結城浩のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
本書はわかりやすい文章書く方法がかいてあります。特に数式を含んでいる場合に視点が置かれています。
けれども、文章書く人々に役に立つと思います。それだけでなく、誰かに伝えたいことがある人に読んで欲しい一冊です。
本書は一貫して、「読者のことを考える」ことを伝えています。どんなときでも読者のことを考えます。
* 読者のことを考えて、言葉を選びます。
* 読者のことを考えて、順序立てします。
* 読者のことを考えて、例を作ります。
* 読者のことを考えて、問いかけをします。
迷ったときは読者のことを考えることが道標です。
本書からは本当に読者のことを考えていることがたくさん伝わってきます。
相手 -
Posted by ブクログ
"5次方程式の解の公式は存在しない。そしてその事実は、角の3等分の作図不可能性ととても似ている。" "角の3等分について考えるのは、そもそも<作図とは何か>を明確にする必要がある。ここでいう作図は<定規とコンパスのみを有限回実行する作図(=有理数から加減乗除と開平を有限回実行する作図:引用者加筆)>のことだ。それと同じように5次方程式の解の公式について考えるには、そもそも<方程式を解くとは何か>を明確にする必要がある。方程式を解くとは<係数に対して加減乗除および冪根を求める計算を有限回実行して解を得る>ということだ。このことを<方程式を代数的に解く>という&quo
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Posted by ブクログ
最終的に乱択アルゴリズムを理解するために必要な知識を学生の対話形式にてわかり易く解説しています。
450ページくらいありますが、物語風で書かれていることもあり、思ったほどのボリュームは感じずに一通り読むことが出来ました。
(もっとも、出てくる数式を一つ一つ自分で手書きで書き起こして検証しようと思ったら結構な時間はかかると思いますが)
数学ガールシリーズを読んだのは始めててすが、丁寧に解説されているので文系卒の私でも概要については十分理解出来ました。
実はもともと知りたかった内容とは別だったのですが、それを加味しても読んで面白かったと思える1冊でした。 -
Posted by ブクログ
シリーズ五作目。方程式が代数的に解けるための必要十分条件を見出したガロアの理論を,ガロアの第一論文に沿って見ていく。といっても本書の大部分は体の拡大とか群論といった準備に充てられている。
理系の大学に行っても,数学をしっかりやらないとガロア理論なんてかすりもしないけど(自分がそうだった),そこにはものすごく豊かな世界が広がっているのが感じられる。数学の本質が垣間見えるというか,いろんなものがつながっていく。角の三等分と方程式の可解性にこんな関係があったとは。
受験勉強してたころ,高校数学の範囲でも相当目から鱗で,数学って面白いと感動したものだ。でも,本当の数学ってそんなの目じゃないくらい -
Posted by ブクログ
不完全性定理の証明にリベンジ。証明はゲーデルの論文に沿っていて,結構詳しい。定理の意義も解説。「数学の限界」だとか「理性の限界」という理解は間違っていることを易しく示してくれる。
数学の定理であるゲーデルの不完全性定理が,理性の限界など証明するわけない,ていうのはまあ当たり前だよね…。深読みしすぎ…。というか,この俗説って論理学・数学の素養のないいい加減な文系知識人がまき散らしてきたデマなんじゃなかろうかね。
証明の骨子は次のとおり。
1.形式的体系Pの基本記号・公理・推論規則を定める。
2.Pの基本記号と列に数を割り当てる「ゲーデル数」を導入。
3.原始再帰的述語を定義し,表現定 -
Posted by ブクログ
読んでいて鳥肌の立つほどそそられる本でした。
あみだくじにはじまり、角の3等分問題、作図可能性の問題、正規拡大体、正規部分群、ガロア理論、、、と非常に興味深いトピックを無理なく自然に、とてもわかりやすく記述しているのは、驚嘆に値します。
おそらく著者自身が、これはどういうことなのか、ということを腑に落ちるまでじっくりじっくり煮詰めたからこそ、こういう本が書けるのだろうな、と思いました。「例示は理解の試金石」、確かに私もそう思います。
本当は有限体まで言及されていることを期待していたのだけれど、(それは言及されていなかったのだけれど)、私はこの本に、迷い無く5点をあげたいと思います。
超