あらすじ
直木賞受賞シリーズ第2弾。京都の奇跡、ふたたび
新直木賞作家、日本史最大のミステリ――「本能寺の変」に挑む。
奇妙、珍妙、でも感動! マキメ・ワールド最高潮!!
その死体は信長――密室殺人事件に巻き込まれた私は、
うっかり本能寺の変の謎に挑んでしまう……。
洛中女子寮ライフ――14回生以上との噂のある、
女子寮の“お局様”の正体は!?
京都の摩訶不思議を詰め込んだ「静」と「動」の2篇。
【目次】
第1話「三月の局騒ぎ」
第2話「六月のぶりぶりぎっちょう」
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
どちらかといえば表題作ではなく「三月の局騒ぎ」の方が好き。清さんの余韻が何とも言えない空虚感というか、不思議な気分になる。「十二月の都大路上下ル」とつながったようで、どんなふうにこのワールドが広がっていくのか楽しみ。「ぶりぶりぎっちょう」は(たしか「あの本、読みました?」のインタビューで観たけれど)ほんとにいい言葉を見つけられたと思う。
Posted by ブクログ
織田信長は何故明智光秀に殺されたのか
高校の社会科女教師が迷い込んだのは
現代版 「本能寺の変」?!
もう1編の、局話の方が短いけど面白かったかも。
キヨの正体は??
さすがの万城目ワールド全開!
Posted by ブクログ
万城目学らしい、目を引くタイトル。
ぶりぶりぎっちょうって、何?
という疑問に惹かれてページをめくれば、いきなり飛び込んできた文字は「にょご」。
え?
にょごって何?
これはもう、読むしかない!
「三月の局騒ぎ」
「六月のぶりぶりぎっちょう」
京都を舞台にした、奇妙な2本立ては、いつもの万城目学よりも、ふんわりとしたお話でした。
Posted by ブクログ
目次
・三月の局騒ぎ
・六月のぶりぶりぎっちょう
京都で、出会うはずのない人と出会うシリーズ。
『八月の御所グラウンド』に続く第二弾。
「ぶりぶりぎっちょう」とはまた、面妖なものを見つけてきたな、という感じ。
平安時代から続いていた球技というか、子どもの遊びの名前らしいのですが、正直言ってこれは出オチ。
ぶりぶりぎっちょうである必要性はない。
そもそもテーマは本能寺の変だし。
語り手は滝川という高校の日本史教師。
研究発表会のため同僚と京都に来たのだが…。
朝、見覚えのないホテルで目を覚まし、死体を発見してしまい、知り合いがことごとく別人のような言動(堅気じゃないっぽい)を取り、ボス(織田)を殺したのは誰だと騒ぎ、天下の行方を探す。
語り手の滝川、京都案内役のトーキチロー、居酒屋の大将の柴田やお香屋さんの丹羽ときたら、トクさんは徳川でしょう。
で、当然のように明智が殺されたのだが、誰が、何のために…?
これは、信長がなぜ殺されたのかを一番知りたがっている人が仕組んだ仕掛けなのだという。
ここから出るためには、だれが何のために、を解き明かさなくてはならない。
が、当然といおうか、作者は真相を解き明かしたりはしない。
その結末のつけ方は、賛否あるだろうと思う。
私なら中身を見てから渡すなあ。←姑息
滝川とトーキチローの抜き打ちテストのやり取りが、テンポよくて笑った。
「墾田永年?」
「私財法」
「三世?」
「一身の法」
「大和四座と言えば?」
「観世・宝生・金剛・金春(こんぱる)」
「五奉行とは誰のこと?」
「前田玄以、浅野長政、石田三成、増田長盛、長束正家」
「護憲三派を古い順に」
「ええと……、立憲政友会、憲政会、革新倶楽部か?」
もはや本能寺の変ではない…。
これ、映像で見たらいろいろ面白いだろうなあと思う。
建築マニアの万城目くんだけあって、建物の様子も結構丁寧に細かく描写してあるし。
しかし私が気に入ったのは、断然『三月の局騒ぎ』だ。
北白川女子寮マンションの、14回生以上と噂される、古参のお局様の正体とは?
語り手が、『坊っちゃん』の清が好き、という軽いミスリードにもかかわらず、キヨの正体は割と早くわかる。
「想いを伝えることができるのは、この世に生きている者だけ、だから」というキヨの言葉がずっしりと胸に堪える。
そして、「私ほど、その篇首(へんしゅ)を知られている者は他に存在しない」という自負。
くうぅ、かっこいい!
座右の書にしたいくらい好きかも。
Posted by ブクログ
万城目さん初めましてでした。
タイトルの『ぶりぶりぎっちょう』が気になって読んでみることにしました。
優しい感じが良かったです。
『三月の局騒ぎ』のほうが話に入っていきやすく、面白かったです。
学生時代に寮生活経験してたので、懐かしさを感じました。
『六月のぶりぶりぎっちょう』は誰もが知っている本能寺の変のミステリーでした。
今までに読んだことのない世界観で印象的でした。
歴史は好きだったけど、深すぎて少し難しかった。
Posted by ブクログ
短編2編
三月の局騒ぎの方が好きだった。
寮生活した事ないし
昔は絶対嫌だと思ってたけど
ドライな女子が多ければ悪くないかもと妄想させてくれた。
ぶりぶりぎっちょうの方は
かなりテクニカルな設定で魅力もあったけど、
主人公が受け入れるのを抵抗し過ぎてて
ちょっと共感しにくかった。
Posted by ブクログ
八月の御所グラウンドの続きのような万城目作品第一話『三月キヨの局騒ぎ』は、女子大生の若菜が主人公。若菜は女子寮で暮らしていて、寮生は「にょご」と呼ばれる。平安時代の天皇の妃を女御と呼ぶ等平安チックな女子寮。そこで出会った「清=キヨ」という14回生の先輩。すなわち清少納言の誕生だ!第二話『六月のぶりぶりぎっちょう』は、女性教師の滝川が主人公で「本能寺の変」がモチーフ。織田信長を殺した犯人は明智光秀のはず・・・第一話の方が断然に面白い。もっと言うと、第一話だけで良かったのでは?謎が多いキヨ、好きかも。④
Posted by ブクログ
「三月の局騒ぎ」「六月のぶりぶりきっちょう」の中篇2つが入っています。
私は、「三月の局騒ぎ」のほうが好きでしたが、どちらも京都を舞台に歴史上の人物と現代の主人公が交錯していく楽しいお話でした。
「篇首」という言葉もはじめて知りました。
確かに「春はあけぼの…」は、日本でもっとも有名な篇首ですね。
「八月の御所グラウンド」と同じシリーズの第二弾だったとは、知らずに先にこちらを読んでしまいましたが、昔と現代が交錯するシリーズということで話的には、そんなにつながっているわけではないようです。
「八月の御所グラウンド」も早く読んでみたいです。
Posted by ブクログ
万城目学氏が京都を舞台にしたら、面白くないわけがないです。未読の『八月の御所グラウンド』の方が出版が先だったことは残念… でもまぁ、これから読みます‼︎
Posted by ブクログ
今回は京都尽くしかぁ〜。
最初の寮のお話は導入って感じで、めちゃめちゃいいし、もうぶりぶりぎっちょうは、歴史付きとしてはたまらぬ世界観で最高だった。
これどう展開させるんだろうってひやひやしたけど、最後のセリフとか、すごくいいし、本当に真実がわかるならめちゃめちゃ気になる、、、。
織田信長はなぜ死んだのか。確かに、永遠のミステリーだわ。
でもだからいいっていうのもあるよね。
森蘭丸すきぃ、、、笑。
たしかに、ふざけてるのかもしれないけど、この絶妙に、ロマンをくすぐってくるところは、この作者さんの技術力とセンスの秀逸さを物語ってると私は思う笑。
Posted by ブクログ
『八月の御所グラウンド』からの、「六月のぶりぶりぎっちょう」と「三月の局騒ぎ」。
両作とも読みやすく、面白かった。万城目さん自身もきっと楽しみながら書いてるんだらうなって、思う。
Posted by ブクログ
短編2つ
「三月の局騒ぎ」は 、『八月の御所グラウンド』の中の「十二月の都大路上下ル」にでてくる新菜ちゃんのお母さんの話。
新菜ちゃんのお母さんの若菜さんが、大学時代に寮で清少納言に背中を押される。
「六月のぶりぶりぎっちょう」は、懐かしい『鹿男あおによし』と同じ設定で、信長の死の謎解き。
前に読んだものとゆるく繫がっていて懐かしく嬉しくなる。
どちらかといえば、三月の〜の方が好みだった。
京都には時代を超えて、信長と蘭丸や新選組や、清少納言や沢村栄治がいると考えてみると、大ボラが楽しい。
Posted by ブクログ
・三月の局騒ぎ
・六月のぶりぶりぎっちょう
京都を舞台にした2作品、どちらも万城目学さんらしい作品でした。個人的には「三月の〜」の短編が好みでした。
Posted by ブクログ
京都シリーズ第二弾。何度も繰り返される本能寺の変の謎。女子寮のお局の正体はあの人?
二作とも明言しない終わり方で、京都ではこんなことがあるかも知れないと不思議と爽やかな読後感。「天下」の正体には驚きました。あと三木さんが素敵。
Posted by ブクログ
万城目学さんの『八月の御所グラウンド』の続編。
2話構成で女子寮の話と題名のぶりぶりぎっちょうの話。
ぶりぶりぎっちょうはとは平安時代のおもちゃで槌で鞠を打ち込むような遊びとのこと。
ぶりぶりぎっちょうの話は本能寺の変を現代に甦らせたストーリーで、本作特有の不思議現象がナチュラルに現代に超常現象として溶け込む内容。
どちらの話も読みやすい。
Posted by ブクログ
万城目学の京都ワールド全開の2篇。表題作は本能寺の変と同じ6/2の京都を舞台に、その謎を解き明かす一大歴史スペクタクル(!?)だが、ぶっ飛び過ぎていてイマイチ。しかし、北白川の女子寮に住み、「女御」と古めかしい呼び名で呼ばれる寮生たちの生活と、謎の寮生「セイ」を描いた「三月の局騒ぎ」は傑作。
Posted by ブクログ
万城目先生の話を読んでみたくてこちらをチョイス。お話が2つ載ってます。「三月の局騒ぎ」に「六月のぶりぶりぎっちょう」
六月の方が圧倒的に長い話ですが、わたしは三月の方が好みでした。三月の方が、先日読んだ「八月の御所グラウンド」にテイストが似てるからかな。
本能寺の変は日本史上、最大のミステリーとも言えますが、この本の中で居酒屋の大将がいってた「誰からも嫌われすぎ」の話がそういう見方もあるのか…と新鮮でした。でも、明らかになっていることと分からないことと共存しているからこそ皆んなが惹きつけられるのかもしれません。
Posted by ブクログ
前作、八月の御所グラウンドと同じく京都を舞台とした歴史に触れたファンタジー。
【三月の局騒ぎ】
今は作家である主人公の、昔にょごだった頃に起こった作家を目指すきっかけが綴られる。
かなり昔から寮の一室に住んでいる不思議でちょっと近寄り難い「キヨ」と主人公が相部屋になってしまう。キヨに完全に無視を決め込まれるなか、ある日のこと。
キヨに『なんで、書くのやめたの』と唐突に質問される。小学生のときネットにあげた文章が中傷されてからぱったりと文章に触れていない主人公はその言葉に戸惑うが…。
にょごにはじまり、局やら壺やらキヨやら…、おそらくそのへん詳しければ序盤には察しがすぐつく人も多いのかも。かくいう私は中盤あたりでした。
【六月のぶりぶりぎっちょう】
歴史の教師をしている主人公が研究発表会に出席するため、同学校の教師ソフィーと京都の大学に向かう。京都へ出るついでにソフィーのために観光案内もかねたものにしながら散策中、怪しい易者につかまり、周りの人物が戦国の歴史上の名前で現れるという不思議な世界に迷いこむ。
これはあまり言うとネタバレしやすいのでこれくらいかな汗。
2話ともエンタメに振った内容で軽快な文章なので楽しく読めます。
私は三月の局騒ぎのほうが好みでした。
Posted by ブクログ
女子寮のお局様が気になる話と本能寺の変の謎に巻き込まれる話。どっちも大変好みで大好き。お局様があのお方で思わずあぁって膝を打つ。せやな、私もその篇首知ってる。本能寺もそんなことになる?って展開が楽しみ。古都ってこういうことありそうでいいよな。
Posted by ブクログ
他の方も書いてらしたけど、私も、ぶりぶりぎっちょうより、局騒ぎの方が良かったです。ぶりぶりぎっちょうは、少しSFっぽい感じがしてしまって…さり気なさが良いのになぁ、と。
Posted by ブクログ
局の方は、直木賞の世界観を残し、じんわりしてくる。
ぶりぶりの方は、そんな未練もあるのか?という思いを組んだストーリー構成は面白いが、やり過ぎと感じてしまった。さりげなく主役の存在を感じさせる展開の方が、この手のストーリーは適していると思う。織田信長とさりげなさの組み合わせは難しそうだから、主役の選択が残念ということか。
Posted by ブクログ
八月の御所グラウンドに続いて読んだ今作品。
またまた京都が舞台で楽しめましたが、六月のぶりぶりより三月の局騒ぎの方が響きました。
にょごと呼ばれる人たちとか、女子学生寮の雰囲気が良きでした。
坊ちゃんの小説に出てくるキヨさんから、キヨと名のつく人に悪い人はいないって思っちゃう感性とか偏愛ぶりにズキッてきてしまう。1000年経っても日本人に忘れられないフレーズを残すなんて、明治の文豪たちもまだまだ足元に及ばないし何故めいたところも良かったです。
20年前の出来事で娘が駅伝のアンカーって前作繋がりもあったりで・・
それにしても京都は歴史上の人もいまだに現世を彷徨っているようで魅力的な街でした。
Posted by ブクログ
ぶりぶりぎっちょう、しゅららぼん、とっぴんぱらりのぷう、といった謎めいた呪文のような題名だったり、歴史上の人々が出てきたり、こんな世界線あったら面白いかも、を描いてくれる万城目ワールド。
「三月の局騒ぎ」
京都の女子大生専用寮でのお話。
ホルモーシリーズを読んだときも思ったのだけど、京都で大学生をしたかったなぁ。東京のような大き過ぎない街の中で山も見えて。想像してるぶんには伸び伸び楽しそう。
「六月のぶりぶりぎっちょう」
脳内配役は、
滝川先生→有村架純(彼女わりと汎用性高い…!)
ソフィ先生→クリスタルケイ
トーキチロー先生→矢本悠馬
丹羽→キムラ緑子
トクさん→YouTuber三木大雲和尚
明智→石橋蓮司
三木→吉沢亮(彼も脳内俳優でよく登用)
織田信長→小栗旬、、でもいいし、う〜ん、市川團十郎白猿かなぁ。
BGMはミスチルの足音です。もちろん(?)
Posted by ブクログ
万城目学が描く、“ありそうで、ありえない”京都
『六月のぶりぶりぎっちょう』は、直木賞を受賞した『八月の御所グラウンド』に続く新作。
読んでいてまず思うのが、「京都ならこういう不思議、ほんとに起こりそう」という感覚です。
万城目さんの描く京都には、どこか現実味があるのに、明らかに普通じゃないことが日常のように紛れこんでいます。
今回も、誰もが知っている「あの人」や「あの人」が登場し、「そう来るか!」と意外な展開に引き込まれます。
タイトルの「ぶりぶりぎっちょう」、初めは万城目さんのユーモアかと思ったのですが、実は歴史ある言葉だそう。
言葉遊びのようで、しっかり裏づけがあるのも、万城目作品の奥深さですね。
Posted by ブクログ
万城目さんのこの作品、わたしには難しかったです⤵︎頭が弱ってきているのをとっても感じさせられました。何年か前にホルモーで彼に出会って、鹿男・トヨトミ・しゅららぼんと本当に楽しませてもらいました。ホルモーは映画で鹿男はテレビで、何回も見ましたがでもやっぱりおもしろい〜
いっぽう、バビル・ヒトコブはあんまり分かりません⤵︎この作品はこっちの仲間なのか…でもきっと、万城目作品があればまた手を伸ばすはずです。
Posted by ブクログ
「八月の御所グラウンド」を読んだとき、なぜ新選組?!とか思ったけど、そういうシリーズなんですね。
ファンタジー色の強い作品があまり得意ではなく、最後まで没入できなかった。
あくまでも個人的嗜好。
Posted by ブクログ
今回は京都にある女子寮を舞台にした『三月の局騒ぎ』と本能寺の変を舞台?にした『六月のぶりぶりぎっちょう』の2作。
どちらも面白かったし、京都ならそんなことがあるのかもと思わされるようなお話だった。個人的には『三月の局騒ぎ』のほうがとっつきやすくて読みやすかった。
京都にある大学に通う主人公は女子寮に入寮する。その女子寮は毎年の退寮や入寮に伴って部屋を変える。学年が上がると1人部屋を希望することもできる。そんな女子寮に長年住んでいると言われているキヨという女性がいる。彼女がどの大学に通っているのか、何年この女子寮で暮らしているのか知っている人はいない。ある年、主人公はそんなキヨと同室になる。そんなキヨの正体は…?はっきりとは明言されないけれど、もしかしたら清少納言なの?!というファンタジー物語。