万城目学のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
WEBでの連載時から楽しみに読んでいました。
一人出版社「万筆舎」の話やChageさんとの交流歴、最後には大阪・関西万博に行った顛末を書き下ろしなど。どれをとっても内容が濃くていつもながら「頭の中どうなってんねん」と感心してしまいます。
ちなみに「万博」というタイトルがついていますが、実際に万博に足を運んだ話は最後の1話だけです。
奈良で行われた講演会でトルクメニスタン館の話を聞いて、それまであんまり興味がなかった万博に足を運びました。開幕間もない5月と大賑わいの9月では世間のノリや会場の状況も全然違っていて、エッセイを思い出しながら2度美味しかったです。
X(Twitter)でもいい -
Posted by ブクログ
ネタバレ陽気な語りで始まるので、とても読みやすい。
ひとりでペラペラしゃべって読者へ自己紹介するのは縁結びの神様!笑 しかもおっさん。
かと思いきやもうひとり神様がいた。
縁結びの神様を取材して本を出したいライターの神様だった笑
神様でもノルマを達成するためにズルしたり、上級神様へ陰で文句を言ったり、不安になって吐きそうになったり。おっさんなのに可愛らしくて憎めない笑
最後の章では、不安になったが結果オーライ!
感動も詰め込まれていた。
こんな神様に見守られて日々過ごしていると幸せだなぁと思った。神社へ行ったら思い出そう。
解説にもあったが、登場人物に気持ち悪い人がいない。だから気持ちよく読める -
-
Posted by ブクログ
万城目学氏の小説は当たり外れが大きい。
奇抜なアイデアにより、日常世界からファンタジー世界への扉が開かれ、冒険がはじまってゆくのが氏の小説の特徴であり面白さである。そうして広がった風呂敷がうまく畳まれればよいが、前半で力尽きたのか、なんとかまとめようとしているのか、尻すぼみでがっかりさせられる作品も何作かある。
前置きが長くなったが、本作は無茶苦茶面白かったです。17歳の誕生日まで血を吸わないでいれば、儀式が成功し、脱・吸血鬼化するという主人公を襲う試練、楽しい冒険絵巻でした。コミカルな友人のヨッちゃんが良いキャラしていて好きでしたね。
続編もあるようなので、文庫化を楽しみに待ちたいと思い -
Posted by ブクログ
ネタバレ果たしてこれをどう面白く物語に仕立てるのだろう…と一見して不安になってしまう微妙な初期設定でありながら、あれよあれよという間に不思議なほど巧みに料理されているではないか…という見事な手腕は本当にいつも通り。
特に今作では第2章以降ぐわっと一気に加速度を増していく馬力がものすごく、弓子たちがクボーに乗り込んで大立ち回りを繰り広げるクライマックスが文字通りの見せ場となっている。
まさか宙に浮かぶトケトゲの生えた奇妙な球体を題材にして、読者の琴線にここまで訴えかける物語になろうとは、露ほども思わなかった…。
「新世界より」で、無間地獄の刑に処されるバケネズミに感情を揺さぶられるのに似ているだろうか… -
Posted by ブクログ
わー、じんわりおもろいもん読んだわ〜、と言うのが、率直な感想です。
万城目節が全面に出ていて、コトをシニカルにクスッと、でもそんな自分にも良い意味で期待していない、等身大の著者の半生が、まぁオモロく綴られています。
ただ、エッセイだからといって、軽く読み飛ばして終わるわけでなく、最後の方はドッグイヤーしながら読んでしまうほど、読み応えありました。
・そんな五里霧中にある私に手を差し伸べたのは、やはり本だった。霧が濃いのなら、空間を広げて、薄めてしまおうじゃないか。そんなことを言って、目の前に現れてくれたような気がする。
・「独りよがり」とは心のひだにこびりついたガンコな燃料だ。 -
-
購入済み
全部の話が繋がっている
本編の裏話的な六景を読んだ後、もう一度本編を読むとより話に深みが出てくる。荒唐無稽な話なのだが、実際に鴨川周辺を歩くと「やつら」がそのへんをうろうろしていそうな感じで、京都に行きたくなる。