櫛木理宇のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ひとつひとつの話が繋がっていくところが心地よかった。いい気持ちにはならないけど、面白い。
堕胎の歴史を知り、結構ショッキングであった。飢饉であったり貧困の問題、遊郭に売られる、男性との力の差、男尊女卑等々、堕胎せざるを得ない状況に追い込まれる女性がたくさんいたんだなと。首や腕がねじ曲がった子供たちの情景は本当に恐ろしいが、そんなことが実際に行われており今も遠からず堕胎は行われている。
自分に出来ることは特にないが、そういった歴史に多くの人が触れることで、繰り返さないという意識を持つ人が増えると良いなと考えたりした。
また、あえて書かれないが問題のある家は父親がいないことが多いっていうのも気付かされた。両親ともにいるということだけが1番大切なわけではないが、今後私自身家庭を持つことになったら2人で子供を一生懸命支えていきたいと思う。両親揃い、何を成すかが大切だと思う。また、父親が核という訳ではなく、子育てする母親を支えること、子供の良いお手本になることが大事だと思う。 -
Posted by ブクログ
櫛木理宇『首なし晩餐 スローライフ刑事の事件簿』文春文庫。
『首なし晩餐』と『スローライフ刑事』という猟奇的なワードとソフトな軽さを感じるワードが同居する不思議なタイトル。
ゆるさを感じる雰囲気の中、主人公のキャリア警視とやはり警察官の兄姉が猟奇連続殺人事件を捜査するストーリーが進行するのだが、犯人の正体とその動機がしっくりと来ない。
巻頭に人物紹介とオタク用語解説が掲載されているが、オタクらしいオタクは登場しない。
28歳のキャリア警視の佐桐眸巳は地元の新崗県に署長として赴任し、週末には同じ警察官の父親違いの兄姉と同居生活を送りながら、山菜採りや料理、キャンブなどスローライフを楽しんでいた。
しかし、管内では女性の首なし死体が見付かり、捜査本部が立ち上げられる。やがて、女性の頭部が発見され、身元も明らかになったのだが、続いて少女の首なし死体が見付かる。
本体価格840円
★★★ -
Posted by ブクログ
人が人じゃなくなる時はいつだろうか。
私の人生において、浮かんだことのない疑問だった。
本作「殺人依存症」はそんな疑問が生まれる作品だ。
無慈悲な方法で子供たちが殺される。
その事件を追う刑事。
その刑事の過去。
残忍な犯行を繰り返す犯人の本当の親玉。
どれをとっても、どこか痛くて苦しい。
境遇が不幸であれば、人を殺していいことにはならない。
でも人にされた消えない傷や憎しみは、人じゃなくなって初めて昇華されていくのかもしれない。
少し引っかかるのは、刑事を陥れるために起こした事件だと分かってたから、親玉はそこまで「殺人」に依存していたわけでは無いというところだ。
親玉が依存してるんじゃない。
殺人への道を簡単に導き、あくまで他人を依存させる。
人じゃないものになった時、
果たして親玉は犯罪者たちの神だったのだろうか。
何になりたくて、何を支配したかったのだろうか。