結城浩のレビュー一覧
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すっかりはまってしまった「数学ガール」。この「秘密ノート」シリーズでは、中学レベルでもわかるよう、数学トークが展開されています。
本編は正直数式についていけず、雰囲気だけ楽しんでいた生粋の文系ガールな私も、この本は理解しながら読むことができました。
《数式の世界》と《図形の世界》をいったりきたり…という発想が面白かったです。連立方程式を解くのはかんたんだけど、図形に表すとそのルールを「目で見える」ようにできるんだなって。なんだか不思議です。
数の世界は整理された美しさがありますね。深くて、美しくて、なんだか真理のようなものを感じる。数の世界もまた主の栄光をあらわしているのだなぁ、と思いました -
Posted by ブクログ
ネタバレ基礎編と同様に著者の主張する「読者のことを考える」という言葉に全てが集約される。
そして、この本自体が「数学文章作法」のテクニックが詰まった書籍であることで、
二重に得るものがある。
基礎編では書くことに主眼を置いていましたが、
推敲編では書きなおすことに主眼を置いています。
筆者がプログラミングが得意、ということもありその文章内容はどことなく
・リファクタリング
・保守性、可読性の高いプログラム
を連想させます。
例えば
・長い文章を短くする
・語句の吟味
・専門用語
・著者の帽子、読者の帽子
・レビュー
は
・長いメソッドを短いメソッドに分割する
・命名重要
・ユビキタス言 -
Posted by ブクログ
ネタバレ素数をどうやってみつけるかについて、1から100まで整数を並べ、「エラトステネスのふるい」という方法を使ってじっくり解説がすすめられました。素数は特別な数ですが、それをみつける方法にもいろいろあって、古人の工夫によりさまざまな見つけ方があるのがおもしろいです。
オイラー(←名前はよくきいたことがある)は
2次式:n^2 + n + 41で非常に多くの素数を作り出すことができる、といったようです。
「全ての」ではなく、「非常に多くの」というところが素数の奥深さなんでしょう。実際、上記式で計算をすすめたときに素数ではなく合成数になってしまう場合もあります。
あとは数あてマジック。それぞ -
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HeartbleedやCCS Injection,そしてつい先日のbash脆弱性など,暗号からはやや遠いものを含めても,今年はソフトウェアのセキュリティインシデントが目立つ年だと思う.
この本を手にとったきっかけは,そのような出来事の目立つ年だったからである.不測の事態に対して,まずは基礎的な「暗号技術」について学び直そうと思った次第だ.
読み進めるに連れて,断片化されていた大学の知識が,暗号の歴史や論理的必然性を伴って整理されていくのを感じた.
「何故,この時,このような秘匿の技術が必要なのか?」
「この技術によって何が保証され,そして何が不足しているのか?」
等といった疑問が順番に解 -
Posted by ブクログ
数学ガールシリーズ第5弾。
今回は、衝撃的な生涯を送ったエヴァレスト・ガロアが発見した代数方程式に関する理論がメインテーマ。そう言えば、ぼくも中学、高校の頃に、5次以上の方程式にはなぜ解の公式がないのだろうと疑問に思った事があったが、結局受験勉強が終わると、そう言う事は忘れてしまい、じっくりその問題に取り組む時間を作るなどと言う事はしなかった。
大学生の頃、度々代数方程式関係の本などに目を留めたり、ガロアに関する本など買った事もあるが、まじめに読み通す事はせずに、まだ実家に積ん読状態になっている。本書に出会って、改めて学生時代の疑問が解決出来た様な気がする。そもそも問題自体もきちんと把握してな -
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萌えるのが恐くて今まで我慢してきたが、とあるビブリオバトルで紹介されるのを聞いて、ついパンドラの箱を開けてしまった。
これはいかん、忘れていた萌えの要素がある。ツンデレのミルカさんのセリフにいちいち反応してしまう。
そういうお楽しみ要素とは別に、数学部分も分かりやすい。不完全性定理は、その数学以外への意義、影響はいろいろ読んでいたが、数学の部分は全然分からず、岩波の有名な本で挫折していた。
しかし何とこの萌え萌えライトノベルで、挫折ポイントを越えられた。もちろん、証明は不十分。表現定理が所与の定理になっているが、それでも全体像がわかったので、再び岩波の証明に挑戦する勇気が持てた。
結城さん