あらすじ
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本書のテーマは、高校生・大学生の必須科目となっている「積分」です。
高校で学ぶ積分は、微分と並んで現代の数学や科学の基礎となっている分野です。科学の世界で積分が使われるのはもちろんですが、私たちの日常生活でも「刻々と変化する量の合計を考える」というのは極めて基本的なアイディアでしょう。
微積分(微分と積分)といえば、三角関数に並んで数学の苦手意識を刺激するキーワードですが、その本質は決して難しくありません。本書では、速度と距離という日常的な例から始めて積分をじっくり学びます。
既刊『数学ガールの秘密ノート/微分を追いかけて』と合わせると、微積分の基礎を学ぶ最高の《微積分セット》となるでしょう。
●各章の内容(あらすじ)
第1章「変化を見つめる掛け算」では、歩く速さという算数の問題を例にして、積分の基本となる「掛け算」について学びます。位置のグラフと速度のグラフを見比べながら、もっとも単純な積分の計算を体験します。
第2章「はさみうちで求めよう」では、積分の原理を理解するための「区分求積法」と「はさみうち」について学びます。
第3章「微分積分学の基本定理」では《積分は微分の逆演算》という表現の意味をていねいに調べます。
第4章「式の形を見抜く」では、具体的な積分の計算を行います。
第5章「円の面積を求めよう」では、私たちが小学校で学ぶ「円の面積」の公式がどのようにして作られているかを学びます。
本書で扱う内容は、やさしい題材から手応えのある題材までバリエーション豊かです。読者は、本書を通して積分の本質を深く理解するとともに、数学の面白さと可能性を知ることができるでしょう。
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Posted by ブクログ
前に読んだ数学ガールのニュートン力学の最終章で積分が出てきてわからなくなったため、こちらの数学ガールの秘密ノート積分を見つめて、で積分を先に学ぼうと思い読み始めました。
自分は高校生のとき微分だけを中途半端に学び、積分は全く学ばなかったので、微分と積分は互いに逆の関係が成り立つ、という程度の知識しかありませんでした。それは間違ってはいないようですが、実際に計算するとなると微分よりも積分のほうがとっつきにくい面があります。この本に出てくるテトラちゃんが躓くところはだいたい自分も躓いていました。
まず式での表し方として積分ではインテグラル(∫)が登場します。そしてその記号の右側の上下に数字または記号はくっついています。この意味が普通、すっと入ってきません。ある区間の面積を求める際に「下の記号がさす範囲から上の記号がさす範囲」ということが丁寧に説明されていて理解することができました。
また∫の右側の式では式+dxという形になっており、これは単に「積分する」という意味であることも丁寧に説明されています。Σとの関係(Σも合計を示すものだから)についても説明されていて面白かったです。
その式によって何を表すのか、場合によっては式の部分部分が何を意味するのかを理解した上で計算をすることは、自分が何をしようとしているかを整理するためにとても大事であると思います。
今回は円の面積は無限大に分割した扇形の面積の合計であるという考え方に基づいて、円の面積は積分によってπr二乗によって求められることを証明します。
このとき、三角関数(sin, cos, tan)の考え方も利用する必要ありました。自分はそこは復習しました。
はさみうちという考え方で円の面積を積分の考え方で導く方法は現実世界の考え方に即していてとてもきれいだと感じました。「対象の円を無限台に分割したとしたら」はさみうちにつかった両側の面積はそれぞれはさみうちされた円の面積の大きさに収束する、というとてもきれいな結果を導くことができます。
このとき極限の公式を使います。θを0に限りなく近づける場合、sinθ/θ=1に収束するというものですが、ここは自分もテトラちゃんと同じように0/0(0除算のエラー)になってしまうのでは?と疑問を持ちました。ただ、図形でsinθ、θそれぞれが表すものを考えると、それは1:1に収束するので、全体として1に収束するというように理解できました。
微分は瞬間瞬間の状態を表すものですが、積分は瞬間瞬間の合計を無限に細かい単位で集めるときに使うもので、自分の日常生活でもなくてはならない考え方です。ある時間の間における移動距離とか、ランダムな形の面積であるとか、さまざまありますがとてもきれいな方法で計算できるということがわかりました。
Posted by ブクログ
積分について丁寧に説明されていて、自分が高校生の時に受けた積分の授業を思い出した一冊だった。初心者向け、よくわかっていない人向けなので深い話を期待すると全く無いので悲しいが、よくできている本だと思う。
Posted by ブクログ
高校生ぶり、18年ぶりに学生らしい数学に触れた感じがした。定義の証明とか基本のき「き」が中心なわけだけど、忘れてたことを思い出したり、なるほどと思うと、頭がすごくスッキリする◎
Posted by ブクログ
面白かった。積分って区分求積法使うんだ。
はさみうちを使って円の面積求めるとか楽しかった。
物理好きだから微分積分はそれなりにわかってるつもりだったけど、まだまだ新しい視点が得られた。
Posted by ブクログ
積分は質点移動が一番例に出しやすいよねという入りから、等加速度でない場合の例(これ大学入試でたまに見かける)まで物理の話。
そこから極限についてはややぼかしつつも区分求積法とはさみうちで非線形関数の積分をしていったり、線型性の証明をしたり。高校〜大学教養最初あたりの数学の話として良いと思います。
Posted by ブクログ
現役生の時に出会いたかった本。解説している範囲は基本的な部分でかなり狭いといえば狭いけれど、その分深く丁寧に解説されていて、いままで疑問に抱いていてなんとなくで流していた部分も理解できました。あと"僕"くんが時々キモいです。