永田和宏のレビュー一覧

  • 知の体力(新潮新書)

    ネタバレ 購入済み

    思考のきっかけ

    ■感想:師からのおすすめ本。簡単な言葉で分かりやすく書かれているが、内容は考えさせられることばかり。娘に一冊贈りたい。教育、価値観、自己同一性。
    ■学び:現実の場で応用できない知識は、知識としての価値がない。しかし、知識というものは、それが役立つことだけを前提として学ぶものではない。大学からは、問いがあっても答えがない。孤独になる時間を確保すること。ここだけがすべてではない。待つという時間。他者に出会う。
    ■行動:孤独時間。『時間と自己』を読んでみる。

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    2019年11月22日
  • 歌に私は泣くだらう―妻・河野裕子 闘病の十年―

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    歌人であり細胞生物学者である永田和弘氏が、同じく歌人であり妻である河野裕子氏の闘病と死を看取った記録である。乳がんであることが分かった後、妻が夫を責めるところは読んでいても辛くなる。恐らく、河野さんも死を受け入れることが出来なくてどうしようもなかったのだろう。しかし、再発の時には覚悟して、最後まで歌を詠み続ける態度を貫き、家族もそれを支えた。一時期の嵐がなければ、その境地には至らなかったのかもしれないと思うと、必要な試練だったのだろう。そうしたことも含めて、生きるとは、死ぬとは、家族とは、考えさせてくれる良著である。

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    2019年05月04日
  • NHK短歌 新版 作歌のヒント

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    現代短歌のリーダーによる作歌のヒント集、というより歌論だ。読者を信じろ、大切なことは言わない、写生とは切り捨てること、など役に立つヒントが満載だ。

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    2019年04月20日
  • 現代秀歌

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    現代の歌人たちが身を削るようにして生み出した作品を残していきたい、という思いを込めた本である。この本によって多くの魅力的な短歌と歌人に出会うことができた。そして、感動的なのは「おわりに」で書かれた著者・永田和宏と妻・河野裕子の物語である。歌はこれほどに思いを伝えることができるのだ。

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    2019年03月31日
  • 近代秀歌

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    日本人ならこれだけは知っておいてほしい百首を選んだ、という著者の挑戦的な本。短歌もさることながら、はしばしにある著者の歌論にも感銘を受けた。「私たちが花を美しいと思うのは、花を読んだ名歌を知っているからだ」「写生とは、目にした事象の中からただ一点を除いて消し去る作業だ」などである。

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    2019年03月31日
  • 歌に私は泣くだらう―妻・河野裕子 闘病の十年―

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    「歌は遺(のこ)り歌に私は泣くだらういつか来る日のいつかを怖る」
    泣いちゃうね。またいつか必ず開く本。いまはいっぱい。ありがとうございました。

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    2019年02月09日
  • 僕たちが何者でもなかった頃の話をしよう

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    ネタバレ

    素晴らしい、著名な方々、偉人を一定人たちが何を考えているかを語ってくれている。
    どういう姿勢で物事を捉えているかを話してくれている。
    特に初めの二人が良い。
    山中先生の苦手なことで挫折したけど、新しくチャレンジして得意なものを突き詰めていって成功するあたりの話は非常に重要。
    羽生さんの感性・理論としての将棋の向き合い方も素晴らしい。
    自分の好奇心に従ってトコトン突き詰める。この姿勢を大事にしたい。

    大事な一歩は自分で決断して移動すると決めたこと
    アメリカに行くことで、「こんなにすごい人がいるんだ」「なんだ、自分と同じじゃないか」という2つの現実を知ることができる。
    良い研究と同じくらい、どう

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    2018年12月15日
  • タンパク質の一生 生命活動の舞台裏

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    小さなタンパク質の精巧な生成過程に感動した。 進化論だけではとても説明できないような気がした。 進化の歴史が自分の想像をはるかに超えるほど長いということだろうか。

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    2018年10月13日
  • タンパク質の一生 生命活動の舞台裏

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    細胞の仕組みをそこで働くタンパク質を取り上げてその一生を追いかける。タンパク質の誕生、その成長、その輸送、輪廻転生、そして品質管理。DNAに保存された情報をmRNAに転写し、リボソームはmRNAを端から3塩基ごとに翻訳してアミノ酸を作り出す。そのアミノ酸はペプチド結合で一本のひものようにつながっていく。そしてこのポリペプチドを構造をもった形に整形して機能を持たせる。それでようやくタンパク質となる。どこにでもあるタンパク質であるが、その仕組みを知れば知るほど自然の作り出す精緻な仕組みに驚く。進化と一言でいうが、遺伝子の突然変異などによる試行錯誤と自然選択だけでこれほどの精緻な仕組みが出来上がるの

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    2018年10月20日
  • 続・僕たちが何者でもなかった頃の話をしよう

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    やはり面白かったのは池田理代子先生。
    まさか 47歳で音大声楽科に入学していたとは知りませんでした!それも40歳で思い立ち 45歳まで悩んで
    2年かかって合格!!受かることが天才だとは思うのですが
    やりぬく力は素晴らしいです 見習いたい

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    2018年08月28日
  • 続・僕たちが何者でもなかった頃の話をしよう

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    僕が僕である事を認めてもらえる環境に身を投じること。
    それが僕が何者であるのかを知る手がかりになるのかもしれないと感じた。

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    2018年07月07日
  • たとへば君 四十年の恋歌

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    愛情のこもった言葉のやりとり。言葉で表現できるところよりさらに奥深い部分まで分かり合えた人間関係を見せていただいたような気がする。ある意味赤裸々であるがゆえに「偉大」で「尊敬」でき、「憧れ」る関係が築かれたのだろうと思う。

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    2018年05月04日
  • 続・僕たちが何者でもなかった頃の話をしよう

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    このシリーズ良い。今回のメンバーはどうかな?と思ったけど、そこそこ。漫画家としての名声が他分野への挑戦に効いたのか、切り込んで欲しいところではあった。皇族に対しても同じく。

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    2018年03月16日
  • 僕たちが何者でもなかった頃の話をしよう

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    現代の様々な分野でのスターたちが大学生たちを前に講演する若き頃の話。登場するのはノーベル化学賞の山中伸弥、棋士の羽生善治、映画監督の是枝裕和、京大総長の‎山極壽一。

    彼らは学生たちにとってあこがれの偉人だが、手の届かない別世界の住人ではない。彼らにも「何者でもなかった」無名の時代があった。そのとき、彼らは何を目指し、何に恐れていたのか。

    こうした偉人たちの挫折談を聞くと、「ヨシ、オレもまだまだイケるゼ」と思い込み、しばらくすると偉人との才能の違いに愕然とする。若い頃はそんな繰り返しで成長するのだ。コレぞ現実。

    山極氏のゴリラ話にインパクトあり。

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    2017年11月15日
  • たとへば君 四十年の恋歌

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    短歌というものは知らないけど、京大京女の組合せとは素晴らしい。私小説というものが下火になってる中、全部家族にもそれ以外にも筒抜けというのはすごい… 夫婦愛とか死とかそういった、よく言われるテーマよりそこが印象的。

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    2017年03月20日
  • たとへば君 四十年の恋歌

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    ネタバレ

    本を読んで、歌を読んで、こんなに涙を流したのは初めてだと思う。同じ病で亡くなった妻を想いながら読みました。

    永田和宏
    ポケットに手を引き入れて歩みいつ嫌なのだ君が先に死ぬなど
    昔から手のつけようのないわがままは君がいちばん寂しかったとき
    薯蕷(とろろ)蕎麦啜りつつ言うことならねどもあなたと遭っておもしろかった
    助手席にいるのはいつも気味だった黄金丘陵(コート・ドール)の陽炎を行く
    最後まで決してきみをはなれない早くおねむり 薬の効くうちに
    心配でしようがないと心配の素がわからぬ電話がかかる
    一日が過ぎれば一日減つてゆく君との時間 もうすぐ夏至だ
    あなたにもわれにも時間は等分に残つてゐると疑は

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    2017年01月15日
  • 歌に私は泣くだらう―妻・河野裕子 闘病の十年―

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    久しぶりに歌集を手にとった。言葉の持つ深さに驚く。わずかな言葉でも、こんなにも想いは届くもんなんですね。
    永田さん河野さん夫婦の愛情の深さに心温まりました。

    #読書 #読書倶楽部 #読書記録
    #歌に私は泣くだらう
    #永田和宏
    #歌集
    #2016年65冊目

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    2016年07月17日
  • 歌に私は泣くだらう―妻・河野裕子 闘病の十年―

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    河野裕子と永田和宏。
    歌人というのはすごい。短い言葉で日々の気持ちや出来事を切り取って保存していく。
    死が近づいて来る日々を、これまでの営みを、夫婦それぞれの目線で振り返る。
    当たり前の日常がありがたく感じられ、涙ぐみながら読んだ。

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    2016年01月20日
  • たとへば君 四十年の恋歌

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     がんで亡くなった歌人、河野裕子と、夫で同じく歌人の永田和宏がお互いのことを詠んだ相聞歌が収められている。
     
     タイトルは河野さんの代表歌のひとつから。短歌には全く詳しくない私にも聞き覚えがあったので、教科書にでも載っていたのかも。
     河野さんの歌は潔いものが多い。むしろ夫の永田さんの方が女々しい(←失礼)歌を詠んでいる気がする。

     本には河野さんのエッセイも収められていて、二人の人生を追うように、出会いから結婚、出産、発病、そして河野さんの死に至るまでが記されている。言葉の数としては、エッセイ部分の方がずっと多い。でも、伝わってくるものは、歌の方がずっと多い。

     夫婦ともに歌

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    2015年10月05日
  • NHK短歌 新版 作歌のヒント

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    短歌の入門書。作歌の手ほどき書として優れているのは勿論。永田さんの著作の素晴らしいのは『歌論』としても素晴らしいこと。
    個人的なエピソードも1人の歌人を通して、『歌を詠む、読む人とはどんな人なのか』を知ることが出来て楽しい。

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    2015年05月12日