結城浩のレビュー一覧
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確率、順列、組合せ、O記法、行列と、本当に丁寧に分かりやすく書かれていました。
難度のインフレーションについては、今回はさほどではなかったものの、第8章あたりから手ごわくなって第9章はストーリーを追ってしまい、数式は後回しの状況です(そのうち読み返すかなぁ)。
そうそう。『ソフトウェアの品質評価法』という本の確率の定義のところですが、数学ガールではこんな風になります(公理1の部分だけ書きますね。後は本を読んでね)。
確率の公理
Ωを集合とし、A, BをΩの部分集合とする。
PrをΩの部分集合から実数への関数とする。
関数Prが以下の公理P1, P2, P3を満たすとしよう。 -
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"ε-δ論法"の説明がとても分かりやすかったです。
それから、《重なるペア》の話がものすごく良い。『数学ガール』の本質を表している話だと思いました。
さて、タイトルにある「ゲーデルの不完全性定理」ですが、第1章にいわゆる「クレタ人の嘘つき問題」の亜流が載っていたので『理性の限界』のような理解のさせ方をするのかなと思って読んでいたのですが、その予想は見事に裏切られ、きっちりと証明してくれました。
うーん。一読しただけの今はまだちゃんと理解できていないけどすごいことだと思います。
それから、テスト関連の人は、数学で言うところの「同値関係」の説明がしっかり書いてあ -
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ツンデレのミルカさん、ドジッ娘のテトラちゃんに、今回新たに登場した妹キャラの(主人公の従姉妹の)ユーリら数学ガールたちと主人公である僕が織りなす物語です。
全体的によいのですが、なかでも「砕ける素数」の話が一番おもしろかったです。要するに、2, 3, 5, 6, 11, 13, 17,...は整数の世界では素数だけれど、複素数(ガウスの整数)を持ち込むと、
2 = (1+i)(1-i)
3 = 3
5 = (1+2i)(1-2i)
7 = 7
11 = 11
13 = (2+3i)(2-3i)
17 = (4+i)(4-i)
と言ったように、積で表せるもの(2 -
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ネタバレスレッドのことをよく知らないで、既存のソフトを修正してプログラムを作っているという場合もしばしばあります。
本書は、そのままスレッドのことをよくしらないまま使いつづけるのにも役立ちますし、
スレッドの使い方を覚えるのにも役立つと思います。
デザインパターンという設計の基本的な例題を使うという視点では、
「java言語で学ぶデザインパターン入門」を合わせて読むとよいかもしれません。
著者は、長年、マニュアル本をたくさん書かれているので、さまざまな情報源から情報を収集し、
体系的に説明するのに長けていると思います。
synchronized(同期)を理解するだけでも、本書を読む -
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ネタバレデザインパターンとは、型紙(かたがみ)のことです。
洋服(仕立て)屋さんが、服を作るときに用いるものです。
上着を作りたければ、上着の型紙が必要です。
上着の型紙は1種類とは限りません。
デザイン(設計)に応じて、数種類から数千種類の型紙から選ぶ必要があります。
10や20の型紙を知っているだけで、使いこなしていると勘違いすることがないように、本書をじっくり読みましょう。
デザインパターンのことをよく知らないで、既存のソフトを修正してプログラムを作っているという場合もしばしばあります。
本書は、そのままデザインパターンのことをよくしらないまま使いつづけるのにも役立ちます。
デ -
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暗号技術について知りたいと思い購入。この作者の著書全般に言えることだが、分かりやすく、それでいて原理や詳細をきちんと抑えることができる。すばらしい!□わかりやすい記述 ◇図解・フローチャートが多くわかりやすい ◇適切な難易度のクイズ問題が提示されており 理解を深化できる ◇要所要所で適度な抽象化の記述が挿入されており 把握しやすい□原理の詳細の記述 ◇フローチャート・数式を用いて暗号アルゴリズムや 認証アルゴリズムを詳細に記述している ⇒プログラミングの知識のある人ならば実装も 可能なレベルの情報が記載されいている□多様な内容の記述 ◇暗号学者の道具箱(6つの技術) ◇SSL/TL
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ネタバレ数学の、いわゆる「論理と集合」の分野の話がメイン。
ものすっごく分かりやすい。そして面白い。
かつて高校の時に自分が考えたけどたどり着かなかった、そして大学に入ってからは考えることもなくした内容に手が届いていて、久しぶりに「頭を絞る」感覚に喜びを覚えた。抽象的な思考というのかな。
問題と解説だけでなく、その答えに至る発想とか根底にあるもの、さらにそれにとどまらずその発想に至るまでの思考の過程までもが繊細に記されていて、読んでいて心地いい。まるで自分の思考が先読みされているような。
高校生に読ませて、高校では軽く流されがちな「論理と集合」分野の大事さを知らしめるのに非常に適していると思った。 -
Posted by ブクログ
ゲーデルの不完全性定理って、ずーと興味があっても、関連する書籍を読んだことがありませんでした。
「数学って完全なものじゃないんだ」と漠然と思っていました。少し残念に思っていた気持ちもありました。
数学ガールの他の本も読んだことで、この本にもチャレンジしました。
詳細は、1回読んだだけでは理解できていません。
ゲーデルが言う「不完全性」の定義、「無矛盾性」の定義は、明確に理解できました。そして、それらの意味は、一般の辞書の意味と異なることが分かりました。
ゲーデルの不完全性定理が、「数学は無意味なもので、役に立たない」ということを意味していない(俺の解釈です)ことが分かったことが、