あらすじ
大学入学後の夏休み、海外で身ぐるみ剥がされサバイバル。在学中、書きあげた小説を読んだ友人からは「気持ち悪い」。卒業後、のどかな静岡での工場勤務から一転、作家になるべく上京するが……。自らの言葉を生み出し始めた浪人時代からデビューするまでの、うまくいかない日々を軽妙に綴る、青春&人生エッセイ。解説・浅倉秋成
※この電子書籍は2019年10月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
感情タグBEST3
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わー、じんわりおもろいもん読んだわ〜、と言うのが、率直な感想です。
万城目節が全面に出ていて、コトをシニカルにクスッと、でもそんな自分にも良い意味で期待していない、等身大の著者の半生が、まぁオモロく綴られています。
ただ、エッセイだからといって、軽く読み飛ばして終わるわけでなく、最後の方はドッグイヤーしながら読んでしまうほど、読み応えありました。
・そんな五里霧中にある私に手を差し伸べたのは、やはり本だった。霧が濃いのなら、空間を広げて、薄めてしまおうじゃないか。そんなことを言って、目の前に現れてくれたような気がする。
・「独りよがり」とは心のひだにこびりついたガンコな燃料だ。
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人がうまくいっていない様を読むのはどうしてもおもしろい。笑 けど、それにしても面白おかしく書かれた良本だった!歯切れ良い、短文多めの文章が小気味良く、言い回しもいちいちくすっと笑える。
万城目さん殆ど読んだことなくてまさかのエッセイから入ったので他の作品を早く読みたい。
人の不幸をみて自分はましだ、と安心するつもりは全くない(恐らく)けど、手元に置いておきたいお守りのような本だと思った。疲れ果てて本を読めない日々でも、この本なら開けそう。
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万城目学が作家になるまでの物語、こういう時代もあったんだなと思うと万城目学さんの作品をもっと読みたくなるエッセイ
2024年直木賞受賞おめでとうございます!「八月の御所グラウンド」絶対読みます!
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めちゃくちゃおもろい。苦労してきた作家さんやねんなってことが文章からめっちゃ伝わってきた。自分とバックボーンが似てて(大阪出身、浪人、京都大学、京都で一人暮らし)バチバチに自分に刺さった。大学にいる間に読めて良かった!
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万城目学の作家に至るまでの日々エッセイ。
週刊誌連載中、一部だけ読んだ記憶がありますが、改めて通読。
「私には無職の才能があった。」・・・偉大な能力だと感服致しました。
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万城目さんの小説をまだ読んだことないのに
エッセイが面白そうだと感じ、初めて手に取りました。
思った通り、面白かった!
京都での大学生活、私も体験してみたくなりました。
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面白かった〜ヾ(〃^∇^)ノ♪
万城目学さんの大学受験失敗から、三十歳で『鴨川ホルモー』で小説家デビューするまでを描いた思春記
タイムリーなことに、今週TV番組『あの本、読みました?』に出演されるので楽しみである(❃´◡`❃)
週刊誌にエッセイを依頼されたが、そこそこ上手くいっている日々を聞かされても楽しくないだろうからと断ったらしい
しかし、人が上手くいっていない話なら楽しいだろうから?何やっても上手くいかなかった頃を思春記として連載したらどうかと提案されて、そうすることにしたらしい
就職氷河期にも関わらず、安定した職を捨て、わざわざ小説家を目指すべく無職を選択するマキメ君
どうみても無謀な、勝ち目なき人生だと思われる時代を、連載としてスタートさせたのだ
無職になったその日々がこの作品の醍醐味*Ꙩꙻ₀Ꙩꙻ)!
京大生だったマキメ君は、いつもお気に入りの鴨川デルタで、一人体育座りして考え事をしていたそうだ
考えても考えても何にも答えが出ない
うん、うん、あるよ、あるよ〜そういう時(*ᴗˬᴗ)
川の流れる音に癒されて…
学生に優しい京都に鴨川に助けられたあの頃…
この作品を読むと、彼の京都愛をバシバシ感じる
そして他の作品を読んでいると、今作の彼のこんな経験やあんな考えから生まれたのものなのかなあ、と勝手に想像してみたりする
最後に、作中のエピソードで気に入ったもの二つ
TV番組『ごきげんよう』のサイコロトークの話の謎は目から鱗だった
もう一つは、夏休みに一ヶ月海外に旅した時に置き引きにあった話
人生なんとかやり直せるって悟った感じ、良かったな(((^-^)))
Posted by ブクログ
万城目学さんの大学受験失敗から小説家デビューまでのエッセイ。
万城目ワールド全開で、クスクス笑ったり、うるっとしたり、心揺さぶられ読後の充実感たっぷり。
万城目学さん、好きだわ〜
京大3回生の時、大学の正門で風に吹かれて小説を書くことを決意した瞬間。
新人賞受賞のメールを受け取るまでの奮闘。
じわっと心にきました。
うまくいかないこと続きの10年以上の日々。
万城目学さんが作家になってくれてよかった。
おかげで作品を読んで楽しい気持ちになることができます。
それにしても、万城目さんが無職になっても見守り続けたご両親も本当に素晴らしいなと思いました。
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第一印象は大事というが、まさにこの本はソレで表紙のイラストがめっちゃ可愛かった。
ついこないだ万城目さんの「バベル九朔」を読んだばかりだったので、「どんな人なんだろう?」と興味があった。
万城目さんが小説家デビューするまでのエッセイでとても面白かった。一度は小説家を目指し辞めたものの、次の応募がダメだったらと、ちゃんと経理(簿記)の勉強をして2級までとって、1級の勉強もすすめてとても真面目なところもあるんだなと感心した。人生の分岐点てどこにあるかわからないですね~。また他の作品も読んでみたくなりました。
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10年前にこの本に出会っていたら、間違いなく京都の大学に進学していたはずだ。
大学は地方に行くべき。
私も全く同意見。
まぁ、都会で暮らしたことないですけど。
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万城目さんのエッセイは、本当に面白い。
彼の感性は、とても魅力的。
今まで刊行されたエッセイの中でもよくご自身が影響を受けた作家さんや作品が描かれていることが多く、その作品への思いがとても心地良くて、いつか私も読んでみようという気持ちにさせてくれます。
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面白かった!
会社を辞めて小説家になるまでのくだりがやっぱりドキュメンタリーとしてめちゃくちゃ面白い。
あと雑居ビルの管理人だけにはなりたくないなと思った、、、
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エッセイというより、青春記。
ままならないこの時期を、ユーモアたっぷりに書いているけど、フィクションだけど『バベル九朔』で書いたじゃん。
なんで今更?って思ったら、雑誌でエッセイを書けと言われ、出来ないと言うと、青春記でいいと言われたからだそうだ。
なるほど。
ユーモア小説でデビューしたけれど、『とっぴんぱらりの風太郎』あたりから作風が変わってきたと言われ、『バベル九朔』で離れていった読者も多かったように思う。
でも、多分彼が本当に書きたかったのは、こっちのほうなんだろうなあと読んだ当時思ったものだった。
”芥川龍之介が好きで、菊池寛が好きで、夏目漱石が好きで、中島敦が好きで、安部公房が好きで、彼らのような小説を書きたかった。”
『悟浄出立』なんて、中島敦への愛がダダ洩れだったもんねえ。
”「独りよがり」は自分のためにしか燃焼できない。他人の楽しみには決してなり得ない。他人の楽しみとなるものを書くのが小説家だ。”
飄々とした文章の中に、落としどころを探してもがく作家・万城目学の姿が見える。
国際政治を勉強したくて京大の法学部に入学したマキメ君は、毎年夏休みにはひと月ほど海外を旅してまわった。
最初の海外旅行で置き引きにあい、身ぐるみはがされても何とかなった。
結構大変な目に遭っても、なんとかなるものだと身に染みて知った。
この辺の姿勢もマキメ君らしいと言える。
”国と国が喧嘩すると、そこに属する国民同士も勝手に仲が悪くなる。相手の顔も知らないのに憎しみ合う。本来は人の集合が国を形成したはずなのに、立場は逆転し、国の都合が人の集合をコントロールしてしまう。最悪の場合、戦争を引き連れてきてしまう。”
彼の作品の登場人物たちが戦い合う時、少し悲しげなのはこういうことなのかもしれない。
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万城目さんの作家デビュー前の話。
若い頃からの観察眼の鋭さとツッコミがおもしろく。どんな夢も仕事もそうですが努力して今の地位を気づかれたんだなぁと改めて思うエッセイです。
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万城目さんのエッセイ
小説家としてデビューするまでの過程を幼少時から語られる
万城目節全開というか、小説でサイドストーリーを語る時に活き活きしているように感じる方だが
このエッセイは終始そのテンション
正直こっち系が本筋なのではないかと思うほど面白い
ホルモーの地点で薄々気づいてはいたがなんとなく自分と同じ匂い、思考回路してるのが若干嫌ではあるけれども
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万城目さんの大学生時代から作家になられるまでのエピソード。
作家さんになるにはいろんな経験が活きるのがよく伝わった。作家になる大変さも本当に心折れそうになるんだろうなぁとも。経験談は面白く読めました。
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彼我くん差は明白だった それほどの俊英ならば 客観的視点が常に欠落し、あくまでズレまくった主観のみが存在するのがオウムの真髄である。 その怒りに似た貴君の不満はわからないでもないが バブル経済の残滓である不良債権問題が一気に顕在化し こんなモラトリアム(猶予期間)のじゅういつ充溢した、居心地が良い土地は他にない。しかし、ゆっくりと確実に、心と体は毒に蝕まれていく。 容易く面接官を籠絡できるはず 「エウレカ(発見)!」と叫び、謎が氷解する日は唐突に訪れた。 競争の最終勝者は「十万画素」の携帯電話だった がいため外為 「鴨川デルタ」と呼ばれる賀茂川と高野川が合流して鴨川に一本化される地点 就職に有利といった近視眼的視点からいったん離れ、いつか二本の柱を築くべく、地方の大学&一人暮らしを選択肢に入れてみるのも一興では? せんじょう僭上な物言いであることは重々承知しているが じゃ、何で会社を辞めて小説家を目指すんだと問われたならば、「明らめる為」とこの捻くれ者は答える。 しふく雌伏の期間 「独りよがり」とは心の襞にこびりついた頑固な燃料だ 品種改良前の状態に戻ってほぼ鮒だったとか 小さな気づきの萌芽 嘘偽りのない感興