あらすじ
どういうポイントに気をつければ読者の迷いや誤解を生まない文章になるのか、作業はどのように進めれば良いのか。入門書を多数執筆し、読みやすさに定評のある著者が日頃実践しているノウハウを惜しみなく公開。『数学文章作法』シリーズ第2弾。
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正確で読みやすい文章を書くためには才能が必要だと思っていませんか?「日本語が変」「文章が読みづらい」と指摘されたとき,もしくは誰かの文章を読んで「読みやすい」「内容がわかりやすい」と感じたとき,なにが良くてなにが悪いのか具体的にわからずにモヤモヤした憶えはありませんか?
理系にとっての文章作成技術のバイブルと言えば物理学者・木下是雄著『理科系の作文技術』もそのひとつですが,書きぶりが硬派で,途中でお手上げした人もいると思います。
今回紹介する本は『数学ガール』シリーズなど入門書を多数執筆し,読みやすさに定評のある著者が公開した「もっと明確で,もっとよく伝わる文章を書くため」のノウハウ本です。いい例・わるい例の文章比較や,わるい例が読者に与える迷いや誤解の理由など,語句の選定から文章構成まで実践に即してわかりやすく解説しています。今回紹介する『推敲編』と対になる『基礎編』もあります。
レポート・論文・プリントなどで文章を書く機会が増える皆さんへ,文章作成は才能ではなく技術であり,誰にでも習得可能なものであることを伝えられればと思います。
坂野文菜(エンジンシステム工学・講師)
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第1章 読者の迷い:一本道の文章の流れを作る
第2章 推敲の基本:読者として読み返す,ずれを探して直す作業を繰り返す
第3章 語句:意味が明確に一つに定まる語句を選ぶ
第4章 文の推敲:文を短く明確にする
第5章 文章全体のバランス:分量と品質のバランスを整える
第6章 レビュー:レビューの流れや注意点
第7章 推敲のコツ:限られた時間で効率的に文章を改善する
第8章 推敲を終えるとき:十分に正確で読みやすい文章ができたら
第9章 推敲のチェックリスト:まとめ
Posted by ブクログ
「はじめに」にもあるように、数学に限らず文章全般に役立てられる内容です。
書いてある内容は自分が元々気をつけていたことが大半でしたが、この本自体の文章が読みやすくて勉強になりました。
Posted by ブクログ
基礎編と同様に著者の主張する「読者のことを考える」という言葉に全てが集約される。
そして、この本自体が「数学文章作法」のテクニックが詰まった書籍であることで、
二重に得るものがある。
基礎編では書くことに主眼を置いていましたが、
推敲編では書きなおすことに主眼を置いています。
筆者がプログラミングが得意、ということもありその文章内容はどことなく
・リファクタリング
・保守性、可読性の高いプログラム
を連想させます。
例えば
・長い文章を短くする
・語句の吟味
・専門用語
・著者の帽子、読者の帽子
・レビュー
は
・長いメソッドを短いメソッドに分割する
・命名重要
・ユビキタス言語
・実装の帽子、リファクタリングの帽子
・コードレビュー
のように連想できます。
上記のように本書の説明が一番響きやすい層は
ソフトウェア開発者なのかもしれません。
Posted by ブクログ
チェックリストがすごく便利。文章を書くときは、常にこのチェックリストを確認するようにしたい。チェックリストの内容がおぼろげであれば、また本書を読み返して、とことん自分の頭にすり込んでいきたい。
Posted by ブクログ
「当たり前」をこのように体系立て、人にわかりやすく説明できるということは、高いレベルでの理解が必要であり、大変な技術である。
ボリュームに比して高めの価格設定だが、筆者が長年かけて培ったノウハウの凝縮であり、エッセンスが非常にコンパクトにまとまっているということでは、冗長で分厚い本よりも価値があるといえる。
「作業ログ」の具体例が別途Webにでも紹介されているとすごく参考になると思う。
聞いて(読んで)みれば当たり前だが、当たり前を毎回・繰り返し実行出来ているかが重要である、という、マスターキートンの誘拐回避レクチャーを思わせるような一冊。