結城浩のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
本書は 2008年の著作。シーザー暗号やエニグマといった歴史上有名な暗号を軽く紹介したのちに、本題は現代の ITを支える暗号たちの概要。DES/トリプルDES/AES といった対称(共通鍵)暗号や、公開鍵暗号(RSA)、そしてそれらのハイブリッドである PGPや SSLといった技術の仕組みを学ぶことができます。そしてこれらを通じて「暗号とは何か」ということについて幾つかの視点から理解することができるような仕掛けになっています。結城さんの本を読むのはこれが3冊目くらいですが、いつも教え方のうまさに感心します。限られたページ数にバランス良く知識を配置し、それらから普遍的な抽象概念や原理原則を導く。特に本書では随所に置かれた「クイズ」が秀逸。まさに私の職場での輪講で先輩社員が繰り出すような質問で、ここで立ち止まって考えることによって理解が深まるようにできています。このような本をかなりのスピードで連発している結城さんには感心します。
紙面の都合で各暗号についての詳しいことは省略されています。「AES(Rijndael)のsubbytes処理って何をやってるんだ?」など詳細の仕組みや、「なぜSHA-1は32bitx80という単位を選んだのか?」といったノウハウの部分を知りたい人は、別の文献に進んでください。また、暗号と言えば様々なドラマが付き物なので、そちらに興味のある人はサイモン・シンの「暗号解読」などがお勧めです(久しぶりに読みたくなった...)。 -
Posted by ブクログ
数学は難しい。苦手。
そう確信したのは、高校生の時だった。履修したものの中で数?は何とか通り越したけど、基礎解析はメタメタ、代数幾何はまだマシ、確率統計は、眺めていた、というような状況で、授業中、何していたんだ、という現在からの突っ込みは、「目を開けて寝ていたんだよ」としか言いようがない。
いろいろな授業名で数学は勉強したが、一つひとつはひどくばらばらで、「一緒なら、数学の時間は少なくてすむのに」と思ったりしたのはともかく、とにかく学問として独立してしまっていたように思う。
この「数学ガール」、ピタゴラス数から始まりオイラーの公式を経てフェルマーの最終定理へと向かう。小説とはあまり思わない方がいい。数式がいっぱい。
実際の数学としては、テトラちゃんの言うように数学の洪水に流されてしまったというのが本当のところ。でも、それなりに成果はあったと思うので、それをつらつらと。
素数
着ている服をすべて脱がせ、その人らしさだけにしてしまったのが素数。服や化粧やアクセサリーではごまかせない。それらが絡み合って世界を作っていく。ああ、だから元素と近いんだ。
砕けない素数
素数を4で割ってあまりが3になる。虚数の世界でも砕けない素数。わたしの生年月日は計算してみると、砕けなかった。
式や公式
今まで式や公式は、当てはめられるかくらいしか考えたことがなかったように思うけれど、言うなれば、これらは体の関節部分で、その働き方を知っていれば、それを元に、ロボットなど、別のものを作り出すことができる。可能性。原料。
代数と幾何との出会い
何となく別物だったはずの二つが邂逅した。その先は、まだ分からないけれど。
自分が寝ていたせいかは分からないけれど、たくさん出てきた知らない言葉は、メモメモ。
余談だけれど、登場人物の名前、テトラちゃんは4、ユーリは有理数、エイエイはaaかな。ミルカさんは分からないけど、ここまで来たら、主人公の名前はソースケ(素数)に違いない! ここはソースケのハーレムだ! という話。
間違いがあれば、求む、訂正!
※某サイトより転載 -
Posted by ブクログ
先日の入試でまっっったく歯が立たなかった問題、これの行列の問題に酷似してました。前もってこれ読んでいたとしてもたぶんやっぱ解けなかったに違いないので何とか立ち直りました。
てっきり今作で終幕かと思いきや、まだ続くみたい(第五作があるらしい)。
込み入った数学の話は今回も全くついてゆけませんでした――自分の勉強不足/やる気の無さです――が、確率論が中心だったためかある程度は納得。あと高校で履修しなかったくだんの行列の仕組みが多少分かりました。本編の核心「乱択アルゴリズム」に関してはイミフでしたorz
……前3作と一緒にまた後日読み直します。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ読んだ人を分かった気にさせる。
これがいかに難しいことか。
高校生のレベルから、教養ではやらないやや最先端の話まで満遍なく含めて、幅広い読者層に知的満足感を与える。
数学ガールたちの会話とか面倒だから読み飛ばした。
乱数を用いることで計算量を減らすことができる。
タイトルにも入っている乱択アルゴリズム。
ランダムを与えると正しい答えに早く近づく。
アルゴリズムの不思議である。
以下の問題が興味深かった。高校のときにやってそうで、やっていないかったと思う。
問
すべての目が出るまで、サイコロを繰り返して投げる。
このとき、投げる回数の期待値を求めよ。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ確率と行列とアルゴリズムの話
そして少しだけ未解決問題のひとつP≠NP問題についても
前巻に比べると高校生にも比較的とっつきやすい話だったかな。
テトラちゃん大活躍で個人的には満足だけど,ミルカさんも意外な貌がちらりと見えて,これはこれで悪くない(笑)
そして,卒業式の前日に読み終えたので,エピローグはなんかうんうん,そうだそうだと思った。もちろん教師の立場としてね
このシリーズを読んできて思ったけれど,この本は数学好きだけではなく,教師を目指している高校生なんかにも読んでもらいたいと思う。
このシリーズには,そういう生徒に対するちょっとした道しるべ的な読み方もあると思う