【感想・ネタバレ】バベル九朔のレビュー

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Posted by ブクログ 2024年03月03日

結末に関して、そこまで斬新なものではなく立ち止まって考えれば途中で気付くこともできたであろうが、適度な緩急、過不足ない表現、自然な文体、抜群の文章力がそれをさせてくれない。この冒険譚をよくもこの小さな文庫に収めたものである。さすがだと言わざるを得まい。筆者の作品は他にプリンセストヨトミを読んだのみで...続きを読むあるが、他作品に触れる機会を逸していたこと、非常に残念でならない。森見作品が好きな者であればこの作品も楽しめるのではないかと感じた、少なくとも私の琴線に触れる作品であることは疑うべくもない。総じて読後の満足感含め非常に素晴しい作品である。

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Posted by ブクログ 2020年05月23日

古い雑居ビルの管理人をしながら小説家を目指す主人公。ビルから一歩も出ない冒険活劇。私の好みのものがつまっていた。

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Posted by ブクログ 2023年02月23日

ごく平凡な生活や日常の中にしれっとファンタジーが紛れ込んできて、気づけばすっかりその世界の中に入り込んでしまう。その辺りの自然な感じが万城目学のすごいところなのだと感じる。
この作品も当たり前の日常生活の中に自然と不思議な出来事が混ざるので、いつも通りの万城目ワールドである。確かに鴨川ホルモーや鹿男...続きを読むあをによしと比べると、舞台はファンタジー寄りではある。京都や奈良を舞台に不思議なことが起こるのではなく、虚構の世界で不思議なことが起こるので、先の2作品が好きな人からすると少し違うように感じるかもしれない。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2022年08月07日

スリリングで面白い話でした。
誰が敵で誰が味方か、ずっとはらはらしっぱなし。
最後はすっきり終わる訳じゃないけれど、どういうことなんだろうなあと考え続けられるので、余韻までしっかり楽しめる作品だと思います。

ネタバレだけど、追い込んだ自分の行く先はどこなんでしょう。
大九朔が生きている過去のバベル...続きを読むなのか、だとしたらそのバベルは今のバベルとは違うものになるのか。同じバベルだったら九朔君が無限増殖することになりそうな。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2022年05月11日

バベルというビルの管理人をしている主人公がパラレルワールド?に迷い込んでしまう話。続きが気になってぐいぐい読めてしまった。バベルは夢追い人のテナントによって増殖されていく。主人公も小説家を夢見ている。最後がタイムリープのような終わりになっていたが、主人公は元の世界に戻ることができたのか、それともバベ...続きを読むルに閉じ込められたままなのか、わからなくなってしまった。他の方の感想を読んでも「わからなかった」と書いている人が多いのも頷ける。だけど読むのを止められない、というのは久々で好きな作品だった。まさに訳の分からない大長編。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2019年09月07日

万城目学のデビュー作『鴨川ホルモー』を読んだとき、その発想の奇抜さとストーリーの愉快な展開に、なんてすごい作家が現れたんだ!とすぐにファンになった。
ところが『とっぴんぱらりの風太郎』や『悟浄出立』を読んで、あれ?本当に書きたいのはこういう作品なのかな?と思った。

主人公の俺は、バベル九朔という5...続きを読む階建ての雑居ビルで管理人として働きながら、作家デビューをするために小説を書いては応募する毎日を送っている。
が、一次予選すら一度も通ることなく、二年の月日が過ぎようとしていた。


###以下ちょっとネタバレ###

どこにでもあるありふれた雑居ビルのはずだったバベル九朔が、人びとの夢や希望を絶望に換えながら広がっていく「バベル」だったということが徐々に判明していき、大きくなり過ぎたこのバベルは、崩壊の危機に面しているという。
現実世界に影響を与える崩壊を選ぶか、バベル九朔とともに自分までこの世から消えてしまう消滅を選ぶのか。

人びとの夢や希望を糧に肥え太っていく存在なんて、現実にはいくらでもある。
「君には才能がある」「かけがえのない存在だ」と言われ続けて夢にしがみついても、花開かないことだってある。
甘言をささやき続けた(励ましだったかもしれないが)方が悪いのか、夢をあきらめきれない自分が悪いのか。
それは無駄なことなのか、不幸なことなのか。

思えば作家という職業は、登場人物に夢も希望も、現実も絶望も与え、その相互作用で生まれたものをもとに作品を作り上げているのだから、これは全くバベルの在りようと同じわけだ。

作品の結末についてはいかようにも解釈できるだろうけれど、私は、作家としての業は重々承知のうえで、作家として今後も努力を続ける、と、「言葉」で伝えることの大切さ、大変さを決して忘れないという、作者の宣言と捉えました。

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Posted by ブクログ 2019年08月28日

嫌いでは無い世界観。
閉鎖された空間で己の希望が叶う夢の中で生きていく。
現実世界での夢を積み上げたバベル。
途中理解が出来なくなって読むのが止まってしまったが、小説家というのは自分のバベルを築いているのかと感じた。

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Posted by ブクログ 2024年03月03日

不思議…でしたね。
語弊はあるかもしれませんが、万城目学ワールドが森見登美彦ワールドに取り込まれたような、そんなファンタジー感と怖さも感じる作品でした。

オチの付け方、伏線回収がどうなるのかを楽しみに読んでましたが、ちょっとフワッとしてましたかね。理屈・論理を求めて読むと理解できねー、ってなるのは...続きを読むうなづけます。この作品はフィーリングだけで読んだ方がいいと思います。

個人的には、単純明快なハッピーエンドが好きなので、その点が残念ではありました。人それぞれだと思います。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2023年10月04日

万城目さんの作品を初めて読みました。目が出ない作家志望の主人公が管理人を務めるバベル(ビル?塔?)で奇怪な体験をする。現実なのか夢なのか・・。独特の世界観で面白かったです。

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Posted by ブクログ 2023年09月27日

久しぶりの万城目学さん。
「鴨川ホルモー」「鹿男あをによし」などのイメージで、最後は暖かい気持ちになれるもの、と思って読んでいたら、うーん。
ほっこりもスッキリもしなかった。
感想を見てみたら、この作品やあるいは少し前から作風が変わった…と言っている方が多く、確かになあと納得しました。
ちょっと謎が...続きを読む謎のまますぎるし、自分は以前の作風のほうが好きだなあ。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2023年05月31日

無駄が源となるバベル九朔。このビルに住まう人達の群像劇と思っていたら、不意にオカルト方向へ。
過去、異世界、別の自分達と不思議な世界での冒険となるが、夢が叶うバベル九朔。大九朔の野望?と重なり合い、超展開となる。どこから彼の作品だったのか?時は繰り返されるのか?シュールな回のドラえもんの話のよう。
...続きを読む
思い通りの未来となるなら、この世界に残っていればいいのにと、楽な方へ思ってしまう自分がいて苦笑い。
付録的な短編も全く関係ないのものと、思いきや、何気ない一言からの創作。この短編がどういう評価されているのか、彼の今後の執筆についても想像してしまいます。

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Posted by ブクログ 2023年05月07日

なかなか構成がフクザツな話だった。結局、大九朔は人の夢見る思いを燃料とする為に、叶わない夢を追わせる、みたいな感じなのかな?

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Posted by ブクログ 2022年09月26日

★それがこのバベルの源だった(p.322)

【感想】SFでもなくファンタジーとも言えず、不条理系というほどでもない奇妙な小説。でもけっこう読みやすくはありました。主人公がもう少しお気楽な性格でもよかったかなあとは思いました。

【内容】
・祖父の建てたバベル九朔というカラス群がる雑居ビルの管理人を...続きを読むしつつ小説家を目指す青年はある日黒衣の女に追われもうひとつのバベルに迷い込んでしまった。

【一行目】「qua」/「quaa」/「quaaa」/バベルの朝はカラスが連れてくる。

▼簡単なメモ

【飲食二年】昔は「飲食十年」と言われ飲食店の寿命はだいたい十年くらいが標準だったがそれが五年になり、今は二年なんだとか。おおむね五割の店が二年で閉店する。
【おむつ】探偵業の必需品なんだとか。
【俺】主人公の「俺」。二十七歳。バベル九朔の管理人。五階に住む。ビルを建てた人物「大九朔」の孫。祖父や初恵おばと同様の鷲鼻。作家志望。そのわりには状況理解が悪すぎる。いかに非現実的なできごとでも作家なら無意識にでも即座にその世界の状況分析をし始め順応してから対策を考えるでしょ? ここまで頑迷やと作家にはなれそうにない。
【カラス】しじゅう群れている。攻略しやすそうなゴミ袋があったらカラスネットで情報交換し集中攻撃してくるので迷惑。
【九朔/きゅうさく】→俺
【九朔三津子/きゅうさく・みつこ】「俺」の母。「俺」が小説家になりたがっているのが不満。
【黒衣の女】怪盗団の幹部と思われた黒ずくめで肉感的な女。階段を上がっていくところを目撃されている。「扉」を探しているらしい。
【少女】もうひとつのバベルにいる少女。「俺」をおっさん呼ばわりする。誰かに似ているようだが?
【小説家】「俺」は二年ほど新人賞に挑み続け一次選考も通ったことがないのでくじけているようだ。諦めのいいヤツ。初めて書いてかつ「受け」ようとしなくてもモノになる人はいてるやろうけど、たぶん二年くらいでは修行にもなってないよねえ、この世界。それも閉じ籠ってては「受ける」作品を書けるプロにはなかなかなりにくいかも。
【大九朔】「俺」は祖父をそう読んでいる。バベル九朔を建てた人物。人情味があったそうだ。絵を見る眼もあったのか絵画売買でかなり稼いだ(家族からすると見る眼はなかったらしい)。故人。なんだかよくわからない絵を遺した。
【千加子】地下一階の「SNACK ハンター」のママ。七十近い厚化粧。
【外池/とのいけ】刑事。
【扉】黒衣の女たちが探している。
【ネズミ】最近ネズミが出るようになった。ボスは猫ほど巨大な「ミッキー」。
【初恵/はつえ】「俺」のおば。九朔三姉妹の長女。六十五歳くらい。黒のイメージ。チェロ声。工場経営者。命令に慣れている。誰にたいしても文句を放つ。バベルの防火責任者。
【バベル九朔】五階建ての商業ビル。三十八年前に建造された。その当時は周辺で最も背が高かった。地下一階が「SNACK ハンター」千加子ママ。一階が中古CDショップ「レコ一」雇われ店長。二階が和風居酒屋「清酒会議」双見さん。三階が貸しギャラリー「ギャラリー 蜜」蜜村さん。四階が探偵事務所「ホーク・アイ・エージェンシー」四条さん。五階が管理人部屋で「俺」。
【富二子/ふじこ】「俺」のおば。九朔三姉妹の次女。前のバベル九朔管理人。五階は元々彼女の保険業の事務所で管理人もついでにやっていたが、年齢的なこともあって店を畳んだ。
【双見】居酒屋「清酒会議」のマスター。二十五歳。
【ホーク・アイ・エージェンシー】四階の探偵事務所。主は四条さん。徹頭徹尾流行っていない。
【蜜村/みつむら】三階の貸しギャラリー「蜜」の主。地味で声も小さいが二十歳そこそこで新築だったバベル九朔にきて以来数しれぬ種類の店を経営してきたアグレッシブさも持つ。実家は神社。
【無駄】このバベルの源。
【四条/よじょう】探偵。「ホーク・アイ・エージェンシー」所長。四十代後半。ふっくらした顔つき。スキンヘッドに立派な口ひげ。
【レコ一/れこいち】中古CDやレコードの店。いちおうチェーン店。店長は雇われで「俺」が管理人をするようになってすでに三代目。

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Posted by ブクログ 2022年03月05日

設定が面白そうだなと思ったのですが、難しかったです。終わり方は複雑なきもちですが、ハラハラドキドキして楽しいシーンが多かったです。

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Posted by ブクログ 2021年02月20日

出だしから一気に面白くて、店名に笑いながら、ハラハラしながら読み進めて、最後どうなるのか!・・・・ん?終わり?というラスト。そこからまた回り始めるのか?何があっても書いていくという作家の決意表明か?モヤモヤ。

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Posted by ブクログ 2020年11月04日

時間軸や背景がもう一つ理解しきれなかったのでもう一度読み直したいと思う。それでも後半のスピーディーな展開には引き込まれる様でさすがの万城目節で満足しました。

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Posted by ブクログ 2020年09月08日

話の展開がよくわからないところも多く、好き嫌いが分かれる作品だと思う。それでもそれなりに楽しく読めたが、最後はどうなってるのか謎だ。もう一度読まないとだめかも。

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Posted by ブクログ 2020年05月07日

祖父の建てた築38年の5階建てテナントビルに管理人として居座りつつ、小説家を目指す主人公。ビル管理の情景から始まる物語だが、入居している全店舗に空巣事件が発生してから、思わぬ方向に進み出す。カラス女、「扉」を介した異次元のバベル、死んだはずの祖父・大九朔の登場に、主人公は翻弄される。敵・味方が終盤ま...続きを読むで分からない展開は面白かった。しかし、最後のオチはどうだろう? これだと無限にループすることになり、モヤモヤ感が残るものだった。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2020年03月16日

2020/3/16
なんだか乗れず。すみません。
一つだけ非現実があってそのルールに基づいて普通の人たちが右往左往一生懸命動くファンタジーは好き。
でも次から次へといろんな非現実が襲ってくるのは途中でへこたれる。
へこたれました。はい。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2020年01月30日

お酒飲みながら読んだらあかんやつ(笑)。酔っぱらうと話についていけなくなります。

読み始めたときは、雑居ビルの各階テナントの話か~、大好きだった三羽省吾の『路地裏ビルジング』と同じ設定だな~と思っていました。カラス女の登場に不穏な空気が漂い、乙一の『シライサン』を思い出して、目ぇ怖いやんかと思いつ...続きを読むつ、酒をあおったのがあかんかった。次第に哲学的になってきて、バベルがぐるぐる回れば私の頭もぐるぐる回る。

絶望と失望がバベルの源になっているという。幸せよりも不幸のほうが他人にパワーを与えられるものだとしたら、ちょっと寂しいような、でもわかるような。

自分の夢がすでに叶っている世界と夢に向かってもがく世界、どちらに居たい?

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2020年01月12日

雑居ビルの中のテナントが永遠に積み上がっている中を探察し、バベルの謎を追うストーリーです。設定としては非常に興味深い作品でしたが、序盤は山場が無く退屈な印象を持ちましたし、終盤は話がややこしくなり、ついていくのが大変でした。

この小説は中盤が最も面白いという今までに無い、ある意味とても面白い作品で...続きを読むした。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2019年09月01日

万城目さんの作品は奇想天外な話だけれど、親近感があり、どーなるのか?と毎回引き込まれます。
ただ、今回は怒涛の終盤に本当に私も吸い込まれてしまった感じで終わりました。

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Posted by ブクログ 2019年08月13日

世界観は決して嫌いではないけど、ちょっと今までとは異色だったかも。なんとなくスッキリしない最後だった。

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Posted by ブクログ 2019年08月06日

いつも何が何だかわからぬままにめくるめくスペクタクル、という感じだが、今回の終焉はカタルシスに至らず。何故だろう。

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Posted by ブクログ 2019年07月24日

普通の人情劇かと思いきや、SFというかパラレルワールド的な。万城目ワールドというべきか。九朔は「きゅうさく」と読むんだけど、毎回読み方忘れてついつい「クーロン」と読んでしまう。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2019年07月03日

バベル九朔の管理人である俺は小説家を目指して、三年がかりの大作を仕上げながら、日々を暮らしている。

そんなある日、彼が出会ったのはカラスのような黒づくめの女。

そこから始まる螺旋のような、ビル、バベル九朔を巡る抗争。

果たして、俺は抗争をやめさせて、元の世界に帰ることができるのか?

まさに万...続きを読む城目ワールドですね。読んでる時に夢見てしまった。
ただ、そろそろ、違う作風のものが読みたいかも。

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Posted by ブクログ 2019年06月21日

バベル九朔という雑居ビルから始まる
パラレルワールド?の話

私には途中で想像が追いつかなくて最後にはぐちゃぐちゃになってしまった。

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Posted by ブクログ 2019年06月06日

こりゃまたヘンテコな作品にぶち当たったものだ。

バベル九朔という名の5階建て雑居ビル、その管理人兼住人で小説家志望の主人公が、奇妙なカラスと不思議な出来事に巻き込まれていく。

マジックリアリズムとも違う感の、不思議な空気感の物語。何かと釈然としない部分を抱えつつ読み続けたが、バベルの名に相応しく...続きを読むある意味で「成長」していく建物の姿は愉快だった。

釈然としない部分は、ワシには最後までそのままで終わってしまったが、その理不尽さ(と感じるもの)は、ある意味バベルの象徴そのものとも言えるのかも。

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Posted by ブクログ 2019年04月30日

長編ファンタジー?小説。
ちょっと・・・いや、かなり久々の万城目学。
雑居ビルの管理人をしながら小説家を目指す青年が、奇妙なカラス女との出会いからパラレルワールドに迷い込む冒険ファンタジー??です。
約370ページの作品ですが、第三章(80ページ)から万城目ワールドがフルスロットル!特に後半は一気に...続きを読む読ませます。
が・・・万城目ワールド感が強する?のか??説明調の文章が多く、若干の中弛み感は否めず・・・

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Posted by ブクログ 2019年04月18日

再読2回目。いつもながらのワンダーランド。現実と虚構が入り交じるメチャクチャな展開なのに、なぜすんなり受け入れてしまうのか。。。

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