結城浩のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレプログラミングや数学に苦手意識を持つ人にこそ、この本は心強い味方となるでしょう。結城浩氏の「プログラマの数学」は、単なる技術書を超えた、知的探検の旅路を提供してくれます。
私たちは日々、論理的な思考や問題解決に携わっています。SEやエンジニアとして働く中で、「なぜこの処理が必要なのか」「どうしてこの手順で進めるのか」という本質的な疑問に直面することがあります。この本は、そんな根源的な問いに対する答えを、優しく、時には遊び心を持って語りかけてくれます。
特に印象的なのは、著者が数学的概念をパズルや物語として展開する手法です。例えば、「ゼロ」という概念を通じて「ない」ということの存在価値を考え -
Posted by ブクログ
2024.11.05〜2024.11.07
ポアンカレ予想のイメージが掴める一冊。
位相空間までは大学で学んだが、そのあとは深く勉強してなかったので復習&更なる知識で非常に楽しめた。
幾何学的な話なので、他のシリーズに比べてイメージがしやすく理解しやすい内容だった。(というより、ミルカさんも途中話しているがこれ以上踏み込むともはや専門書レベルになると思われる。)
ポアンカレ予想はよくロケットの話に例えられるが、それよりももう少し数学的に踏み込み、3次元の閉多様体を考えやすい3次元球面に落とし込むには、その基本群が単位群に同型であることを調べれば良い、ということを理解できたことが個人的に -
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2024.10.22〜2024.10.25
代数学の楽しみを体験できる一冊。
大学生の頃、代数学はあまり好きになれなかった。抽象的なことが多く、なんとなく理解できるけどだから何?享受もただ教科書の内容を板書するだけ。
もちろん、ゆくゆくの数学を学ぶ上で大事な概念だとは思うが、結局は面白みを感じず代数分野からは離れていった。
この本は五次方程式が解の公式を持たない、という数学好きなら聞いたことがある知識をゴールに据え、必要な代数の考えを具体例を交えて示してくれているので非常に面白かった。こう言うふうに何かゴールを持って進めてくれる代数の授業があればもう少し楽しく取り組めたかもしれない。
他のシリ -
Posted by ブクログ
2024.07.28〜2024.08.01
ゲーデルの不完全性定理について書かれた本。数学の院はでているが、この本だけでは完全に理解はできなかった。時間があれば専門書も交えて議論を積み重ねたい。
ざっくり理解したのは、下記の二つ。
・「証明できること」の定義をしたうえで、「ある定理が証明できないこと」の証明は存在するとしてもしないとしても矛盾が生じること。(すなわち不完全)
・不完全という言葉のネガティブさほど事態は深刻でなく、私たちが自然と考える公理系から得られる体系では証明できないことの証明ができないことは存在してしまうが、だからといって現在存在する定理の証明が崩れるということはなく、数学