結城浩のレビュー一覧
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今はただ読み終わってしまったというその事実があるだけ。数学ガールが完結するなんて思ってもいなかった。
ほとんど理解もできない ゼータ関数やオイラー積、こういったものを追いかけて自分は何を求めていたのか。今までわからなかったものを少しでも理解したいというその気持ちをもって数学ガールに登場した人物と一緒に その論理を追いかけた。数学は一人で行うものではない。一人で考える時間は大事だけれどもその発展は人類の長い歴史において少しずつ行われてきたものだから。それを理解することにもすごく長い時間がかかるはずだし たくさんの人の助けが必要になる。
数学ガールはそういうことを教えてくれる。 -
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ネタバレ確率は私の苦手分野で、アルゴリズムも触れたことが全くないので、初めのうちはとてもとっつきにくい印象を受けました。特にアルゴリズムは数学よりも情報のイメージが強く、どんな関係が?と思っていました。しかし、苦手な二項分布が取り扱われ、それが模試に出た時には数学ガールに感謝しました。また、最終章で乱択アルゴリズムについて言及する際に以前の章で扱った分野が用いられていて、鮮やかな伏線回収に痺れました。シグマが出てくる数式がシンプルな分数の2乗で表された時は感動しましたが、私が一番感動したのは専門的な分野にも、学校でよく習ったコイン投げの考え方が用いられていた時です。確率とも、アルゴリズムとも友達になれ
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ネタバレ3巻まで根気よく読み進めて行くと、私もだんだん数学的センスががついてきました。ミルカさんから出された問題や質問に答えられるようになったり、物語の展開が少し予想できるようになりました。一番感動したのは、なんと作者は帯、それも背表紙にまで伏線を張っていたことです。主人公が実力テストで挫折をしているときにテトラちゃんに励まされ、数学を学ぶ喜びを知って立ち直るシーンでした。帯に書かれた「数学の喜びをあなたへ」というキャッチコピーとリンクしていることに気づき、文体の美しさもあいまって感動のあまりしばらく悶え苦しみながら「生きててよかったー!」と連呼してしまいました。メタ数学と最終章のゲーデルの不完全性定
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ネタバレ前作に引き続き、二巻目のフェルマーの最終定理を読んでみました。一巻を読んでいたときは、「よく分からないけど、数学って奥深いな」と思っていたのが、今作では登場人物と一緒に考えて答えを出すことができるようになっていました。オイラーの等式という有名なテーマであっても、しっかりと登場人物の話についていき、彼女らと同じ時を過ごせるようになりました。他にもたくさん分からない数学ワードが出てきてもロジックを理解できるようになり、私も数学ガールを名乗れる日が来るのも近い気がします。また、登場人物の名言が増え、中でもミルカさんのセリフが心に響きました。また一人、私が尊敬する数学者が増えました。しかし、一番感動し
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暗号技術と聞くと、難解な数学や専門的な理論を思い浮かべて尻込みしてしまう方も多いかもしれません。ですが、本書『暗号技術入門 第3版』は、そうした先入観を心地よく裏切ってくれる一冊です。
平易な文章と豊富な図解によって、読者の「なぜ?」に寄り添いながら、複雑な技術の構造を一つひとつ紐解いていきます。専門書でありながら、まるで対話するように読み進められることに、まず驚かされました。
本書が印象的なのは、「この暗号技術で何ができて、何ができないのか」を正面から教えてくれる点です。なぜそのような設計になっているのか、どういう攻撃手法が想定されているのか――読み進めるうちに、ただの知識が実感を伴った -
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この本は担任の先生の勧めで読み始めました。恋愛の描写では「いや、そうはならんやろ!」と思うところもありましたが、数学の美しさ、登場人物の名言に心を動かされました。初めはよく分からなかったミルカさんの数学も、章を重ねる毎に分かるようになって自身の成長を感じ、難しい問題を美しく解いた時は登場人物とともに歓喜の声を上げました。絶景スポットに行ったかのような感動に身を震わせ、こんなに美しい世界があったのか、生きててよかったと何度思ったか知れません。分からなくとも読み進めれば憧れのようなものを感じ、いつか理解して解いてやると熱意を覚えました。ただただ私をときめかせ、数学を生きがいにしてくれる、愛用の参考
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正確で読みやすい文章を書くためには才能が必要だと思っていませんか?「日本語が変」「文章が読みづらい」と指摘されたとき,もしくは誰かの文章を読んで「読みやすい」「内容がわかりやすい」と感じたとき,なにが良くてなにが悪いのか具体的にわからずにモヤモヤした憶えはありませんか?
理系にとっての文章作成技術のバイブルと言えば物理学者・木下是雄著『理科系の作文技術』もそのひとつですが,書きぶりが硬派で,途中でお手上げした人もいると思います。
今回紹介する本は『数学ガール』シリーズなど入門書を多数執筆し,読みやすさに定評のある著者が公開した「もっと明確で,もっとよく伝わる文章を書くため」のノウハウ本です -
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あまりに美しい物語
黄金に覆われた鉛の体を持つ像は
幸福な王子と呼ばれた夭逝の王子の姿と心を継いでいる。
その王子像と、渡りの旅の道中にあるツバメの
出会いと愛の物語。
悲劇ではあるが、町の人々は王子像とツバメによって救われているのだ。
悲しいだけの話ではなく、王子とツバメの気高さが胸を打つ。
ツバメが実は主役なんだな。
ツバメは、暖かいエジプトに旅立つ事を放棄し王子が自らの体を貧しき人々に分け与える手助けをする。
「私は男が苦手なんですよ」なんて気取った事ばかり言う、多弁なツバメが王子の美しさに惹かれ
王子の外見以上に美しい心に触れ、次第に王子を誰よりも愛するようになる。
ツバメは愛を知ったのだ。
王子とツバメ