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大好評を得た『近代秀歌』の続篇として、「今後100年読まれ続けて欲しい」、主として戦後の秀歌100首を編む。佐藤佐太郎や近藤芳美から、塚本邦雄、寺山修司、岡井隆、そして俵万智から穂村弘へ。大きな変化を経た時代に、歌人たちは何を感じ、何を試みてきたか? 著者ならではの視座から、歌の現在を、そして未来を語る一冊。
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Posted by ブクログ
私には難しいかなと思って読み進めましたが、私にもこの本が大変な名著であることはわかりました。 姉妹編の『近代秀歌』も読んでみたいと思いました。 私も今、自分の健康面をしみじみ考えていたので、第10章の「病と死」、著者の永田和宏さんの奥様の河野裕子さんのことを綴られた「おわりに」が心に響きました。...続きを読む <一日が過ぎれば一日減っていくきみとの時間 もうすぐ夏至だ> 永田和宏 この歌を永田さんは奥様の前で発表すべきか迷ったそうですが、発表されたそうです。 あとは、作歌する時の心構え(ヒント)として 第3章「新しい表現を求めて」 当たり前のことを当たり前に詠む。 <茂吉像は眼鏡も青銅(ブロンズ)こめかみに溶接されて日溜りのなか> 吉川宏志 <次々に走り過ぎ行く自動車の運転する人みな前を向く> 奥村晃作 よく考えてみれば、ただ当たり前のことを当たり前に詠んでいるだけなのですね。 第5章「日常」より <大根を探しにゆけば大根は夜の電柱にたてかけてあり> 花山多佳子 歌ではなにか深遠な思いや深い感動を詠まなければならないと思っている人々からは顰蹙を買いそうな歌である。なんてつまらないことを歌にしているのだと叱られそうでもある。しかし、こういうおもしろい歌を許すのも現代短歌である。現実の生活のなかにはこんな滑稽なシーンは数えきれないほどある。(中略) そんな笑いがあるからこそ続いている現実の世界なのかもしれないのだ。そのようなことに少しでも思いが向かうとするならば、この一首の存在価値はとても大きい。 私は、この本の自分の作歌に役立ちそうなところだけ抜き書きしましたが、この本の内容はもっと深いところにあります。 著者の永田和宏さんはこの本と姉妹編の『近代秀歌』を日本人の常識として読んで欲しいとおっしゃられています。私はこの本は随分前から積んでいましたが(2021年からです)、短歌を始めたので読みました。日本人の常識とされるものがやっと今読むことができて非常によかったと思います。
goya626さんのレビューでの「名著」に惹かれてお取り寄せ。 「心のもっとも深いところに発する感情を定型と文語という基本の枠組みに乗せる歌」という短歌の魅力、「歌の力は誰かに読まれることによって、さらにいきいきとした力を発揮する」、「日常生活の場のいろいろな場面において思い出す」ことでほんとうに生...続きを読むきてくるという意識で、テーマごとに短歌の紹介と作られた時代背景や歌人の人生などを交えた解説がなされている。特に「青春」「社会・文化」「旅」の章の歌が印象に残った。巻末に歌人の一覧、歌索引が50音順に示されている。 「さまざまな読みを許容するのがいい歌の条件」「歌の読みに正確はない」「他の人の<感性の方程式>とでもいったものに触れる喜び」「読者のもののみかたを一新」「どう読めば、自分にとって歌がいちばん立ち上がってくるか、魅力的に映るかが大切」「上句と下句が合わせ鏡」のように互いに「問と答」をかけ合うことによって、立ち上がってくる顔が短歌における「私」であるとのこと。読み方の視点について参考になった。 穂村弘の「終バスにふたりは眠る紫の<降りますランプ>に取り囲まれて」の解説は、「不思議な童話のなかの出来事のように懐かしい」「正式名より、見たままのイメージを幼く表現したことが成功の秘密」 「サバンナの象のうんこよ聞いてくれだるいせつないこわいさみしい」については、「従来の短歌の短歌らしさをいとも簡単に遠くへ放り投げてしまった」 「青春はときにこのような破天荒な歌をもたらす」などの評が歌の世界を広げる。 一日が過ぎれば一日減つてゆくきみとの時間 もうすぐ夏至だ(永田和宏) さみしくてあたたかかりきこの世にて会ひ得しことを幸せと思ふ(河野裕子) 相聞歌として家族としての葛藤や残された時間を歌い上げ素晴らしいと思った。 好きな歌抜粋 ごろすけほう心ほほけてごろすけほうしんじついとしいごろすけほう(岡野弘彦) きみに逢う以前のぼくに遭いたくて海へのバスに揺られていたり(永田和宏) するだろう ぼくをすてたるものがたりマシュマロうくちにほおばりながら(村木道彦) カレンダーの隅24/31 分母の日に逢う約束がある(吉川宏志) さみしさでいっぱいだよとつよくつよく抱きしめあえば空気がぬける(渡辺松男) ときにわれら声をかけあふどちらかがどちらかを思ひ出だしたるとき(岩田正) 涙拭ひて逆襲し來る敵兵は長き廣西學生軍なりき(渡辺直己) 通訳の少年臆しつつ吾に訊ふ吾が教へたる日本語あはれ(前田透) ガス弾の匂い残れる黒髪を洗い梳かして君に逢いゆく(道浦母都子) 大正のマッチのラベルかなしいぞ球に乗る象日の丸をもつ(岡部圭一郎) ものおもふひとひらの湖をたたへたる蔵王は千年なにもせぬなり(川野里子) 曼珠沙華のするどき象夢にみしうちくだかれて秋ゆきぬべき(坪野哲久) 時間をチコに返してやらうといふやうに父は死にたり時間返りぬ(米川千嘉子)
『近代秀歌』の姉妹篇で昭和20年から現在までを扱う。 自分が生きている時代だからというのもあるのだけれど、 近代秀歌に比べると時代も価値観も多種多様に感じる。 改めて短歌というものの懐の広さを感じた。 そして最後の河野裕子さんの話は泣けた。
名著だ。今まで現代短歌は難解なものだと思っていたが、この本を読むとこんがらがっていた毛糸がするすると解けるようにその解釈も分かるし、その良さもびんびんと分かるのだ。現代の様々なことにどう短歌が関わって来るのかということもよく分かる。著者の解説は上手い! 「現代の共有財産として遺された歌の数々にふれて...続きを読むほしい」「日常会話の端々で、あるいはある場所や風景に出会った折に、私たちが受け継いできた歌が、ふと人々の意識と唇の端にのぼる」-こういう気持ちで著者はこの本を書いたそうだ。そう、事象に対する新しい見方、感じ方を示してくれるのが現代短歌なのだ。100人の歌人が紹介されている。
現代の歌人たちが身を削るようにして生み出した作品を残していきたい、という思いを込めた本である。この本によって多くの魅力的な短歌と歌人に出会うことができた。そして、感動的なのは「おわりに」で書かれた著者・永田和宏と妻・河野裕子の物語である。歌はこれほどに思いを伝えることができるのだ。
永井陽子女史の「父を見送り母を見送りこの世にはだあれもゐないながき夏至の日」も河野裕子女史の「手をのべてあなたとあなたに触れたきに息が足りないこの世の息が」も美しくとても悲しい歌です。思わず涙しました。そして、著者永田和宏氏の『あとがき』の日付八月一二日は妻の河野裕子女史の亡くなった日であります。永...続きを読む田氏の妻と歌に対する愛情がひしひしと伝わってきました。
少し前からまじめに作歌を再開した私だが、その前はアララギ派ばかり、言ってみれば古い短歌ばっかりに接していた。 作歌を再開して、今の短歌を読みだして、良い作品が豊富にあることに驚いた。短歌詠みなんてもっと小さな集団になってしまっていると思い込んでいたのだ。 短歌とは変容しつつも、生きる人の最も近くにあ...続きを読むって、仕事、家事、事件、恋愛、病そして死、最も直接的に訴えることができる文芸なのだとよくわかった。
小野茂樹 あの夏の數かぎりなきそしてまたたつた一つの表情をせよ 岩田正 イヴ・モンタンの枯葉を愛して三十年妻を愛して三十五年
なべてものの生まるるときのなまぐささに月はのぼりくる麦畑のうへ (真鍋美恵子) 前衛短歌運動を端緒とし、「今後100年読まれ続けて欲しい」現代短歌100首以上が、テーマごとに紹介されています。1人の歌人の紹介に割かれているページは見開き1ページほどなので、さくさく読めますしどこからでも読めます。テ...続きを読むンポがよいです。 日常の中でふと短歌を思い浮かべる瞬間。「そういえばこんな歌を詠んだ人がいたっけなぁ」──その瞬間ほど、歌人にとって幸せな瞬間はない、と永田さんは述べます。とても共感しましたし、まさしく短歌という表現の素敵な要素が凝縮されたような1冊でした。1回読んだだけで軽々しく理解した気になってはいけない。本書は何度も何度も読むべきですし、その価値があります。
近代秀歌と違い、本書は一人一首、全部で百首紹介されている。昭和初期~三十年代頃生まれの歌人が多い。31文字に閉じ込められた感情はシンプルで強く、共感できる歌が多かった。感情の土台は今も昔も変わらず、これからも変わらないんだろうと思う。
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