冒険

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    ワトスンは『四つの署名』のメアリー・モーンスタン嬢結婚して、ベーカー街でのホームズとの共同生活を解消し、開業医になった。
    今後どうやってワトスンはホームズの記録作家になるんだろう?と思っていたら、医師の仕事の合間にホームズを訪ねて事件に同行するスタイルになったようだ。ワトスンの妻メアリーも、きっかけが『四つの署名』なので、夫がホームズと同行するのはむしろ喜んでいるくらいだ。
    ホームズは『緋色の証明』『四つの署名』では探偵の真似事をしている素人扱いされていたけれど、こちらの短編集ではかなり身分の高い依頼人もやってくるので名探偵として認められていったみたい。そんなホームズは相変わらず変わり者で「ぼくの友達はワトスンだけだよ」としおらしいことを言っている・笑
    なお『四つの署名』のあとがきでは「小説に出ているワトスンの結婚の時期に矛盾があって、3回結婚したことになる」だとか「ワトスンがアフガニスタンで怪我した戦傷が肩とか足とか変わってる」だとかの矛盾があるようです。全部読んだらたしかに最初は「ホームズとは疎遠で活躍を新聞で知るくらいだ」って言っていたのに途中で「私は結婚して開業医になったが、ホームズとは親しく親交を続けている」となったので設定変えたというか気にしてないんですね、って感じだ・笑 コナン・ドイルはもともとホームズは片手間?だったのがまさかの大人気になったようで、細かい設定気にしたくないんでしょう・笑

    『ボヘミア王のスキャンダル』
    コナン・ドイルは、時代的なものもあると思うのですがどうしてもキリスト教白人紳士以外を低く見ていると言う感じがして、女性への対応もそれを感じる。そんな中でホームズから鮮やかに一本取った女性がここに出てくるアイリーン・アドラー。
    彼女は美女で頭が良く度胸も良く人々を魅了する女優。かつてボヘミア国王と恋愛関係にあった。だがボヘミア国王は彼女の身分の低さから別れを告げて、王妃にふさわしい身分の女性と結婚することに。そこでアイリーン・アドラーは「二人で撮った写真を婚約者にお送りしますよ」と脅かしてきた。ボヘミア王はホームズに写真を取り戻すことを依頼しにきたのだ。
    結局アイリーンは鮮やかにホームズを出し抜いて立ち去った。その手腕にホームズも兜を脱ぐのだった。(あ、事件としては解決なので探偵の仕事としても問題有りません)
    物語では、ボヘミア王を自信過剰で表面的なものしか見ず、周りが自分に合わせることを当然と思っているように書かれる。ホームズにとっては「この素晴らし女性が、あたなのような俗物の男のものにならなくてよかったです」という感想を持ち、いつまでも彼女への敬意を持ち続けるのだった。

    『赤毛連盟』
    燃えるような赤毛の男、ジェイベズ・ウィルスンが「不可解な出来事に巻き込まれた」とホームズを訪ねてきた。
    ウィルスンは質屋を営んでいるが生活はかつかつ。スポールディングという助手がいるが雇った理由は他の男よりも安い給金で済むから。
    そのスポールディングはがウィルソンに新聞広告を見せる。それは「赤毛の男性募集。簡単な仕事での報酬をお支払する。『赤毛連盟』」という内容だった。ウィルソンは赤毛連盟の面接に受かり、質屋とは別の副収入を得ることになった。仕事も毎日4時間事務所に行って辞書を書き写すだけという簡単なもの。
    だが3週間ほど通った今朝、急に事務所が閉鎖していたではないか。赤毛連盟というのもどうやら架空の団体だったらしい?ウィルソンは副報酬が無くなったこと、誰が何のために自分を巻き込んだのかを知りたくてホームズを訪ねたのだった。
    コナン・ドイルのアイデアとしての「赤毛連盟」ってのが面白いですよね。人を食ったような仕掛けだが、その後ろの事件はかなり大掛かりでまさに「冒険」でした。

    『消えた花婿』
    ホームズのもとに、「婚約者が消えてしまったんです!」と、メアリー・サザーランドという若い娘が駆け込んできた。
    メアリーは、母親と、その再婚相手のウィンディバンク。メアリーにはタイピストの収入と、毎年もらう遺産の利子でお金には困っていない。義父のウィンディバンクはメアリーを家に閉じ込めたがっている。だがメアリーは義父の留守中に行った舞踏会で出会ったホズマー・エンジェルという男と婚約までしたのだ。だが結婚式に向う馬車の中でエンジェルは姿を消した。
    ホームズはメアリーの話を聞いただけでその失踪の真実を見抜いた。
    だがそれはメアリーに告げるにはちょっと残酷、というか、現代感覚でいうとなかなか気持ち悪いよなあ、、そこでメアリーには本当のことは伝えないんだけど、こんなところがやっぱりコナン・ドイルの女性軽視が見えて、この短編集第一作の「アイリーン・アドラー」とは扱いが違うのよね(^_^;)


    『ボスコム谷の惨劇』
    シャーロック・ホームズはボスコム谷でおきた殺人事件の捜査協力に出向くことになった。殺されたのはチャールズ・マッカーシーという男で、状況証拠は全てチャールズの息子ジェームズが犯人だと示している。しかしマッカーシーと家族ぐるみの付き合いをしているターナー家の娘アリスがジェームズの無罪を信じてホームズの助力を願ったのだ。
    チャールズ・マッカーシーとジョン・ターナーはオーストラリア鉱山で働いたという。二人の資産状況は正反対で、ターナーは大地主となり、マッカーシーはその土地の一部を無料で借り受けていた。
    ホームズは、今度の事件の根底には二人の過去が絡んでいると見抜いた。

    『五つのオレンジの種』
    嵐の夜、ホームズに助けを求めてきたのはジョン・オープンショーという青年だった。ジョンにはアメリカから帰ってきてから引きこもり生活していた伯父イライアスに引き取られていた。だがある日「K.K.K」の宛先(今でも悪名高いクー・クラックス・クランです…)から五粒のオレンジの種が届いた。伯父は真っ青になり、自分の遺産を弟のジョゼフに、ジョゼフが死んだらその息子のジョンに行くようにした。そして溺死体として見つかったが警察では自殺と処理された。
    数年後、ジョンの父親のジョゼフのところにも「K.K.K」から五粒のオレンジの種が届いた。ジョンは警戒を呼びかけるが、数週間後に転落死体として見つかった。
    そしてついにジョンに封筒とオレンジの種が届いたという。
    秘密結社による裏切りだとか処刑だとかが絡んだ物語。

    『唇のねじれた男』
    物語の最初は、ワトスンの妻メアリーのお友達が「夫が阿片窟へ行って二日も帰らない」と相談にやってきたところから。ワトスンは妻メアリーを信用され頼りにされる女性☆とのろけている・笑
    ワトスンはその夫を探しに阿片窟へ行く。そして正体をなくしている彼を連れ帰ろうとすると声を掛けてきた阿片中毒の老人がいる…よくみたらホームズの変装ではないか!
    そこで男のことは馬車の御者に任せてワトスンはホームズの事件捜査に協力することに。なんでもセントクレア夫人が「夫のネビルをロンドンの阿片窟付近で見かけて、驚いて部屋に駆け込んだら、そこには顔に大きな傷があって唇がねじれた不潔な浮浪者がいて夫がいなくなっていた」と捜索を依頼に来たのだ。
    ホームズは、この阿片窟で殺人隠匿が行われていると考えて張り込んでいたのだ。

    …この事件は、ドラマグラナダ版(ジェレミー・ブレット主演)では夫婦仲直りしたけど、実際には大丈夫なのかこれ…。

    『青いガーネット』
    クリスマスの数日後、ワトスンはベーカー街のホームズの元を訪ねていた。ホームズはフェルト帽子を観察して「クリスマスの日に、守衛がこのフェルト帽とガチョウを拾ったと行って持ってきたんだ。ガチョウは彼にやった。さあ、このフェルト帽の持ち主はどのような人物かな?」というのだ。
    そこへ守衛が慌てて駆け込んできた。奥さんがガチョウを調理したら、胃袋から見事な青いガーネットが出てきたというのだ!それは数日前にあるホテルで盗まれた宝石だった。


    事件としては「盗んだ大きな宝石を、ガチョウに飲み込ませて隠した」というのはアイデアとして面白いなあ。そして現実でも密輸何かに使われてるんでしょう…。

    『まだらの紐』
    私が子供の頃に初めて読んだホームズものです。これが独立して一冊になってたのよ。代表作扱いだったのかな。

    ある早朝、ヘレン・ストーナーという女性が怯えて駆け込んでくる。
    ヘレンはサリー州で医師の義父ロイロット博士(亡くなった母の再婚相手)と住んでいる。義父は乱暴で粗野で庭にはインドから連れて帰ってきた獣を放している。ヘレンには双子の姉のジュリアがいた。亡き母の遺産は二人の娘が結婚するまではロイロット博士に権利があった。そのジュリアは2年前結婚式の数日前に死んだ。その少し前からジュリアは「夜中に口笛や物音が聞こえる」と言っていて、ある夜悲鳴を聞いたヘレンが駆けつけると「まだらの紐!」と言い遺して死んだのだ。
    そして2年経ったいま、ヘレンは結婚式を間近に控えていた。すると夜中に、死んだ姉が言っていた「口笛、物音」が聞こえるではないか!

    ホームズは曲げられた火掻き棒をまっすぐに伸ばせるくらい力持ちです。そしてよく言われていることだけど、コナン・ドイルはミルクでヘビを仕込めると思っていたのか!(一応突っ込んでおく)

    『技士の親指』
    名探偵ホームズと付き合いの長いワトスンだが、彼がホームズに持ち込んだ事件は二つだけだという。そのうちの一つだそうだ。(もう一つの事件も今後出てくるのかな?)
    ワトスンの診療室に水力技士のヴィクター・ハザリーがやってきた。ハザリーはハンカチで巻いた手を見せる。
    なんと親指が切断されているではないか!
    ハザリーは「昨晩凄まじい経験をしました」とヒステリー状態だ。さすがは医者のワトスン、ハザリーを落ち着かせて、「そういうことなら友達のシャーロック・ホームズのところに行きましょう」と誘う。
    昨日ハザリーの事務所にドイツ人のスターク大佐という依頼人が来た。スターク大佐はハザリーには家族がいないことを確認し、完全極秘で水圧気の故障原因を調べてくれたら高額報酬を払うというのだ。
    独立したものの全く仕事もお金もないハザリーはその仕事を受けた。言われた通り夜中に指定された電車である駅に着くと、スターク大佐ははザリーを馬車に乗せて「12マイル先」に連れて行く。
    案内された部屋で待っていると、どこからか女性が現れ逃げるように警告する。だが頑固なハザリーは「ここまできたら帰れません!」と意地で残る。
    もちろんスターク大佐の言う「水圧気」の話は大嘘で、犯罪に使う機械の修理の依頼でした。それにしてもハザリーは頑固にしても意地っ張りにしても、完全極秘で真夜中にどこともわからない場所に連れて行かれて謎の女性から警告され、あきらかに水圧機ではない機会を見せられたというのに引き返すどころか、スターク大佐やその仲間に挑戦的な態度まで撮ってしまうという、いくらなんでも無謀すぎる…


    『独身の貴族』
    この短編集には『消えた花婿』の事件が収録されていたけれど、こちらはいうなれば「消えた花嫁」事件です。

    大名門のセント・サイモン卿と、アメリカ人炭鉱資産家の一人娘ハティ・ドーランとの結婚式が行われた。だがその後の食事会で席を外したハティはそのまま姿を消す。
    サイモン卿から依頼を受けたホームズは「ハティは父が炭鉱で成功するまでは自然とともに育ちはっきした性質」「結婚式でブーケを落とした」「結婚式のあとに、サイモン卿に対して権利のある(ひそかに結婚していたとか?)ダンサーが現れた」というような話を聞いただけで真相を見抜いてしまった。まあ読者からしても短篇ってヒントを全部出してっくれるから推測はし易いです・笑。
    読んで面白かったのは、サイモン卿がいかにも名門嫌な奴でホームズのところに来たときも「私のような(高い)身分からの依頼人は初めてでしょうね」というのに対してホームズが「たしかにあなたのような(低い)身分の依頼人は初めてですね。この前は国王(ボヘミア国王でしょう)からの依頼でしたから」と言い返す、ホームズもなかなかな言いようである・笑 その後もサイモン今日は「私と結婚して得られる名誉を自ら捨てる女などいるものか」だとか言いまくっていて読んでいてもこんな人ばっかりの上流階級にはげんなり。
    結果としては…、うん、まあサイモン卿はよくぞ怒りを抑えたほうではあるのかな。

    『エメラルドの宝冠』
    ワトスンはベーカー街の窓から、身なりは紳士だが焦った顔でフラフラよろよろしながら道を歩く男を見かけた。それを聞いたホームズは「きっと私への依頼人だろう」と言う。ホームズ、自分を訪ねてくるのは怪しげな見かけだって分かってるのね・笑
    紳士は大銀行の頭取アレグザンダー・ホルダー。昨日イギリスでも肩手に入るような高貴な男性(王の親戚とかかな?)の訪問を受けた。彼は「今すぐ現金が必要だ。担保にはこの国宝であるエメラルドの宝冠だ」という。ホルダーは宝冠を預かり大金を貸し付けた。
    紛失どころか傷つけただけでも国家の名誉に関わる大事な品だ。ホルダーは銀行の金庫では盗まれるかもしれないと思い、肌見放さず持っていようと家に持ち帰ることにした。
    ええええーー、現代勤め人感覚では色々とついていけない…。国宝を個人の借金のカタにする名門人物、それを持ち歩いて家人にペラペラ喋り、誰でも開けられるような部屋の誰でも開けられるような戸棚に入れおく。いやいやいや、そのまま銀行の金庫に入れて心配なら見張ろうよ!(その状況でも盗まれるのが江戸川乱歩の二十面相シリーズ・笑)家に持ってきたならせめて目を離さないでよ!
    この時代、国宝を担保にするのも、その国宝を勝手に持ち歩いて傷ものにしちゃうのも、上流階級だから認められる。彼らには法律が及ばないが、法律以上の「名誉」を重んじるので約束を違えることはしない。
    しかし銀行として預かった担保を持ち出し傷物にしながら「名誉を失ってしまう!」だけを気にするのは、現代読者としては納得いかないものが…(^_^;)
    そう、案の定宝冠は傷つけられたんですよ。3粒のエメラルドが剥ぎ取られ、その場にはホルダーの不詳の息子アーサーがいた。アーサーは犯行を否定するが、自分がなぜ宝冠を手にしていたのかは何も答えない。
    その話を聞いたホームズは…


    『ぶな屋敷』
    ホームズはバイオレット・ハンターからの「仕事を受けるべきかどうか相談させてください」という依頼の手紙を見て嘆いている。「私の探偵業が学校上がりの就職相談になるとは!」
    だが現れたバイオレットの話を聞いたら俄然やる気を出す。彼女の話は「地方のお屋敷ぶな屋敷から住み込み家庭教師の依頼があった。お屋敷のご主人ルーカッスルさんは、条件として「指定された服を着たり、指定された場所に座ったりすること。そして髪の毛を切ること」でびっくりするような高額報酬を払うという。ホームズは「あなたが私の妹なら、この話は断るように言います」というが、身よりもなく女一人で生きていかなければならないバイオレットは「生活のために受けるしか無いのですが、なにか起きたら助けに来てください」と依頼する。
    数週間後、ぶな屋敷で勤め始めたバイオレットから電報が届き、ホームズとワトスンはぶな屋敷に向かう。ルーカッスル夫妻はバイオレットに誰かの服を着させて窓辺に座らせたりして、庭には獰猛な犬が飼われて、屋敷には隠し部屋があるという。
    きっとその隠し部屋には女性が監禁されて、バイオレットは身代わりなのだ!
    …バイオレット・ハンターも、シャーロック・ホームズシリーズの女性の中では扱いが良い。ホームズの「あなたが妹なら辞めさせます」という言葉を聞くと、友達もいない変わり者のホームズだけど自分より弱い家族がいたら頼れる庇護者になったんじゃないのと思った。(でも事件が解決したらバイオレットへの関心をなくすところがいかにもホームズ・笑)そしてその後もバイオレットがしっかり生きていることが分かって良かった。

    0
    2026年09月22日
  • 憂国のモリアーティ 23

    n.

    購入済み

    引越しのシーンはみんならしさも出ていて可愛いな微笑ましいなと思っていたのに、そこから怒涛の展開でめちゃくちゃハラハラしました💦
    いつまでも面白くて大好きな作品です!

    0
    2026年09月19日
  • シャーロック・ホームズの思い出

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    ネタバレ

    シャーロック・ホームズのシリーズ第二弾。どの物語も面白いが、特に「海軍条約文書事件」は少しホラー要素めいた幕開けもありぞっとして、読み進めるといつものホームズと違った様子も見られてワクワクした。さらに本短編集「最後の事件」でまさかホームズが死ぬとは・・・と寂しくなったが、あとがき「解説」であ、ファンから相当の注文があって書き続けたんだ!生きてたんだということがわかり、これからまだまだホームズ物語を読めることに期待が高まった。延原謙氏の訳のされかたも丁寧で、非常に読みやすく、文庫として持ち歩き、さっと開けばホームズの世界に誘われるのがたまらなく心地良い。そして、解説にあるように、C・ドイルの探偵小説が殺人の現場の描写や、グロ・エロを必要な条件とせず注意を払って描かれている点が美しく読んでいて後味の良いものだと理解できる。

    0
    2026年09月19日
  • 四つの署名

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    シャーロック・ホームズ探偵小説、第二弾。
    こちらの新潮版は昭和28年発行ということで、特に女性の言葉遣いが「〇〇でございました/〇〇かと存じまして」といういかにも丁寧でゆったりした感じで読み心地が良い(^_^)

    ホームズは退屈してコカイン注射の日々。医師のワトスンは「なんでそんなもんやるんだ!」とイライライラ。そこへ若い女性メアリー・モースタンが自分の身にまつわる不可思議な事件の相談に訪れた。
    メアリーの父はインドに駐在したイギリス陸軍だったが、退役してイギリスに戻ってきたが失踪してしまった。メアリーは、父の軍人仲間だったショルトー氏に話を聞くが知らないという。それが10年前のことだ。
    そしてそれから4年後(今から6年前)から、年に1回差出人不明で高価な宝石が送られてくるようになった。そしてついにその人物から「あなたは不当に権利を奪われています。お話しますから、どこどこへ来てください。心配なら二人の同行者を連れてきてください」という手紙が来た。
    ホームズはワトスンとともに同行し、手紙の差出人サディアス・ショルトーと会う。彼の父ショルトー氏と、失踪したメアリーの父モースタン氏はインドにいたころに莫大な財産を手に入れていたこと、しかしそのことで彼らを狙うものがいることを伝える。
    財宝の隠し場所は?その財宝を狙う者を捕まえられるのか?

    ===
    コナン・ドイルやアガサ・クリスティーの物語では、インドやアフリカはまだ未知の地だったので「現地で手に入れた毒」「現地の人々のしきたり」などがでてきます。植民地の宗主国であってもインドやアフリカは不思議の国だった頃の、ヨーロッパの人たちがどんな目で見ていたかが伺えますね。
    今作の依頼人メアリーは、この時代に女一人で生きなければならない経済的には恵まれていないがしっかりした女性で、ワトスンは最初から「素敵な人だなあ…」と目がハート状態・笑
    しかし「財宝を手に入れて大金持ちになった彼女に告白したら金目当てだと思われてしまう」と及び腰。事件解決と同時に、ワトスンの恋はさあどうなる?笑
    世界初?だと思われる、名探偵の手伝いをする少年たちの「ベーカー街特務隊」も出てきます。
    そしてホームズ、いくら当時は合法だったとはいえ、腕中にコカイン注射の跡は身体が心配だ(-_-;)。

    0
    2026年09月11日
  • 緋色の研究

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    シャーロック・ホームズシリーズ一作目。最初に知ったのは小学校の時の児童向けという当時の正しい小学生の読書体験で、学生の頃には完訳を読んだり、英国グラナダTV製作ジェレミー・ブレッドのドラマを見たりもしている。
    でもやっぱり原作読むと違いますよね。
    第一作目は名探偵シャーロック・ホームズと記載者ジョン・ワトスンの出会いから、実際に手掛けた密室での殺人事件解決の顛末へ。
    アフガニスタン戦線で負傷した医学博士のジョン・ワトスンはイギリスで傷病休暇を過ごしていた。節約のためやすい下宿先を探していたら、知り合いからシャーロック・ホームズという人物が同居人を探していると紹介される。彼はワトスンをひと目見て経歴を言い当てるような鋭い面と、大学の科学実験室に籠もってよくわからん実験を行っている珍妙な面があった。それでも二人は割と気が合って、ベーカー街221Bで家賃折半の共同生活を始めることになった。
    ワトスンは、ホームズは何者なのか?仕事は何だ?なぜ一目で人の身元を言い当てるのか?ホームズを訪ねてくる多種多様な人々は何者なのか?と疑問が浮かぶ。
    ここで自分からは聞かないところがイギリス紳士なのかな。
    ワトスンは新聞に載った「人生の書」という記事を見かける。内容は「観察力の鋭い人間なら、日常で目にする事柄を性格に系統立てて吟味して多くの知識を得ることができる」という内容だ。だがワトスンは「一滴の水からでも海や滝について推理できるように、人間も一つの小さい事柄から本質を探ることができる。そのためには研究を重ねて…」という内容に「なんだこりゃ!出鱈目じゃないか!椅子にふんぞり返って一滴の水から海を論じるって?」と反発する。それを聞いたホームズは「その記事は私が書いたんだよ」と笑う。そしてホームズは「私は犯罪捜査に興味があり、探偵をしているのだよ」と改めて自己紹介するのだった。
    第一作目はホームズ紹介も兼ねているので、色々と変人ぶりが書かれます。そういえば「イギリス人紳士」というイメージの彼だけど、自分の趣味しか見えない麻薬中毒者でしたね・笑
    ホームズは犯罪捜査に全てを掛けているので知識にも性格も大いに凸凹がある。なかなか驚いたのが「地動説を知らない」というところ。この時代は19世紀末のヴィクトリア朝時代なのだが、ヨーロッパで地動説は「紳士なら当然知っているが、知らない人がいても不思議ではない」くらいの認知度だったのか!
    まあそんなホームズのところにスコットランド・ヤードのグレグスン刑事(と、ライバルのレストレード刑事)から殺人事件協力依頼があった。ホームズは早速ワトスンを連れて現場に向かう。そこは空き家で、身なりの良い男の死体が見つかったのだ。
    この時代の警察捜査は読んでいてもかなりいい加減っていうか、いわゆる「現場保全」ってのが全く保たれていない。警察が泥足で殺人現場をどたどたと歩き回る・笑
    そこをホームズは、警官の足跡とそれ以外を見抜いて、被害者と犯人が入ってきて、中で何が有り、どうやって出ていったのか、犯人の特徴はどんなものなのか、を見抜いていく。現在からすれば現地調査は当たり前なんだけど、ホームズは時代を先行く目線を持っていたんですね。
    物語は二部構成で、一部は上記ワトスンとホームズの出会いから、殺人事件捜査に加わり、ホームズが鮮やかに解決するまでをロンドンを舞台に語られる。
    そして後半第二部では北アメリカ内陸部の砂漠に舞台が移り、新天地を求めて放浪して死にかけている男と少女が、開拓のために移動中のモルモン教徒の集団に助けられるところから始まる。彼らはソルトレイクシティにモルモン教徒の街を建設する。
    この第二部は、第一部の犯人の告白となっている。モルモン教の厳しい掟と、愛する女性を失った男の長い長い復讐の物語だ。
    第二部の始まりは第一部より20年くらい前かな、それでも同じ時代なのだが、都会のロンドンと、地方で自分たちで開拓して自分たちの掟で暮らす人たちの差が見られます。そして私は子供の頃児童書版で読んで「モルモン教」にこの物語の印象を持ってしまっていたのですが、注意書きで「モルモン教に関しては事実と違うところがあります」との記載がありました。これ読んだだけだとかなり酷い組織だって思っちゃうもんね。

    第一部はホームズの変わり者っぷり、事件と鮮やかな犯人逮捕!で楽しく読んで、第二部では犯人の自白という形で愛と復習の執念の半生を重厚な物語で読む。違った二つの物語が一つに繋がっていきます。

    0
    2026年09月11日
  • 憂国のモリアーティ 22

    n.

    購入済み

    読み込もうと思うと時間はかかるし、文字数も少し多めではありますが、めちゃくちゃ面白い!
    本当に世界観が大好きです!

    0
    2026年09月10日
  • バスカヴィル家の犬

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    やはり名作でした。個人的に1番好きなホームズ長編は「恐怖の谷」ですが、やっぱり「バスカヴィル家の犬」は万人受けする面白い作品だと改めて感じました。雰囲気もいいし、ホームズ作品にしては珍しく本確ミステリーに近い感じもする。中盤くらいまでワトソンの単独行動がメインで、ワトソンが精神的に追い込まれていく中でのホームズとの合流のシーンは読んでるこちらも安心させられました。

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    2026年08月15日
  • シャーロック・ホームズの冒険

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    子どものころ、児童向けの『シャーロック・ホームズ』を読んだことはありましたが、原作には触れたことがなかったと思い、この本を手に取りました。

    実際に読んでみて印象に残ったのは、ホームズは単に頭の回転が速いというよりも、非常に優れた観察力を持つ探偵だったということです。特に、ホームズから推理やトリックの種明かしを聞いたワトソンや依頼者が、「聞いてしまえば大したことではない」と感じる場面が印象的でした。一見すると不可解な出来事でも、細かな手がかりを見逃さず、そこから真相を導き出すホームズの観察力の鋭さがよく表れていると思います。

    また、そんなホームズを出し抜いたアイリーン・アドラーの存在も強く印象に残りました。

    『シャーロック・ホームズ』をさらに読み進めていけば、現代のミステリー作品に使われているオマージュに気づくことができ、これまで以上にミステリーを楽しめるのではないかと思います。

    0
    2026年08月10日
  • バスカヴィル家の犬

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    不気味な魔犬の存在感、バスカヴィル家の不吉な言い伝え、沼沢地の雰囲気、更にはホームズの不在など、
    これでもかと不穏な要素が合わさり、常に漂う不気味な空気感がなんともいえぬ味わいで良かった。

    デヴォンシャーへ向けて出発するワトソン君にかけるホームズの台詞や、デヴォンシャーでのワトソン君の不吉な予感をビシバシ感じさせる記述など、
    なんかワトソン君がとんでもない目に合う前触れのようで、読み進めるごとにずっとドキドキしぱなしだった。

    こんなにも怪奇極まり、またホームズをもってしても一杯食わされる場面のあった相手であっても、
    最後の「追想」では、ホームズの中で既に過去の事件として記憶から追いやられている様子がなんとも無情で、またホームズたるらしさが現れているようでもあって印象的だった。

    あとホームズの美術眼に対するワトソン君の評価が中々に辛辣で思わず笑ってしまった。

    0
    2026年08月09日
  • シャーロック・ホームズの冒険

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    シャーロックホームズシリーズは初めて読んだ。この本は短編集のような形で、短い話がいくつか入ってた。最初の話が一番印象的。ユニークで小粋な印象のホームズ、その良き親友ワトスンくんの奇怪な事件解決譚が面白かった。

    0
    2026年08月07日
  • バスカヴィル家の犬

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    やっぱりシャーロック・ホームズシリーズは面白い。アルセーヌ・ルパンシリーズもそうだけど、人物、自然、環境、衣装など、すべてがきちんと、省かれることなく描写してあるから、映画のように、物語が浮かび上がってくる。
    大人になってからも良い小説、深い小説にたくさん出会ってきたけれど、やっぱりいつ戻ってきても、ここには色褪せない何か、決して裏切らない何かがあるなぁ。

    ちなみに、最後に載っている島田荘司さんの後書きも、ぜひお見逃しなく。
    (自身の小説であるシャーロック・ホームズシリーズのあまりの人気に嫌気がさしていたコナン・ドイルが、30歳のバートラムという青年と出会うことによって、新たな小説『パスカヴィル家の犬』が生まれるまでの顛末が語られています)

    0
    2026年07月31日
  • 名探偵ホームズ 最後のあいさつ

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    思っていたのと全然違った。
    最後の、「話➕さし絵(最後のページ)」がとてもカッコよくて、面白くて、泣けた。
       とてもとてもよかったです‼️‼️

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    2026年07月28日
  • シャーロック・ホームズの思い出

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    ネタバレ

    「白銀号事件」が死人が出ているにも関わらず、ホームズの終始冷静な態度も相まって、比較的穏やかな印象だった。
    窪みで手がかりを探しているホームズ先生の姿、文章でみると中々に奇行で面白い。
    あとワトソンとホームズふたりで馬の足跡を辿っている場面、ふたりして熱中している様子が仲良くて微笑ましい。

    「黄いろい顔」の真相めちゃくちゃ良い話で素敵だった。ラストのホームズの台詞もまた良い。

    「マスグレーブ家の儀式」にて語られるホームズの奇行というか蛮行が想像以上にすごくてびっくり。
    そして、室内でのピストル射撃や薬品と犯罪記念品が転がり紛れる中で、共に生活していたワトソン博士もまたとんでもないなと改めて思った。

    「最後の事件」はワトソンの語り口やホームズの台詞など、終始物語全体に哀愁ただよっていて、また最後の場面を迎えるまでふたりで各地を巡っている様子があまりにも2人の世界すぎて好き。
    ホームズがワトソンに残した手紙の文面が、あまりにもホームズらしすぎるのがまた胸がギュッと切なくなる。

    0
    2026年07月17日
  • シャーロック・ホームズの冒険

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    10個の短編が収録されていて、どれも印象的な奇怪さがあって面白かった。
    収録されている中でも、殺人や傷害の起こらない事件の話が新鮮で、まさに探偵ものならではという感じがした。
    またホームズの傑出した推理を見たいが為であれば、事件の規模感よりも異様さ度合いの方が大事なんだないうことがよく分かった。

    特に「青いガーネット」では、ホームズの推理もさることながら、捜査の手腕の鮮やかさや、一見しただけでは理解の及ばない突飛で手練れた方法など、読んでいて思わず惚れ惚れしてしまう。

    不気味で恐ろしさのある事件の話もすごく印象的で、
    中でも「ぶな屋敷」の話は、全容は掴めないながらも何か恐ろしい内情に巻き込まれているという感じがめちゃくちゃ怖い。
    そして真相もそれまでの怖さを越えてくる恐ろしさでぞっとした。

    作中ことあるごとにホームズとワトソンの仲良し加減が伺えて微笑ましくなる。

    0
    2026年07月02日
  • 緋色の研究

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    シャーロックホームズの冒険が面白かったため、これは短編でなくてもいけるかも、ということでせっかくならシリーズ初作を選択。
    結果大当たり。
    シリーズが進む前ほど作者性が顕著ということもあってか、キャラクター性だけでなくもっと深いところ、特にホームズとワトソン以外の人間性まで感じ入った部分もあった。
    犯人の人間性が魅力的なことは良質な探偵小説にて必須の部分だが、犯人と犯行を探偵の助手目線で謎解き的に楽しめるのと、人間性をまるごと読めるのが1作で楽しめるのは本当に贅沢。
    (たとえば直木賞の東野圭吾著・容疑者Xの献身は、犯人の人柄には非常に共感できるが、当然ながら犯人はわかりきっている)
    あとタイトルも読む前は見当違いの予想をしていたのだが、習作的意味合いがあったのだということで、今後のこの二人が関わっていく謎の土台にもなるものだと納得。

    あとで気づいたが古本屋で買ったのに定価より高くなってた。訳者がすごいのかも。

    0
    2026年06月23日
  • シャーロック・ホームズの冒険

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    社会人になってからめっきり遠ざかってしまった読書のリハビリに、推理・謎解き小説の短編集はとても贅沢だったかも。
    でもお陰で戻れました。
    あまりにも有名なシャーロック・ホームズ実は触れる程度しか読んだことがなく、ただちょうどその時プレイが終わったゲーム・大逆転裁判にふんだんに題材が使われたため、原作を知らないままでは失礼だと満を辞して読み始めました。
    読書からかなり距離を置いていた時期だったため、だれない短編集を選択。
    結果、色々な角度からシャーロック・ホームズを楽しめました。

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    2026年06月21日
  • シャーロック・ホームズ最後の挨拶

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    「ブルース・パーティントン設計書」「瀕死の探偵」「最後の挨拶」がよい。未知の毒薬や政府間の争いなどが題材になっていて幅が広がっている。これで短編集はあとは事件簿があるだけだ。

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    2026年06月18日