あらすじ
ある朝はやく、ワトスン博士はメイドにたたき起された。急患が来ているという。診察室に入ったワトスンが目にしたのは、片手に血だらけのハンカチをまきつけている若い技師だった。ハンカチを解いた手は医師のワトスンもぞっとするものだった。親指が根もとからなくなっているのだ。技師が語る恐怖の体験「技師の親指」など、8編を収めたシャーロック・ホームズ・シリーズ完結編。
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「技師の親指」「緑柱石の宝冠」
「ライゲートの大地主」「ノーウッドの建築士」
「三人の学生」「スリー・クォーターの失踪」
「ショスコム荘」「隠居絵具屋」
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終わってしまうのが寂しい
もうワトソン博士やホームズに会えないのが寂しい
シリーズ全てが面白く好きだった
海外推理小説を知れて良かった
外典もあるようだが、コナン作でシャーロックホームズシリーズは終わりにしようと思う
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のどかな片田舎を想像しながら。
ワトソンの身軽さが羨ましい。再読でも結末を覚えていないことも多いが、次はもう覚えてしまっているかも知れない。でも頭に浮かぶ風景や、軽妙かつ回りくどい会話を含めた世界観に浸りたくてまた読むと思う。
恐怖の谷などの長編を再読するよりは、こうした短編を再読してしまうと思う。
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原作には「シャーロック・ホームズの叡智」というタイトルはなく、新潮文庫が諸般の事情で他の文庫に載せきれなかった短編の寄せ集め。聖典60作品を読むにあたっては出来るだけ発表順に読む事にしたので、この「叡智」を通して読んだわけではない。推理の過程はもちろん、ワトソン博士とのやりとりや当時のロンドンの街並み等、総じて面白く読む事が出来た。
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収録作品:The Adventure of The Engineer's Thumb,The Adventure of the Beryl Coronet, The Reigate Squires, The Norwood Builder,The Three Students,The Missing Three-Quarter,Shoscombe Old Place,The Retired Colourman 全8話
今回、最も注目すべきは「ノーウッドの建築士」。ホームズシリーズの欠点は、話の展開がパターン化していることで、別の話で同じようなトリックが使われてたりすることが多いように思う。しかし、この話は、多少他の話と似ている部分もあるが、予想もつかない奇想天外な真相につながる。その意味で読みごたえがあった。
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今になってシャーロックホームズを初めて読む。
視点は一貫してワトソンからのものであり、ホームズ自身の考えは彼から言われないと分からない。そのため、ホームズが何を見、その結果どう考えていたのかを言われて初めて気づく。なので何を見、どう考えたのかを考えながら読むと非常に面白かった。
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「技師の親指」
親指を失くした人の奇妙な依頼。ただ、最後に犯人が逃亡してしまったのは残念。なんとなく、犯人たちが『名探偵コナン』に出てくる黒の組織のように感じた。
「緑柱石の宝冠」
良くある、父親がバカ息子の盗難を疑うと言うもの。共犯ができる娘というのも良くあるトリックであった。
「ライゲートの大地主」
探偵ものの常となっている、休養中に事件が巻き込まれるやつの二つ目。
「ノーウッドの建築士」
犯人を隠れているところから、炙り出す「家事だ」もどこかで聞いた事のあるトリック。これも、ドイルが発祥なのだろうか。
「三人の学生」
真面目な学生が犯人という典型的な感じ。
「スリー・クォーターの失踪」
アームストロング博士との知恵比べは面白かった。最初のホームズとの嫌悪感丸出しの会話は、ホームズが、モリアーティ教授の再来と勝手な判断を下したことも一因なのではないだろうか。結末が悲しく、そこは残念。
「ショスコム荘」・「隠居絵具屋」
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シャーロックホームズの、本来は別々の単行本に含まれていたはずの作品を、日本で出版するにあたりページ数の関係で割愛したものをまとめて一冊にしたもの。
何度読んでも、シャーロックホームズものはいわゆる本格推理ではなく、解決編ではじめて明かされる事実が多いと感じる。しかしながら、あくまでも論理的に謎を解き、実にスマートに事件を解決していく様子はやはり世界一有名な探偵を生み出したドイルの力量というのを感じる。
古典ではあるが、面白いものはやはり面白い。
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シャーロックホームズシリーズ短編集に収録されなかった作品集。
「技師の親指」は、はじめて読んだときスリリングすぎてとてもわくわくしたのを覚えている。親指には悪いけど、好きな話だ。
もう一つ、「ノーウッドの建築士」も好き。あっと驚く結末が印象深かったらしく、よく覚えている。いま読み直してもおもしろいのは、建築士が相当ワルだから?
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短編集です。
最初の話は「技師の親指」です。
はじめは、水力技師がどういう犯罪と関係しているかわかりませんでした。
5年に1度読み返すと、結末を思い出すものと、結末を忘れているものがあります。
結末を忘れているものが面白くなかったというわけではありません。
逆に、面白くて、話にのめりこんで忘れてしまったものもあります。
すべての話が、すべて同じ水準で面白いというわけではありません。
2度めに読むときには、
1 結末の面白さ
2 筋の展開の面白さ
3 登場人物の面白さ
4 風景、背景の面白さ
5 文章の面白さ
の5項目について採点しながら読んでいます。
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現場に残された足跡から犯行の様子をまるで見ていたかのように明らかにし、卓越した観察力で事件の全貌を見抜いたりと、ホームズの探偵手法の見本市みたいだった。
「シャーロック・ホームズの冒険」などの各巻から割愛した短編を収録した新潮文庫オリジナル編集とのことだが、まさにホームズの叡智を堪能出来る作品群となっている。
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ホームズシリーズを読み終わってしまった〜…
訳者あとがきの「これで『全集』は完成されたわけで、コナン・ドイルのシャーロック・ホームズ物語はこれ以外にない」という一文に、本当に終わりなんだと感じて寂しくなった。
こんな大好きな小説になると思わなかったので、またいつか読みたい。その時も絶対に楽しめると思う。
この短編集の中で印象に残ったのはやっぱり「技師の親指」かなあ。グロテスクだし、真相が明かされるまでドキドキした。
あとは「三人の学生」や「スリー・クォーターの失踪」も、事件に大学生が関わってきて新鮮に感じた。
最後の「隠居絵具屋」ではワトソンが頑張ってて良かったなー。
あー楽しかった!!
Posted by ブクログ
必ずも鮮やかなで爽快な結末があるとは限らない。だがそれもまた面白いと感じることができた。これにてシャーロックホームズならびに相棒のワトスン博士の活躍を全て読んだわけだが、すっかり虜にされた。コナン・ドイル没後100年を企画して様々なイベントがあることであろう。その時を心待ちにし彼の作品に親しみを持ってもう一度読みたいと思う。
Posted by ブクログ
本作は、原典から新潮文庫に収録する際、省略した物語を集積したもの(巻末解説より)。1892年から1927年にかけての作品で、ホームズが事件に関与し、探索が行き詰まるかに見せ、隠れていた事実をホームズが見つけ出して解決するという展開の多いものになったのか? しかし、ついつい惹き込まれてしまう。「緑柱石の宝冠」では壊された宝冠の始末がどうなったかが気になってしまった。「ノーウッドの建築士」のカラクリは脱税にも使われそう。最も印象に残ったのは「ショスコム荘」だった。
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シャーロックホームズ最後の短編集
8編のストーリーをまとめた一冊で、親指を失った奇妙な男の話やテストの問題の解答が盗み見された事件など
短く楽しめる話が多くて良かった。
これで新潮文庫では読み終わったので他の文庫でもホームズシリーズを読みたいと思う。
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「緋色の研究」を読んだ後に読んでみました。短編集なのであっさり読めました。が、少しあっさりしている印象で、私には長編の方が向いているのかな、と思いました。
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再読。
電車の中で読もうと思って持って出掛けました。
外出先で読む場合、途中になってしまうと続きが気になって仕方がないので、一遍読み切りの短編集は重宝します。
ホームズの短編集は、ぱぱっと読めるうえに、面白い!
そして、何度読んでも飽きが来ない!
最高です!!
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ホームズ・シリーズ、短編集。この巻は新潮文庫のオリジナルで、ドイルの原作にはない。頁数の関係で本来の巻に入りきらず、割愛された短編をまとめて掲載したもの。タイトルは訳者の命名。
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シャーロック・ホームズシリーズ最後の巻。
今回もホームズの華麗な推理を楽しむことが出来た。
私は最初の巻、緋色の研究の感想でホームズの口調に違和感があり好きではないと書いたが、全て読み終わった今、何故かホームズの口調がしっくり来るようになっていた。長くホームズシリーズを読んでいたために、私の中のホームズのイメージがアップデートされたように思う。それでも、最初あんなに違和感を感じていたのにとても不思議だ。
もうホームズとワトスンの相棒っぷりを楽しめないのが残念だ。
最後まで諦めずに読めてよかった。
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巷間に流布しているホームズ譚の短編集は『~冒険』、『~帰還』、『~思い出』、『~最後の挨拶』、『~事件簿』の5冊が通例だが、新潮文庫版においては各短編から1、2編ほど欠落しており、それらを集めて本書を編んでいる。従って衰えの見え始めた後期の短編集よりも実は内容的には充実しており、ドイル面目躍如という印象をもってホームズ譚を終える事になろうとは計算の上だったか定かではない。
本作においては冒頭の「技師の親指」など結構読ませる短編が揃っており、個人的には「スリー・クォーターの失踪」がお気に入り。
最後の「隠居絵具屋」はチャンドラー、ロスマク系統の人捜しの様相を呈した一風変わった発端から始まるが最後においてはポーの有名作品を思わせる仕上がりを見せるあたり、なかなかである。
しかしホームズ譚を全編通じて読んだ感想はやはり小中学校で読むべき作品群であるとの認識は強く、少年の頃に抱いた輝かしい物語のきらめきの封印を無理に抉じ開けてしまった感があり、いささか寂しい思いがする。色褪せぬ名作でもやはり読む時期というものを選ぶのだ。
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文庫として最後のホームズシリーズ。訳者によるとボリュームから、これまでのシリーズから抜粋してまとめたとのこと。他の短編同様おもしろく楽しめる。2019.2.28
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「観察」という情報収集力に加えて、想像力を働かせて、論理的にストーリーを構築する。
これこそがシャーロック・ホームズのシャーロック・ホームズたる所以だと感じる。
技術や飛び道具的な内容での解決ではなく、ごくごく地味な、泥臭い活動から結論を導き出す。
普段との違いは何か、可能性の排除の連続。そして残ったものが真実。
同じものを見ていても違うものが見えている。
これは蓄積していくと大きな差になるんだろう、継続していくことが重要だと感じる。
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まさかの改版じゃない旧字体で読んだのでちょっと衝撃的でした。ライゲートの大地主、ノーウッドの建築士がすき。引退後も二人で冒険について静かに語り合っていてほしい。
Posted by ブクログ
本書でシャーロック・ホームズシリーズは最後となります。
惜しみつつも楽しく読ませていただきましょう。
早朝叩き起こされてワトスンが診察したのは、片手の親指が根元からちぎれた急患だった。彼が語った世にも恐ろしい体験とは。…『技師の親指』
あまりに騒々しい来訪に目を丸くしたホームズとワトスン。やってきた青年は今まさに殺人の容疑を掛けられ発狂寸前だったが、人殺しなどまったく身に覚えのない話だという。彼と死んだ男との間でなされた直前のやりとりに違和感を覚えたホームズは…『ノーウッドの建築士』
他全8編。
この本だけは、原作から文庫本に組み直す際にこれまで割愛されたものをまとめて掲載しています。(他の短編集はあくまで原作のタイトルや構成を崩さないようにそのまま掲載しているそうです)
とはいえ、作品の質が他に劣るわけではまったくなく、充実したラインナップは相変わらずです。
『ノーウッドの建築士』『隠居絵具師』がお気に入りでした。
特に『ノーウッドの建築士』は短編とは思えない精巧な構成で、驚きの結末を提供してくれます。
シャーロック・ホームズシリーズ、完走できてよかった。
時代をこえて愛されるミステリー小説として、その知名度にふさわしい完成度に大満足です。