三浦しをんのレビュー一覧

  • 天国旅行

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    ドリーミングな表紙絵と天国という響きのイメージとは遠い、心中をテーマにした短編集。
    テーマへの迫り方や読後感は話ごとに異なり、一話ごとに頭の中の世界がぐるんと上書きされる。
    「死への悲しみ」や「生への執着」などと分かりやすくラベリングできない、複雑な状況に置かれた登場人物たちの心境がすんなり心に迫る。
    物語の背景は決して想像し易い環境ではないのに、さらっと納得できるように描かれている。

    『遺言』の主人公が見た「輝く矢」が、この本全体の希望のように輝いて感じた。

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    2025年10月28日
  • 神去なあなあ夜話

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    ネタバレ

    平野勇気
    二十歳。高校卒業後、三重県中西部の山奥にある神去村に住むことになる。最初の一年間は見習いだったが、今年の春から中村林業株式会社の正社員になった。ヨキの家に居候している。

    おやかたさん
    中村清一。中村林業株式会社社長。三十代。東京ドーム二百五十六ぶんの山を所有する大山持ち。

    ヨキ
    飯田与喜。中村班。三十代前半。清一の幼なじみ。ガタイがよく、短髪を金色に染めている。「俺は山仕事の天才」。細かいことを気にしない。

    田辺巌
    五十代。中村班。子どものころに神隠しに遭った。山仕事のすべての作業に詳しく、勇気にあれこれ教える。

    小山三郎
    七十半ば。中村班。山の知恵袋。危機回避能力が尋常じゃない。

    繁ばあちゃん
    飯田繁。高齢のため足が悪く、たいてい茶の間にちんまり座っている。

    飯田みき
    ヨキの妻。ヨキにべた惚れ。ときどき嫉妬の鬼になる。実家は神去村唯一の商店「中村屋」。百貨店と呼ばれている。

    ノコ
    飯田家の飼い犬。白いむく犬で、とてもかしこい。山仕事にもついてくる。ヨキの忠実な相棒。

    山太
    清一の息子。小学一年生。

    中村祐子
    清一の妻。

    直紀
    勇気が惚れているひと。祐子の妹。神去小学校の教師。

    ゲンコツ
    杉下。昔の班長。

    森林組合のおじさん
    通称:猪のおじさん。

    山根のおっちゃん
    生半可な気持ちで山仕事をするやつがゆるせない。

    村の医者
    神去村唯一の医者。「あの医院に行くと、疲れて必ず体調を崩す」と言われている。

    奥田
    神去小の若い男の先生。

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    2025年10月24日
  • まほろ駅前番外地

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    『まほろ駅前多田便利軒』の続編(というより、番外編?)との事で、前作では主人公だった多田さんと行天さんを、別のキャラの視点から見たストーリーが多かったです。
    前作を読んだけれども続きを読むべきかどうか迷っている方向けに、それぞれのお話をかいつまんで紹介します。前作を読んでいない方には訳が分からないと思いますので、ここはスルーして他の方の感想を参考にしてください。

    「光る石」
    行天さんのまさかの行動に大変驚かされ、世の中には知らない方がいいこともあるのだと思い知りました。

    「星良一の優雅な日常」
    どちらも選びたくない究極の2択。
    今、明かされる星良一の恐ろしい一面とはΣ(||゚Д゚)ヒィィィィ

    「思い出の銀幕」
    突然始まる大正ロマン。
    曽根田のばあちゃんと、行天さん、(多田)啓介さんの恋の三角関係の行方は…!?
    (なお、回想シーンの行天さんと啓介さんは、彼らとちょっと似ているそうですが別人です)

    「岡夫人は観察する」
    なぜ岡さんが毎回、横中バスの間引き運転の調査を多田便利軒に依頼するのか、その真実がついに明らかになります。
    そんなのどうでもいいと言う方もいらっしゃるかもしれませんが、何やら喧嘩中の多田さんと行天さんの様子を観察する岡夫人は、少し見ものです。

    「由良公は運が悪い」
    多田さんがほぼ登場していないのですが、わたしはこのお話が一番面白かったと感じました。
    歌に自信はあるけど、お金が無くお腹が空いて困っている方にも必見です。タダ飯を頂ける方法が載っています。でも一人だと怪しまれるので、実践するには由良公が必要かもしれませんが(^^;

    「逃げる男」
    行天さんのタバコ代やご飯代のみならず、プロテイン代まで増えるんじゃないかという不安と、埃が巣くう魔窟を掃除するも依頼人に料金を踏み倒されるんじゃないかという不安でいっぱいになりつつも、最後は多田さんの胸がいっぱいになる、そんなお話です。

    「なごりの月」
    買ったばかりのマフラーを行天さんに取られてしまうも、それ以上に気がかりな出来事が起こってしまいます。
    次回作への伏線?にもなるかもしれない(ならなかったらすみません)、お話でした。

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    2025年10月21日
  • わたしの名店

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    食べることは生きること。
    思い出の味やお店から今は亡き人を偲んだり、
    ただただ好きな食べ物への愛があったり。
    様々な作家による名店にちなんだエッセイ集。
    隙間時間にピッタリ、お腹が空くこと間違いなし!

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    2025年10月20日
  • むかしのはなし

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    伝聞式で昔話を一般的?な話に落とし込んで書かれていたのが新鮮で面白かった。短編集だが、各話にどこか繋がりがあるのも、面白かった。

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    2025年10月17日
  • ぐるぐる♡博物館

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    博物館好きにはたまらない。メジャーな所から「そんな博物館あったのね」というところまで、三浦しをんさんが巡ります。
    どんなテーマの博物館であれ「伝えたい・残したい」という想いでつくられ、存在していて
    その熱量でさらに魅力が増してる感じがします。
    三浦さんの振り切ったリスペクトっぷりも楽しい。
    私もいろいろ行きたいんだよな〜

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    2025年10月16日
  • ののはな通信

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    好きな人と"手紙"でやりとりする。
    1日に何ラリーもできないから、僕なら発狂してしまいそうです。

    授業中の手紙のやり取り、懐かしいなぁ。中継役をやったことがあったようななかったような。。
    はなちゃん、どうかご無事で。

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    2025年10月13日
  • 光

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    これまで何冊か読んだ三浦しをんさんの作風と全く違うように感じてこんな作品も描かれるとは驚きました。自分とかけはなれたシチュエーションではあるけど暗く薄汚れた場所で藻掻く冷酷な描写に引き込まれます。終章にむけての展開は目が離せませんでした。

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    2025年10月12日
  • あの家に暮らす四人の女

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    ちょっとずつ"違う"、みんなの"フツウ"の暮らしー

    四人の女性とそこに関わりを持つ人々の
    日々の暮らし、日々の喧騒。
    なんでもない会話が楽しくて、彼女達の人生の豊かさと重厚さを物語り、登場人物が生き生きと輝くのは三浦しをん先生の手腕。

    そして三浦しをん先生の描く、イケメンが
    いつも本当にイケメン。
    ちょっとしか出てこないのに、わかる。
    絶対イケメン。好き

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    2025年10月11日
  • 菅原伝授手習鑑

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    歌舞伎を観たあとで読んでみました。細かいところもよく分かったので予習に使えばよかった。この本単独でもひじょーに現代的な訳で面白い読み物です。

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    2025年10月10日
  • まほろ駅前狂騒曲

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    多田便利軒はいつも大騒ぎ
    多田を筆頭に同級生で相方の行天
    娼婦のハイシーにルル

    そこに行天の元妻凪子がハルを預かって欲しいと
    同時に起きる依頼やトラブル

    そして多田の恋
    行天の生い立ち
    星とその部下

    でも何か癒してくれる不思議な話し
    第三弾なので、初見の方は第一弾からオススメ

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    2025年10月07日
  • 天国旅行

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    死をテーマの短編
    遺言以外は面白かった。
    読んでいて、角田光代さんの本みたいだと思ったら、解説が角田光代さんでした。

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    2025年10月06日
  • 星間商事株式会社社史編纂室

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    ネタバレ

    社史編纂室での大変な社史作成の過程を描いた話、
    と思いきや
    星間商事の隠された歴史も社史に掲載するべく、同人誌の皮をかぶった「裏社史」をコミケで頒布するドタバタで愉快な社史編纂室の話

    「舟を編む」のイメージで手に取ったからギャップにびっくりしたけど、
    作中作の小説も面白いし、同人活動と結婚とのあり方には考えさせられるものがあったし、楽しく読めた

    サリメニの女神、なかったことにしたいほど社内でタブーとされているから売春とかそんな感じの悲しい話かと思ったら、女神がサークル主の文学サロンだったのはちょっと温度差あってびっくり
    身売りされたのは事実だし消息不明だから悲しい話なのは確かかもしれないけど

    サリメニの女神も、月間企画の3人も、みっこちゃんも、全体を通して「愛」がテーマの小説だなと感じた

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    2025年10月02日
  • 人生激場(新潮文庫)

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    三浦しおんさんの感性は
    独特なのかしら。
    でも嫌いではない。
    エッセーを読むなら
    阿川佐和子、湊かなえ、向田邦子を
    上げるけど、三浦しおんも加えたいと思う。

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    2025年10月02日
  • 私が語りはじめた彼は(新潮文庫)

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    書ききらないことで余白を残す作品。
    どの章も、解決しないこと、わからないことばかりが残る。だがそこが良い。
    それが作品の余白、行間なのだと気づかせてくれた小説。

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    2025年10月01日
  • 能・狂言/説経節/曾根崎心中/女殺油地獄/菅原伝授手習鑑/義経千本桜/仮名手本忠臣蔵

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    能や文楽、歌舞伎に行きたくなった時、読んでおくと筋がわかって理解が深まり、余裕を持って楽しめます。 時代が違うと景色が違い、常識や価値観が違って、なかなかわかりづらいことが多いのですが、どの新訳も面白く、登場人物が生き生きと動き、楽しく読み進めました。 一家に一冊。

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    2025年10月01日
  • Seven Stories 星が流れた夜の車窓から

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    5人の小説家の短編と、2人のクリエイティブディレクターのアンソロジー
    テーマは九州の特別列車「ななつ星」に乗り込む乗客の物語だ
    列車はたくさんの人を一度に運ぶけど、乗客の一人一人はそれぞれ特別な想いを持って列車に乗り込む

    5人の作家さんが寄せたとても短い物語には人生という長い長い想いが乗っていることに気が付く
    恩田陸さんの「お姉さん」が仕組んだ、複雑で切ない物語も時間の長さと、生きようとする想いの深さが音楽に乗ってやってくる

    個人的には小山薫堂氏の言葉が圧巻だった
    人から人へ繋ぐ想いが言葉となって、香り高く温かみを持って伝わってくる
    「共感」という到達点はその気持ちを理解しようとする意識の量が必要だと思う

    秋のコーヒータイムに金木犀の香りを感じながら読みたい一冊

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    2025年09月30日
  • あの家に暮らす四人の女

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    家族に[父]の姿が無くても、女だけで暮らせるという話で、ズボラしても言いたいこと言っても、な~んか許せてしまうのは、やっぱり気が合うからなのね。先のことはわからない、今を生きることが大切なんだなぁ。

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    2025年09月29日
  • あの家に暮らす四人の女

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    同じ年代の女性なら思うだろう、「なんか、いいなあ」。正しい家族はない。家族は普遍的ではない。みんな違ってみんないい、は個人だけじゃなく家族にも当てはまる。本物の女の絆ほど強いものはない。

    全文はブログで
    www.akapannotes.com

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    2025年09月29日
  • わたしの名店

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    総勢28名による「名店」にまつわるエッセイ集。1編が短くて、するすると読めた。
    宇垣美里さんの文章を初めて読みましたが、リズム感が良くて好きかも。
    美村さんの文で「人の感情を再現する役者の仕事柄か、…お客様の表情を拝見すると、そこが美味しいかどうか大体推し量ることができる。…お客様から安心感と笑顔が溢れている店は、ほぼ間違いない。」というのは面白いなと思った。
    28名がそれぞれの視点から語るのを読むうちに、周りの人にも、名店とそのエピソードを聞いてみたくなる1冊でした!

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    2025年09月28日