櫛木理宇のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
まだ映画を見ていませんが、大好きな阿部サダヲさんが犯人を演じられるということで注目をした一冊です。設定から、阿部サダヲさんではない様な気はするのですが、獄中で、動きもできない中で、表情だけで微妙な感情の動きを演じたり、圧倒的な存在感を出せたりできるのが、阿部さんくらいしかいないと、監督さんが判断しての起用なのかな?とか、勝手に想像してました。
美青年のイメージとは遠いですが、(もう一度書きますが、阿部サダヲさんは一番好きな俳優さんですが…)、サイコパスなら意外性がなく面白くないとも言えます。
この犯人の執着心と、その執着を持ち続け、行動に移せるパワーがすごいなと感心してしまいました -
購入済み
人の心の闇に焦点をあててますが、暴力的な描写に息苦しさを感じました。悪人なのになぜか魅力があり人の心の隙間に入り込んで自分の思うままに操る。シリアルキラーではなくてもそういう人は実在するので気をつけようと思いました。読みごたえはありますが、読み終わると暗い気分になります。
-
Posted by ブクログ
こういう話って、とりあえずぐんぐん読んでしまいます。好きか好きじゃないか、は別として
自分とは関係ない世界ではないなと感じました。
周りには危険な人はいない、いい人そうだと勝手に思い込むのって怖すぎますね。
犯人に魅了されて無意識にそこになろうとしてる描写、少ししかなかったけどとてもゾワっとしました。
現実にも、どこかしらにそういう人は間違いなく存在するのだと思います。
怖いですね。。
凶悪犯罪者がいると、なぜそんなことをしたのか、理解、解明しないと普通の人は不安になりますよね。理解できないこと、理由がないことってものすごく怖いですから。
でも、この話を読んで、到底理解できるものでも -
Posted by ブクログ
ネタバレ作者さんが「後味の悪くない、ザッツ・エンタテイメント」と形容していた、らしい(解説より)。そして『それだけでは終わらせないという意図も見える』(解説 千街晶之さん)。
うーむ。まぁ読後はさほど悪くない。
事件は解明され、冤罪は晴れ、罪を犯した人間は捕まり、警察内部(一部)もヒトの心を取り戻しお沙汰を待つことになった。
・・のだけど、如何せん、読んでる途中がちょっと・・キツかったなー。
他の人も書かれていたけど、合間に挟まってる犯人視点の描写がなかなか読むの辛かった。それがなくても遺体の損傷の描写を読めば大体何をされたか想像できてしまうのに、わざわざ現在進行形で読むのがちょっと・・犯人につな -
Posted by ブクログ
ネタバレ「死刑に至る病」に改題された本。
確かに、改題タイトルのほうが本書のテーマに近い・伝わるな、と思いながら読んだ。
物語の冒頭、雅也と榛原が対話を始めたあたりから、ずっと、この依頼は、どうして雅也に送られたのか、そして、雅也は何人目(初めて)なのか? が疑問だった。どうして、それを質問しないんだろう、と。
終盤近くになって、ああ、だからなのかな(父親だから)と思わされるが、最後には、また転回があり、この依頼が一人だけではなく、多数にバラまかれていると明かされて、やはり…と納得する。
いずれにせよ、細かな事件の検証・証言がリアルで、一気に読んでいる途中で、これは現実にあった事件だったっけ? と -
ネタバレ 購入済み
大人になれない病
読み進むにつれ、榛村の語り口に魅了されます。
たった5分の面会なのに、ハートを鷲掴みにするその感じを、心地よさと判断するのか、違和感と判断するのか。難しい選択を強いられます。
根底にある児童虐待は、どう解決し、どうフォローすればいいのか。
どうか、子どもたちが愛情に包まれて成長できる世の中になりますようにと、祈らずにはいられません。 -
Posted by ブクログ
映画が気になり、「まずは原作派」なので読んでみた。
文庫化にあたり?改題されているが、原タイトルの方が全然いいのにな。鎖を握っているのは、誰なんだろうな、と読み終わってしみじみ考えてしまう。
本作では、児童虐待、猟奇殺人、生い立ち問題、冤罪事件.. . など重たいテーマが目白押しだが、気になるのは犯罪者の人間的魅力ってやはりあるんだろうな問題。
『羊たちの沈黙』のレクター博士しかり、知的で紳士的な犯罪者像には、一読者として惹かれるものがある。
とはいえ、本作の榛村大和の手口には胸くそが悪くなるし、なんなら作者のこともちょっと嫌いになった(笑)
それでも、彼らのような存在はなぜ人を惹き付ける