櫛木理宇のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ1995年。東京で働く男のもとに、一時期住んでいた田舎の友人から電話が入る。サチが、自殺未遂をした。サチの家の前に「この骨が本物のサチだ」というメモ入りの段ボール箱が置かれたことが引き金になったのか? サチは小学五年生、11歳の時に誘拐され12年間監禁されていた同級生。時は1983年に戻り、小学五年生、男三人、女二人の仲良しグループ、各視点で、サチが誘拐されるまで、誘拐後の変質者による監禁生活、23歳になって家に戻ってきてから、の話がそれぞれ語られる。もう一つ、サチより年長で、美人で、高校卒業後すぐに結婚した女が、離婚するために夜の仕事を始めるという話も。サチの家の前に置かれた骨は、その女のものだった。
小学生で誘拐監禁、男の子供を産まされるのも、かなりエグかったが、この小説で書かれている最大の悪は、その田舎の村の古い因習。祭りなどの集まりで、男が座敷で飲み食いし、女は台所でおさんどんというのは、よく描かれる田舎の姿で、いまだにそれが当たり前とされているところがあり、それに対する愚痴、相談はネットなどでも見られるが、この小説の村は、もう少しおかしい。男の宴会の場も、長男、次男という、家を引っ張っていく家長グループと、三男以下の、役に立たない男グループ、二つに区切られているのだ。この長男グループの、村の女は男の所有するもの的ふるまいが、胸糞悪く、また、役に立たないグループの酒浸り感、ヤカラ感も疎ましい。が、誰も声を上げない。「そういうもの」だと思っている。タイトルの「悲鳴」とは、虐げられることが当然とされてきたものたちの、心の叫びだった。