櫛木理宇のレビュー一覧
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わかってはいたけど、残酷すぎて人には勧められない…
しかし、事件の解明パートは食い入って読んでしまいました。
そしてラストスパートで畳み掛けるように真相が明かされていきます。後半のスピード感がすごい。
読み終わると実写版があったか?というくらい登場人物の容貌が勝手に頭で形成されてました。
家の外観とか、庭木の緑の濃さまでイメージが頭にこびりつく。
だから現実味を帯びてしまって余計におぞましく感じるような。
「虐待の連鎖」というテーマがテーマなので、エンタメで消費されるだけで終わらない、考えさせられるところがあるという意味でも現実味はあって然るべきところなのかもしれませんね。
こんなおぞまし -
Posted by ブクログ
豪雨による土砂災害で孤立した鵜頭川村。
男尊女卑で、一族間の格差甚だしい閉鎖的な村落が、日に日に不穏な気配で満たされていく。中心には、日頃虐げられてきた者たち。父親に、矢萩姓の粗暴な男たちに小突かれ詰られ虐げたれてきた若者たち。彼らの不満は、安保闘争さながらの勢いである夜爆発する。
岩森はどうして標的にされてしまったのだろうか。
限りなく余所者で、無害で、幼い娘を連れた岩森が狩られる対象になってしまったのが解せなかった。扇動者の外への憧れが、彼を標的に加えてしまったのだろうか。パニックホラー的に、幼い娘を連れて逃げるというのは恐怖を煽るのに有効だと思うが、それだけのように感じた。また、恐怖を -
Posted by ブクログ
「チェインドッグ」
(後に「死刑にいたる病 」と言うタイトルに改題され文庫化)
が面白かったのでこちらも手に取りました。
ラブ&サスペンス最新作とありましたが、漫画チックなドタバタラブコメディと言った印象を受けました。
少し前にテレビで「代行・代理出席サービス」のニュースを見ましたが本作も主人公が結婚式の代理出席者である「サクラ」のバイトをする事で起こる事件が描かれています。
どこか現実味がないので、あまりのめり込むが出来ず
インパクトがなかったせいか読後感も物足りませんでした。
櫛木さんにはやはり「チェインドッグ」の様な心理戦を含んだ
ゾクッとする物を期待します。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ少しずつ少しずつ過去に近づいていく。
元刑事とその孫と友人たち、ネットを駆使し、雑誌、マスコミも協力する。
お互いの足りない部分を補いつつ、自分達がやれる全てのことを注ぐ。
何故、亀井戸は、伊与と共に過ごすことを選んだのか、死刑囚になってしまっても守りたかったものはなんだったのかなど…。
一気読み。
タイトルの「虎」の意味もわかる。
愛情表現、伝え方、守るもの、守り方の間違いが起こす悲劇。
それぞれの成長、家族間の問題なども変化したり、事件解決でスカッとしたけれど、そのままで終わらないところがなんというか…。
予備軍はいるということ、怖い現実…。