斜線堂有紀のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
面白かったです。
ブルーモルフォと景、宮嶺の話に引き込まれ本作にも手を出しました。読んで思ったのは、景は元々景であり、最初から別人であったわけではないということ。境界線を越えさせる何かはあったのかもしれないけれど、どれだけ押されようと素質のない人間に踏み越えることはできない、そういう点ではサイコパスと似ているのかなと思いました。
景の幼少期の話も興味深かったです。全く無関係の、ブルーモルフォに捕まった二人の男女の話も引き込まれるものがありました。
ただいまいち納得できないというか、掘り下げが物足りなかったので星3。でも大元のストーリーが面白いので、やっぱり一気読みしてしまう描写と刺激と絶妙な恐怖が漂う感じはたまりませんでした。 -
Posted by ブクログ
斜線堂有紀先生の描く世界観が好みなので、読んでみました。
『あしたの肖像』→『ゆびさきから魔法』→『私が大好きな小説家を殺すまで』と、“才能”をテーマにした作品を立て続けに3作。
同じ「才能」という題材でも、作家によって描き方がまるで違う。
それこそが作家性というものなんだろうなぁ、と感じました。
『私が大好きな小説家を殺すまで』については、私が10代であればかなり好きな作品だったと思います。
ただ、40代、しかも50に近い今の私が読んだ感想としては……悲しいかな、少し読者ターゲットから外れているのかもしれません。
小説家の遥川先生が、あまりにも中二病すぎてついていけない……。
10代の頃の私なら、あの中二病っぽさに美しさを感じて、胸をドキドキさせながら読んでいたと思うのです。
でも、酸いも甘いもそこそこ知ってしまった今の私からすると、先生の言動がいじらしく見えてしまって、「何甘えたこと言ってるんだ!!」と喝を入れたくなってしまう。
そして、ロリコン……。
この作品に関しては、生理的に受けつけない要素がいくつか重なってしまい、評価が厳しめになりました。
後半、守屋先輩が登場すると、急に物語が動き出します。
幕居梓(主人公)と遥川先生、二人だけの時間の中に守屋先輩が入り込むことで、ミステリ色が一気に強くなる。
この小説では、守屋先輩が一番まともで共感できる人物でした。
こんな隠し玉があったのなら、もう少し早く、もう少し多めに登場してほしかった……というのが個人的な希望です。
それにしても、才能とは厄介なものですね。
自分より格下だと思っていた人間が、実は自分を越えていた。その事実を目の当たりにしたときの嫉妬は、相当なものだろうと想像できます。
まして、その才能で飯を食っている人間ならなおさらです。
幕居梓と遥川先生の不思議な関係は、結局何で繋がっていたのか。
才能が好きだったのか、その人自身が好きだったのか。
多分、両方のようでいて、どちらでもない。
相手が自分の理想の形で存在してくれることを望んだ時点で、その関係はもう終わっていたのだろうな、と思いました。 -
Posted by ブクログ
メディアワークス文庫創刊15周年記念アンソロジー。
「1人15ページ」という制約のもと、15名の作家がそれぞれの物語を紡ぐ。
この15という枠は単なるページ数だけでなく
多くの作家さんが「15」というモチーフとしても回収しています。企画としての統一感が心地よい。短いからこそ、作家ごとの語り口や発想の癖が読メル一冊。
斜線堂有紀、綾崎隼以外は初読。改めてレーベルの層の厚みを思いますね。
掌編とも言える分量の中で、特に印象に残ったのは綾崎隼「十五年後もお互い独身だったら結婚しようねと約束した二人の物語」。
設定自体はどこかで見聞きしたような“ベタ”なものながら、その王道を真正面から引き受けてロマンに昇華していく語りが魅力的。この作家さんは 他の作品もロマンチック。
もう一つは時雨沢恵一「前略、十五歳の僕へ」。
こちらもモチーフ自体には既視感があるものの、15ページという制約の中に過去と未来の感情を
想定外な落とし所で読めました。
お題のあるアンソロジーって好き。