万城目学のレビュー一覧

  • とっぴんぱらりの風太郎(下)

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    ネタバレ

    なんという大作でしょうか。大作であり、傑作だと思いました。史実とひょうたんを絡めたフィクションですが、壮大な物語です。
    上巻でも書きましたが、再読です。詳細は全然覚えていませんでした。
    黒弓の境遇やこれから成し遂げたいことを風太郎に話すところは、ラストシーンを覚えているだけに辛く悲しかったです。
    芥下が風太郎に「必ず戻るのじゃ」と言うシーンもラストを覚えているだけに辛くて辛くて。
    本阿弥光悦が風太郎に見た「暗さ」は風太郎の運命を物語っていたのでしょうか。
    我が子を託した忍び4人にあたたかな声をかけ、最期の別れを告げるひさご様に泣かずにはいられなかった。
    詳細を覚えてはいなくても、ラストを鮮明に

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    2024年07月22日
  • ヒトコブラクダ層戦争(上)

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    急な場面展開が多々あり、無茶な設定を解き明かすことなく物語は進みます。 榎土三兄弟が個性的かつ魅力的でストーリー華をもたせてくれるのでずっと楽しいです。 梵地の知識量がすごいです。天が頑張って支えたのが活きているのが痺れました。
    下巻も楽しみです!

    「天の時は地の利に如かず、地の利は人の和に如かず」

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    2024年07月20日
  • かのこちゃんとマドレーヌ夫人

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    ネタバレ

    鴨川ホルモーとか鹿男あをによしとかとは、ちょっと違う雰囲気かな。

    基本的に氏の作品は、どこか不思議な世界で一風変わったキャラクターが縦横無尽に活躍する、そんな作品が多いイメージだったけども、今回のはそうした雰囲気は少し薄い。キャラがたってるのはいつもどおりだけど、世界観としては比較的ほのぼのしてるし、マドレーヌのねこまた事件も世界を揺るがすような大げさな事件ではない(ネコにとってはそうであったとしても)。

    だからこそなのかもしれないけど、ジブリを見ているような気持ちになるし、それでいてどこかに氏の他の作品への入口があるのではないかとワクワクさせられる。盛り上がりどころでスコーンとあがるよう

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    2024年07月19日
  • とっぴんぱらりの風太郎(上)

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    ネタバレ

    再読です。

    前回読んだ時はただただ斬って斬られての凄惨なところばかりに目がいってしまい、「面白かったけど、もう読むことはないかもな」くらいに思っていましたが、文庫本(上・下)をちゃんと本棚に取っておいてよかったです。”万城目学を読み返そう運動”の最後に「(内容的に)重いからな~、どうしようかな~」と思いながら読み出しましたが、さすが万城目作品です。再読もなんのその、内容としてはやはり重くて辛い場面もたくさんあったのですが、読書としては楽しく、さくさくと読み進みました。

    時は戦国時代。伊賀の国で忍びとして育った風太郎は、あることがきっかけで伊賀の国を去らざるをえなくなり、忍びとしても用無しに

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    2024年07月11日
  • かのこちゃんとマドレーヌ夫人

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     何とも可愛らしく心が和む物語。小学一年生のかのこちゃんと飼い猫マドレーヌ、飼い犬の玄三郎、クラスメイトのすずちゃん。それぞれとの関係性が微笑ましく、この優しい世界にずっと浸っていたい。息子がちょうど一年生なので、この純粋さや天真爛漫な言動はよくわかる。マドレーヌの散歩地図いいなぁ。大人にお別れする方法が「さらばでござる」と言うことだったり、茶柱ならぬウンコ柱だったり、なんて可愛いんだ。人間の体を手に入れたマドレーヌ夫人がやりたいことも愛情に溢れているし、堪らなく愛おしい一冊になった。

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    2024年07月10日
  • 悟浄出立

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    中国の古典を元にして書かれた短編集
    西遊記だったり、三国志だったり、史記だったり

    その中から『主役の周囲にいる人物を中央に置き、その視点でもって主役を観察し、ひるがえって自己を掘り下げる、という心の動きを描いた(P.6)』お話になってます
    例えば沙悟浄から見た孫悟空・猪八戒、趙雲から見た諸葛孔明・張飛、虞美人から見た項羽といったように

    んでまあこれがめちゃくちゃ面白い!

    物語が進んで主人公の心がどう動くのか、それぞれのお話での決意の方向がどれも魅力的でたまりません

    お気に入りは『悟浄出立』と『虞姫寂静』

    そういえば西遊記のお話って何故かなんとなく知っているんだけど、ちゃんと読んだ記憶

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    2024年06月19日
  • かのこちゃんとマドレーヌ夫人

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    かのこちゃんと猫のマドレーヌ夫人と老犬の玄三郎、すずちゃんにお父さんとお母さん。みんなが温かく微笑ましい。穏やかにそして優しい気持ちにさせてくれる。
    乳歯のように出会いと別れ、そしてまた新しい出会いの中で成長していくんですよね。うちの娘も成長したなあと思いながら娘と話したくなってしまった。

    それにしてもかのこちゃんとすずちゃんの会話のキャッチボールが軽快で笑える。好きだなあ。

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    2024年06月10日
  • 悟浄出立

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    ついに直木賞作家となった作者といえば、京都ラヴァーズな、歯切れの良い文章と会話の掛け合いが楽しいエンタメ作家…という印象を、昔読んだ初期作たちの思い出とともに持っていたが、その初期作に混じって、こんな短編集も書いていたのか…とおどろき。
    中島敦インスパイアから始まる、著名な中国の故事・逸話に材をとった短編たちは、派手さとも荒唐無稽さとも無縁な、文章も相まって朴訥だけれど温かみのある読後感を得られ、とても気に入った。

    とくに、「常山の趙子竜」の名乗りに馴染みのある三國無双世代の我々としては、その名乗りから膨らまされた話にも読める、「趙雲西航」が刺さった。

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    2024年06月07日
  • 悟浄出立

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    「鴨川ホルモー」をはじめとする万城目学氏の作品はいくつか読んだことがあり、面白い話を書く人、奇想天外なストーリーを書く人 というイメージだったが、本作はだいぶ違う。そして私好み。中国古典を題材に、深みのある内容、心に刺さるフレーズ、描写の巧みさ(スケール感、血腥さ、悲哀など)で、読み手の心を揺さぶってくる。

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    2024年05月12日
  • パーマネント神喜劇(新潮文庫)

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    見た目は、趣味の悪い柄もののシャツを着たおっさん。でも「神様」なんです。それも主な担当は『縁結び』。小さな町の、名も無い神社で千年もお役目をつとめてきた。そんな神様のところに、取材が入った。髪をぴっちりと分け、メガネをかけた姿はまるでサラリーマン。だけどこちらも「神様」。さらに、神様の昇進をかけた試験も絡んでいるからなんだかややこしいことに…。

    「神様」を主人公とした連作短編を一つにまとめた本書。単なる"縁結びのエピソード集"かと思わせて、実はしっかりと芯が通っていて読みごたえがあります。
    理屈っぽい男•篠崎肇と恋人の坂本みさきのカップルの縁を取りまとめる「はじめの一歩」

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    2024年04月28日
  • パーマネント神喜劇(新潮文庫)

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    裏切らない万城目作品!
    なんだろ、自然にスラスラ楽しく読めてしまうのはやっぱり万城目さんだから?
    神様系も好きなので余計に楽しめた。
    賞取った新作は何となくまだ読んでないけどどうしようかな。。

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    2024年04月13日
  • ホルモー六景

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    この物語は「鴨川ホルモー」の"外伝"です。京大青竜会の安倍くんたちの怒涛の活躍を描いた前作が"正伝"。
    続編ではなく、『安倍くんたちの見えないところで、こんな事がありました』というお話になっている所がミソ。

    第1話「鴨川(小)ホルモー」
    主人公は京都産業大学玄武組のエース、『二人静』。その名も"定子"(さだこ)と"彰子"(しょうこ)。式神を呼び出して対戦する『ホルモー』の遣い手は一様にヘンな人ばかり。この二人の美女も御多分に漏れずやっぱりヘンです。何しろ"車懸りの陣"の様に繰り出す攻撃に&qu

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    2024年04月12日
  • べらぼうくん

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    人がうまくいっていない様を読むのはどうしてもおもしろい。笑 けど、それにしても面白おかしく書かれた良本だった!歯切れ良い、短文多めの文章が小気味良く、言い回しもいちいちくすっと笑える。
    万城目さん殆ど読んだことなくてまさかのエッセイから入ったので他の作品を早く読みたい。

    人の不幸をみて自分はましだ、と安心するつもりは全くない(恐らく)けど、手元に置いておきたいお守りのような本だと思った。疲れ果てて本を読めない日々でも、この本なら開けそう。

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    2024年03月25日
  • ホルモー六景

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    確かにこれは「鴨川ホルモー」のスピンオフで、ホルモー本編を読んだ人ならぜひとも読んでほしい短編集で、ホルモー本編を読んでいない人には少し理解がしづらいものかもしれませんが、それにしたって、素晴らしい短編集ではございませんか。再読ですが、初読みの時よりさらにそう感じます。その壮大な奇想天外さの割には本編では少し物足りなく感じたホルモーを、もっともっと深く感じられます。本編では、主人公安部視点で、安部の身の回りのことがほとんどだったので、安部の知らないところでこんなことがあっていたのね、と、よりホルモーを軸とした背景が過去に現在に広がります。しかししかし、こういう本を読むと自分の歴史の知識のなさに

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    2024年03月07日
  • バベル九朔

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    結末に関して、そこまで斬新なものではなく立ち止まって考えれば途中で気付くこともできたであろうが、適度な緩急、過不足ない表現、自然な文体、抜群の文章力がそれをさせてくれない。この冒険譚をよくもこの小さな文庫に収めたものである。さすがだと言わざるを得まい。筆者の作品は他にプリンセストヨトミを読んだのみであるが、他作品に触れる機会を逸していたこと、非常に残念でならない。森見作品が好きな者であればこの作品も楽しめるのではないかと感じた、少なくとも私の琴線に触れる作品であることは疑うべくもない。総じて読後の満足感含め非常に素晴しい作品である。

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    2024年03月03日
  • 悟浄出立

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    遠い世界だった中国の歴史の世界を私も一緒になって肌で感じられて、中国史のとりこに
    それも万城目さんらしく人間味あふれる魅力的な人たちにしてくれました
    はまりすぎて中国語も習い始めてしまいしまた
    私の世界を大きく広げてくれた1冊

    短篇集で読みやすく、何度も読み返すほど好き

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    2024年02月21日
  • 八月の御所グラウンド

    購入済み

    一気読み

    標題作と「十二月の都大路上下ル」の2作品、どちらも心に滋養を与えてくれるサプリメントのような作品でした。特に「十二月〜」は続きが読みたくなるほど、短編なのに登場人物が全員魅力的でキャラ立ちしていたので、長編小説として膨らませていただきたいほど、この世界観から離れるのが惜しい気がしていました。いずれの作品も読み始めたら止まりません。文章の読みやすさもさることながら、テンポ、ユーモア、エピソードのバランスも絶妙で、読後に地理や歴史を確認する楽しみも付加されてます。最近の直木賞作品は重厚骨太な作品が多いように感じていましたが、軽やかで爽やかな中に込められているメッセージは、読書離れと言われている時代

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    2024年02月03日
  • 偉大なる、しゅららぼん

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    ものすっごく面白かった!
    やはり長編小説は読み応えがあるし、私の中のファンタジー成分が満たされた。

    琵琶湖周辺に住む日出家と棗家は不思議な力を持つ同士、古くから敵対してきた。
    琵琶湖に住む龍にご神水、不思議な力、不念堂、登場人物のキャラクター付けもしっかりしていて、本当にいる様な、起きている様な、事実かもしれないと思わせる情景描写にすっかりのめり込んだ。
    何年か前に竹生島を訪れたこともあり、(その時はタイミング悪く工事中かなにかでかわらけを投げられなかった)琵琶湖をフェリーで渡ったことや、大きな森、静かな龍神拝所から見下ろした琵琶湖、日差しが強く朱い鳥居が鮮やかに輝いていたことなどを思い出し

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    2024年01月26日
  • ヒトコブラクダ層戦争(下)

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    何やかやで自衛隊に入ってイラクに派遣された榎戸の三つ子(のうちの二人)は失われたシュメールの都、アガデの神殿に立ちその地を統べる神に邂逅する。祝福を与える神に対して「いけ好かない感触」を覚える兄弟と、その様子を見て既に神の時代が去ったことを知る古い時代の冥界の女神。んー、ドラマだなぁ。

    メソポタミアの物語に掴まれちゃって恐竜の話は何か影が薄くなっちゃった感がありますが、太古の昔のロマンが溢れ、大変面白かったです。

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    2024年01月19日
  • ヒトコブラクダ層戦争(上)

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    これはまた壮大なスケールの奇想天外。万城目ワールドにどっぷり浸かっています。シュメール文明に肉薄する展開にワクワクが止まらない。期待が盛り上がる折り返し点。後半もこのワクワクが続くのか?

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    2024年01月05日