万城目学のレビュー一覧

  • あの子とQ(新潮文庫)

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    万城目学に物語を書かせると、それはもうファンタジーだとかミステリーだとかのジャンルを超えて、万城目学というジャンルなのではないかと思わされる。
    今回の作品も日常生活(とはいえ「吸血鬼の」ではあるが)から始まって、気づけば本当に自分たちと同じ世界に住んでいるのではないかと思わされて、あっという間に読み終えてしまう。
    「鴨川ホルモー」でも、本当にホルモーなるものがあるのかもしれないと思わされるし、「鹿男あをによし」でも、奈良には本当に鹿男がいるのかもしれないと思わされるのである。
    この作品も日常と虚構の境目を見事にシームレスにつなげている。
    やはり万城目学は面白いのである。

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    2025年11月27日
  • 鹿男あをによし

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    奈良を舞台に繰り広げられるファンタジーの物語。関東から奈良の女子高に赴任した「おれ」が、突如、鹿の「運び番」に任命されたことを鹿から告げられます。1800年続く儀式を無事成功させ、日本の滅亡を防ぐことができるのか…?神話や史実に基づくこの物語は、他にはないおもしろさがあり、一気読みしてしまいました。

    ドラマが大好きだったので、原作を手に取りましたが、原作も大好きになりました。大枠は同じですが、ドラマと原作で少し違う部分があって、楽しめました。

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    2025年11月26日
  • 偉大なる、しゅららぼん

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    琵琶湖から不思議な力を授かった日出家と棗家のお話。
    出てくるキャラ達もストーリーも楽しすぎて、ページをめくる手が止まらなかった。
    とにかく楽しめる本を読みたい!って思ってる人にはおすすめです。
    また再読してキャラ達に会いに行きたいです。

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    2025年11月24日
  • あの子とQ(新潮文庫)

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    弓子とヨッちゃんのやり取りがおちゃめでコミカルで声を出して笑ってしまうほどだった!
    ほのぼのした日常から一転、囚われたQを助けるための冒険やアクションと振り幅が大きくて楽しめた。続編も読まなきゃ!

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    2025年11月19日
  • 六月のぶりぶりぎっちょう

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    ネタバレ

    どちらかといえば表題作ではなく「三月の局騒ぎ」の方が好き。清さんの余韻が何とも言えない空虚感というか、不思議な気分になる。「十二月の都大路上下ル」とつながったようで、どんなふうにこのワールドが広がっていくのか楽しみ。「ぶりぶりぎっちょう」は(たしか「あの本、読みました?」のインタビューで観たけれど)ほんとにいい言葉を見つけられたと思う。

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    2025年11月16日
  • ザ・エッセイ万博

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    文学フリマ東京でみをつくし戦隊レンジャー完全版を買ったひとりです。当日は快く一緒にツーショットの写真を撮らせていただきましたが、目標冊数の発売がなされるまでサインはなさらないとのことで、残念ながら退散したのをよく覚えています。その後、ぶりぶりぎつちょうのサイン会で、改めてお願いしたらあっさりサインをしてくださり感謝感激でした。
    万博に関する章は、まだ盛り上がる前だったのですね。読みが外れるところが万城目さんぽくて良い締めくくりでした。
    2025-044

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    2025年10月29日
  • 八月の御所グラウンド

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    さらっと読めて、じんわりした温かさやほろりとする切なさが心に残る素敵な2作。
    万城目学のこの路線は初めて読んだけど、とても良かった。

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    2025年10月19日
  • 八月の御所グラウンド

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    『なぁ、俺たち、ちゃんと生きてるか?』
    《八月の御所グラウンド》の中で一番刺さった台詞はこれかな。
    2つの意味で取れる言葉だよね。どんな2つの意味かは、読めばわかるはず。
    《十二月の都大路上下る》
    すごい方向音痴の女子高生サカトゥー、駅伝の補欠だったはずが突然出場することになり…

    万城目学の小説にしては、どちらもコテコテさは薄めで、読みやすい入りやすい世界。

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    2025年10月18日
  • 八月の御所グラウンド

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    万城目学さん初めて読みました。

    直木賞や芥川賞という作品で自分と合う物はあまり多くないのですが、こちらはとても面白く読めました。

    「十二月の都大路上下ル」
    女子全国高校駅伝のお話。京都の都大路をピンチランナーとして走る事になった1年生ランナーが沿道で目撃した物とは…

    「八月の御所グラウンド」
    早朝の御所グラウンで行われる「たまひで杯」という大会に借金のカタに参加する事になった大学生が共に戦ったチームメイトの正体とは…

    まず文章がとても読みやすかったです。内容も途中から思わぬ展開が待っていてどんどん引き込まれました。沢村栄治…フルネームまでは知らなかったですが、野球の沢村賞は聞いた事があ

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    2025年10月09日
  • プリンセス・トヨトミ

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    『プリンセス・トヨトミ』―
    大阪の隠された“想い”が涙を誘う、最高傑作!


    物語に隠された大阪の人と街の熱い想いと壮大な秘密に、ぐっと胸を掴まれてしまいました。
    読後には、きっと大阪の街が違って見えるはずです。
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    1. 購読動機
    SNSで話題沸騰!「読書の秋」におすすめされた傑作⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️

    最近、X(旧Twitter)などのSNSの読書界隈で「とにかく読んで!」と熱烈におすすめされていたのが、この『プリンセス・トヨトミ』。
    * 読書好きなら誰もが知る、あの作家さんの作品であること。
    * 「泣ける」「そうなるの?!」という感想が多かったこと。

    「読

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    2025年10月06日
  • ザ・エッセイ万博

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    著者のエッセイは5冊目。全てに「万」の文字が入っている。雑誌掲載は2024年3月から2025年4月まで。そこに書き下ろしを加えた13篇で構成されている。

    著者には馴染みの京都ゆかりの人物で野球チーム編成を妄想する話や、デビュー作舞台化の話、昭和時代の大坂を回想する話、自著を同人誌のように売る話、初めての歌詞創りの話などなど…。どれも面白い。

    白眉は、正に会期末を迎えようとしている大坂万博に関する著者の想いだ。開催決定時からのバタバタの顛末や、著者本人による忌憚の無い現地レポート。大坂出身の著者の見方や感じ方が、なんとなく理解できて興味深かった。
    万博自体は、特段大きなトラブルも無く無事終了

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    2025年10月02日
  • あの子とO

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    ネタバレ

    面白かった!!!やっぱりスキ万城目本。
    短編3本で、3本がうっすら全部繋がっているやつ。
    タイトルの『あの子とO』は3本目。
    とりあえず、1本目で前作のあの子とQを思い出し、
    O様は前作のQ様的なキャラだろうかと想像したりとか
    そんなことないかな、、とも思ったりとか、
    O様が出てくるのを待ちながら読む。
    2本目はガラっと変わって、日本の吸血鬼の始祖の話、
    3本目でようやくO様登場
    やっぱりQ様か?とベタに思わせるシークエンスもあり(笑)
    尖ってきたときは、やっぱりかとおもったら
    どっこい、そっちか!!と。
    まあなんにせよ
    O様、私のドストライク、かっこよ!!
    弓子と丘山さんちも続編ほしいが、

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    2025年09月30日
  • 八月の御所グラウンド

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    直木賞受賞作
    とても良かった。高校女子駅伝部の大会のお話は、少しグッときて涙が浮かぶような青春の輝きが感じられた。
    表題作は、クラブのママの名前を冠した野球大会で、学生や友人をかき集めてなんとか試合をするお話。大学卒業のためには優勝するしかないのだが、素人も混ざって毎回人数集めだけで四苦八苦する。ようやく集まったメンバーは、実は戦前の大学生だったという、万城目ワールドな展開。真夏に朝6時から集まって、知らない人たちと試合をする楽しさ。想像だけはできる。

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    2025年09月27日
  • ザ・エッセイ万博

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    万城目さんの エッセイの「万」シリーズ。
    現在行われている万博へは勿論行かれていて、それについては1番最後に書かれていた。
    特に面白かったのは、自費出版しフリマで売ろう!と本を一から作った成り行き。
    何部刷ろうかとか、売れ残りを自ら書店営業された話など最高だった!

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    2025年09月23日
  • ザ・エッセイ万博

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    WEBでの連載時から楽しみに読んでいました。

    一人出版社「万筆舎」の話やChageさんとの交流歴、最後には大阪・関西万博に行った顛末を書き下ろしなど。どれをとっても内容が濃くていつもながら「頭の中どうなってんねん」と感心してしまいます。

    ちなみに「万博」というタイトルがついていますが、実際に万博に足を運んだ話は最後の1話だけです。

    奈良で行われた講演会でトルクメニスタン館の話を聞いて、それまであんまり興味がなかった万博に足を運びました。開幕間もない5月と大賑わいの9月では世間のノリや会場の状況も全然違っていて、エッセイを思い出しながら2度美味しかったです。

    X(Twitter)でもいい

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    2025年09月21日
  • パーマネント神喜劇(新潮文庫)

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    ネタバレ

    陽気な語りで始まるので、とても読みやすい。
    ひとりでペラペラしゃべって読者へ自己紹介するのは縁結びの神様!笑 しかもおっさん。
    かと思いきやもうひとり神様がいた。
    縁結びの神様を取材して本を出したいライターの神様だった笑

    神様でもノルマを達成するためにズルしたり、上級神様へ陰で文句を言ったり、不安になって吐きそうになったり。おっさんなのに可愛らしくて憎めない笑

    最後の章では、不安になったが結果オーライ!
    感動も詰め込まれていた。
    こんな神様に見守られて日々過ごしていると幸せだなぁと思った。神社へ行ったら思い出そう。

    解説にもあったが、登場人物に気持ち悪い人がいない。だから気持ちよく読める

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    2025年09月17日
  • あの子とQ(新潮文庫)

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    最初から最後までずっと面白かった。
    小説を読み始める時、知らない人物に対してすぐには感情移入できないというか、トランスに入りづらいけど、たまに最初からトランスに入れる小説がある。
    この小説もそうだった。
    最初の入りがコミカルで、ずっと雰囲気がそのままだったから最初から最後までずっと面白かったのかな?という自己分析。

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    2025年09月14日
  • 鹿男あをによし

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    やべぇ、おもろい
    卑弥呼を物語にからませるか!?ふつー
    書いた人、頭おかしいわ(褒め言葉
    そのくせ妙に切なく終わる

    児玉清さんの解説もいいな〜
    マジメニマナブは笑った

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    2025年09月07日
  • 八月の御所グラウンド

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    夏のこの時期に読んでとてもタイムリーでこの本を読もうと思った自分に少し驚いた。昨年父がなくなって、父は大好きなことをやりに戻ってきたりするのだろうか、仕事人間だったか大好きなことはあったのだろうか、家族の身の回りや尻拭いに追われていて戻ってくるほどやりたいことはこの世にあるのだろうか?この世で生きてる人、思い出となった人、全ての人が愛おしいと感じさせてくれたし、悔いのない人生を送りたいと思い直した。

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    2025年08月28日
  • あの子とO

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    あの子とQの続編。
    軽妙な語り口のライトなファンタジー。
    でも、薄っぺらさはなくて、惹き込まれる面白さがある。
    今回は短・中編だったけど、メインストーリーらしきものが間違いなく進んでるのが伺える。
    次も楽しみ。

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    2025年08月25日