三浦しをんのレビュー一覧
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心中をモチーフにしていたと、最後に知った…
心中、もしくは、自ら選び取る死。
最初の「森の奥」から結構ディープで……
最後の「SINK」はぐさりと泣いてしまった。
樹海で首を吊ろうと試みる男と樹海で出会った男。子供の頃夢でみたもうひとつの人生と、自分の人生。焼身自殺を図った高校の先輩。車にて一家心中をした生き残り。たち。
全部が全部気持ちよいおわりかたではなかったけど、いつかは人は死ぬ、ただ自ら死を選ぶことで救われる人もいる。傷つく人もいる。
重い話なのに三浦しをんさんの綺麗な言葉選びで、なんだか重いのに綺麗な物語たちでした。どの話が好きかは選べない、、、 -
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理想的な生き方を阻む性、促す性、いろいろな性の形が描かれています。女性作家が性を描いた作品は多いですが、私が出会った作品の中では、1番すうっと入ってきたような、1番(私の感覚と)乖離がなかったような…。ただ、官能系ではないにしろ、1話ごとにセックスセックスとくるのと、尻切れ感のある結末に、読み疲れてしまった章もありました…とは言え、最終章で本作品への愛おしさが爆発。中途半端でいい加減で不器用な登場人物ばかりでしたが、一生懸命に生きる姿にエネルギーをもらうとともに、「もっと適当に生きても何とかなるかな」と、日々の生活に疲弊し切った私は思ったのでした♪
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大好きな三浦しをんさんの手ほどき本。
構想→登場人物や舞台の設定。どういう雰囲気の作品にしたいか。家の間取りとかも必要。
構成→どのエピソードをどのあたりに持ってきて,どういうストーリー展開(起承転結)にしたいか。
完成に漕ぎつけること。持久力の鍛錬を目標に構想と構成を練る。コースの地図と水笑
長い文章に書き慣れていないうちは、構成も構想もじっくり考え、それなりに練って始めるのが安心。
国語は鼻ほじってても満点だった人が多い。
言葉でしか表現できないから、説明でない表現をする。
性に合うとは「習慣になりやすい」こと。
慣れることと並行して、「認証や文章(文体)をどうするか」「どんな構成にす -
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前半は高校生の恋愛のいざこざじゃん!って思ったけど、後半は2人の人生観とかお互いへの愛みたいなのが詰まっててまじで名作!
普段の会話や生活ではなく、お互いしか読まない手紙だからこそ、自分がどう生きたいかとか平和への想いとか考え方とかが整理されて記載されていて、文通スタイルの良さみたいなのを感じました。前半は文通じゃなくて生活を普通に描いて欲しいと思ったけど、後半になって文通スタイルが効いてきていた!!
ののの1人好きだけど寂しがり屋なところ、頭が良すぎて自己完結しがちなところとか、はなのおとなしそうなのにちょっとクレイジーなところとか、すごく具体的にイメージできて、頭の中に2人がいる!笑
2人 -
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ネタバレ
先が気になり過ぎて、立て続けに続編を読む。
曽根田のばあちゃんの「思い出の銀幕」、
若き日のろまんすが、まるで目の前で繰り広げられているかのような色鮮やかさ。
岡夫人の観察も、意外に?繊細、更に洞察力も凄まじく驚く。
岡夫人の穏やかで優しい人柄も垣間見る。
ラストは次に続くような終わり方で、今から楽しみ!
行天の中の氷もきっと少しずつ溶けていくことを願う。
★「岡夫人は観察する」の中から、好きな一文メモ
男女や夫婦や家族といった言葉を超えて、ただなんとなく大事だと感じる気持ち。
とても低温だが、しぶとく持続する、静かな祈りにも似た境地。
諦めと惰性と使命感とほんの少しの暖か -
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江戸時代の長屋暮らし、または途上国の下町ってこんな感じなのだろうか。
三浦さんの小説によく登場する、「おんぼろ木造アパート」「若い住人」「犬または猫」というフレームワーク。住人同士が日々助け合って過ごすような、生活感が溢れているお茶の間ホッコリ小説かと思ったら、性生活が露骨に描写され、登場人物のプライベート丸出しの短編集だった。そりゃ、恥ずかしいけど、生きていれば誰だってありますよね・・・
ただし、登場人物同士の希薄で淡白な関係性、微妙な距離感は現代そのもの。この描き方はリアリティがあって面白い。プライベートはお互い様というか見て見ぬフリの割り切り方で、恥じらいも無く、木暮荘に住み続けて(居座 -
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毎日の生活の中でふと緑を感じたくなるときがあります。
都会にいて、少し疲れた人、休憩時間などにふと緑が恋しくなったときにオススメの一冊です。
横浜住みの主人公(勇気)が神去村というド田舎な場所で仕事(大工)を始めるという話で、
主人公がまるで日記を書いているかのような話し言葉で話が進んでいきます。最初はこんな土田舎嫌だ!となっていたけれど段々と村に慣れ、段々と勇気が神去村の大工へと成長して行く様子や、和気あいあいとした勇気の仲間たちとのエピソードに心がほっこりします。
いつも自分は電車に乗っている間なんとなくスマホを見続けていることに疲れ、そのことを上司に相談したことがきっかけでこの本に出会い