万城目学のレビュー一覧
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万城目学に物語を書かせると、それはもうファンタジーだとかミステリーだとかのジャンルを超えて、万城目学というジャンルなのではないかと思わされる。
今回の作品も日常生活(とはいえ「吸血鬼の」ではあるが)から始まって、気づけば本当に自分たちと同じ世界に住んでいるのではないかと思わされて、あっという間に読み終えてしまう。
「鴨川ホルモー」でも、本当にホルモーなるものがあるのかもしれないと思わされるし、「鹿男あをによし」でも、奈良には本当に鹿男がいるのかもしれないと思わされるのである。
この作品も日常と虚構の境目を見事にシームレスにつなげている。
やはり万城目学は面白いのである。 -
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万城目学さん初めて読みました。
直木賞や芥川賞という作品で自分と合う物はあまり多くないのですが、こちらはとても面白く読めました。
「十二月の都大路上下ル」
女子全国高校駅伝のお話。京都の都大路をピンチランナーとして走る事になった1年生ランナーが沿道で目撃した物とは…
「八月の御所グラウンド」
早朝の御所グラウンで行われる「たまひで杯」という大会に借金のカタに参加する事になった大学生が共に戦ったチームメイトの正体とは…
まず文章がとても読みやすかったです。内容も途中から思わぬ展開が待っていてどんどん引き込まれました。沢村栄治…フルネームまでは知らなかったですが、野球の沢村賞は聞いた事があ -
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『プリンセス・トヨトミ』―
大阪の隠された“想い”が涙を誘う、最高傑作!
物語に隠された大阪の人と街の熱い想いと壮大な秘密に、ぐっと胸を掴まれてしまいました。
読後には、きっと大阪の街が違って見えるはずです。
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1. 購読動機
SNSで話題沸騰!「読書の秋」におすすめされた傑作⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️
最近、X(旧Twitter)などのSNSの読書界隈で「とにかく読んで!」と熱烈におすすめされていたのが、この『プリンセス・トヨトミ』。
* 読書好きなら誰もが知る、あの作家さんの作品であること。
* 「泣ける」「そうなるの?!」という感想が多かったこと。
「読 -
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著者のエッセイは5冊目。全てに「万」の文字が入っている。雑誌掲載は2024年3月から2025年4月まで。そこに書き下ろしを加えた13篇で構成されている。
著者には馴染みの京都ゆかりの人物で野球チーム編成を妄想する話や、デビュー作舞台化の話、昭和時代の大坂を回想する話、自著を同人誌のように売る話、初めての歌詞創りの話などなど…。どれも面白い。
白眉は、正に会期末を迎えようとしている大坂万博に関する著者の想いだ。開催決定時からのバタバタの顛末や、著者本人による忌憚の無い現地レポート。大坂出身の著者の見方や感じ方が、なんとなく理解できて興味深かった。
万博自体は、特段大きなトラブルも無く無事終了 -
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ネタバレ面白かった!!!やっぱりスキ万城目本。
短編3本で、3本がうっすら全部繋がっているやつ。
タイトルの『あの子とO』は3本目。
とりあえず、1本目で前作のあの子とQを思い出し、
O様は前作のQ様的なキャラだろうかと想像したりとか
そんなことないかな、、とも思ったりとか、
O様が出てくるのを待ちながら読む。
2本目はガラっと変わって、日本の吸血鬼の始祖の話、
3本目でようやくO様登場
やっぱりQ様か?とベタに思わせるシークエンスもあり(笑)
尖ってきたときは、やっぱりかとおもったら
どっこい、そっちか!!と。
まあなんにせよ
O様、私のドストライク、かっこよ!!
弓子と丘山さんちも続編ほしいが、
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WEBでの連載時から楽しみに読んでいました。
一人出版社「万筆舎」の話やChageさんとの交流歴、最後には大阪・関西万博に行った顛末を書き下ろしなど。どれをとっても内容が濃くていつもながら「頭の中どうなってんねん」と感心してしまいます。
ちなみに「万博」というタイトルがついていますが、実際に万博に足を運んだ話は最後の1話だけです。
奈良で行われた講演会でトルクメニスタン館の話を聞いて、それまであんまり興味がなかった万博に足を運びました。開幕間もない5月と大賑わいの9月では世間のノリや会場の状況も全然違っていて、エッセイを思い出しながら2度美味しかったです。
X(Twitter)でもいい -
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ネタバレ陽気な語りで始まるので、とても読みやすい。
ひとりでペラペラしゃべって読者へ自己紹介するのは縁結びの神様!笑 しかもおっさん。
かと思いきやもうひとり神様がいた。
縁結びの神様を取材して本を出したいライターの神様だった笑
神様でもノルマを達成するためにズルしたり、上級神様へ陰で文句を言ったり、不安になって吐きそうになったり。おっさんなのに可愛らしくて憎めない笑
最後の章では、不安になったが結果オーライ!
感動も詰め込まれていた。
こんな神様に見守られて日々過ごしていると幸せだなぁと思った。神社へ行ったら思い出そう。
解説にもあったが、登場人物に気持ち悪い人がいない。だから気持ちよく読める -