【感想・ネタバレ】六月のぶりぶりぎっちょうのレビュー

あらすじ

直木賞受賞シリーズ第2弾。京都の奇跡、ふたたび

新直木賞作家、日本史最大のミステリ――「本能寺の変」に挑む。
奇妙、珍妙、でも感動! マキメ・ワールド最高潮!!

その死体は信長――密室殺人事件に巻き込まれた私は、
うっかり本能寺の変の謎に挑んでしまう……。

洛中女子寮ライフ――14回生以上との噂のある、
女子寮の“お局様”の正体は!?

京都の摩訶不思議を詰め込んだ「静」と「動」の2篇。

【目次】
第1話「三月の局騒ぎ」
第2話「六月のぶりぶりぎっちょう」

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Posted by ブクログ

ネタバレ

どちらかといえば表題作ではなく「三月の局騒ぎ」の方が好き。清さんの余韻が何とも言えない空虚感というか、不思議な気分になる。「十二月の都大路上下ル」とつながったようで、どんなふうにこのワールドが広がっていくのか楽しみ。「ぶりぶりぎっちょう」は(たしか「あの本、読みました?」のインタビューで観たけれど)ほんとにいい言葉を見つけられたと思う。

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2025年11月16日

Posted by ブクログ

ネタバレ

目次
・三月の局騒ぎ
・六月のぶりぶりぎっちょう

京都で、出会うはずのない人と出会うシリーズ。
『八月の御所グラウンド』に続く第二弾。

「ぶりぶりぎっちょう」とはまた、面妖なものを見つけてきたな、という感じ。
平安時代から続いていた球技というか、子どもの遊びの名前らしいのですが、正直言ってこれは出オチ。
ぶりぶりぎっちょうである必要性はない。
そもそもテーマは本能寺の変だし。

語り手は滝川という高校の日本史教師。
研究発表会のため同僚と京都に来たのだが…。
朝、見覚えのないホテルで目を覚まし、死体を発見してしまい、知り合いがことごとく別人のような言動(堅気じゃないっぽい)を取り、ボス(織田)を殺したのは誰だと騒ぎ、天下の行方を探す。

語り手の滝川、京都案内役のトーキチロー、居酒屋の大将の柴田やお香屋さんの丹羽ときたら、トクさんは徳川でしょう。
で、当然のように明智が殺されたのだが、誰が、何のために…?

これは、信長がなぜ殺されたのかを一番知りたがっている人が仕組んだ仕掛けなのだという。
ここから出るためには、だれが何のために、を解き明かさなくてはならない。
が、当然といおうか、作者は真相を解き明かしたりはしない。
その結末のつけ方は、賛否あるだろうと思う。
私なら中身を見てから渡すなあ。←姑息

滝川とトーキチローの抜き打ちテストのやり取りが、テンポよくて笑った。
「墾田永年?」
「私財法」
「三世?」
「一身の法」
「大和四座と言えば?」
「観世・宝生・金剛・金春(こんぱる)」
「五奉行とは誰のこと?」
「前田玄以、浅野長政、石田三成、増田長盛、長束正家」
「護憲三派を古い順に」
「ええと……、立憲政友会、憲政会、革新倶楽部か?」
もはや本能寺の変ではない…。

これ、映像で見たらいろいろ面白いだろうなあと思う。
建築マニアの万城目くんだけあって、建物の様子も結構丁寧に細かく描写してあるし。

しかし私が気に入ったのは、断然『三月の局騒ぎ』だ。
北白川女子寮マンションの、14回生以上と噂される、古参のお局様の正体とは?

語り手が、『坊っちゃん』の清が好き、という軽いミスリードにもかかわらず、キヨの正体は割と早くわかる。
「想いを伝えることができるのは、この世に生きている者だけ、だから」というキヨの言葉がずっしりと胸に堪える。
そして、「私ほど、その篇首(へんしゅ)を知られている者は他に存在しない」という自負。
くうぅ、かっこいい!
座右の書にしたいくらい好きかも。

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2025年09月21日

Posted by ブクログ

ネタバレ

八月の御所グラウンドの続きのような万城目作品第一話『三月キヨの局騒ぎ』は、女子大生の若菜が主人公。若菜は女子寮で暮らしていて、寮生は「にょご」と呼ばれる。平安時代の天皇の妃を女御と呼ぶ等平安チックな女子寮。そこで出会った「清=キヨ」という14回生の先輩。すなわち清少納言の誕生だ!第二話『六月のぶりぶりぎっちょう』は、女性教師の滝川が主人公で「本能寺の変」がモチーフ。織田信長を殺した犯人は明智光秀のはず・・・第一話の方が断然に面白い。もっと言うと、第一話だけで良かったのでは?謎が多いキヨ、好きかも。④

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2025年07月12日

Posted by ブクログ

ネタバレ

今回は京都にある女子寮を舞台にした『三月の局騒ぎ』と本能寺の変を舞台?にした『六月のぶりぶりぎっちょう』の2作。
どちらも面白かったし、京都ならそんなことがあるのかもと思わされるようなお話だった。個人的には『三月の局騒ぎ』のほうがとっつきやすくて読みやすかった。

京都にある大学に通う主人公は女子寮に入寮する。その女子寮は毎年の退寮や入寮に伴って部屋を変える。学年が上がると1人部屋を希望することもできる。そんな女子寮に長年住んでいると言われているキヨという女性がいる。彼女がどの大学に通っているのか、何年この女子寮で暮らしているのか知っている人はいない。ある年、主人公はそんなキヨと同室になる。そんなキヨの正体は…?はっきりとは明言されないけれど、もしかしたら清少納言なの?!というファンタジー物語。

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2025年04月07日

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