丸木文華のレビュー一覧
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▼あらすじ
妹の婚約者として紹介された人気作家の秀一は、和義にとって、思い出したくもない因縁の男だった。15年前、残酷な子供だった和義が犯した罪を暴くように秀一は彼をがんじがらめにし、徹底的に凌辱した。
悪魔のような男に抱かれて、和義は激しい官能に狂ってゆく。妹を欺く背徳、恋人の勇一郎には言えない罪の秘闇・・・。
秀一の体にある消えない傷痕が、罪の烙印として目に映る。これはただの復讐なのか、それとも・・・
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復讐、NTR、執着とドロドロしたものがこれでもかというほど揃っています。
ですが読み辛くはありません。作品のテーマがテーマなだけに最後はバッドエンドを予想していましたが全然そんな事はなくむしろ爽やか。これだけでもうホッ…としました(笑)
こういう背徳的な作品は珍しく、個人的にはかなり面白かったです。
表紙も拘っているのかキラッキラで思わず目を惹いてしまうほど綺麗。
見た目、中身共にお気に入りの一つです。 -
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ネタバレ丸木文華ワールド全開なストーリーで、萌え上がりました。ダークで病んでるのはもはや看板メニュー。わりと読みはじめでこうくるだろうと、ファンならばオチがどうか気付いてしまうんですが、それでもなお面白いと思わせる手腕はさすがです。どんどん進化しているエロさにも磨きがかかっていました。
外見も内面も天使を思わせる真治は、高校卒業間際バイト帰りに襲われて人間不信になってしまい、まともな生活ができなくなるほどの深い傷を心に負います。
そんな彼を何かと親身になって助けてくれたのは、親友の塚越です。真治とは違って裕福で何不自由なく暮らし、女の子にもモテる塚越。
彼に助けられ、護られることでようやく立ち直れそうになった真治ですが、忘れようとしていたあの日のレイプ写真が何者かによって自分の元に送りつけられ、再び恐怖にさいなまれることに。
真治の心情がつぶさに描かれているので、非常に入り込んで読むことができます。やさしくて何でもしてくれる塚越に依存してしまう姿に納得。頷けました。
真治は、あまりにも純粋できれいな心の持ち主ゆえに、他人の心に潜む憎悪や執着にとても鈍感です。うわべしか見えていないんですよね。
「汚い」という概念が希薄です。
印象的だったのは、自分を憎んでいた神崎の吐瀉物を真治が片付けるシーンです。
そんなことができる男子高校生って、すごい。躊躇なく後始末するという行為は、まさに白衣の天使、もしくは母親です。塚越が抱く真治のイメージが明確に伝わってくる場面でした。
塚越が最強ヤンデレでした。どこからどう見ても優しくて思いやりがあって、真治のためならどんな苦労も厭わない、最高の攻です。
そして、ドス黒い執着心に背筋がゾッとさせられます…ここまで、相手をがんじがらめにしようとするその周到なやり口が怖い。
しかし、ただ怖い存在だというわけじゃなく、どこか甘えるような依存心が垣間見えるところが切ないというか、ほっとけない気持ちにさせられたりするのです。
真治はおっとりしていて気付いていないけど、周りは皆塚越の闇に気がついている、というのにも震えます。塚越、とんでもない男だよ。
エロ的にも今回素晴らしく萌えあがりました。門地かおりセンセのイラストがはげしくエロス。内容に合っていて、すごく格上げしてました。
粘着質なエロで、いろんなシチュエーションでのHが満載。いつもの独特な擬音も健在です。攻も喘ぐのがすごく煽られます。Hの描き方が上手すぎる…
だんだん真治が塚越とのHに溺れていく様子がツボ。いろんな意味で嵌められてるなぁ、と感じさせるのがたまらない。
震撼とさせられてなお、深い慈愛も感じることのできる秀逸な一冊です。 -
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丸木センセなのに、近親モノでも3Pでもないから「生温い?」と思ったらそうでもありません。相変わらずのダークでブラックな世界。病んでます…
舞台は美大系の予備校。天性の画才を持つ高校生の水谷×芸大を目指し挫折したバイト講師の雄介。天才×凡人。
見てくれは美人で人当たりもいい雄介ですが、実はかなり歪んでます。芸術一家の中で唯一落ちこぼれ、自信を失いコンプレックスを抱き、絵を描くことも苦痛な日々を送っています。しかも、天賦の画才を羨ましく思い嫉妬している水谷に想われていることを知り、そのことに快感を感じて利用し鬱憤を晴らしているようなかなりのビッチ。自分が挫折した芸大に楽勝で進学し、絵が売れて超有名になってもまだ水谷は「好き」と言ってなついてくるのを、突き放さないけど最後まではやらせない。
そんな雄介が、いつどんな形で男としての矜持を捨てて「受」の立場に堕ちていくのかってことに、興味津々Sゴコロを刺激されました。
水谷が男っぽいけど健気ですごい年下わんこ攻なんです。一応。
ビッチな雄介の鬱憤晴らしに付き合わされて、餌はおあずけ状態でそれでも「好き」と言い切る潔さに強気な年下はいいよね…と思ってたら。
実はすごくドス黒い執着心があったりして。爽やか攻の評価はふっとんだ。
クライムサスペンス的な味付けで作品の奥行きがふかーく、おもーくなっていて読み応え満点になっています。終盤の大どんでん返しに衝撃。さすが、面白いです。
ストーリーは真っ黒なのにホワイトハートだし、イラストもご本人じゃなかったのでいろいろ気になったけど読後は期待以上の満足感。
Hがちょっと省エネ気味でねちっこいのが少なかったのが残念。ただ、少量でも相変わらず粘着系エロの質は保っています。煽られる喘ぎ声も健在。あれほど拒絶していた受がいやらしく豹変するのがツボ。もっとそこを読みたかった。 -
Posted by ブクログ
積読チャンネルで紹介されていて手に取った一冊です。
ショートショート集なので、少しずつ細切れに読めるのがよかったです。どの作品もそれぞれ面白かったのですが、なかでも米澤穂信さんの「燃えろ恋心」が圧倒的に好きでした。
リズムもテンポもよく、一気に駆け抜けていくように読めて、最後のオチまできれいに決まっています。これはできれば、内容を何も知らずに読んでほしい作品です。
特によかったのが、青春時代の「大人は自分たちのことをわかってくれない」「なんとなくこちらの味方ではない」という感覚の描き方でした。
ラブレターを買ってから、実際に書くまでの過程もいいです。誰かに恋をしているというより、恋をしている自分ごと、恋そのものに精一杯恋をしているような書きぶりがとても素敵な文章でした。 -
Posted by ブクログ
ダークな装丁に惹かれて手に取ったが、想像以上に好みの短編集だった。前半の「あやか」「真夜中のドライブ」「愛妻家」は展開を予想できる部分もあったが、後半に進むにつれて作品の魅力が一気に増していく。
「これだから女は」の鮮やかなミスリード、「双子心中」の異様な発想、「ジンとシャリ」の知性と官能が入り混じる美しいホラーは特に印象的だった。
なかでも「楽しい話をしてあげる」は、ミユという人物がなぜそう育ったのか、そしてラストに現れた存在は何者だったのかと考え続けてしまう。
ホラーでありながら、人間の欲望や孤独、愛情の歪みを描く作品が多く、単なる恐怖だけでは終わらない。
えぐさの中に知性と色気があり、最後の「赤い傘」がほんの少しの温かさを残して締めくくる構成も心地よかった。
丸木文華さんは、怖さだけでなく人間そのものの不気味さと美しさを描ける作家だと感じた。
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