結城浩のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
扱っている範囲はそれほど広くない。これでも文系には難しく感じる人もいると思う。文系の粘り弱さは想像を絶するから,このように工夫された本でも,落ちこぼれる人は消えない。そういう人は分からない原因を外に帰属するからタチが悪い。
***
グラフは《パッとわかる》けど,それこそ危険なところなんだ。わかった気になっちゃうからね。そのグラフが何を表しているのか,目盛りと軸は正しいか,隠れた条件は何か,別の描き方ができないか……それを考えないと大変なことになるんだよ (p.43-44)
物理的な性質や,社会的な現象に対して,数学が直接的な証明を与えることはない。数学はただ,数理モデルをどう扱うべきかを教えてくれるだけだ。私たちはコイン投げを扱っているようで,実はコイン投げを扱っているわけではない。私たちはコイン投げの数理モデルを扱っているのだ。コイン投げに限らない。何らかの現象を《確率pで起きることをn回繰り返した結果》のように数理モデル化して扱う。そして,前提条件を整え,数理モデル化された現象に対してなら,数学的にいえることはある (p.201) -
Posted by ブクログ
それぞの暗号技術がなぜ必要なのか順序だてて説明されているので非常に頭に入りやすい。
・盗聴防止(機密性)
→「共通鍵暗号」
→鍵配送問題
→「公開鍵暗号」
・改竄防止(正真性)
→「一方向ハッシュ関数」
→なりすましは検出できない
・なりすまし防止(認証)
→「メッセージ認証コード」(通信相手に証明)
→リプレイアタック
→シーケンス番号・タイムスタンプ・ノンスなどをメッセージに含める
→第三者には証明できない
(MACは共通鍵を用いるため受信者も算出可能)
→否認を防止できない
・第三者に対する証明・否認防止
→「デジタル署名」
(デジタル署名は送信者秘密鍵を用いるため、受信者は算出不可)
→署名検証に使う公開鍵をすり替えられたら、偽証可能
・公開鍵のすり替え防止
→証明書
→公開鍵基盤(PKI) -
Posted by ブクログ
少し抵抗のある私を、無理のない自然なペースで、やさしく手を引いて数学の世界に導いてくれる。そんな本が「数学ガール」だ。
そこには楽しい世界が拡がっている。わくわくと、少し緊張の混じったどきどき。喜びと驚き。数学にまるで恋したみたいに、もっと知りたい、もっとのぞいてみたいと思えるようになる…
この本を読んで、自分の中でただの公式と化していた微分が、大変鮮やかに見えるようになった。微分についてよく知っている人にとっては物足りないかもしれないけれど、私にとっては十分満足できる内容だった。
数学は、なんでもそうかもしれないけれど、無機的に教えられるだけだから本当の魅力が見え切っていないところがあるのだと思う。あとは、見るべきポイント、見方なんていうのも、なかなか限られた授業時間内で構築しきれない。
数学ガールたちと一緒になって、自分のペースで見方を構築するだけで、きっと数学の世界は一気に色付くのだと思う。