永田和宏のレビュー一覧
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細胞生物学者と歌人を生業とする著者の、理性と感性に満ちた言葉の贈り物だった。
人間は1ミクロンほどの細胞60兆個からなる。長さにして60万キロメートル。地球15周。0-1ミリの受精卵が20年足らずで地球15周もできるだけの長さに成長する。知ることの驚きと感動は、自分という存在を見る目に変更を迫る。このまま何も知らずに人生を漫然と送っていてはダメだ。こんな喜びに出会えないなんて損だと、人を学問へ向かわせる。
学んでから始まるより、始めつつ学ぶ。その都度必要になった知識を仕入れていくことが最も大切な知識への接近
の仕方。
なんだ自分でもやれるじゃないか。世界と自分は地続きだと知ること。安全な -
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戦後を代表する女流歌人・河野裕子氏が永眠したのは8月12日。
乳癌だった。
その発症から亡くなるまでの歳月を、同じ歌人であり科学者でも
あり伴侶である永田和宏氏が赤裸々に綴ったのが本書だ。
最愛の人が病に冒される。それも癌である。一般人でも辛いことだ。
永田氏は科学者、しかも癌の知識のある人。河野氏が左脇の大きな
しこりに気付いた時、既に科学者としての知識で、それが癌であろう
ことを理解していたのだろう。
悪いことが重なる。娘の心臓疾患の発症、息子の会社の倒産。そして、
術後の河野氏の心のバランスの崩れ。
体の不調を訴えているのはよくあることだと思う。だが、河野氏の -
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ネタバレ京都産業大学の教授、そして歌人である永田和弘名誉教授がオファーした、大学での講演・対談シリーズ 第2弾。前作も興味深く、そして 天才と言われるまでに至った人達の苦しみ・挫折・努力・そして今を人間味豊かに語っていて、大変面白かったので、続編も手に取ってみた。
前作は山中伸弥教授や羽生棋士、是枝監督などそうそうたるメンバーで、(今回はどうかしら???)と少し思ったのだが・・・・・面白かった。
「ベルサイユのばら」の漫画家 池田理代子さんは「オルフェウスの窓」を描いて人気絶頂の時に 音大受験して声楽家になっていた。
今回一番(凄い!!)と思ったのが 劇作家の平田オリザ氏
『現代社会で「コミュニケ -
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タイトルが興味を引いた1冊
本当に凄い人たちが、目標を見つけたり、挫折したり
若い頃の初々しくておもしろい話しが講演と対談と言う形で描かれている。
また 登場する人たちがIPS細胞の山中伸弥さんや、将棋の羽生善治さん、
その時はまだカンヌ映画祭のパルムドールは受賞していないけれど、ドキュメンタリーのような映画で定評のある是枝監督、
京都大学の霊長研究の山極さんに関しては、名前は知らなかったがモンキーパークに何度も足を運んだ私としては、もう 興味津々のラインナップだ。
どの人の講演内容も面白くて、機会があったら生のお話を聴きたいと思った。
特に山極さんのゴリラとチンパンジーの社会、そして人 -
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ネタバレ出会い、恋人になり、夫婦になり、別れる。
二人の歌人の、その全てが詰まった本。
そもそも、数があまりないのかもしれませんが、幸せな歌、楽しい歌があまり印象に残っていない。
それぞれのフェーズでの、悩み苦しんでいる歌が印象的だった。
この本の内容と直接関係はないのですが、思ったことが2点。
・病気で亡くなるというのは、失うと分かってから実際に失うまでの期間が長く、
無力感、理不尽さや、失った後の時間など辛そう。
だからこそ、色々印象的な歌が読まれるのかもしれない。
・心に響く歌というのは、自分の体験と似ていたり、リアルに想像できることが書かれているもの。そういった感情は、言葉にするのは難し -
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企画意図としては、それぞれの世界において凄まじい業績を残した人も若い頃は「何者でもなかった時代があるんだよ」という話伝える・・・ことなんだろうけど、通して読んでみると逆にみな「何者でもなかった時代から、何者かになるための条件」みたいなものをもっているんだな・・・ということを感じてしまい逆にやる気がなくなってしまうのではないかと心配になってしまった。
例えば、将棋の羽生善治。彼の場合、中学生でプロになっているので「何者でもなかった時代」というのは極めて短くて、せいぜいプロになるまでの小学生の数年間の話と奨励会の話ぐらいである。企画本来の意図としては「小学校から血の滲むような努力をして・・・」み -
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ネタバレ「僕たちが何者でもなかった頃の話をしよう」 山中伸弥 羽生善治、是枝裕和、山極壽一、永田和宏
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京都産業大学での講演・対談シリーズ「マイ・チャレンジ一歩踏み出せば、何かが始まる!」。どんな偉大な人にも、悩み、失敗を重ねた挫折の時があった。彼らの背中を押してチャレンジさせたものは何だったのか。
「BOOK」データベースより
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すごい人たちの講演と対談をまとめた -
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話題になっている(?)ということで、読んでみました。
最近,和歌に興味があって、西行とか、新古今和歌集とか、そういう中世の日本のものを読んでいて、そ
の繊細さ、洗練に文化としての完成度というか、爛熟度というかに圧倒されているところ。
というセンスでいるところで、この本を読むと、なんか、すごく重いというか、が〜んと直球で勝負されて、圧倒されたというか。
ここには、まさに近代人がいて、考えていることが、かなりリアルに想像できるところで、彼らが、人生と正面から戦っている感じですね。
彼らの感性との連続性が強く感じられる一方、人生の条件というものが今と比べるととてもきびしいのに驚く。100年ま -
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ミトコンドリア!
元々何億年も前に、人間の細胞に進入して、そのまま共生するようになったバクテリア。つまり元を辿れば人間と別の生物だった。
分子シャペロン!
タンパク質に関して言えば、およそ3か月でほぼ入れ替わる。
細胞のレベルにおいても、一年経つと身体を構築する全細胞の90%が入れ替わる。
体重の2割弱がタンパク質。
プリオン病(BSE狂牛病)伝播型プリオン
ただタンパク質が細胞に入り込むだけでDNAは全く関わりなく増殖する。簡単にいえば、BSEに感染した牛肉を食べるだけで感染する。プリオンは熱に強く100度で煮沸しても一部が残存する。正常型プリオンは普通に体内に存在していて、それを巻き込 -
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夫婦が出会ってから、妻の死までの日々を、二人の文章と、折々の短歌で綴ったアンソロジー。
遺された夫、永田和宏さんの、河野裕子さんへの愛情が今も尽きないことがよくわかる。
病に倒れてからのことが書かれた章は、重い病を得た人の惑乱も、それを近くで見つめる家族のつらさも、どちらも胸が詰まる思いで読んだ。
とりわけ、同じように家族を乳がんで亡くしたことのある身には、残された側の、あの時なぜこうしなかったのか、という後悔は身につまされる。
いつか、今度は病を得て、病の苦しみと、それを受け入れなければならない不条理にのたうち回る立場になる日が来るのだろうけれど...自分や家族はどうなっていくだろう。