結城浩のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
こんな風に数式と対話できたらなあと思う。
私にあとほんの少しでも数学的な素養があれば、本書をもっと深くまで楽しめたのだろうか。と言いつつ、文系の僕でも頑張って頭を使えば理解できるように、数式の意味が丁寧に解説されている良書。ラノベ形式なので、「そんな女子高生いるわけないだろ」と頭の固い御仁は思うかもしれないが、それも含めて楽しむことができたので、まだまだ僕は若いのかもしれない。
著者が結城浩だと知ったとき、「デザインパターンの人じゃん」とびっくりしたのだが(ちょうどデザインパターンの輪読会をしていた)、本書をよんでいると、随所に数学とプログラミングの繋がりを感じて、妙な納得感があった。例えば、 -
Posted by ブクログ
『数学ガール』シリーズは、数学の専門的なテーマを扱っているにもかかわらず、不思議なほどわかりやすいと思っていた。
その理由とも言える著者の一貫した考え方やそれを実行する手法の一端が書かれている。
考え方や手法はわかることはわかった。
でも、それを実際に行動に移すのは、並大抵のことではないと思った。
少なくとも自分にはまねできない。
ちなみに、この本のベースとなった講演が行われたのは、『数学ガールの秘密ノート』シリーズが出版される前のこと。
そのシリーズは通算で10巻を超え、新しい登場人物も出てきている。
もし、今、結城さんが講演を行うとしたら、どんなことを話してくれるんだろうというのが -
Posted by ブクログ
扱っている範囲はそれほど広くない。これでも文系には難しく感じる人もいると思う。文系の粘り弱さは想像を絶するから,このように工夫された本でも,落ちこぼれる人は消えない。そういう人は分からない原因を外に帰属するからタチが悪い。
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グラフは《パッとわかる》けど,それこそ危険なところなんだ。わかった気になっちゃうからね。そのグラフが何を表しているのか,目盛りと軸は正しいか,隠れた条件は何か,別の描き方ができないか……それを考えないと大変なことになるんだよ (p.43-44)
物理的な性質や,社会的な現象に対して,数学が直接的な証明を与えることはない。数学はただ,数理モデルをどう扱うべきかを教