永田和宏のレビュー一覧
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平易な文章で、説明もうまく実に読みやすい。
タンパク質という1つのテーマを、一生になぞらえて(というか実際そうなのだが)そのシステムを追っていく。そうすることで、システムの様々な要素が、一つ一つ意味を明確にもち、理解もしやすい。変に教科書的な説明にならない点、実に新書的に素晴らしいと思う。
生物関連の内容を扱った本を読むたびに、そのシステムの複雑さ・巧妙さに驚かされるが、本書ももちろん例外でない。
物理学が自然をシンプルなものに還元していく方向(もちろんその過程の複雑さはある)であるのに対し、生物学は途方もなく複雑なシステムであることを発見していく学問であると言えるのかもしれない。著者も言うように、新たな要素の発見がさらにシステムを複雑・巧妙にしていくということなのだから、それも当然かも知れない。 -
Posted by ブクログ
海外の最先端の研究をしている人たちのところに飛び込む。とても手が届かないと思い込んでいたが、実際には日本でやっているのと同じことをやっているんだと思えること、自分が世界と地続きになると気づくこと。その実感と自信は、その後の研究を推進する大きな力になる。なんだ自分でもやれるじゃないかという実感。
失敗を多く経験してきた人間こそ、いざというときに肝も据わり、冷静な判断を行うことができる。
みんなが使う言葉でしか自分を表現できない若者に、いったい独創性とか個性とかを期待できるものなのか。一企業を主体的に担うに足る人材とは、そんなものではないはず。やっぱり特殊性、自分はこうしたほうがいいんじゃないかというのを大切に。
安易なそして消極的な自己規定、自己評価から自由であり続けること。自分を評価しないであえて自分を宙吊り状態の不安の中に置き続ける。自分の可能性は自分ですらまだ知らないものといつもいつも思っている。
友達がたくさんいるということは、友達が全然いないことである。アリストテレス。
1人で自分と向き合う。自分という存在に正面から向き合う。1人でいるときにできること。
つらいとき。世界は広い、別の世界を知ることが一つ。それから時間的な別の場もあることを知ること。あと3ヶ月だけ我慢をすればこの場所から抜け出せるということ。その時間が人生全体を考えたら短いこと。
ある特定の相手の前に立つと自分がもっとも輝いていると感じる。それは相手を愛しているということなのか。その相手のために輝いていたいと思うこと。
自分より相手を大切にさえ思えること、こんなにも相手を深く思うことができるのだと喜びを感じること、それはそれまでになかった新しい体験。愛は自分のためにもなっている?
伴侶。
かわいいとかそういうのもいいけど、いろいろ基準がある。愛情の第一歩は、一緒にいるのが楽しい、一緒にいることそのものが大切な時間として意識できる、そんな単純な感情であろう。それはそのままでもいいのだが、もう一つ、一緒にいることによって、自分の良い面がどんどん出てくると感じられる相手こそが、ほんとうの意味での伴侶となるべき存在では。一緒にいると相手のいい面に気づく、そのいい面に気づく自分が嬉しく感じられる。その人と話しているとどんどん自分が開いていく気がする。お互いにそんな存在として相手を感じられるような関係こそがたぶん伴侶として相応しい存在なのだろう。
心から愛することのできる人を得ることは、すなわち自分のもっともいい部分を発見すること。
この人と一緒にいると自分が自然で、自分を好きでいられると思える人。出てこいという感じ。 -
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なんか身につまされる歌多しだったわ。
この本読んで初めて知ったことも多かった。
斎藤茂吉と永井ふさ子との恋愛(不倫)
茂吉53歳、ふさ子25歳と年齢差は28歳
茂吉がふさ子に宛てた手紙の内容にびっくり。
”ふさ子さん、ふさ子さんはなぜこんないい女体なのですか何ともいへないいい女体なおのですか どうか大切にして無理してはいけないと思います”などなど’
あからさますぎ。でもこれら手紙を読んだあとは燃やすように約束してたみたいだから、何通かは燃やしたみたいだけど
ほとんど残していてのちに(茂吉の死後)出版してしまったからそりゃ物議を醸すよね。
でも、ふさ子は生涯独身を通したらしい。
川田順と俊子の老いらくの恋も、川田順は自殺未遂までしてでも最終的には結婚できたみたいで、小説にもなってるらしい、。
若山牧水はアル中で43歳で亡くなっているのも驚きだった。
下記のようなユーモアな歌もあれば介護や死を見据えた歌もあって読み応えあったわ。
好きだった歌
・人に害及ぼすとにはあらねども手帳の置き場所
幾度にて忘る 斎藤茂吉
・忘れたのたのではない最初の一字が出ないだけ
あの人あの人 えーとあの人 永田和宏
・疲労のつもりて引出ししヘルペスなりといふ
八十年生きれば そりやぁあなた 齊藤 史 -
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短歌とその解説を読み、これから経験するであろう、人生の予習をさせていただきました。
近現代の幅広い歌人の方の中で、斎藤茂吉さんの歌が多く載せられていました。私の知らない姿が歌にありました。50代以降の人目をしのぶ恋、知らなかったなあ。孫を詠んだ歌、とてもユニークでした。
永田和宏さんが、病に苦しむ妻、河野裕子さんを思う歌は、涙なくして読めずという感じで。河野裕子さんの歌も同様です。
悲しみや辛さの中でも、自分自身としっかり向き合って短歌を詠む。ただただ、すごいなあと思いました。歌を詠むことそのものが、生きることであるように感じます。
介護の歌では、2年前に亡くなった父のことが思い出されました。介護真っ只中のときは気持ちの余裕がありませんでした。今回様々な歌を読み触発されて、とりあえず一首作ることができました。
その時々の心の揺れを、31文字で冷凍保存できる短歌。読まれることで解凍し、溶け出して多くの人の心に広がっていく。私もその溶け出したものを、ある時は共感、ある時は驚きとして受け止めました。
子どもの頃、時間は永遠に続くような気がしていました。「最後の時間を意識するからこそ、残された時間を精一杯生きたいとする」という言葉が、心に刺さりました。 -
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高校生に大学へ入る前の心構えとして読んで欲しい内容であり、私も当時読めていたらなと思った。(まぁ当時はそんな余裕なかったが)
高校までは正解が記された教科書通りのことを取り組んでいればよかったが、大学からは自発的に教科書外のことをも学ぶべきである。
著者はいくらか講義を受け持っているが、一応は指定として教科書を用意させるものの、講義にはほぼ教科書は使用しないらしい。なぜなら、教科書の内容は教科書を読めばいいのであって、それを講義で改めてするのは時間の無駄であり、それならば教科書には書かれていないことをすべきだというごもっともな意見である。
教科書には正しいとされた内容のみ掲載されており、未発見・未解決のものはまだ掲載されていない。
この未発見のものこそ面白いのだ、と例をあげて説明しており、確かに面白く、私もこうゆう先生に出会えていたらなと思った。
著者の挫折エピソードも交えながら、子供2人いながらにして退職し研究者を志すという行動力。
面白い方をとるか、安全な方をとるか。
当然個々の生活/家庭事情もあるので一概に言えないが、“人生一度きり“ということを思うと。
評価なんて知ったことか、やりたい奴にはやらせておけ、くらいの気概を持って、自分を敢えて位置づけないのと。p164
自分をとことん吐き出して、いったんからっぽになった上でなければ、人の言葉が浸透する余地がない。p208 -
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続・僕たちが何者でもなかった頃の話をしよう
チャレンジをテーマとして各氏の講演と主催者である永田和宏氏との対談が収められている。何者でもなかった頃の話かと言われるとそうでもない感じもするが、基本的には若者向けのメッセージになっている。学びは多いと思う。
池田理代子
漫画家を中断してまでも声楽家を目指すために47歳で音大に入り直す。やらないで後悔したくないというのがモチベーション。
平田オリザ
コミュニケーション能力について。相手のコンテクストを読み取ることができる医師を育成するために阪大は劇作家である氏を招聘した。劇の役割は解答を与えることではなく議論を喚起するものであるという意見も興味深い。やや説教臭い感じはある。
彬子女王
面白そうがモチベーションとなって「石橋を適当にたたいて」周りを巻き込みながら挑戦してしまう勢いがある。オックスフォード留学での経験が自身を大きく変えた。
大隅良典
オートファジー(自食)の仕組みを解明したことによりノーベル賞を受賞した。冒頭に若者へのメッセージをまとめているので分かりやすい。
1. 長い人類の歴史の中で自分の生きている時代を考えよう
2. 自然と親しみ、小さな発見を大切にしよう
3. 権威や常識に囚われず、自分の興味、抱いた疑問を大切にしよう
4. 情報にながされず自分の眼で確かめよう
5. 最初の疑問に繰り返し立ち返ろう
6. 人と違うことを恐れずに、自分の道を見極めよう
7. はやりを追うことはやめよう
8. 役に立つこととはなにか、長い目線で考えよう
9. 自分の理解者をつくろう