万城目学のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
トウモロコシ畑の代わりに、舞台は早朝の京都御所。そこに現れる「向こう側」の人々を感じたとき、名作映画『フィールド・オブ・ドリームス』の光景が鮮烈に重なった。
彼らが求めたのは、名声でも復讐でもない。ただ、戦争によって理不尽に断ち切られた「野球の続き」をすること。その純粋すぎる衝動を、ファンタジーが優しく包み込んでいる。
少し前に読んだ『花まんま』が、大阪らしい人間くさい血の通った生と死を描いていたのに対し、本作の向こう側の人たちの現れ方は、どこまでも「はんなり」としている。
おどろおどろしさはなく、日常の風景にスッと溶け込んでいる存在感。京都らしい押し付けがましくない距離感が、透明感のある筆 -
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Posted by ブクログ
タイトルから野球の青春小説を想像していたが思わぬ変化球。
2篇のスポーツ物。十二月〜はホント爽やかな女子駅伝。新選組の奴等の出来事を除けばよくある感じだったけど、荒垣さんもサバサバしてて気持ちいいスポーツ女子で良かった。
八月〜は本命の野球物。嫌々メンバーに入れられ素人の草野球がタラタラと進行していくんだが、これいつまで続くんだと思っていたら、野球研究者のシャオさんが楔を入れてくれた。
京都だからかお盆だからか?未練があるんだろうか、縁があるから導かれたんかな。
えーちゃんが一球だけ本気になったシーンは鳥肌ものだった。野球を理不尽に奪われた彼にとっては素人相手に卑怯とも言えるやり方は許せない -
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Posted by ブクログ
ネタバレ会計検査院の松平、ゲーンズブール、鳥居は、検査のため大阪を訪れる。検査は順調に進むも、社団法人OJOは担当者不在で検査できず、後日松平のみが訪れる。そこで松平を迎えたのは、大阪城の地下に作られた豪華な巨大空間と、大阪国総理大臣を名乗る人物だったーーー。
映画を観たことがあったのでなんとなくストーリーは分かっていたが、地名や道など、細かい描写が多く盛り込まれ、読み応えがあった。作者の地元が大阪だということもあるだろうが、なかなかの下調べがあったと思う。出てくるキャラクターもそれぞれ魅力的で、飽きなかった。ありえない設定ながら、もしかしたら、と思わされるほどの作りこみで、とても楽しめた。 -
Posted by ブクログ
『にょご。
私は昔にょごだった』
篇首という言葉を知った本作。
大事な一行目、書き出しはこちら読み手も意識して読み出すものの、その割に心に留まることがあまりなかったが、篇首という言葉を知ったお陰もありとても心に残る1行になった。
そしてこの作品、古い女子寮の少し不思議な話なのだが、主人公が私と同世代で尚且つ私自身の女子寮風景と重なることが多々あり非常に面白かった。
それにしても昔の話の方が色鮮やかに見えるのはなんだろな。
表題作のぶりぶりぎっちょうも面白かった。
主人公に共感出来なかったが、信長には共感した。
不思議な土地の京都なら、信長に会う事もあるかも知れない。
個人的には信長は苦手だ -
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Posted by ブクログ
「十二月の都大路上下ル」
万城目さんのエッセイで駅伝の取材をしていると綴っておられたので、これが!と思いながら読みました。
この物語のように、悪役のいないストーリーが私は案外すきなのかも…と新たな発見。
ちょっぴり不思議な、心に優しい物語でした。
「八月の御所グラウンド」
気づいてしまったら、他の誰かに話してしまったら、もう現れてはくれない…そういうセオリーを「野球がしたい!」という真っ直ぐな気持ちで覆してくれた彼ら。
戦争という自分ではどうにもできないことで、日常を大きく変えられ、野球を奪われ、命までも奪っていく。やるせない気持ち…。
たまひで杯が時代をこえて彼らを救ってくれているといいな