永田和宏のレビュー一覧
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ネタバレ個人的備忘録(途中)
第1章 作歌の基本
①常識を離れてものを見る自分を発見せよ。
②形容詞で説明するな。
③写生とは選択。何を歌わないか
④機会詠では、メディアで見たとき、いかに自分本来の日常的な視点を確保てきるか。また、画面の中心を見ず隅を見る。事件を自分の側に引きつける。
第2章 形式を使いこなす
①結句でオチをつけない。理屈をつけたり辻褄を合わせたり、余計な感想を付けない。詩型が救ってくれる。結句でまとめようとせずジャンプせよ。
②体言止め、倒置法は、連作の際注意。続くと薄っぺらく感じられる。読者を信頼して歌を手放す。
第3章 言葉を大切に
①思い切って固有名詞を
第4章 作歌のレトリック
①比喩を使うなら自分だけのオリジナルで冒険を
②原典を何らかの形で〈引用〉することで、自分だけの表現では出てこない複雑性、重層性など奥行きと別の味付けができるのが〈引用〉の魅力。
第8章 短詩型における表現の本質
①詩は自己表現ではない。世界の側にある、世界の豊かさや人間の複雑さに出会った驚きこそが、詩として表現される。(谷川俊太郎)
②言いたいことは自分で言わず、相手に感じとってもらう。読者を信頼する。 -
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職退きて精神は楽になりましたいのちの維持費が少しかかります 大建雄志郎
維持費…毎月いくらぐらいかしら。気になる。
忘れたのではない最初の一字が出ないだけあの人あの人 えーとあの人 永田和宏
私もたまに「あ」から辿って思い出そうとする。
この家に君との時間はどれくらゐ残つているか梁よ答へよ 河野裕子
癌に罹患し、夫である永田和宏との時間はどれほど残っているのか、新築した家の梁に問いかける。
などなど、歳とるとそっかこうなるのか〜、ではなく、すでに身につまされるものばかり。
お酒関係では若山牧水と斎藤茂吉がやはり。
再来年の朝ドラが楽しみ。まだまだ死ねません。 -
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「目に見えるタンパク質として、まずは牛肉や豚肉、鶏のもも肉など、食べ物としてのタンパク質を思い浮かべてみよう。肉はまさにタンパク質の塊と言ってもいいが、筋肉の主成分はアクチンおよびミオシンと呼ばれる筋肉の収縮運動には必須のタンパク質である。特にアクチンは動物の筋肉から容易に抽出、精製できることから、古くから研究されてきた。 豚骨ラーメンなどで骨を煮出した出し汁は冷えると固まってくるが、この固まりの中に多く含まれる成分としてコラーゲンがある。女性なら美容効果の面でコラーゲンを知っているかもしれないが、このコラーゲンも、私たちの身体を構成している全タンパク質の実に三分の一を占める、もっとも多いタンパク質であり、これも古くから研究が進んでいた。コラーゲンは細胞が作り出すタンパク質であるが、細胞の外へ分泌されて、細胞外マトリクス(基質)と呼ばれる、いわば細胞の蒲団のような役割をして、細胞と細胞のあいだを埋めるタンパク質として重要な位置を占めている。」
—『タンパク質の一生-生命活動の舞台裏 (岩波新書)』永田 和宏著
「タンパク質の一生を ることは、いっぽうでまっとうな人生を送れなかったタンパク質にスポットをあてることにもなるだろう。正しい人生航路から横道に逸れてしまったタンパク質は、往々にして宿主である細胞や個体に悪影響を及ぼす。そんな病気がいくつもあることが分かってきたし、タンパク質の異常なふるまいによって引き起こされる種々の病態から、細胞や個体を守るために、細胞はタンパク質の品質管理を徹底する絶妙なシステムを備えていることも明らかになってきた。」
—『タンパク質の一生-生命活動の舞台裏 (岩波新書)』永田 和宏著
「 二〇世紀最大の発見とも言われる二重らせんの発見物語は、ワトソン自身の著書『二重らせん』に詳しいが、どのような経緯でその発見がなされたかという、分子生物学黎明期の状況のほかに、若く野望に燃える研究者たちが、熾烈な競争の中でいかにみずからのアイデンティティを確立するために切磋琢磨しているかという、今も昔も変わることのない研究環境についても示唆深い物語を含む名著である。」
—『タンパク質の一生-生命活動の舞台裏 (岩波新書)』永田 和宏著
「セントラルドグマのところで見たように、ごく単純に言えば、私たちヒトの生命維持の根幹には、三つの要素が登場する。まずひとつ、情報を保存する〈 DNA〉。次に、その情報を転写し、伝達・翻訳に働く〈 RNA〉。そしてその情報を元に生成され、構造を持つことによって「機能」を果たす、すなわち「触媒能」を持つ〈タンパク質〉である。 DNAの情報を基盤にして三要素が役割を分担している現在の生物の世界を、 DNAワールドと呼ぶことがある。この世界では DNAとタンパク質の役割が重なり合うことはない。二重らせん構造を持つ DNAは単に情報を保存するだけで、触媒能を発揮することはない。同様に、タンパク質は自己複製能を持たず、そこから遺伝情報を復元することはできない。 ところが RNAは、対となる塩基を持たない一本の鎖であるため、長くなると折れ曲がって、はるか離れた RNAの一部分の塩基と、 DNA二重らせんで見たように対を作り、安定化して、未熟ながらもある種の構造を作ることがある。構造を持つということは、分子表面に凹凸ができるということである。それら分子表面の凹凸によって他の分子との相互作用ができるようになると、それはその分子がある種の機能を持ちうるということを示唆している。このような仕組みによって RNAは、自己複製能のみならず、ある種の機能を持つことが可能なのである。」
—『タンパク質の一生-生命活動の舞台裏 (岩波新書)』永田 和宏著
「この研究は『ネイチャー』や『セル』などの雑誌に掲載されたが、当時、誰もが「おそらく原理的にはそうなるだろう」と思いながら、まさかと思い、自分の手では試みなかった実験であった。どんなにばかばかしく思えることでも実際にやってみなければ何も始まらないものだと身につまされた経験である。実験科学では、往々にして〈蛮勇〉を奮うことが大切だ。「学んで思わざれば則ち罔し、思うて学ばざれば則ち殆し」と言ったのは孔子だが、実験科学では学んでいるだけでも、思っているだけでもだめで、それを実際に手を動かして証明してみるというその行動力が大切になってくる。手が早いとか、腰が軽いというのは世間ではあまりいい意味で用いられないが、私は実験科学に携わる研究者は、思い立ったらすぐに試してみるというフットワークの軽さが大切だと思っている。」
—『タンパク質の一生-生命活動の舞台裏 (岩波新書)』永田 和宏著
「腫瘍組織の特徴は、正常組織に較べて、低栄養、低 pH(弱酸性)、低酸素状態であるということである。これらはいずれも温度に対する腫瘍組織の感受性を高めることに寄与している。腫瘍組織内にも血管は発達し、とくにがん細胞自体が血管を誘導する物質を作り、血管を自らの組織内に引き込むことによって栄養を確保し、増殖する。がん細胞はしたたかである。しかし血管の発達は正常組織に較べて未熟であるので、血流によるクーリングの効果が正常組織より弱く、温度が高くなりやすい。これらの特徴ががんの温熱療法を効果的なものにしている。 ところが困ったことに、がん細胞と言えどももともと私たち宿主から出現した同じ細胞なのであり、当然、熱ストレスに反応して、ストレスタンパク質を作ることによる自己防衛能を持っている。温熱療法を施した次の日もう一度熱をかけても、生き残ったがん細胞はすでに熱に対して耐性を獲得してしまっている。温熱療法は、通常、週に二回のプロトコルでなされているが、一度熱をかけた時にできたストレスタンパク質が消えるまでに二 ~三日かかるため、それが消える頃を待ってもう一度熱をかけることになる。」
—『タンパク質の一生-生命活動の舞台裏 (岩波新書)』永田 和宏著
「先述のように私たちは一日あたりおよそ二〇〇グラムのタンパク質を新しく合成しなければ生命を維持できないが、その原料であるアミノ酸が足りない場合、無理矢理にアミノ酸を作り出すべく、オートファジーの機構が積極的に働き始める。たとえば赤ちゃんが出生するときのことを考えてみよう。母体の中にいるとき、赤ちゃんはお母さんから栄養をもらっているので、タンパク質の原料に困ることはない。ところが出生直後、あるいは分 のあいだは、母体からの栄養補給が途絶え、アミノ酸不足をきたす。いわば一種の飢餓状態である。そのとき赤ちゃんは、自分の体内のタンパク質をオートファジー機構で分解して、無理矢理アミノ酸を作り出しているらしいのである。」
—『タンパク質の一生-生命活動の舞台裏 (岩波新書)』永田 和宏著
「 自然のおもしろさ、あるいは科学の醍醐味は、ひとつのことがわかると、それ以上に多くの や疑問が湧いて出てくるところにあると私は考えている。〈わかったこと〉以上に、〈わからないこと〉が湧き上がってくるのである。この不思議さこそが、私たちを自然科学という分野に釘づけにするのであり、飽くこともなく日々研究に明け暮れさせる理由になっている。」
—『タンパク質の一生-生命活動の舞台裏 (岩波新書)』永田 和宏著
「いわゆる「科学もの」は一般の読者に伝えるのがなかなかむずかしいものだ。正確に伝えようとすると、些事にとらわれて専門的になりすぎ、一般を意識し過ぎると中途半端なものになってしまいやすい。そのような本質的に困難な課題を意識しながら、とにかくこの分野のおもしろさを、ふだん生命科学分野とは縁のない方々にもなんとか伝えようとしたのが、本書である。」
—『タンパク質の一生-生命活動の舞台裏 (岩波新書)』永田 和宏著
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資料を読んでいて、どうしても気になる矛盾点があったので質問させてください。
① 54ページ
本文で「コドンGCA=アルギニン(Arg)」と説明されていますが、GCAは通常「アラニン(Ala)」ではないでしょうか?(アルギニンならCGUやCGAなどになるはずです)
② 55ページ
図2-6の流れが、途中から繋がっていないように見えます。 ・左〜中央:Ala - Gly という鎖を作っている ・右(次のステップ):急に Arg - Pro - Ser という鎖に変わっている mRNAの配列も変わっており、時系列の図として成立していないように思うのですが、これは図のミスでしょうか? -
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現代の科学者が直面してる問題、役に立つという利益性を求め、知的好奇心を満たすための学術研究が窮地に追いやられているという状況への痛烈な批判。永田先生の文章は言わずもがな、大隈先生の文章も読みやすくて引き込まれた。
大隈先生の最後の章で日本は「科学技術」という言葉で代表されるように「科学」と「技術」を並列に扱ってしまい、科学を技術的な発明と同じように役立つことを求められてしまう。偉人の言葉を知っていれば日々の出来事の解釈に深みが出るようにある科学的知識を知っていれば日々の生活の見え方が変わってくるという科学の文化的側面を大事にしたい。いやー大当たりの新書。研究意欲が落ちてきたらまた読もう。 -
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人生の後半にこそ心にしみる名歌をテーマごとに紹介する。定年、老後と金、老いらくの恋、介護、死別、食や酒のたのしみなど、様々な歌を読むと楽しい。「人生の終わりを徐々に知らしめていよいよ長き晩年がくる」「誰かひとりくらいは来てもよさそうなひとり暮らしの夕ぐれである」「沢瀉は夏の水面の白き花 孤独死をなぜ人はあはれむ」「浅き眠りの父を傍に読みふける介護の歌なき万葉集を」「『空きを待つ』その空きの意味思いけり特別養護老人ホーム」「今しばし死までの時間あるごとくこの世にあはれ花の咲く駅」「死はそこに抗ひがたく立つゆゑに生きてゐる一日一日はいづみ」「どっちみちどちらかひとりがのこるけどどちらにしてもひとりはひとり」
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ここ数日、薬の副作用で体調が悪く本を読めませんでした。
でも、私は胃腸科では逆流性食道炎があるので「食べてから3時間は横にならないでください」と言われているので寝ているわけにもいかず、二日前からちょっと辛かったですが、この本をがんばって読みました。
この本は先々週だったか、読売新聞の書評欄でも取り上げられていて、歌集が取り上げられるのは珍しいなと思い、私もちょうど読もうと思って積んでいました。今の私にちょうどぴったりなタイトルだと思います。
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第一部 人生後半へ
著者で歌人の永田和宏さんは2022年に後期高齢者になられたそうです。
中年とは45歳~64歳までだそうです。
〇中年は人生後半への入り口
中年に「門」を読むのは包丁を研ぎあげて鋭刃にさはるのに似る 高野公彦『水行』
漱石の「門」は私はさっぱりわかりません。
〇老いのユーモア
あかるすぎる秋のまひるま百円の老眼鏡をあちこちに置く 小島ゆかり『雪麻呂』
私よりひと回り年下の接骨院の奥さんが「この老眼鏡百円なの」とおっしゃっていました。
〇老後と金
老衰をわがするまでにかかるという数千万円をかなしく思う 藤島秀憲『オナカシコロ 短歌日記2019』
銀行の監視カメラにお辞儀して嬉しくて下ろす初の年金
三ツ松秀夫 朝日歌壇
〇老いらくの恋・秘めたる恋
斎藤茂吉と永井ふさ子の恋は秘めたる老いらくの恋。50代で28歳年下の女性と恋した茂吉の逸話はかなり可愛らしく感じられました。
斎藤茂吉記念館に行ったこともありますが、全然知りませんでした。
茂吉の歌は後に、母との死別の歌も出てきますが、こちらの話の方が面白かったです。
山なかに心かなしみてわが落す涙を舐むる獅子さへもなし 斎藤茂吉『暁紅』
50代の恋。
第二部 老いの先へ
〇介護の歌
浅き眠りの父を傍に読みふける介護の歌なき万葉集を
笹公人『終楽章』
もっとも、言えてると思いました。昔と今では寿命が違いますから。この歌集で一番共感した歌です。
笹公人さんのこの歌集は読んでみたいです。
〇ケアハウスという場
「空きを待つ」その空きの意味思いけり特別養護老人ホーム 小山年男 朝日歌壇
これも、もっともな歌老いの歌というのは怖いです。
〇死ぬまでの時間
永田和宏さんの奥様の河野裕子さんは、癌で62歳で亡くなられていらっしゃるのは有名です。
あほやなあと笑ひのけぞりまた笑ふあなたの椅子にあなたがゐない 永田和宏『夏・2010』
最後までわたしの妻でありつづけたあなた、ごはんは、とその朝も言へり 同
河野裕子さんが亡くなられた2010年朝日歌壇をはじめとする投稿欄に河野さんの死を悼む歌が千数百通も寄せられたそうです。
第三部 たのしみへ
〇酒のたのしみ
若山牧水ほど酒の歌の多い歌人はなく、短い生涯の8600余首のうち酒の歌は370首あったそうです。
お酒の歌のところで、この本にほむほむが初登場します。
「酔ってるの?あたしが誰かわかってる?」「ブーフーウーのウーじゃないかな」 穂村弘『シンジケート』
〇友ありてこそ
まだ私は60代ではないのですが、栗木京子さんのこの歌は直球ど真ん中でした。
さよならは別れではなく約束と唄えば愉し六十代われら
栗木京子『南の窓から』
来生たかおさんです。
というより私には薬師丸ひろ子さんかな。
〇最後に
孫との日々をたのしむより
ユーコちゃんといふ人が居たと思うだらうか日向道なんかで 河野裕子『母系』 -
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ネタバレここ数年で最も心に残った本でした。
もし本書が短歌集であったならば、恥ずかしながら表題の代表作しか知らないような私は本書に出会えなかったと思います。
このような形式で二人の道のりと素晴らしい短歌の数々を残してくださったことにありがたい気持ちでいっぱいです。
短歌はもちろんのこと、他にも胸に響く一節がたくさんありました。
以下にその一部を引用します。
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・蒸留水と井戸水が一緒に暮らして来たのね。私たち。
・それまで自意識が裸になって歩いていたけれど、永田和宏という存在が私に薄膜を張ってくれて、生きやすくなりました。
・人のこころも体の痛みも、自分自身の、それさえ分かっていないというのが人間という存在なのだと思い知るようになった。
・死者は、生者の記憶のなかにしか生きられない。だからもっとも河野裕子を知っているものとして、長く生きていたいと思う。それが彼女を生かしておく唯一の方法なのだと思う。
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他人と夫婦になり家族を営むことの素晴らしさと試練、それでも最後まで一人で抱くしかない孤独を思いました。
本書に出会えてとても嬉しいです。短歌集もぜひ読んでみたいと思いました。