結城浩のレビュー一覧
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このベクトルの回は他のものに比べてわかりやすい。計算が簡単であること、図形で表せること、その図形が比較的簡単であること、が理由。ただ基本を理解するにあたって、いくつかの根本的な疑問が話されている。ひとつはベクトル同士の足し算をするときに、便宜的にグラフ上で考えるに当たって、ベクトルを動かしてしまってもいいのかどうか。これはベクトルが大きさと向きを表すものであるから、いいという結論となっている。次に普通の計算でマイナスとマイナスのかけ算がプラスになることがうまく理解できなかったのと同じように、逆方向のベクトル同士の掛け算でもマイナスになること(ただしマイナスのベクトルではなく数としてのマイナスに
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Posted by ブクログ
ネタバレ数列を学んだときにそれをどういう場面で使うか考えたことがあっただろうか。
Σ わかりやすいとは言えないこの記号をなぜ使うのか。便利だから。数列を例として書こうとすると途中から「、、、」と書くしかなくなる。定められた記号で表現できる。
数列をどんどん足していくとどうなるか。ここでははっきりとした答という形に限らず、どういう値に近づいていくと考えられるかが語られる。何かに近づくその値のことを極限という。確かにそこには数学らしからぬ曖昧さを感じる。でも数式をどんどん変換していって、表現を少しずつ変えていくことで極限を見つける。そのプロセスはいかにも数学的。
次の「微分を追いかけて」を先取り -
Posted by ブクログ
ネタバレ微分は瞬間の変化率を求めること、という定義から出発して、位置を時刻で微分すると速度が、さらにそれを時刻で微分すると加速度が得られるという物理法則としての定義と重ねて話がすすんでいく。
微分をすると何度行っても必ずしも定数になるわけではないという説明として、三角関数の例が説明される。これも物理でいう単振動、振り子を表す式になることと重ねて話がすすむ。
最後の複利計算の話では、収束、発散(正の無限大に発散、負の無限大に発散、振動)の考え方も出てきて無限の世界が垣間見れる。最後のミルカさんの証明は二項定理を使い難易度が高い。
もしも微分だけを学ぼうとしたならば、その概念が表す意味を見出すこ