結城浩のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
不完全性定理です。
無限の取り扱いを入り口として「数学を数学する」というテーマの今回の数学ガール。
関連して出てくる主な内容は「ε-δ論法」「カントールの対角線論法」「ペアノの公理系」と来て、形式的証明やゲーデル数あたりの説明をして「不完全性定理」の証明を追いかける流れ(だったと思う)。
「ガリレオのためらい」の克服として紹介されていた、「無限集合では部分集合と全体集合の間に全単射が存在する」という不思議なことが起こるが、それこそが「無限の定義である」という発想の転換が印象的でした。
最終章はほぼゲーデルの論文の証明を追っかけて行くだけの内容。
以前より公理系から定理を作るのは、自作関数 -
Posted by ブクログ
「当たり前」をこのように体系立て、人にわかりやすく説明できるということは、高いレベルでの理解が必要であり、大変な技術である。
ボリュームに比して高めの価格設定だが、筆者が長年かけて培ったノウハウの凝縮であり、エッセンスが非常にコンパクトにまとまっているということでは、冗長で分厚い本よりも価値があるといえる。
「作業ログ」の具体例が別途Webにでも紹介されているとすごく参考になると思う。
聞いて(読んで)みれば当たり前だが、当たり前を毎回・繰り返し実行出来ているかが重要である、という、マスターキートンの誘拐回避レクチャーを思わせるような一冊。 -
Posted by ブクログ
数式交じりの文章の書き方について論じた本です。
この手の本を書くのは、大変だと思います。
読者がこの本を読んで、分かりにくいと思ったら、それだけで説得力ゼロになってしまいますから・・・。
結論。
エンジニアは、是非読んで欲しいです!
読んでみて、少しでも分かりにくければ、実践しなければ良いだけです。
分かりやすいと思えば、実践しませんか。(^^)
★4つです。
----------------------------
(参考:評価基準)
★★★★★:座右の書である、または、座右の書とすべきである(10%)
★★★★:自分の知り合い、友人、家族全員が読んで欲しい(20%)
★★★:「費用 -
Posted by ブクログ
数学・物理で日本語の文章を書きたい方必携の書.数学的内容を含む文章をどう書くべきかについて,機械的にできる部分,そうでない部分どちらも詳しく書かれている.例を挙げるならナカグロ(・)とカンマ(,)の使い分けでは,
順番が関係ある場合→コンマ
例 「信号は青,黄,赤の順に点灯します.」
順番が関係ない場合→ナカグロ
例 「信号の色は青・黄・赤があります.」
(青・赤・黄などと書いてもよい)
など,状況に応じて機械的に使い分けられる,業界等の標準のルールがたくさん書いてあり,本当に重宝します.
著者は「読者のことを考える」ということ一つを大切にすれば,
本質的にすべてうまくいくと考えており -
Posted by ブクログ
ネタバレ数学ガール本編を読んで難しくて一部消化不良になったため、優しい内容になっているという秘密ノート編を読んでみました。
確かにこっちは優しい!
多分高校1年くらいまでの数学をやった人ならわかる内容です。
でもちょっと本編との差がありすぎてあっという間に読んでしまいました。
「式とグラフ」は方程式とグラフの関係をつっこんで考えていくものでしたが、数学の中では比較的わかりやすい分野だからかもしれません。
一次方程式なら直線、二次方程式なら放物線とかそういう関係に着目して、なぜそうなるかについて、方程式を変形させながら考えていくような内容です。
数学の先生はグラフが大事というけど、なんで大 -
Posted by ブクログ
数学ガールシリーズ第4弾は、現代数学の基礎からちょっと離れ、アルゴリズムへ。読者層を考えると、適切な選択かもしれない。なんせ理系なオタク層向けとしか思えないキャラ設定だから。
最初の方は、確率論。特に直感に反する確率として有名なモンティ・ホール問題に、分かりやすい説明を試みる。確率を煮詰めるという例えは確かに、これまでに読んだ中では分かりやすいと感じた。
中盤からは、擬似プログラム言語を使ったアルゴリズムの基礎。大学でちゃんとアルゴリズムを学んでこなかった人向けに、社会人SEの1年目の教科書にしたい。
より早いアルゴリズムを目指し、乱択の思想にいたる。ここで前半の確率の話が生きてくる。と